Golf Tips Vol. 93

久保さんの「80を切った、その日」

札幌にお住まいの久保さんからの朗報です。前半を好調で廻ったものの、後半でどんどん貯金を吐き出しながらのスリルとサスペンスに富んだラウンド。「決して捨ててはいけない」、「諦めてはいけない」という見本のようなリポートです。肝に銘じたいものです。

当年29歳、ゴルフ道五年目のサラリーマン・ゴルファーです。こちらのサイトの沢山のtipsはいつも参考にさせて頂いておりますが、苦手なショートゲームに特に注目しています。現在のお気に入りは、目を閉じてパット練習するという「座頭市 v. 丹下左膳」、インパクトで胸を張れという「義父の秘伝」です。

日時:5月22日(日)
天候:晴れ、気温20℃
コース:千歳CC、6,482ヤード、パー72
スコア:38+41=79

ここはいつも風に悩まされるコースなのですが、この日は珍しく無風。天気も暑過ぎず寒くなく最高のコンディションでした。前日も同じコースでラウンドしていたためグリーンの早さは分っていました。この時期グリーン上に大量の砂を撒いて芝の育成を促進しているので、非常に重いグリーンに仕上がっています。いつも遅いグリーンに慣れている私にはそれが良かったのかもしれません。

INからのスタート。過去に数回ラウンドしたことのあるこのコース、ラウンドしての感想はINがやや易しく、OUTの方がちょっと難しい。目標である70台を出すには、INでどれだけ稼ぐかが重要なポイントになります。

なかなか良いペースで過ぎていった前半は38、ティーショットでフェアウェイを外したのは一度だけで、パーオンを逃したのは三回。ショットが好調でした。好スコアが出たので当然80切りは意識します。後半は41以下で廻ればいいんだ、ミスは五回も許されるんだ…となるべく気楽に考えるようにしました。

後半、意識しないようにしていたのですが、出だしホールでパーを取ってから2ホール目にダボ。その影響を引きずってそれから連続3ホールボギー。あっという間に貯金を吐き出してしまいました。アプローチが寄らずパターでもそれをカバーできません。気持ちだけが焦ります。

次のホール、ティーショットを曲げながらも、二打目に難しい斜面から何とかグリーンに乗せたのですが、たいして難しくもないラインを3パットしてボギー・・・。スコアははっきりと数えていなかったのですが、80切りが遠のいて行くのが分りました。丁寧にやって貯めた貯金を、無策のままむしり取られていくのは身を削られる思いです。残りのホールすべてパーでも80。希望は潰えたかに見えました。このままズルズルと崩れるわけにはいかない。緊張の糸を切らさないように心がけます。

次のロングで突然ポコっとバーディーが来ました。これだからゴルフは分らない。希望の火はまだ消えずにかすかに揺らいでいる。スコアのことはなるべく意識しないようにし、平常心で臨んで続くショートホールをパーで乗り越え、ようやく最終ホールにたどり着きました。

最終ホールはティーグラウンドからは左右がゆったり広がっており、OBの心配は全くありません。プレッシャーのかからないはずのティーショットだったのですが・・・、ここまで好調だったドライバー、何とここで痛恨のチョロ・・・。当たり損ないは100ヤードしか飛びません。250ヤード以上も距離を残してしまいました。これが80切りのプレッシャーなのか。チョロったボールの行き先はラフでしたが、ライは悪くなく、フェアウェイウッドを使うことが出来そうでした。勝負の一打は3番ウッドを使うことに決めました。目一杯ひっぱたきます。ややフォローの風に乗ってボールはグリーン手前、残り20ヤードの花道へ。ここから慎重に1.5mに寄せました。

最後の仕上げのパターです。ラインは難しくありません、まっすぐ打てば入るライン。決めて79。2パットだと80。たった一打ですが、トータルスコアで考えると大きく意味が違ってきます。ここで80切りを達成出来なければもう一生出来ないのではないかとも思えて来ます。手に汗握りながら打ったパットはド真ん中からズドンと入りました。ボールを拾い上げる間ももどかしく、すぐにスコアカードを開いてスコアを数えます。・・・間違いない、後半のスコアは41。38・41は79で、自身初の80切りの瞬間でした。

(June 02, 2005)


瞬時に緊張を取り除く方法

'Shrink Your Handicap'
by Phil Lee, M.D. and Jeff Warne (Hyperion, 2000, $14.95)

「ハザードが目の前にある時、あるいは難しいショットを打たねばならない時、われわれの身体のどこかが固くなったり集中心を失ったりする。そういう場合に素早く効果を発揮するリラクセーションの方法。

誰も見ていない時とか、グリップに目を落とした時などに、数秒間目を閉じる。液状になった緊張が頭から、胴体と両脚、それから足の裏を通過して地面に流れ出すところを想像する。

このプロセスは二秒以下で済む。あなたの心身はリラックスしてのびのびとしている筈だ」

(June 02, 2005)


ドライヴァーのウォームアップ

'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)

「アマチュアの欠点は、ドライヴァーをあまりにもハードに打つことだ。ウォームアップを終了する前に、ドライヴァーをソフトに打つ練習をしよう。

先ずドライヴァーで100ヤードの距離を打つ。次は125ヤード。そして150ヤード。次第に距離を増やして行くが、最後の段階となってもあなたの最大のパワーを使ってはいけない。

No. 1ティーに立った時、先ほどのソフトなドライヴァー・ショットを心の中でイメージする。素晴らしいティー・ショットが出て驚くことだろう」

(June 04, 2005)


海彦山彦

'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)

「海辺のホームコースでプレイしている人が山岳コースを訪れた場合、通常の約10%は飛距離が増す。5番アイアンで通常160ヤード飛ぶ人が高い土地へ行くと約176ヤード飛ぶということになる。クラブ選択は注意深く調節しなくてはならない。

逆もまた真。高地に住んでいる人が海辺のコースを訪れると、ボールはいつものようには飛ばない。ワン・クラブ、あるいはツー・クラブ大きいものでグリーンを狙うべきだ」

(June 10, 2005)


笑話

'Groaners'
by Bill Lloyd, a reader of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' June 2005)

「スコアをごまかすのが習い性となった男がいた。彼はホールインワンを達成した時、スコアカードに"0"(ゼロ)と書いた」

'Groaners'
by the editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' July 2005)

「ある日男が帰宅すると、妻がとてもセクシーなネグリジェを着用して出迎えた。『あたしを縛って!』と妻が云った。『あなたがしたいことを何でもして』 で、夫は妻を縛り、ゴルフ場へと出掛けて行った」

(June 16, 2005)


[Lie_angle] ライ角のまとめ

正しいライ角というのは写真の赤い色の角度だそうです。クラブのソールの中心部が地面に接しています。

もしライ角が多いと(緑線)ゴルファーは余りにもボールに近く立つ窮屈さから、クラブヘッドのトゥを浮かして構えることになります。その結果、クラブヘッドはヒール側で接地することとなり、地面にヒールがつかえてフェースをクローズにするため左方向への軌道が出易くなります。インパクト・シールを使うと、ボールもヒール寄りで打たれていることが分ります。このケースでは、このクラブは「過度にアップライト」と定義され、ライ角を減らさなくてはなりません。

もしライ角が少ないと(青線)、ゴルファーは余りにもボールから離れて立つことになり、その落ち着かなさを解消するためクラブヘッドのヒールを浮かして構えることになります。その結果、ボールはトゥ側で打たれ、右方向へのボールが出易くなります。インパクト・シールでは、ボールの痕跡もトゥ寄りに固まります。この場合、このクラブは「過度にフラット」と定義され、ライ角を増やす必要があります。

【参考】
・「ライ角と弾道」(tips_87.html)
・「ライ角の調整」(同上)

(June 25, 2005、改訂June 02, 2015)


