Golf Tips Vol. 167

Mr. X(ミスターX)のゴルフ

私に「もっとコックしろ」、「テイクアウェイの幅を広げよ」と示唆して、最近の私の飛距離増を助けてくれたJack Rushing(ジャック・ラッシング、86歳)の次なる助言は、「身体の中心で両手をアドレスせよ」というものでした。いわゆる「Yの字アドレス」です。これまでのところは素直に彼の云うことに耳を傾けて来た私ですが、今度ばかりは抵抗がありました。

[reverse K]

私がゴルフに入門した当時読み耽った本は三冊あり、それらはパーマーの『わたしのゴルフあなたのゴルフ』(1967)、ニクラスの'My 55 Ways to Lower Your Golf Score'の翻訳(1974、邦題失念)、そして『ミスターXのゴルフ』(1970)というものでした。

『ミスターXのゴルフ』は原題'Golf Lessons With Mr. X'(1968)というもので、著者は当時正体不明でした。その本で最も印象的だったのは、Kの文字を裏返しにした「逆K」のアドレスを推奨していたこと。それはその頃全盛期だったJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のアドレス・スタイル(右図)でもあったため、完全に納得させられ、以来ウン十年、私は「逆Kのアドレス」が習性となっており、おいそれとは変えられないのです。

「何故Yの字?」という私の問いに、Jack Rushingは「Ben Hogan(ベン・ホーガン)がYの字じゃないか」と云うだけ。彼はBen Hoganを崇拝しているからそう云う気持ちは解りますが、それだけではニクラス風「逆K」を批判する根拠にはなりません。

'The Secret of Golf'
edited by George Peper with Mary Tiegreen (Arran House Press, 2005, $18.95)

上記、過去・現在の名著の抜粋を載せたアンソロジーに、確か'Golf Lessons With Mr. X'も紹介されていたな…」と思い、調べてみました。この本によれば、著者Mr. X(ミスターX)はイギリス人で、驚くべきことにツアー・プロでも、レッスン・プロでもなく、ただのアマチュアなのでした。しかし、そこらへんにゴロゴロしているアマチュアではなく、tips漁りに明け暮れて上達しないへっぽこゴルファーでもなかったのです(^^;;。彼はRobert Russell(ロバート・ラッセル)というビジネスマンで、43歳の時にゴルフに入門。悪戦苦闘六年でシングルになりましたが(凄い!)、それだけでは満足せず、名人たちの写真を熱心に研究。そして、名人たちには週一ゴルファーに備わっていない体格と態度の類似点があることを発見。理学療法士も彼のセオリーを認めてくれたため、Robert Russellは身体改造に乗り出し、一日二時間のトレーニングを八週間続け、ゴルフに特化した強靭さと柔軟さを備えた身体を作り上げました。その頃はスポーツマンの身体的トレーニングなどは珍しい時代で、ましてやゴルフ部門では先駆者でした。70歳代となったRobert Russellはスクラッチ・プレイヤーとなり、全ゴルファーのたった1%が達成出来る偉業であるエイジ・シュートで廻るのが日常茶飯だったとか。彼が執筆したMr. X名義の記事は英国のゴルフ雑誌に連載され、読者からの凄い反響を得、やがて単行本として出版されました。その本の骨子の一つが「逆Kのアドレス」でした。

そのアンソロジーで'Golf Lessons With Mr. X'の抜粋を読み直して驚きました。あれほど悪戦苦闘したアイアンでディヴォットを取るためのアドレス法が理路整然と記されているではありませんか。ゴルフ入門当時、「逆K」だけでなく、このアイアンのアドレスの仕方にも慣れ親しんでいれば、私のゴルフはどれほど違っていたことか。

「・左の肩関節(肩の突端)は、スウィング弧の最低点の真正面でなければならない。

・スウィング弧の最低点か僅かにその先でクラブヘッドがボールと接触すべきドライヴァー・ショットでは、左の肩関節をボールの中心(あるいはそのターゲット側の端)に揃えるべきである。

・全てのフル・ショットにおいて、頭の中心はスウィング弧の最低点の約15センチ後ろになる。

アイアンのアドレスでは、(ボールを打った後にクラブが地面と接触して抉る)ディヴォット跡の最深部となるべき部分に左の肩関節を揃える。例えば、7番アイアンでは、その位置は約9センチほどボールの前方(ターゲット方向)となる。

[pitching]

深めのディヴォットを取るべきピッチング・ウェッジのアドレスでは、両手をディヴォット跡予定地の真上(あるいはボールの15センチほどターゲット側)に置くべきだ。フェアウェイから打つショットは下降気味のインパクトになるべきなので、両手を僅かにボールの前方に出したアドレスをする。シャフトは若干ターゲット側に傾くことになる。

【編註】左図はピッチング準備体勢のTom Watson(トム・ワトスン)ですが、両手の真下(赤矢印の先端)がスウィング弧の最低点(=ディヴォット跡予定地の最深部)で、(Mr. Xの言葉に従えば)それはボールの前方約15センチということになります。

【原著者の警告】上のアドレスをした時、ボールが右に出るような感じを抱くかも知れないが、それは錯覚であり、ボールは真っ直ぐ飛ぶので気にしてはいけない。上に述べたボール位置・肩や頭の位置等を無視して、単にクラブシャフトをターゲット方向に傾げるのは不可で、いい結果は得られないので注意」

[icon]

ディヴォットを取るべきショットなのにJack Nicklausの図のように両手をボールの後ろに置いたのでは、掬い打ちをお膳立てしていることになります。図のTom Watsonのように両手をボールよりターゲット側に出し、ディヴォット跡予定地の真上に置いてアドレスすべきなのでした。これなら否応なく左手首はFLW(Flat Left Wrist、平らな左手首)となり、ボールを圧し潰して確実にディヴォットを取り、ボールはまっしぐらにピンに向かうことでしょう。