[Lie_check] ライ角の判定

先ず、クラブのソールに貼るテープを用意します。包装用の紙テープ、塗装用のマスキング・テープなどが最適です。

もう一つ、何か堅いマット(板、硬質プラスティック板など)を見つけます。鉄板はクラブと手を傷める恐れがあるので不可。

クラブのソールにテープを貼り、マジック・マーカーを底部全面にぬります。マットにスポンジ・ボール(無ければ紙を丸めたものか何か)を置き、実際に打ちます。トップしたらやり直し。テープがマットと接触する必要があります。

写真のAのようにセンターに痕跡がある場合は、ライ角は適切です。ヒール寄り(B)に痕跡があるなら(フックやプルが出易い)、そのクラブは過度にアップライトなため数度フラットに調整する必要があります。その逆のトゥ寄りのCですと(スライスやプッシュが出易い)、過度にフラットなので数度アップライトに調整すべきです。

(June 25, 2005)


シャフト・フレックスと振動数

シャフトの振動数の単位はcpm(cycles per minute)で表示されます。シャフトが硬いほど振動数は高くなります。

理想的には、2番アイアンからピッチング・ウェッジまで、振動数は4cpmずつ増えて行くべきものです。

一般的にはシャフトの硬さはX(Extra Stiff)、S(Stiff)、R(Regular)、A(Men's Flexible)、L(Ladies)という風に表示されています。理想的には、それぞれは10cpmの差がなくてはなりません。現実には、メーカーがそれぞれ独自の基準の振動数でX〜Lまでを区別をしているため、クラブについているX〜Lのラベルは完全に意味がないそうです。

golfworks.comが2002年に業界のシャフト・カタログにある製品をテストしたところ、「Rフレックス」と表示されているシャフトには48cpmもの幅があったそうです。言葉を換えると、これら「Rフレックス」のシャフトのいくつかは「Aフレックス」であり、他のいくつかは「Sフレックス」で、「Xフレックス」すらも混じっていたことになります。《ラベルを信用してはいけない。テストすること》が鉄則とのこと。

私のNikeのアイアン・セットは"R"の筈ですが、PGAインストラクターのJerry(ジェリィ)は「これは"R"じゃない。"X"に近いよ。おれにも打てない」と云ったことがあります。その時、私は彼の云うことを信じなかったのですが、ゴルフ・クラブ業界が上のような混乱状態だとすれば、あり得ないことではないと思いました。

【この記事は、主にworldgolf.comの記事を参考にしました】

(June 25, 2005)


鈴木さんの「80を切った、その日」

インディアナ州に駐在なさっている鈴木さんからのリポートです。80切りのプレッシャーと無縁に、淡々とステディなプレイを展開されたのが好結果に結びついたという好例ではないでしょうか。苦手なパッティングに様々な工夫をされた点も参考になります。

現在、インディアナ州Columbus(コロンバス)に住んでいる、赴任予定5年のちょうど半分が終わった45歳の男性です。お世辞にも、綺麗なフォームと言われたことがないのですが、楽しく、一生懸命頑張っています。80を切ったら、是非リポートをと思っていましたが、その日は思いのほか早くやって来ました。

インディアナ州は日本の岩手県とほぼ同じ緯度で、シカゴ、デトロイトの南に位置します。先日、F1レースのタイヤの問題でボイコットがあったレース場は、Indianapolis(インディアナポリス)空港から20分ほどのところで、五月末にはIndy500が開催され、全米から40万人が集まります。冬は-20度以下の日も何日かあり、4〜10月がゴルフ・シーズンとなります。(それ以外の時期にアメリカ人はほとんどプレーしませんが、我々日本人は頑張ってしまいます)

インディアナ州出身の有名なプロゴルファーには現Champions TourのFuzzy Zoeller(ファジー・ゼラー)がおり、彼の設計したゴルフ場が二つあります。それも含めColumbusから一時間以内には10以上のパブリック・コースがあり、平均40〜50ドルで回ることができます。(パー3のコースは18ホールでわずか$9.00!)インディアナ州はかつて氷河により地表が削られたため、比較的平坦なゴルフコースが多く、大きなグリーンが特徴です(オンはするが、どこに打って良いのか見当もつかない)。当日の電話予約でプレー出来るので、非常に恵まれた環境にあります。

私のゴルフ歴を述べますと、
2003年 入社時購入したパーシモンのクラブ持参でアメリカのコース初挑戦。(110越え)
    皆に笑われ、道具一新。 8月に90を切る。
2004年 7月に85を切る。70台への光が見えてくる。パッティングに大いなる課題。
2005年 70台を目指すが、100越えも出る。6月にライ角、ロフト角調整。ベストタイ、初の二週連続80台の後・・・・・

日時 : 2005年6月18日(土) 天気:快晴
場所 : Legend Golf Course(インディアナ州Franklin)ここではほとんどプレーした事が無く、二回目。
     6,464 yards(Par 72)Middle to Road Course、Course rating: 71.1、Slope 132
スコア: 79 (37,42)

出だしNo.1、No.2はまずまずでボギー。NO.3のショートでは、ピンに当たる幸運もあり、バーディとなりました。ここでバーディが取れたことが大きかったと思います。パットの距離感に自信が持てました。ドライバーはほとんど曲がらず(スライサーですが)、二打目のアイアンもきっちり打て、パッティングも良く、残りホールは全てパー。OUTで37という信じられない結果となりました。

INに入ってもドライバーは絶好調。No.16まで3オーバー。各コースとも池が周りにありましたが、全く気になりませんでした。残り二ホールで+3以内なら待望の70台です。No.17も何とかしのいでボギー。

残る最終ホール405ヤード Par 4。深呼吸をして打った一打目は なんとチョロ。フェアウェイまで届かずラフの中。気を取り直して5番アイアンで打った球は、池の手前に何とか残り、後150ヤード。その日自信のある7番アイアンでの三打目は、バンカーへ。そこから、一か八かで打ったところ無事グリーンにオン。2パットで収まり、ダボ。INは42で計79となりました。

振り返りますと、3ホール目のバーディと直後の4ホール目のパーで波に乗れた気がします。課題のパッティングですが、下記のような工夫をして臨みました。
・シャフトにシールを貼り、いつも同じ位置に立てるようにした。(高野さんHP : 「パットのアドレスを一定に」
・フェースがクローズになるようフェースに線を引いた。(高野さんHP : 「利き目とパター・お試し編」
・「息吐脇筋」「右足親指」というシールを貼り、毎回確認。(これが結構 忙しいのです)
 「息吐脇筋」は息を吐きながら、腕ではなく腹筋の横の筋肉を使って(使うような感覚で)始動。
 「右足親指」は右足親指を上げると体重が前に乗らず、下りのパット時に有効。
・ボール円周に線を引き(Check-Goを使用)、ターゲット・ラインにセット。
もう一つは、グリーン上での賭け(オリンピック)がなく、自分のペースでパッティングが出来ました。同伴者に感謝するところです。

やはり、ドライバー、アイアン、パットなどが全てうまくいくマグレはそう長く続くものではなく、安定して85前後のスコアで回ることは今後も課題となっています。

(July 02, 2005)


バイフォーカル

'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)

「あなたがバイフォーカル・レンズの眼鏡をかけているなら、それはロッカーに置いてラウンドすべきである。

レンズの下部はボールを歪めて見せる。レンズの上部でボールを見ようとすると、顎を胸に埋めるようにしなくてはならない。それは正しいポスチャーを破壊し、パワーの源泉である身体の捻転を阻害してしまう。

遠くを見るための眼鏡を着用してプレイし、小さい数字(par or better)をスコアカードに記入しなさい」

(July 02, 2005)


娘をLPGAスターにする方法

LPGAツァーの上位64人(日本などからの招待選手含む)によるHSBC Women's World Match PlayというTV中継を四日間観ました。

マッチプレイというのはストローク・プレイとは全く別物で、男子のワールド・マッチプレイのように思わぬことが起ります。実力ばかりでなく、気力・体力・ツキが全部揃っていないと勝てません。Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)も三日目に敗退し、あまり有名でないプロ四人が最終日に残りました。主催者と放送局は観客と視聴率がガクンと落ちて困ったことでしょう。マッチプレイはそういう危険もあるわけです。

優勝争いは二人の外国人によるものでした。中米コロンビア共和国のMarisa Baena(マリサ・バエナ)と韓国のMeena Lee(ミーナ・リー)の対決。Marisa Baenaはアリゾナ大学に留学中素晴らしい活躍をしたのですが、プロ入り後パッとしませんでした。このマッチプレイ参加資格も64人中60番目。アマチュアの選手権試合はマッチプレイですので、彼女はツァーのストローク・プレイが合わず、このマッチプレイでやっとチャンスに巡り会えたのでしょう。対するMeena LeeはLPGAツァーのルーキーで、しかもこれがマッチプレイ初体験。よくここまで勝ち抜いて来たものです。どちらの選手も帽子にスポンサー名がありません。売れっ子でない証拠です。

三位争いはアメリカのWendy Ward(ウェンディ・ウォード)と台湾のCandie Kung(キャンディ・カン)。Candie Kungは前日Annikaを退けた張本人。したたかな正確さをもっています。

結果はMarisa Baenaが優勝し$500,000(現在の為替相場で55,500,000円)を、Meena Leeは$300,000(33,300,000円)を獲得しました。三位はWendy Ward($200,000)、四位はCandie Kung($150,000)。

アナウンサーがCandie KungはUSC(南カリフォーニア大)を卒業していると紹介していました。インタヴューでの彼女の英語も流暢で綺麗な発音でした。

私はこう思いました。日本のプロ志望の若者は先ずアメリカの大学に留学すべきではないか?Annikaもアリゾナ大に数年在籍し、数々の大学対抗やアマ・トーナメントでLPGAツァーという大舞台への準備をしました。他の外国人選手で留学経験者を思いつくまま並べてみると、
Lorena Ochoa(ロレナ・オチョア、メキシコ)アリゾナ大
Jennifer Rosales(ジェニファー・ロザレス、フィリピン)USC
Grace Park(グレイス・朴、韓国)アリゾナ州大
…などとなっています。もっと沢山いるでしょう。

 

LPGA公式サイトには262人のプロが紹介されていますが、実際には物故者やもうラウンド出来ないお年寄りまで入っていますので、アクティヴな現役は200人というところでしょう(推定です)。ちなみに韓国人は25人で(推定13%)、そのうち韓国の大学を出ているプロが15人、アメリカの大学を出ているプロは5人でした。

私の「アメリカの大学に留学すべきである」という論理は韓国人プロには当てはまらないようです。しかし、間違っているとは思いません。とことんやるのならアメリカの高校に転入させ、奨学金を得て大学へ進学させる。出来ればアリゾナ大。卒業後、女子ならFutures Tourで一年修行しトップに近い成績を納め、LPGAツァーへの切符を手にする。こちらの留学生活においてぺらぺらとなった英語により、U.S.女子オープンに優勝して立派なスピーチをする。めでたしめでたし。

服部道子はテキサス大、東尾理子はフロリダ大、石井明子(Linda Ishii)はUSCに留学していました(今田竜二はジョージア大)。日本でも既に前例があるんですね。皆さんもお子さんをこの路線で大成させて下さい。

(July 04, 2005、改訂January 07, 2017)


ゴルフ習得を妨げるもの

ある女性インストラクターの本に次のような個所がありました。「私が練習場で生徒に教えていると、隣りへやって来てこちらのレッスンに聞き耳を立て、全く同じ練習をする人がいる。その人が私のレッスンをタダで受けていることが腹立たしい。しかし、よく見ていると、その人のスウィングはどんどん悪くなって行く。ある病気に対する医師の処方は個人によって異なるものだ。患者の症状も、体格も違うし、薬の服み合わせも考えなくてはならない。ある一人にいい処方が万人向けというわけではないのだ」

当サイトの「体型別スウィング」、「体型別スウィング(幅広型篇)」、「二つのプレーン」などを読んで頂ければ、いかにレッスン書(雑誌、TV、ヴィデオなどを含む)の画一的教えが危険なものであるか、お分かり頂けるでしょう。筆者やインストラクターたちは自分の身体に合っている方法を、生徒の体型などに無関係に押し付ける危険があるということです。

Ben Hogan(ベン・ホーガン)の'Five Lessins'『モダン・ゴルフ』は、自分が悩んでいたフックを克服する方法を記した本でした。スライスに悩む人があの本の通り実行すると、ますますスライスがひどくなるわけです。彼はまたがっちりした胸板の広い体型で、「1プレーン」あるいは「体型別スウィング(幅広型)」の見本のような人です。「2プレーン」あるいは「体型別スウィング(テコ型)」の人(女性や痩せ気味の男性)がBen Hoganを見本にすると、苦労しても報われることはないようです。

これからは、どんな本を読む時も、ヴィデオを見る時も、ウェブサイトの記事(当サイトを含む)を読む時も、体型別の指示がない時は眉に唾しましょう。自分にあてはまるものかどうか、実行前に慎重にセレクトすべきです。

【参照】「体型別スウィング(テコ型篇)」「体型別スウィング(幅広型篇)」「二つのプレーン」

(July 06, 2005)


中島の砂

これはJohn Wayne(ジョン・ウェイン)主演の映画'Sands of Iwo Jima'『硫黄島の砂』(1949)というタイトルを知っていないと面白くありません。映画の中の擂鉢山に大きなアメリカ国旗を掲げる三人の海兵隊々員の姿は銅像にもなっていて有名ですし、いまでもMemorial Day(戦没者追悼の日)が近づくと、必ずと云っていいほどこの映画がTVで放送されます。

'Sands of Nakajima'
by Josha Hill ('Golf Magazine,' July 2005)

「日本のプロのトミー・中島が、St. Andrews(セント・アンリュース)における1978年の全英オープン・タイトル獲得への最短距離を歩いて17番にやって来た。素晴らしい二打の後、グリーン右のエッジから長いバーディ・パットが待っていた。中島は強く打ち過ぎ、ボールはRoad Hole Bunker(ロード・ホール・バンカー)に転げ落ちた。

中島はそこからホールアウトまでに六打かかり、トータル9を叩いた。そのバンカーの新しいニックネームが彼への御褒美だった。"The Sands of Nakajima."」

なお、全英オープン 2000でTiger Woods(タイガー・ウッズ)が優勝した時、彼は総計112もあるバンカーに一度も入れませんでした。四日間ですから448のバンカーと無縁だったわけです。御立派。でも、今年は入れるでしょう、絶対。

(July 08, 2005)


パー5攻略法

'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)

「満足出来るほどボールを飛ばせなくても、それでもパー5はバーディ・ホールである。と云っても、500ヤードを二打で乗せようというのは滅多に無い幸運を望むようなもの。

先ず、自信を持って安全にボールをフェアウェイに送り届けられるクラブを選ぶ。ティー・ショットを200ヤード打てれば、残りは300ヤードのPar 4に変貌する。そこからフェアウェイ・ウッドの二打目を200ヤード稼げれば、残りは100ヤード。ショート・アイアンかウェッジの距離でしかない」【編者註:二打目が150ヤードとしても残り150ヤード。アイアンが正確なら、確かにバーディ・チャンスです】

(July 10, 2005、改訂June 02, 2015)


徹底検証・日米TV中継

U.S. OpenのTV中継は日本とアメリカで同じなのか?違うとすればどう違うのか?たまたま、日本の放送を録画したものを見せて頂くチャンスがありましたので、徹底的に比較してみました。(三日連続で掲載します)