同じアンソロジーに'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)も紹介されています。'Natural Golf'というのは、カナダの伝説的異才Moe Norman(モー・ノーマン)のスウィングをモデルにしたメソッドですが、この基本的アドレスも正面から見た場合は「逆K」です。'Natural Golf'のグリップ、スタンス、打法は普通のメソッドと異なるので、単純に比較するわけにはいきませんが…。

1996年に発行された'Dolf Digest'増刊号の'Lessons from Golf's Greatest Swings'という、Ben Hogan(ベン・ホーガン)からTiger Woods(タイガー・ウッズ)までの名人たちのスウィングの連続写真を掲載したものがあります。その34人のプロたちのうち「Yの字」アドレス」をしているのは、Ben HoganとFred Couples(フレッド・カプルズ)のたった二人。残りは全部「逆K」派でした。これをもってしても、Yの字が良くて逆Kは駄目と決めつけることは出来ないでしょう。なお、Mr. Xは「Yの字アドレス」を「よく見られる間違いである」と非難しています(^-^)。

[icon]

このアドレス法によるアイアン・ショットを何日か練習してみましたが、ゴロとシャンクばっかり。がっくりしました。ですが粘った末、ついにコツを発見。上の例の7番アイアンのフル・スウィングの場合だと、スウィング弧の最低点はボールの前方(ターゲット方向)約9センチです。ワグルからスウィングするまで、目はそのボールの前方9センチを凝視すべきなのです。ボールを見ては駄目。これは見るべき位置こそ(ボールの前と後ろで)逆ですが、やることはバンカー・ショットと同じです。クラブで地面/砂を抉(えぐ)る場所を見つめなければいけない。ボールを見てしまうと、バンカーではホームラン、フェアウェイではゴロかシャンクになってしまう。

このコツを発見してからは鋭く真っ直ぐに打てるようになりました。ただし、ダウンブローに打つことによって5〜10ヤード距離が増えてしまうことがあります。この副作用が毎回出るように練習に励まないといけません。でないと、グリーンに乗ったりオーヴァーしたり、ムラを生じてスコア・メーキングに支障を来します。

【参考】
・「逆Kは古いのケエ?」(tips_33.html)
・「逆Kの逆襲」(tips_129.html)
・「女たちよ、ディヴォットを取れ!」(tips_148.html)
・「Natural golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)

(November 01, 2015、改訂January 02, 2017)


Mr. X(ミスターX)のゴルフ・実践篇

「Mr. X(ミスターX)のゴルフ」(前項)で、「目はボールの前方9センチを凝視する」と書きましたが、これでも適切な距離を打てないことがあり、どうしてだろう?と困惑しました。苦闘の末、一つの結論を得ました。

「目がボールの前方9センチを凝視する」に間違いはないのですが、その時の頭の位置が問題です。目と一緒に頭もボールの前方9センチに移しては駄目で、(ショート・アイアンの場合)ボールの真上に鼻の頭があるようでないといけない(これ、アイアンの普通の構えですけどね)。私のミスは、頭もボール前方9センチに動かしてしまったので、スウィング弧の最低点をかなり後ろに移した結果となったのです。それがシャンクやゴロの原因でした。

ミスターXは間違っておらず、余計なことをした私の失敗でした。

(November 18, 2015、訂正November 22, 2015)


グリーンサイドのラフから寄せる

'How to master the greenside rough'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2010)

「ボールがグリーンに近いラフに入っても、パーを得ることは可能だが、不注意にプレイすれば簡単にボギーになってしまう。以下はグリーンサイドのラフから寄せワンを達成するいくつかのヒントである。

・ライのチェック

どのくらい草に埋まっているのか?多くのゴルファーは草の天辺しか見ず、その底部を見ないが、実はそこがスウィングを向かわせるべきところなのだ。天辺しか見ないことは往々にしてトップに繋がり、グリーン・オーヴァーのショットを生む。必要なロフトでボールをソフトに脱出させるには、グリーンサイド・バンカーショットのようにクラブヘッドでボールの下を打たねばならない。

ボールの横で数回素振りをし、ラフがどれだけ深いか感じを掴む。クラブヘッドを草の根元に振り下ろすが、ディヴォットを取るのを恐れてはいけない。素振りによって草を刈る感じを得るべきだ。

・角度の維持

頭をボールの真上かやや前方にセットし、草を鋭い角度で切り裂くのを助ける。ボールとクラブフェースの間に草が挟まる量を最少限にするため、クラブヘッドをボールのすぐ後ろの底部に下ろす。草の量が少ないほどスピンの量が増える(スピン率は少ないだろうが)。

アドレスでは、腕とクラブシャフトが(正面から見た場合)"y"の字を形成するような構え【ハンド・ファースト】。その"y"をインパクト・ゾーンまで維持し、ラフの濃さとどれだけの距離を飛ばしたいかによってスウィングのスピードを変える。ボールが巣ごもりしているようなら、より多くのクラブヘッド・スピードが必要であり、逆もまたしかり。あなたとピンの間にあまり間隔がない場合は、最もロフトのあるクラブを選び、フェースを寝せてグルーヴ(溝)が空を向くぐらいオープンにする。だが、これをあまりに過剰に行うとポップアップとなり、ぴょんと真っ直ぐ飛び上がるか、ボールの真下をすり抜けるミスを犯すので注意」

(November 04, 2015)


グリーンサイド・ラフからのスマートな脱出

これはAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のウッドによる脱出法。

'Arsenal addition'
by Annika Sorenstam with Kathryn Maloney ('Golf Magazine,' July 2000)

「グリーン周りの深い草にボールが埋まっている場合、サンド・ウェッジやロブ・ウェッジで空手チョップのような急角度の攻撃をするよりも、5番ウッドや7番ウッドがお勧め。ウッドのヘッドは長い草を分けてスライドし、ボールとクリーンなコンタクトをして、グリーンにぽんと上げてくれる。