【目的】

私の最大の関心は、アメリカに住んでいる私と、主に日本に住んでいる読者が、どれだけ同じ情報を共有しているのか?日本のTV局はどれだけアメリカのTV局の情報(映像、コメントなど)を利用しているのか?ということでした。

日米の放送内容を比較するために一番いいのは、トーナメント初日と二日目であろうと思われました。なぜなら、二日目までですと間違いなく日本人プロがプレイしているからです。日本のプロがいる限り、日本のTV局は彼らを大々的に扱って、アメリカの放送との違いが大きくなるに違いないと確信していました。

先ず、放送時間の違いをお伝えしましょう。アメリカでは初日、二日目は合計9時間放送します。三日目と最終日は合計5時間半。テレビ朝日は最終日を除き連日3時間半。これだけでも大きく違います。【日本でもJ SPORTSがテレビ朝日とは別個の長めの中継を行なったようですが、詳細が分らないのでここではテレビ朝日の放送に絞っています】

・初日、二日目:(米国東部標準時)
      10:00 a.m.〜15:00、放送局:ESPN(5時間)
      15:00〜17:00、放送局:NBC(2時間)
      17:00〜19:00、放送局:ESPN(2時間)計9時間
・三日目、最終日:
      12:30〜19:00、放送局:NBC 計5時間半

ESPNはCATVで、NBCは地上波とCATV両方で見られます。一つのプロダクション(カメラ、音声、技術クルー)が四日間全部の中継を受け持って、日時によって映像・音声をESPNとNBCに切り換えているだけだと思います。初日と二日目は8時間テープ一本に納まらない長さとなります。

【あっと驚く違い】

皆さんはアメリカのTVと日本のTVで何がどう違うとお思いでしょうか?誰でも考えるように先ずCMは違いますね。日本に無い会社を宣伝しても仕方がありません。メイジャー・トーナメントの中継を、アメリカではどの放送局も荘重な音楽に叙事詩めいたゴルフ讃歌のナレーションをかぶせたイントロで開始します。これも日本では出ません。解説やアナウンサーの画像や声も出ません。ラウンドを終えた(日本以外の)プロのインタヴューは、ごく一部日本の放送にも使われていますがほとんどはカット。さて、あとはどう違うでしょうか?

手っ取り早くお教えしましょう。二日目の米国東部標準時午後12時37分、丸山、Ernie Els(アーニィ・エルス)、Justin Leonard(ジャスティン・レナード)の組のスタートを、日米がどう扱ったか?

     
カット#
ESPN テレビ朝日
1
スターターが観客にElsを紹介
(正面からのワイド・ショット)
ESPNに同じ
2
Elsの表情バスト・ショットESPNに同じ
3
Elsのプレショット・ルーティーン
(背後からフル・ショット)
ESPNに同じ
4
Els(正面からバスト・ショット)ESPNに同じ
5
Els(背後からフル・ショット)。
スウィングまで
ESPNに同じ
6
Els(顔のアップ)ESPNに同じ
7
Elsのボール、ラフへESPNに同じ
8
Els(バスト・ショット)
9
丸山のフル・ショット。
スウィングまで
10
丸山のボール、フェアウェイへ
11
丸山(Leonardのショットが終わるのを待っている)→歩き始める
12
丸山、フェアウェイへ歩く
(俯瞰ショット)
13
丸山、Elsら歩く(横からフル・ショット)

テレビ朝日では丸山がNo.1ティーを去る場面だけで3カットもあり、その間、アナウンサーはフェアウェイに歩を進める丸山を、まるで巌流島に出掛ける宮本武蔵を見送るような高揚した言葉で表現します。日本の視聴者は、「アナウンサーの言葉は変わったとしても、世界中がこの映像を見ているに違いない」と、丸山が誇らしく、まるで日の丸を背負った長距離マラソン・ランナーを見るように感動することでしょう。

しかし、ご覧のようにESPNの方には丸山は出て来ません。Ernie Elsと同じ2オーヴァーなのに完全に無視されています(Justin Leonardは5オーヴァー)。実は丸山はNo.1で無視されただけではないのです。No.5のフェアウェイに至るまで、アメリカの放送に丸山は全く登場しません。ここまでで既に71分経過。Ernie ElsはNo.2で三回、No.3で二回、No.4で二回出て来ます。Justin LeonardはNo.3で二回、No.4で一回出て来ます。

ESPNの放送でやっと出て来た丸山は、No.5の二打目の失敗(グリーン・オーヴァー)、No.15のパー・パット失敗、No.18のバーディ・パット成功、この三回だけです。

もう一つ、三日目の例。今田はFred Couples(フレッド・カプルズ)と廻っていました。二人とも4オーヴァーで互角のスコアだというのに、日米のTVでは扱いが大きく異なりました。

NBCの放送でFred CouplesはNo.5から映り始め、合計10回のプレイが画面に出ました。片や今田はたった一度、No.17(Par 3)でピンを直撃したショットが録画再生で出ただけです。

テレビ朝日ではどうか?こちらでは今田はNo.10から映り始め、毎ホール(ほぼ毎ショット)合計18回のプレイが映されました。しかし、一緒に廻っていたFred Couplesのプレイはゼロ、全く画面に出ませんでした。

日本のTVが偏向しているように、アメリカのTV中継にもよくない傾向があります。トーナメント・リーダーの上から五番目ぐらいまでだけしつこく見せる。Tiger Woodsは全ショット映す。Fred Couples(フレッド・カプルス)とかDavis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)など人気者もよく出す。目の覚めるようなショットを打てば、録画再生で出す。目を覆うような大惨事も出す。後は、イーグル・チャンスとかバーディ・チャンスですね。それらに該当しないと無視。丸山のミス・ショットが何故出て来たのかは謎です。

【島国根性】

テレビ朝日の方では丸山は出ずっぱりで、フェアウェイを歩く姿やトイレに行くシーンまで捉えられています。上位陣やTiger Woods(タイガー・ウッズ)なども出て来ますが、そんなのはどうでもいい感じ。とにかく丸山、丸山で、アナウンサ−から解説者まで、まるで丸山応援団。巨人だけ応援するラジオ中継とかがあった筈ですが、あれに近い。丸山の一打一打に喚声を挙げたり嘆声を漏らしたり。日本に特化したローカル放送ですね。オンデマンド放送と云うか。

私はテレビ朝日の放送によって、今回丸山は茶髪でなかったことを知りました。アメリカの放送では、髪の色に気づくほど長く映りませんでしたので。

初日、丸山がラウンドを終えると、丸山応援団は谷口応援団に変身しました。二日目、丸山がフィニッシュすると深堀応援団。これって、身内だけ贔屓するわけで、インターナショナルな感覚じゃないですね。自分の子供が出る学芸会で、後方のその他大勢の中の我が子だけしか見ていない感じ。失敗したパットでも「よく打った!」、「惜しい!」、「いいラインだ!」などと褒めちぎる。「前畑ガンバレ!」調そのもの。

太平洋を挟んでわれわれは全く別な中継を観ているのです。私がNBC解説者のJohnny Miller(ジョニィ・ミラー)がどうたらこうたらと書いても、皆さんは最近の彼の顔も知らない。こちらのアナウンサーの顔も知らない。プロへのインタヴューのほとんども日本では見られない。三日目まではテレビ朝日はほとんどの時間を日本のプロに費やしているので、あまり国際的なトーナメントという気がしない。日本のトーナメントに外国の有名プロが参加しているといった印象です。

【生か芝居か】

テレビ朝日の森下アナは二日目、日本時間7:49の時点で「第105回全米オープン、パインハーストNo.2から、現在生中継でお送りしています」と云いました。しかし、テレビ朝日の放送を観ていて、「これ、本当に生なの?」と思う場面がいくつもありました。かと思うと、「生じゃなきゃ、こんなドジないよな」と思う場面もありました。本当に“生”かどうか、非常に紛らわしいのです。

初日、Jason Gore(ジェイスン・ゴア)が初めて画面に出て来た時、解説の青木 功氏が「誰ですか?これ」と云い、森下アナも戸張キャスターも誰も知りませんでした。これは生っぽい。(二日目にはちゃんと紹介していましたが)

二日目のNo.18。深堀と一緒に廻っていたMichael Allen(マイケル・アレン)とOmar Uresti(オマー・ユレスティ)を間違えて放送しました。Omar Urestiの映像にMichael Allen +5というテロップを流し、アナも解説者二人もミスに気づきませんでした。

初日、アマチュアのRyan Moor(ライアン・ムーア)について、キャスターの戸張氏は「この人は将来プロになったらトップに出て来る。注目されてるアマチュア」だと云いました。ESPN/NBCの放送では、「U.S. Open終了後にプロ入りする。予選落ちしたら土曜日にプロ宣言するかも知れない」と云われていたのに、“将来”というのはおかしい。数日後ですからね。 ESPN/NBCのコメントをヘッドフォンでモニターしていた戸張氏が、その情報を聞き漏らしたようです。これも生っぽい。

しかし、これが生中継であるわけはありません。

二日目、丸山がNo.1ティーをスタートしたのはテレビ朝日の画面上の日本時間では4:31です。それをパインハーストNo.2の所在地である米国東部標準時に直すと15:41。U.S.Openの公式サイトの丸山のペアリングとスタート時間は米国東部標準時12:37です。三時間以上の差があります。

丸山の組のトップバッターErnie Elsがティー・ショットを打つ前、スターターは次のようにアナウンスしました(ESPNの放送による)。"Ladies and gentlemen! This is the12:37 starting time. From South Africa, 1994 and 1997 United States Open Champion, Ernie Els!"(皆さん!12:37のティー・タイムです。南アフリカから参加の、1994年、1997年U.S. Openチャンピオン、アーニィ・エルス!)テレビ朝日は映像はそのままですが、音声の前段を消去し、"From South Africa,..."から音声を活かしてしています。米国時間を知られたくなかったのです。この日、この組だけでなく、他の組の紹介でも時間を述べたスターターの言葉は消されていました(三日目からは何故か消していませんが)。

初日、画面上の日本時間7:15にラウンドを終えた丸山にインタヴューした後、森下アナは「午前中の段階ということになりますが、丸山選手は15位タイという好位置で初日をフィニッシュしています」と云いました。初日の丸山のスタートは米国時間7:22(日本時間20:22)で、森下アナの云う通り“午前中”にフィニッシュしたとすると、米国時間12:00は日本時間3:00です。画面上の日本時間7:15とは約四時間の差があります。

テレビ朝日は三時間〜四時間の時間差をどう利用したのでしょうか?短い放送時間で最大限日本人プロの活躍をカヴァーし、大会の流れ(リーダーたちのショット)も過不足無く含めるという編集作業に使ったのだと思います。

森下アナとキャスターの戸張氏はかなり“役者”のようですから、数時間前に起ったこと(結果が分っていること)でも、いま目の前で起っているかのようなリアクション(芝居)が出来るでしょう。しかし、解説の青木氏は無理です。彼は“役者”ではありません。放送された青木氏のリアクションは非常に素朴で自然でした。とすれば、大至急で編集した60分単位(推定)のヴィデオのセグメントを青木氏らに(初見で)見せて喋らせ、それをそのまま衛星中継したのだと思います。

私の推測ですが、テレビ朝日にはESPN/NBCの映像・音声、および自社で雇ったカメラマンたちから届く映像・音声(合計すればかなりの数)を選別するディレクター/編集マン(仮称・A班)がいたと思います。A班は超特急で60分のテープを編集する(仮称・素材No.1)。普通のニュース放送でも(スポーツ・ニュースを含む)、ニュース放映中に持ち込まれて来た映像を即刻編集してオンエアすることも珍しくありませんから、ダーッと急いで編集することは可能なのです。

そして、パインハーストNo.2に作られたテレビ朝日仮設スタジオのモニターで、A班が編集した素材No.1を再生して青木氏らに見せる。ここには別のディレクター/テクニカル・ディレクター(仮称・B班)がいて、テロップ入れをしたり話の流れをインカム経由で演出する。この映像・音声が衛星中継で日本に送られる。

60分過ぎる頃にはA班は次の60分テープ素材No.2の編集を終えていて、それをB班に引き継ぐ。以上を繰り返す。もし、機材と人員が潤沢なら、「ハイライト」を編集するC班も存在したでしょう。以上はあくまでも推測ですが。

森下アナは「生中継でお送りしています」と云いました。テレビ朝日の定義は知りませんが、NHKですとスタジオから生で出すものを“生放送”と呼び、国会だの祭典、スポーツなど、スタジオ外から生で出すものを“生中継”と呼んでいるそうです。いずれにしても“ライヴ”の範疇。確かに、テレビ朝日のアナ、解説者などの話は“生”であっても、起った事実(ラウンドそのもの)は大分前の出来事なのです。衛星回線を使って、仮設スタジオから視聴者のところへは生で届いている…という意味で生中継と称しているか、二日目、日本時間7:49の時点だけがたまたま結果的に“生中継”になったのかも知れません。

テレビ朝日の最終日の放送は、もう編集したものであることを隠そうともしていませんでした。前のホールでパットを終えたプロが、あっという間に次のティーに立っていたり、ティー・ショットを放ったプロが、続けて二打目にアドレスしたりします。隠したり隠さなかったり、こういう一貫しない番組作りというのは私には理解出来ません。

【テレビ朝日の放送スタイル】

アナや解説者が編集されたものを見せられて喜んだり嘆いたりしているとすれば、前項で「生っぽい」要素として挙げたJason Gore(ジェイスン・ゴア)、Omar Uresti(オマー・ユレスティ)、Ryan Moor(ライアン・ムーア)などに関するドジは、テレビ朝日内の(A班からB班への)連絡ミスということになります。

また、あれだけ入念にテレビ朝日が独自に編集しているのに、森下アナは「丸山が映って来ました」とか、「片山の映像が出て来ました」などとしょっちゅう云います。森下アナはあたかもESPN/NBCの“予期せぬスウィッチング”(画面切り替え)にあたふたと対応しながら“生で”コメントをつけているという風を装っているわけです。他社でなく自分の会社の同僚が編集したものなのに「出て来ました」、「映って来ました」などと云うのは非常に不適切な表現と云わざるを得ません。

森下アナの喋り方は「入るか?入るか?入ったーっ!」と、まるで競馬中継みたい。加えて、「(ボールがグリーンに)登って来るのか?」、「曲がって来ないか?」、「グリーンに止まるのか?」、「ピンチは切り抜けられましたか?」というような疑問形を多用します。「止まれ!」や「曲がれ!」があまりにも「前畑ガンバレ」調であるという反省からかも知れませんが、疑問形にすることによって「願望を云い切ったわけではない」と責任を回避する手口に思えます。

リーダーの一人だったOlin Browne(オリン・ブラウン)について、初日、テレビ朝日は「予選会で丸山と並ぶ58を記録」とロール・テロップを流しました。これは間違いで、丸山は58ですが、Olin Browneは59でした。テロップによる情報のミスはアナウンサーが口走ったミスより罪が重いと云わねばなりません。このミスは三日目に戸張氏が“お詫び”ではなく、「丸山が58を出したコースでOlin Browneは59だった」と追加情報のように伝えました。詫びてはいません。NBCのインタヴューでOlin Browneは「丸山がコース・レコードを作った後、あるパー5がパー4に変更された。だから、おれの59は丸山とタイ・スコアだとUSGAに申し入れている」と語っていましたが、この話はテレビ朝日では紹介されませんでした。

【テレビ朝日の功罪】

私にとって良かったのは、第一に丸山や今田のインタヴューが聞けたことです。丸山の正直で開けっぴろげな喋り方に好感が持てました。今田の英語でのインタヴューは前に聞いたことがありましたが、日本語では初めてで、彼の好青年ぶりがよく分りました。主にオンコース・リポーターを勤めた羽川 豊氏の鋭い解説も、とても勉強になりました。