この手法が最高に嬉しいのは、僅かな調整を施すだけで、あなたの通常のパッティング・ストロークを用いれば済むことだ。

・クラブを短く持ち、下方の手はシャフト部分を握る。
・狭めのスタンスをし、ボールは後方の足の内側とする。
・体重のほとんどをターゲット側の足に掛ける。

そして、パッティングと同じ長さでストロークする。ボールはラフからぴょんと飛び出し、着地後パットと同じように転がる。多少の練習で、このショットのフィーリングを獲得し、あなたのショート・ゲームをさらに技巧的にする」

(November 04, 2015)


節度ある捻転をせよ

女性インストラクターJane Horn(ジェイン・ホーン)の捻転し過ぎへの戒めと、正しい肩の回転についての助言。

[Horn]

'Power Golf for Women'
by Jane Horn (Citadel Press, 1999, $16.95)

「バックスウィングでの肩の回転は90°が適切である。もっと回転させればトルク(捩りモーメント)が増え、その結果凄いパワーが生成されるように思うかも知れないが、残念ながらそうではない。バックスウィングで過度の肩の回転をすると、ボールをスクウェアにするのに不可欠な他のパワー生成要素のどれかに悪影響を与える。その一例は、身体の中心をあまりにも遠くに廻し過ぎ、体重のバランスを狂わせる(=リヴァース・ピヴォットになる)ことだ。過度の肩の回転はまた、バックスウィングでのクラブ位置を乱し、ボールに向かうクラブヘッドをスクウェアにするのを難しくする。どのように肩を回転させればよいかは、しばしば見落とされがちな要素である。

バックスウィングでの肩の回転はパワー・センター【註参照】を動かす。肩が90°廻れば、パワー・センターはフォロースルーへの180°の回転を準備する。

【註】著者Jane Hornは、「鎖骨(胸骨と肩甲骨を繋ぐ、緩くS字状に曲がる左右一対の骨)から下の胸の部分がゴルフ・スウィングの原動力であり、この部分をパワー・センターと呼ぶ」と云っています。

バックスウィングでの問題点は、多くのゴルファーが顎の下に左肩を位置させようと努力して、頭を下に動かしてしまうことだ。だが、肩はアドレス時の45°の角度を保ったまま水平に回転すべきものであり、意識的に顎の下に廻そうなどとすべきものではない。そんなことをして頭を下に動かすと、身体全体を下降させるだけでなく、パワー・センターを正しく回転させるのを妨害する。顎の下に埋もれたパワー・センターはフル回転出来なくなり、結果としてパワーは生まれない。

アドレスでセットされたポスチャーは、終始バックスウィングの間維持されるのが理想であり、バックスウィングの際の肩の下降や上昇などで変わるべきものではない。

スウィングのトップの周辺視野でクラブヘッドが見えるのを、一概にオーヴァー・スウィングのせいと決めつけることは出来ない。多くの場合、それは手首のコックをスウィングの途中でなくバックスウィングの最終段階で行っている結果である。バックスウィングのもっと早期にコックをすればよい。

オーヴァー・スウィングを防ぐ最良の方法は、バックスウィングで左足を上げないことだ。これはパワーを生む錨ともなる」

画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(November 08, 2015)


オーヴァー・スウィングかどうか知る三つの指標

'Three signs that your backswing is too long'
by editors of 'Golf Magazine,' February 1999)

「パワー・ヒッターが何発かミス・ヒットした後によく聞かれる助言は、『もっとコンパクトなスウィングで正確さを期したら?』というものだ。多分そうかも知れないが、ヴィデオか鏡を使って以下のチェックをし、全てにパスすればスウィングを短くする必要はない。

1. 左のグリップ

スウィングのトップで、左手の最後の三本指(中、薬、小指)は掌にグリップエンドを押し付けるように保持していなければならない。長いスウィングをするゴルファーは一般的にこの三本指をやや緩めがちで、それがバックスウィングの長さを増す反面、クラブのコントロールを難しくする。

左手の末端にティーを挟んでグリップし、スウィングの間じゅうティーが落ちないかどうか調べる。

2. 右脚の錨

右脚をしっかりさせたまま、出来る限り上体を捻転する。クラブがトップに到達すると、体重は右足の内側にセットされ、右膝は僅かに緩む筈だ。体重を右足の外側に移すと、バックスウィングは長くなるが、腰を過剰に回転させる原因となり、パワーと安定度を減じてしまう。

あなたにこの気があるのなら、右足の外側でボールを一個踏んづけて、ボールを打ってみる。これは体重を足の半分内側に留め、スウィングの錨となってくれる。

3. 傾斜を防ぐ

バックスウィングでのスウェイの反対は、上体をターゲット方向に傾げること(=リヴァース・ピヴォット)だ。この動きは、トップでクラブシャフトを水平以下にしがちであり、これは大きな過ちだ。上のような動きをすると、ダウンスウィングでターゲットから遠ざかる方向に傾く動きによって埋め合わせをすることになり、これはソリッドなボールとのコンタクトをほぼ不可能にする。

ボールから垂直に引かれた線を視覚化する。あなたの頭はアドレスとバックスウィングの間じゅうその線の後方に位置するべきである。もしその線から前方に出たら、あなたは身体を傾斜させている。このミスに対抗するには、アドレスした後左足を約30センチほどターゲットラインから下(背中側)に下げることだ。このスタンスでボールを打ってみる。左足を下げた状態では、どんな傾斜もバランスを崩壊させてしまう」

モダン・ゴルフの祖Byron Nelson(バイロン・ネルスン)は、次のようなことをしなければオーヴァー・スウィングではないと云っています。

'Shape Your Swing The Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, 1976)

「・グリップを緩めてしまう。
・頭を動かしてしまう。
・手首で過度のコックをする、あるいは手首の甲を凸型に折ってしまう。
・左爪先を過度に上げてしまう」

(November 08, 2015)


インストラクターから妻へのtip

Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)の父親Davis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)は、Bob Toski(ボブ・トスキ)と共著の本も出しているほどで、ゴルフの世界ではコーチの第一人者として知られていました。しかし、惜しくも1988年に航空機事故で他界。この本はその父親が遺したノートを土台に、Davis Love IIIが自分の経験も加えて一冊の本にしたものです。

'Every Shot I Take'
by Davis Love III (Simon & Schuster, 1997, $21.00)

「インストラクターたちの中には、生徒にtipを与えるのを恐れる人がいる。Tipを、深刻なスウィングの問題点へのバンド・エイドであると考える人たちもいる。私の父は違った。彼はtipを、ゴルファーのスウィングに対する扱い易く核心を衝く手段であると考えていた。彼はtipというものの信奉者であり、プレイヤーに最適で深く身につくtipを見つけるために、沢山のtipを試すべきだと感じていた。たとえば、私の母に施したように。

人々は、父が作り上げた最高の生徒は私だとごく自然に決めてかかるが、本当のところは私の母が父のベストの生徒なのだ。彼は、とりたててスポーツに堪能でない彼女をまっさらな初心者から、抜群のプレイヤーへと育て上げた。70歳に近づいた現在でさえ、母は毎回80を切るプレイをし、強風下の難しいコースでとりわけ力量を発揮する。

私は一度母に、父から受けた最良のtipは何であったか聞いたことがある。彼女は躊躇うことなく答えた。それは『バックスウィングのトップで、左手の親指はシャフトを支えるように下側に位置しなければならない』というものだった。親指が他の位置にあってはいいスウィングは作れない。母はスウィングがおかしくなると、その基本の点検に立ち返り、元の軌道に戻すのだった」

(November 08, 2015)


パットの方向性を手首の高さで制御する

ある日のラウンド、パットのほとんどが僅かにカップの左に逸れました。Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)の「パットの応急手当」(tips_62.html)では、「両手が低い構えだと左へ出易いので、そういう時は両手を上げるとよい」となっていますが、私は応急手当でなく恒久手当を見つけたいと思いました。

[bending wrist]

“パット・ドクター”を自称するDr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)は、ストレート・ストロークのコツの一つとしてアドレスで「手と手首をアーチ状(弓なり)にする」ことを挙げていました。その形にすると、パターは時計の振り子のように手首からぶら下がるので、振り子運動が容易になるとのこと。それを読んだ直後試してみて、手首を弓形にすると手首と左肘が同時にロックされ、棒のようになることを発見しました。逆に左肘を伸ばせば左手首がロックされることも発見。つまり、手首をロックするには、1) 手首を弓形にする、2) 左肘を伸ばす…の二通りあるわけです。私は弓形にして身体から離れる手首を嫌い、後者の左肘を伸ばすロック法を採用。しかし、当時はさしたる成果を収められませんでした。

たまたまTom Kite(トム・カイト)の'How To Play Consistent Golf'(1990)という本を開いたら、手を軽く弓形にした写真の説明として「前腕とパターを基本的に下に垂らし、手首をややアーチ状にする」と書かれていました。本文にはそうすべき理由も効果も何ら説明されていませんでしたが。

現在のポスチャーとストローク動作には弓形の手首が合っているかも知れないので、久し振りに試してみることにしました。手首を写真の赤い円弧のように上側に反らすと、親指の付け根と手首との間(緑色の点)にビビッと軽い刺激を感じます。この瞬間、手首の自由がなくなるので好都合。

両手の上げ方ですが、手首をかなり前に突き出して、完全に時計の振り子のようにすべきなのか?あるいは控え目に胸の下辺りにしておくべきか?もちろん、ボールと身体の距離も影響するので要注意です。ボールとの距離が離れていれば両手は自然に下がり、ボールに近く立てば両手は自然に上がります。しかし、目はターゲット・ラインのやや内側にあるべきなので(真上という説もある)、無闇にボールとの距離を変えていいわけではありません。

アドレス・ポスチャーも一定でないと、正しい手首の角度を探り出しても、それを効果的に活かすことは出来ません。土台がころころ変わっては、いくら両手を正しい高さにセットしても無意味です。私にとっての理想的な体勢は、両手の生命線をパター・ハンドルの左右の角に合わせて握り、広めのスタンス、股関節から上体を折って尻を上げ、ボール位置はスタンス中央よりやや左、首を地面と平行にして目はボールの下方…というものです。

私はポスチャー(土台)を先ず定め、手首を身体の近くに位置させてからパットを始め、少しずつ手首を身体から離して行くという段取りでカーペットの上でテストしました。パットの成功率から逆算して手首の正しい位置を見定めようという算段です。

そのテストでは残念ながら手首がロックされる位置は、私にはやや高過ぎるようでした。ビビッという刺激を感じたら、そこから僅かに両手を戻す(下げる)と適切な高さになるようで、その体勢からだとボールがターゲットに真っ直ぐ転がり出しました。

しかし、「僅かに戻す」という手順は基準としてちと曖昧ですっきりしません。ビビッという刺激を感じた手首の高さでストローク出来るのなら、シンプルでありがたい。で、手首の高さを一定にし、ボールと身体との距離を変えてみることにしました。
a) 目をボールの真上にする
b) 目をボール下端の真上にする
c) 目をボール下端より下にする

いずれの場合もパターをぶら下げるような形になります。私のポスチャーには(b)が合っているようで、これ以外では、ボールは真っ直ぐ転がりません。なお、右肘を強ばらせずフリーの状態にしておかないと、方向性に悪影響を与えるようです。

練習グリーンで試しました。間違いなく、ビビッという刺激を感じる両手の高さだと、かなり正確にストロークが出来ます。カップから約1.5メートル離して円形に六個のボールをバラ撒いた練習(=「時計ドリル」)で、漏れなく連続で沈めたこともありました。