こちらのツァーで転戦している青木氏の解説も含蓄に富んだものでしたが、語り口が親しみやすい反面、格調がありません。三日目は羽川氏が仮設スタジオに詰め、青木氏がオンコース・リポーターになりましたが、この日の番組の出来映えの方が良かったと思います。

森下アナは世界のゴルフについてよく勉強していることが解り好感が持てますが、競馬実況風アナウンスと「◯◯して来るのか?」調を止めて貰いたいと思います。戸張氏は本来は実況アナウンサーと解説者の間隙を埋める役なのでしょうが、情報提供役に留まらず、アナと解説の両分野どちらにも色気がありそうな気配濃厚で、ちと嫌らしい感じがします。「おれは何でも知っている」という態度や、最終日の優勝者インタヴューの同時通訳までやって見せようという天狗ぶりは鼻につきます(結局、半分も訳せなかった)。通訳と同時通訳は全く違う分野なので、“英語が堪能”という程度の能力で出来る業ではないのです。

編集して放送するぐらいなら、テレビ朝日は朝の4:30や5:00などという時間でなく、午後か夜に放送すればいいのに…と思います。勤労者の多くはヴィデオ録画をセットして職場に行き、帰宅してから見るのでしょう。それなら放送時間はいつでもいいわけですから、慌てないでもっと長時間放送したらどうなのでしょうか?

(July 11-14, 2005、改訂June 02, 2015)


深夜プラス1のパット練習

寝る前にパッティングについて何か閃いたり、夜更かしして当サイトでパットに関するtipを読んだりした時、当然絨緞の上で試したくなるものです。しかし、いくらパター・フェースに何かインサートしてあったとしても、コン!、コン!という音は出ちゃいます。「皆、寝てて気づかないだろう」と思うのは浅はかで、「何やってんの、今頃!」と雷が落ちるのは必定です。

こういう時はウレタンフォーム製練習ボールを使いましょう。私が購入したものは、普通のゴルフ・ボールと同じバック・ストロークなら、全く同じ距離転がります。スウィート・スポットで打てば真っ直ぐ、そうでないと右や左にそれます。普通のゴルフ・ボールと変わりません。ほぼ無音です。

(July 20, 2005)


ゴルフの秘密大全集

当サイトがやっているようなことを、もっと本格的に、もっと深く、もっと幅広く集大成してしまった本が現われました。昔のTommy Armor(トミィ・アーマー)から現在のJim McLean(ジム・マクレイン)まで、古今の47冊の“名著”のエッセンスをまとめたものです。こういうものが出ると知っていれば、私は本を購入するお金を節約出来、休酒する必要もなかったのですが…。

'The Secret of Golf'
edited by George Peper (Workman Publishing, 2005, $18.95)

編者は元'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』編集長ですし、彼の眼鏡にかなった本となれば、この47冊はどれも読むに価するものと云えるでしょう。この本の素晴らしいところは、稀覯本やもう入手不可能な本の内容が多数含まれていることです。冒頭で“名著”とわざわざ引用符で括った理由は、この本の表紙に「世界中の悩みの種であるゲームをマスターするための、過去100年の革新的・新機軸、時として風変わりな方法」という文句が付いているからです。必ずしも名著と断定は出来ないものも、読んでみて試してみる価値はある…という位置づけなのです。

ちなみに当サイトで既に取り上げたもので、ちゃんとこの47冊に含まれているものを刊行順に列挙してみます。(January 07, 2017)

[secret]

'The Complete Golfer'
by Harry Vardon (McClure, Philips, 1905)
「左肘の研究」

'On Learning Golf'
by Percy Boomer (Alfred A. Knopf, Inc., 1946, $22.00)
「逆説的ゴルフ」「続・逆説的ゴルフ」

'Swing the Clubhead'
by Ernest Jones with David Eisenberg (Dodd, Mead & Company, 1952)
「スウィングしなけりゃ意味がない」

'Bobby Locke on Golf'
by Bobby Locke (Simon & Schuster, 1954)
「Bobby Locke(ボビィ・ロック)のパッティング」

'Five Lessons: The Fundamentals of Golf'『モダン・ゴルフ』
by Ben Hogan with Herbert Warren Wind (NYT Special Services, Inc., 1957, $21.00)
「Ben Hogan(ベン・ホーガン)のグリップ」

'Lessons with Mr.X'『ミスターXのゴルフ』
by Mr. X (Golf Digest, inc, 1969)
「ミスターXのゴルフ」

'The Square-to-Square Golf Swing'
by Dick Aultman and the Editors of Golf Digest (Golf Digest, Inc., 1970)
「左サイドの筋肉を鍛えよ」

'The Perfect Putting Method'
by Paul Trevillion (Winchester Press, 1971)
「1,000回連続成功のパット法」

'Swing the Handle, Not the Clubhead'
by Eddie Merrins (Golf Digest, 1973)
「ハンドルを振れ!」

'One Move to Better Golf'
by Carl Lohren with Larry Dennis (Golf Digest, Inc., 1975)
「One Move(ワン・ムーヴ)」「'One Move'(ワン・ムーヴ)修士課程」

'Shape Your Swing The Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, 1976)
「牧場が買えるゴルフ」

'Pure Golf'
by Johnny Miller with Dale Shankland (Doubleday & Company, Inc., 1976)
「早めのコック」「安全パッティング理論」

'The Inner Game of Golf'『インナーゴルフ』
by W. Timothy Gallwey (Random House, 1979, $21.00)
「でしゃばりコーチをブロックする」

'The Short Way to Lower Scoring'
by Paul Runyan with Dick Aultman (Golf Digest/ Tennis, Inc., 1979)
「Paul Runyan(ポール・ラニャン)のパッティング戦略」「目の位置とパットの球筋」

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)
「Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)メソッド」

'The Golfing Machine'
by Homer Kelley (Star System Press, 1982, $19.95)
「インパクトを予習する」

'Practical Golf'『パーフェクト・ゴルフ』
by John Jacobs with Ken Bowden (The Lyons Pres, 1989, $16.95)
「ゴルフのフィーリング」

'The Four Magic Moves to Winning Golf'『マジック・ゴルフ』
by Joe Dante with Len Elliott (Doubleday, 1995, $12.95)
「4 Magic Moves(四つの魔術的動作)」「マジック・コック」

'Golf is Not a Game of Perfect'『私が変わればゴルフが変わる』
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Simon & Schuster, 1995, $22.00)
「スポーツ心理学」

'Extraordinary Golf'『奇跡のスイング あなたの“本能”を目覚めさせる!!』
by Fred Shoemaker with Pete Shoemaker (Perigee Book, 1996, $12.95)
「クラブ投擲レッスン」「普通じゃないゴルフ」

'Natural Golf: Get a Grip on Your Game'
by Peter Fox with John Burril (Masters Press, 1996, $14.95)
「Natural golf(ナチュラル・ゴルフ)」

'Dave Pelz's Short Game Bible'
by Dave Pelz and James A. Frank (Broadway, 1999, $30.00)
「ペルツ伝福音書」「3×4 System」

'Dave Pelz's Putting Bible'
by Dave Pelz and James A. Frank (Broadway, 2000, $30.00)
「Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)のサイドサドル」

'Swing Machine Golf'
by Paul Wilson with Ken Steven (StoryTrend Publishing, 2004)
「マシーンの逆襲」

'Tour Tempo'
by John Novosel (Doubleday, 2004, $25.00)
「Tour Tempo(ツァー・テンポ)」「手打ちの弊害」

'The Seven Principles of Golf'
by Darrin Gee (Stewart, Tabori and Chang, 2007, $18.95)
「バランスなくしてゴルフなし」