ある日のラウンド、最初のハーフでは非常に難しいグリーンでの成功も含め、13パットで済ませられました。ただし、後半は崩れてしまいました。

その日、帰宅してカーペット上で猛練習。そして、後半崩れた理由が判りました。もっと大胆に手首を上げるべきだったのです。シャフトを垂直に近い約10°ぐらいの角度で吊るようにすると写真の緑点の辺りにビビッという痛いような刺激を感じ、同時に手首がロックされます。【上の写真はその完成図】この体勢が整ったら、「左肩でパターヘッドを押す」(tips_165.html)を用いてストロークします。

次のラウンド。1.5〜2メートルのパットは難なく沈め、ロング・パットもカップ横10センチに寄せて仲間を驚嘆させたりして、しばらくこの方式でやってみる決意をしたのでした。

読者が試される場合、ポスチャーやグリップ、パターのロフトやライ角の違い、ストローク・スタイルなどによっては、私の上の記述と異なることもあるでしょう。しかし、結果から逆算して最適な手首の位置を定めるという方法は何方にでも応用可能です。ボールが左に向かえば手首が低過ぎ、右へ逸れれば高過ぎです。私は「スタンス一つで、あっと云う間にパット巧者になれる法【実話】」のスタンス(tips_163.html)、「排気でパット」(tips_155.html)などを併用しています。

なお、写真のように私は両方の人差し指を伸ばしてグリップしていますが、これはストローク中に手首の角度が変わることを防止するためです。左の人差し指を伸ばすのは昔Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)などもやっていたそうで珍しくありませんが、右手の人差し指を伸ばすプロは少数派らしく、これは"over-40 finger"(年配者の指)とか"old man method"(年寄りメソッド)などと呼ばれているそうです。手が勝手に震えて困る老ゴルファーたちが用いるグリップだからだとか。左右両方伸ばす私みたいなのは、まさしく折り紙付きの"old man"と申せましょう(^^;;。

【追記】「手首を上げると手首がロックされる」を過大視して、FLW(Fixed Left Wrist=フィックスト・レフト・リスト、固定した左手首)を忘れてはいけません。ロックされても手首が僅かに動くことはあり得ます。

(November 11, 2015、追記・変更November 16, 2015、改訂November 21-29, 2015)


【その後の発見】上では「大胆に手首を上げるべきだった」と書いていますが、最初から大胆に上げるよりも、先ず両手をお臍の前辺りに位置させ、そこからじわじわと手首を上げ、ビビッと刺激を感じるポイントに達する手順がお薦めです。それほど大胆に上げて弓形にしなくても、ビビッとくれば手首はロックされます。

(January 04, 2016)


パットのショート病にはボールとの距離を確認せよ

インストラクターPeter Krause(ピーター・クラウス)によるショート病治療法。

'How to stop coming up short'
by Peter Krause ('Golf Magazine,' March 2009)

「あなたが距離の長短に関係なくショートしがちで、ボールとの間隔をどのように保ってアドレスすべきか定かでなかったら、次のテストを試みるとよい。

通常のセットアップをし、グリップから右手を外してだらんと垂らす。

もしあなたの垂らした右手が左手のグリップより外側なら、あなたはボールに過度に近く立っている。この位置だとパターをアウトサイドに振り、ボールをカット打ちする原因となる。それをストロークする際に予感したら、パター・フェースをオープンにしてロフトを増やしてしまう。こうなると、ボールにあまりにもバックスピンをかけてしまうため、大幅にショートする。

垂らした右手が、パター・ハンドルと同じ位置に来るように立つ。そうすればソリッドなストロークでカップにボールを送り届けられる。警告。過ぎたるは及ばざるがごとし。あまりにもボールから遠く立つと(垂らした右手がパター・ハンドルの内側になる)、過度にインサイド・アウトのストロークを招き、過剰な手の回転によるプルを生じるか、本能的にその回転を防ごうとしてプッシュとなる」

(November 11, 2015)


体型別スウィング【有名人篇】

Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)は、インストラクターだった父Davis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)から幼い頃よりゴルフを教わり、プロ入りしてからはそのドライヴァーの飛距離で人々を驚かせました。彼のこの本は亡父が遺した未刊の草稿をまとめ、彼自身の経験や父の思い出を交えたもの。

[Jackie]

'Every Shot I Take'
by Davis Love III (Simon & Schuster, 1997, $21.00)

「Jack Nicklaus Jr.(ジャック・ニクラス二世)、通称Jackie(ジャッキィ、写真の右側)【註】は、University of North Carolina(ノース・キャロライナ大)のゴルフ・チームで私と一緒だった。彼と私は似たような体型(背が高く、痩せて柔軟)だったが、彼のスウィングは彼より背が低く、胸が厚く彼より強靭な男性をモデルにしたものだった(誰だか解るでしょ?)。Jackieは時折私の父にスウィングに関する助言を求め、父はその質問に答えたが、非常に静かな声音だった。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の息子を、他の生徒と同じように考えるわけにはいかなかったからだ。父が云ったのは、私同様、彼も左踵を可能な限り地面につけ続けるべきだ、何故ならそれは背が高く、痩せて柔軟なゴルファーの安定性を作り出すのを助けてくれるからだ…というものだった。父は、他にもJackieのスウィングで気づいたことがあったが、Jackieには絶対それを告げなかった。

【編註】Jack Nicklausの長男Jackieは、1986年24歳の時に父親(46歳)がその年齢にもかかわらず、奇跡的にMasters(マスターズ)優勝を果たした際にキャディを務めたことで有名。

Jackieに彼の父親のスウィングをモデルにすべき理由は全くなかった。それは、私が自分の父のスウィングをモデルに出来ないのと同じことだった。どちらの場合も、親と子の世代間の肉体的差異はかなり大きかった。

数年後、Jackieのスウィングは彼の父親のようではなく、例えば背が高く痩せて柔軟な男性であるAl Geiberger(アル・ガイバーガー)に似ていた。Jackieはいいプレイヤーに成長し、私の一年後(1985年)にNorth & South(北部・南部)アマに優勝した。私が自分の息子をゴルフに連れ出す際、常に父のJack Nicklaus親子への対応を忘れないようにしている」

【参考】
・「体型別スウィング」(tips_54.html)
・「体型別スウィング(幅広型篇)」(tips_92.html)
・「体型別スウング再履修」(tips_107.html)
・「体型別スウング(プレーン篇)」(tips_137.html)
・「体型別スウィング(テコ型の補遺)パート1および2」(tips_157.html)
・「体型別スウィング【微調整ポイント一覧】」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【微調整ポイントの相性を知れ】」(tips_165.html)

【おことわり】画像はlinkslifegolf.comにリンクして表示させて頂いています。

(November 15, 2015)


Natural Golf(ナチュラル・ゴルフ)を利用する

「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)は私に飛距離の扉を開いてくれたユニークなtipですが、これはカナダの伝説的異才Moe Normon(モー・ノーマン)のスウィングからヒントを得たものでした。人間の欲には限りがないもので、現在のスウィングに先行捻転も加えたらもっと飛ぶのではないか?と期待し、試しています。

ついでにMoe Normonのスウィングを体系化して教える'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)のいくつかのポイントも利用したらどうだろう?と考えました。(こんな風だから、いつまで経っても安定したゴルフにならない(^^;;)

'Natural Golf'
by Peter Fox with John Burrill (Masters Press, 1997, $14.95)

[rerere]

・グリップ

'Natural Golf'の売りの一つはスウィングのプレーンが完全に一つであることです。伝統的スウィングは、バックスウィングとダウンスウィングのプレーンが違います(クラブシャフトと、クラブを持つ手が屈折するため)。'Natural Golf'はクラブを右手の生命線で握ってクラブと前腕部を一直線にするため、単一プレーンでスウィング出来、身体各部のタイミングを合わせてインパクトを迎えなければならない伝統的スウィングよりシンプルに、かつ正確な打撃が出来る、また右手のパワーを最大限活かすことも出来る…というのが謳い文句です。

これは一理あると思います。「レレレのおじさん」が道路清掃をする際、図のように箒の柄が途中で折れ曲がっていたら、どうでしょう。狙った目標を掃く時、柄の屈折分を調整しなければならず、焦れったい思いをすることになります。目標がゴルフ・ボールのように小さなものであれば、なおさら単一プレーンが望ましいのは明らかです。

[Natural]

'Natural Golf'の左手は伝統的なグリップと変わりません。人差し指の根元に近い関節と、"heel pad"(ヒールパッド、生命線の下の膨らみ(親指の下の膨らみではない)を結ぶ線で握る【=パーム】。

右手は生命線で握る。プレイヤーの目からは、完成したグリップの右手のナックルは一つも見えない。クラブが右手・右腕を肘まで真っ直ぐ貫通し、グリップエンドが左肩を指すように握る。【編註:伝統的スウィングでは右手はフィンガーで握るのが普通ですが、'Natural Golf'では右もパーム】

プレイヤーのアドレスを正面からみた場合、左腕・手・クラブは一直線となる。【編註:「逆K」のアドレスと同じ。この一直線が'Natural Golf'という名前の由来だそうです】

プレイヤーのアドレスを飛行線後方から見た場合、右肘からクラブまでは一直線となる

【注意】'Natural Golf'のグリップは左右ともパームで握るが、野球のバットのように握るのではない。また、グリップ圧はきつくしないこと。バッグからクラブを引き抜く時の強さを維持する。【編註:'Natural Golf'はパームで握ってもグリップが緩まないよう、太目のハンドルを推奨しています】

・スタンス

'Natural Golf'では非常にワイドなスタンスが標準(身長によるものの、5番アイアンで胴の幅)。

・ボール位置

上のように身長によってスタンスが異なるので、足を基準とするボール位置ではなく、身体の部位との関連でボール位置を特定する。ドライヴァー、フェアウェイウッド、ロングアイアンでは左肩の外側、ウェッジとショートアイアンでは身体の中心がボール位置。

・アドレスでのクラブヘッドの位置

クラブはボールの10〜30センチ後方にセットする(一般的に云って、身体の中心)。サンドウェッジからドライヴァーまでは、ボールの30センチ後方」

[icon]

私が'Natural Golf'に興味を抱いたのは'Natural Golf'風「先行捻転」が役立ったことと、最近の私が(ヒールで打つのを避けるために)腕を伸ばしてアドレスしているという'Natural Golf'との類似点が出て来たせいです。ただし、'Natural Golf'に宗旨替えするつもりはなく、「先行捻転」のように伝統的スウィングにも応用出来る「いいとこ取り」が出来ないかと考えているだけ。

写真から推察するに、Moe Normonは「体型別スウィング」の「幅広型」に該当するようです。背は高くなく、胸が厚く広いガッシリ型。ですから、中肉中背の「テコ型」である私がMoe Normonのスウィングの全ての要素を真似るのは危険に思われますし。

ついでですから、興味を持たれた方のために、'Natural Golf'のアドレス以後の重要ポイントを記しておきます。

・バックスウィングのトップは、左腕が地面と平行より僅かに越える位置。【伝統的スウィングより、かなり低い】
・スウィングの間じゅう、右肘は左より下に位置する。
・トップで右手首は45°に折られる。
・バックスウィングのトップで短いポーズ(一時停止)を置く。「1ー2ー[停止]ー3」のリズムが重要。【編註:松山英樹と同じです】
・ダウンスウィングの開始では、右肘を下方・内側に下ろす。
・折られていた右腕はインパクト・エリアで伸ばされ、右掌はターゲット・ラインを向く。
・体重移動はするが、右踵を地面につけたままにし、腰や肩を回転させないため、インパクトで腰はターゲット・ラインと平行である。
・手がクラブをリードし、インパクトでグリップエンドは左腰(あるいはその外側)を指す。【そうならなければ、リリースが早過ぎ、パワーは失われている】
・インパクト後、両手はフルに伸ばされ、クラブヘッドはターゲット・ラインに沿って突き出される。