…というわけで、当サイトも結構値打ちのある書物を多数紹介して来たわけです。読者の多くは、著者の名前が有名でないとか、本が古いとか、様々な理由で軽視されたかも知れませんが、Best 47に入っている“名著”であると認識して頂きたいと思います。

【追記】bookoutlet.comだと、全405ページのこの本がたったの$6.99で買えます。URLは http://bookoutlet.com/Store/Details/9780761136132B/the-secret-of-golf)

(July 23, 2005、追記・増補January 07, 2017)


パターの長さとライ角

これまで、あまりパターの長さとライ角については神経質になっていませんでした。ベリィ・パターを購入した時は長さが気になりましたが、スタンダードなパターは皆同じ長さに思えましたし、ライ角まで気にしたことはありませんでした。

やっとお金が出来て「気になるパター」'Two Bar Putter'(2バー・パター)をネットで注文しようとしたら、「34"(インチ)か35"か、どっち?」という質問。調べると、普通34"は女性用で、35"が男性用の業界標準となっているようです。しかし、でかいアメリカ人の標準は私のような中背の日本人には長過ぎるかも知れないという気がしました。$200.00のパターですから、最良の選択をしたいと思い、インターネットで調べたり書物を引っくり返してみました。やはり調べた甲斐がありました。

'Fit to be tried'
by Barry Salberg ('Golf Digest,' April 2001)

「PING(ピン)のクラブフィッターたちによれば、パターの長さは身長とは関係ない。各自のテクニックとポスチャーがパターの長さを決める要素だ。

パター・デザイナーScotty Cameron(スコッティ・キャメロン)は次のようなパター・チェック法を推奨する。鏡をターゲット方向に置く。最近のパッティング・コーチの多くが推奨する「振り子式パッティング」の理想的アドレスを、以下のように実行する。両目はターゲット・ラインの真上で、両手が肩関節から真下に下がり、パターは地面と同じ高さに。「この時、パターのトゥが浮いているようなら、パターが長過ぎるか、ライ角が過度にアップライトである。

振り子式パッティングをする場合、35"の業界標準は大多数のゴルファーにとって長過ぎる。だからと云って1"カットすればいいというものではない。シャフトを短くするとフレックスがStiffになるだけでなく、パターを軽くしてしまう。シャフトが硬いと、フィーリングが失われる。Scotty Cameronは『クラブヘッドが軽過ぎると、ストロークするのでなくヒットすることになる。重過ぎると、ストロークを減速しなければならなくなる』

重さに関してはPGAインストラクターJim Suttie(ジム・サッティ)がこう云う:遅いストロークの人には重いパター、早い人には軽いパターが相応しい」

以下はショートゲームの専門家Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の解説。

'Putt Like The Pros'
by Dave Pelz with Nick Mastroni (HarperPerennial, 1991, $13.50)

「長いパターは重く感じる。しかし、ボールの反応はパターヘッドがインパクトでどの程度早く動いているかによるものであり、パターの長さとは関係ない。シャフトの長さによる重量感は、単にフィーリングだけのものである。

あなたがパターのグリップエンドに近い方を握っていて、ターゲットラインの真上に両目があり、通常の角度に腰を折っていると仮定すると、パターが長ければ手首と肘を折らなくてはならない。長過ぎるパターは、両手が肩から垂直に下がるのでなく身体に近過ぎるセッティングを強制する。

ライ角が変わるとスウィート・スポットの位置を変えてしまう。パターがアップライトだと、アドレスでトゥが浮き、ヒールが接地することになり、スウィート・スポットはヒール寄りとなる。ライ角が過度にフラットだと、ヒールが浮き、スウィート・スポットはトゥ方向に移動する。

不適切なライ角は地面を引っ掻いてしまう原因となる。ヒールだけが接地しているアドレスの場合、インパクト直前に地面を擦ってヒールの動きを止め、結果的にフェースがクローズになるためボールは左へ出て行く。逆に、トゥが接地しているアドレスだと右に出て行く。

ベストの選択は、地面にフラットなパターを見つけることだ。両手が肩から垂直に下がり、両目をターゲット・ラインの真上に揃えるというベストのアドレスをした時、あなたにとって適切なシャフトの長さとライ角はたった一つしかない」

私がこれまでに購入したスタンダードなスタイルのパターは、いずれも35"でした。最近の私の構えは両方の肘を折るスタイルだったので、長さが気にならなかったようです。しかし、上にあるように肘を曲げずに肩から左腕を伸ばすようなアドレスをしてみると(レフトハンド・ローなので、右肘はどうしても曲げなくてはならない)、かなりパターを短く持たないといけないことが解りました。私には35"は長過ぎるということです。また、ヒールが浮くのを防ごうとすると、シャフトが身体に接するほど近くなってしまいます。ライ角が合わないのです。

これで迷わず34"を注文出来ることになりました。'Two Bar Putter'にはライ角を自分で変えられる道具が付属しているので、ライ角の心配はしなくて済むのが有り難い。

(July 25, 2005、改訂June 02, 2015)


当サイトに横文字が多い理由

PGAツァー・プロBob Tway(ボブ・トウェイ)のことを、共同通信は「ボブ・ツエー」と表記します(この通信を受けて自社の記事として流す日本のメディアはみな同じ)。確かに、彼はPGA選手権チャンピオンでもあり、2003年のあるトーナメントでもプレイオフを制して優勝しましたから“ツエー”(強い)のは間違いありませんが、それにしてもこの表記はひどい。

共同通信にすれば「"two"は“ツー”なんだから、"Tway"も“ツエー”でいいじゃないか。これを“トウェイ”としたら、"two"も“ツー”でなく“トゥー”にしなければならず、大変な騒ぎになる」とでも云うのでしょう。

そう云えば、"twin"(トゥイン、双子)も日本では「ツイン」です。"tweed"も「トゥイード」ではなく「ツイード」です。日本で英語塾を経営する私の友人は「カタカナは日本語なんだから、目くじら立てても仕方がない」と云います。しかし、私はこういう表記は日本人の英語の発音学習の妨げになるという観点で嫌悪感を抱くのです。特に影響力の強い新聞などには、もっと注意深く対処して貰いたい。既に日本語となってしまった英語はまあ仕方がないとして、新語、人名は出来るだけ正しい発音に近づけて欲しいと思います。

Bob Twayを「ボブ・ツエー」と書くのなら、Mark Twain(マーク・トウェイン)も「マーク・ツェイン」にしなくてはなりません。そうでしょ?「日本人にそんな発音をおしつけられるか?」とでも云うのでしょうか?最近の日本人をなめていませんか?最近の日本人は"DVD"を「ディー・ヴィー・ディー」と発音するのではありませんか?「デー・ブイ・デー」ではなく。「ティーン」の好物アイスクリームは「サーティ・ワン」でしょう?「テーン」や「サーテイ・ワン」ではなく。ゴルファーは「テーショット」、「パッテング」、「バーデー」などと云っているでしょうか?