[icon]

私は'Natural Golf'のグリップ(特に右手の生命線グリップ)と、ボール後方30センチのクラブ位置だけ取り込んでみることにしました。私が購入した中古R11ドライヴァーには、Winn Grip製Excel W7 Wrap Oversizedという太目のハンドルがついているので、'Natural Golf'のパーム・グリップをするのに好都合。

ある日のラウンドのドライヴァーを全てパームで握って打ってみました。飛距離は伸びないし、方向も定かでありません。Moe Nomanは「パイプライン」と綽名されたほど真っ直ぐなボールを打ったのですから、方向が正確でないとこのグリップをする意味がありません。「先行捻転」も加えてみましたが全く向上しませんでした。

その後も練習を重ねましたが、一向に展望は開けません。いいとこ取りでは駄目なのかも知れません。

【参考】
・「Natural golf(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_10.html)
・「Ed Street(エド・ストリート)の'Natural Golf'(ナチュラル・ゴルフ)」(tips_58.html)
・「Moe Norman(モー・ノーマン)の半生」(tips_85.html)
・「Moe Norman's Grip」https://www.youtube.com/watch?v=ChR0NQCz_xo【2:22】

(November 18, 2015)


エフォートレスなパワーを身につける

'Delay the hit'
by Ron Gring with Greg Midland ('Golf Magazine,' June 2005)

[Els]

「Ernie Els(アーニィ・エルス、図)に代表されるロング・ヒッターたちは、最後の瞬間までリリース(エネルギーの放出)を遅らせる。それが、彼がイーズィにスウィングしているように見える理由である。インパクト直前、彼の左腕は伸ばされて、遠心力がクラブをリリースする準備を整える。彼の腰が腕とクラブをダウンスウィングへ導く。

しかしながら、飛距離障害に悩めるアマチュアたちは、クラブヘッドを手で投げ出すことによって、コックの角度を早期に失ってしまう。リリースを遅らす次のドリルによって、あなたもエフォートレスに飛距離を増すことが出来る。

正しいリリースの感覚を定着させるため、7番アイアンで短いパンチ・ショットを行う。アドレスし、シャフトが地面と平行になるようにコックする。そこで一旦停止してリラックスし、その段階からスウィングを始め、手が胸の高さになるまでバックスウィングする。完全に捻転したら、腰でダウンスウィングを開始し、胸の高さのフィニッシュをする。腕の勢いがクラブをリリースするに任せること。

このドリルは、手と腕に出来るだけ長くダウンスウィングのパワーを蓄えておくことを教える。手でクラブを前もってセットしておくことによって、インパクトで今以上のスピードが得られ、飛距離増に驚くことだろう」

(November 22, 2015)


野球ドリルで飛距離を伸ばす

これは身体の柔軟性が衰え始めたシニア・ゴルファーにお勧めのtip。

'For more distance, let the driver go'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 2007)

「あなたが体験している問題は、ドライヴァーを打つ時のインパクト・ゾーンで充分に伸張していないということかも知れない。それは多くの場合、柔軟性を欠いているせいであり、結果としてスウィング弧が狭まりパワーを失ってしまう。だが、ここに説明する『野球ドリル』は、あなたの身体をほぐし、正しい伸張がどういうものかを感じ取らせてくれる。

ボールは不要。通常のドライヴァーのスタンスをとり、両手が腰の高さになるまでバックスウィングする。そこからインパクトに向かって振り下ろす。ただし、インパクトからフォーロースルーへの推移で右手をクラブから離し、左腕だけでフィニッシュへとクラブを動かし続ける。

あなたはクラブを正しいフィニッシュへと振り続けるには、身体を回転させ、左腕を完全に伸ばし左手首をフラットにし続ける必要があることに瞬時に気づく筈だ。これが、あなたに欠けている伸張である。

いったんこのドリルのフィーリングを獲得したら、ボールをティー・アップして打ってみる。最初はインパクトで完全に右手を外し、次いで右手を軽く添えたままフォロースルーへ突入する」

(November 22, 2015)


上腕三頭筋でテイクアウェイせよ

これは「'One Move'(ワン・ムーヴ)」(tips_4.html)に似ています。'One Move'はスウィングの開始を、左肩を身体の前方に、そして右へと廻す動き一つに焦点を合わせよというものでしたが、こちらは上腕三頭筋でクラブを押せと説きます。ではその上腕三頭筋とはどこか?力瘤(こぶ)の出る方が上腕二頭筋(肘を曲げる時に使う筋肉)で、その裏側にあるのが肘を伸ばす時に使う上腕三頭筋。これを鍛えるには「飛距離を伸ばすトレーニング」(tips_13.html)の⑥が効果的です。

"The first 18 inches'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' August 2010)

「スウィングの小さな欠点が、コースに出ると大きく目立つようになる。よいスウィングを身体に覚え込ませる方法の一つは、テイクアウェイを(具体的には最初の45センチ)を向上させることだ。多くのプレイヤーにとって、いいスタートを切ることはスウィングの間じゅう良い軌道を辿る鍵であり、そのために以下の助言を役立ててほしい。

アドレス位置は、多分よいスウィングのための最も重要な構成要素であろう。オンプレーンのテクアウェイを達成するには、足、膝、腰、腕そして肩がターゲットラインにスクウェアでなければならない。鏡を使うか地面にクラブを置いて、アライメントが正しいかどうかチェックすべきだ。足だけスクウェアでも駄目で、腰や肩もちゃんと揃えること。

バックスウィングの最初の45センチでは、左の上腕三頭筋がターゲットラインに沿って真っ直ぐにクラブを押す感覚を抱くこと。クラブは自然にラインの内側に動く。両手を静粛にし続け、この時点で肩とか腰などのことは心配しないこと。左腕が動くにつれ肩も同調し、自然に腰もついて来る。上腕三頭筋の動き以外の身体の他の部品について考えていると、それらの部品が時期尚早に活動する危険を孕むこととなり、正しいバックスウィングの連続動作を投げやりにしてしまうことになる。