共同通信は(時事通信も同じ)スペインのSergio Garciaを「セルヒオ・ガルシア」と表記しています。スペイン語に堪能な方に伺うと、それがスペインでの正しい発音だそうです(アメリカ読みでは「セルジオ」)。ヨーロッパ系の名前だけはやたら正確を期しているわけです。しかし、北欧や英仏、南欧はともかく、南アとなると話が違うようです。

共同通信はRetief Goosenを「レティーフ・グーセン」とローマ字読みの間違った読み方で彼の名を日本に浸透させてしまいました。

【参考文献1】US Open winner Retief Goosen was the golfer on everyone's lips this week, but how does he prefer people to pronounce his names? Although the US PGA Tour media guide gives the most accurate pronunciation of Goosen as who-sun, the South African prefers goo-sun. "A lot of my friends call me goose," he said. But there's no doubt about the first name: it's "ruh-teef." (http://www.pga.org.au/default.aspx?s=newsindustrydisplay&aid=110933)「US PGAの『メディア・ガイド』によれば、Goosenの正しい発音は“フーサン”となっている。しかし、当人は“グーサン”と呼ばれるのを好む。友人たちは“グース”と呼ぶと彼は云う。ファースト・ネームは“ラティーフ”以外に読みようがない」

【参考文献2】Retief Goosen won the 2001 U.S. Open, the European Order of Merit and last weekend's BellSouth Classic. And yet no one knows how to pronounce his last name. Some people started calling him "Hoosen," an incorrect pronunciation. "It's Goosen," he said. "I don't know who started with the 'H.' It's just Goosen as it is. I don't know where that came from, but hopefully we'll get there one day."(http://www.augusta.com/masters/review2002/041002/masters_notebook2002.shtml)「誰もRetief Goosenの姓の正しい読み方を知らない。“フーサン”と呼ぶ人もいるが、彼は『グーサンだ。誰が"H"で読む呼び方を始めたのか知らないが、文字通りグーサンだ』と云う」

つまり、Retief Goosenは本当は「ラティーフ・グーサン」なんですね。共同通信が広めた「レティーフ・グーセン」は、現地音でもなくアメリカ風発音でもなく、中学生しかやらないようなローマ字読みに過ぎません。共同通信は現地音主義だったり(例:セルヒオ・ガルシア)そうでなかったり筋が通っていないわけですが、唯一筋が通っているのは、当人にもPGAツァーなどの組織にも問い合わせず、自分勝手なローマ字読みを適用しているということだけです。共同通信は長いことTom Lehmanを「トム・リーマン」と表記していましたが、現在は正しい「レーマン」に直しました(時事通信は未だに「リーマン」)。これからも本人に聞くなり、PGAツァーに問い合わせるなりして、どんどん間違いを改めるべきです。

フィジー出身のPGAツァー・プロVijay Singhですが、私はずっと「ヴィジェイ・シング」と書いて来ました。アメリカのアナウンサーたちの発音がそう聞こえたからです。しかし、2003年のU.S. Openのスターターは明らかに彼を「ヴィジェイ・スィン」と呼び、同時にアナウンサーたちも語尾を短くし始めました。私は動揺しました。ある時、私のサイトの読者でインドにお住まいの方とメール交換が始まり、その方は「Singhはインドではごくありふれた名前です。Vijay Singhはインドからフィジーへ流れて行った人の子孫のようです。発音は“スィン”に近いです」という御説明を頂きました。スターターの発音が正しく、シンではないのです。私は「スィン」に変更しましたが、共同通信は「シン」のままです。

私は自分の耳で聞いた正しいと思える表記で通したいと思っています。共同通信のようなデタラメは容認出来ません。しかし、読者に押し売りをするつもりはありませんから、私が正しいと思う発音を一度だけ記しています。「Bob Tway(ボブ・トウェイ)」のように。二度目からは括弧内の発音を省き“Bob Tway”とだけ記します。読者の好きなように読んで下さいという意味です。これが当サイトに横文字が多い理由です。

(July 27, 2005)


当サイトに横文字が多い理由・2

私が“U.S. Open"とか“British Open”とか横文字で書くのを疑問に思っておられる方もおられるでしょう。何故、一般的に知られた「全米オープン」、「全英オープン」と書かないのか?「気障な野郎だ」とみなされているかも知れません。ちゃんと理由があるのです。

“U.S. Open”は正式には"United States Open Championship"であり、“British Open”は実は"The Open"です。いずれにも“全”を意味する言葉は含まれていません。そもそも"Open"という言葉は「アマでもプロでも、どこの国の人間でも歓迎」という意味なので、「全米」と云った場合に感じる「アメリカだけ」と限定する要素は皆無なのです。私の観点では「全米」と称するのは間違いだと思います。

"The Open"というのは正しいのですが、残念ながら日本人にはこれが何を指すか理解して貰えないだろうという理由で、"British Open"と書いています。これはアメリカの雑誌や新聞も用いている表記法です。

"Japan Open"というのがあったとして、それを「全日本オープン」と日本語に置き換えた場合を想定してみると解り易いと思われます。“全日本”には、なにやら日本一を決めるという臭いがあります。“オープン”が、アマ・プロを問わないというだけなら、これは日本人だけのローカルなトーナメントに過ぎません。しかし、「どこの国の人間でも歓迎」という意味なら、“全日本”はおかしくなります。正しい表現は「日本オープン」となるべきでしょう。

多分、“U.S. Open”を最初に日本に紹介した人物が「合衆国オープン」は妙だし、「米国オープン」もパッとしない。「全米オープン」だと派手に聞こえるんじゃないか…てんで、勝手に“全”をつけちゃったんでしょう。

私は間違った邦訳を使いたくないし、かといって私が新訳を創作するほど僭越でもありません。それが原語で“U.S. Open"と記載している理由です。

(July 29, 2005)


【追記】最近、当サイトの全ての人名にフリガナをつけました。横文字だらけだと検索しにくいかも知れない…という理由からです。全体に横文字を減らそうという努力もしています。で、U.S. Openでなく「U.S.オープン」としています。“British Open"だけは「全英オープン」としています。「英国オープン」と書いても通じそうもないので:-)。

(August 10, 2015)


ゴルフ金言集 Part 12

以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。

「私は天才ではない。今日あるのは一生懸命練習した賜物である」
Colin Montgomerie(コリン・モンガメリ)

「練習する時は、いつもうまく打てないクラブを使え。失敗が少なくほぼ満足出来るクラブを練習するのは、時間の無駄だ」
Harry Vardon(ハリィ・ヴァードン)

「ゴルフは個人的なスポーツだ。あんたは裁判官であり、陪審員であり、刑務所へ行くのもあんただ。あんた一人で全ての判断を下さなくちゃならん」
Lee Trevino(リー・トレヴィノ)

「木と木の間を抜こうという時、あなたは少し真剣に集中する。ごく普通のショットの時にも、少し真剣に集中すべきなのだろう」
Luke Donald(ルーク・ドナルド)

「私のトラブル・ショットについての考えは、それがthe Mastersであろうが、U.S. Open、AT&Tナショナル・プロ・アマであろうが、攻撃的に実行するのがベストというものだ」
Peter Jacobsen(ピーター・ジェイコブセン)

「人はボールの行方を目で追いたがる。それがスリー・パットの原因なのに」
Lee Trevino(リー・トレヴィノ)

「ゴルフをプレイするのは食べることに似ている。それぐらい、自然に行われるべきものだ」
Sam Snead(サム・スニード)

「練習すればするほど幸運が舞い込んで来る」
Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)

「子供や初心者を教えるのに問題はない。彼らは聞き分けがいいからだ。問題はひどいグリップをしているハンデ15の連中だ。こいつらは何も聞かない。時間当り500ドル要求したら、連中も私の話を聞くかも知れないが、そうも出来ない。だから私は『出てけ』と云うだけだ」
Simon Hobday(サイモン・ホブデイ、レッスン・プロをやめてシニア・ツァーに参加)

「二位になるのは誰かね?」
Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン、メイジャー・トーナメント開始前の彼のお得意の台詞)

(同僚たちに)「二位になるために、そんなシャカリキに練習しなくてもいいんじゃない?」
Babe Zaharias(ベイブ・ツァハリアス、当時彼女はLPGA Tourで連戦連勝していた)

「神様だって1番アイアンをヒット出来ない」(1番アイアンを持てば雷が避けられるという冗談)
Lee Trevino(リー・トレヴィノ、彼は落雷の直撃に遭ったことがある)

「物理学者は完璧なゴルフ・スウィングについて説明出来るし、それを科学的な言葉で書けるだろう。だが、賢いゴルファーはそんなものは読まず、それをライヴァルに渡して熟読させる」
Dr. Fran Pirozollo(フラン・ピロッツォーロ、スポーツ心理学者)

(July 29, 2005)


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