軽めのグリップ圧を維持する…というのは簡単至極に聞こえるが、クラブを締め付けていないかどうか監視するのは重要なことだ。きついグリップだと、スウィングの早期に両手主導になってしまい、上半身の緊張を招く。テイクアウェイの段階でクラブを引ったくるように上げるのを避けるため、右手の中指と薬指でクラブを引き上げるように想像せよ。あなたがスウィングの最初の45センチを完璧に遂行出来れば、ティー・グラウンドからもフェアウェイからもゲーム全体の向上があるのは間違いない」

(November 22, 2015、修正December 09, 2016)


Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)の打ち上げるストローク

The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)の番組で、インストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)が、最近Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)本人からパッティングについて色々教わったが、「その一つは高く打ち上げるストロークだった」と云い、上昇軌道でストロークすることのメリットを話していました。赤道から上を打てば、滑走せずにすぐにトップ・スピンのいい転がりが得られる…それがBen Crenshawの秘訣の一つだという内容でした。

[Ben's_stroke]

私はBen Crenshawの'The Art of Putting'というヴィデオを持っています。彼はthe Masters(マスターズ)に1984年と1995年の二度優勝していますが、このヴィデオは最初の優勝の二年後に制作されたもの。これで彼のストロークを見ると、ごく短いパットでは地面と平行に近いストロークですが、距離が長くなるにつれパター・ヘッドはかなり高く上がります。

ヴィデオではどれだけの距離なのか明言されていないので、以下は視聴した私の推定です。
・1メートル   パターヘッドが2〜3センチ上がるフィニッシュ。
・3メートル   パターヘッドが5〜10センチ上がるフィニッシュ。
・長いパット  距離によってパターヘッドは30〜50センチも上がる。

あるゴルフ・サイトのディスカッションによれば、Ben Crenshawの常用パターはWilson Staff 8802だそうで、その情報が正しければこのパターのロフトは3°です。【註】それだけロフトがあるのに、さらにアッパーに打つというのは驚きです。なお、Ben Crenshawは多少のフォワード・プレスはするものの、それはストローク開始のタイミングを取るためのものに過ぎないと語っていて、ロフトを減らす目的ではないようです。

【註】Ben Crenshawの自伝'A Feel for the Game'(2001)にWilson 8802との出会い、そして長いコンビ生活について書かれていました。間違いありません。

同じくパット名人であるDave Stockton(デイヴ・ストックトン)や全英オープンに四回優勝の伝説的名人Bobby Locke(ボビィ・ロック、南ア)は「パターヘッドを終始低目に保て」と云っており、Ben Crenshaw方式と極めて対照的です。Dave Stocktonは4〜5°のロフトのパターを好み、それをフォワード・プレスで「ロフト・ゼロ」にしてボールを低く転がすという不条理なメソッドです。ま、60°ウェッジで低く転がすチッピングをしている私も似たようなものですが(^^;;。

1999年に出版された'50 Greatest Golf Lessons of The Century'(20世紀の50人の名人たちに学ぶ)という本でインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ、英国)はBen Crenshawのストロークについて、「バックストロークはインサイドに引かれるが、フォワード・ストロークはラインにスクウェアに向かう」と書いています。以下のヴィデオの投稿者の分析では、Ben Crenshawはパターをインサイドに引き、インパクトでストレート、その後インサイドに向かうが、最後になってラインにスクウェアになる…とか。'The Art of Putting'のヴィデオでもインサイド→ストレート→インサイド→最後にスクウェアというケースは見られました。しかし、もうとっくにインパクトを過ぎた時点のこの最後の動きは重要ではないと思われます。

【参考ヴィデオ】https://www.youtube.com/watch?v=8lOs3wEKSZ8(4'46")
 このヴィデオはBen Crenshawのストロークを俯瞰映像、正面、クロースアップ…と多角的に分析していて、なかなか見応えがあります。

【参考記事】
・「Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)のパッティング」(tips_25.html)
・「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の パットは上昇軌道で打て」(tips_126.html)

(November 25, 2015、増補December 10, 2015)


赤道を打て

パッティング専門インストラクターMarius Filmalter(マリウス・フィルマルター)は、SAM PuttLab(パッティング・ストローク分析装置)の共同開発者として有名です。

'How to roll it smooth and easy'
by Marius Filmalter ('Golf Magazine,' September 2010)

「私の50,000余を数えるパッティング・ストロークのコンピュータ分析によれば、世界のパット名人たちはインパクトで少なくとも1.7°のロフトを加えてやや上向きにボールを打っている。これは、インパクト直後から直ちに前方への転がり【滑走ではない】を生むために重要なことだ。あなたがロフトを増やすことに失敗すれば、先ずボールを芝に埋め込んでしまい、その結果ボールはぴょんと跳び上がってラインから逸れてしまう。

だからといって、あなたがコースに出て即座にロフトを1.7°増やしてストローク出来るわけはない。あまりにも微妙な角度だからだ。だが、それを可能にする練習法がある。

ボールの後方、構えたパターの後ろに三枚のコインを積む。【註】パターヘッドをコインの上で浮かせてストロークする。あなたの使命は、コインにぶち当てずにボールの赤道をスクウェアに打つことだ。もしそれが出来たら、最高の打撃を生む正しい量のロフトを加えていることになる。コインを打つようなら、あなたは水平か下降気味にストロークしている。

【編註】原文では「25セント硬貨を三枚」となっており、それを積むと約5ミリの高さとなります。同誌の別の号では「1セント銅貨を五枚」(『五つの銅貨』!)という練習法も紹介されており、この場合は約7ミリ。'Golf Digest'の2015年10月号には、コインを一枚だけ(マークするように)置き、それに触れぬようにストロークする…という方法もありました。枚数は適当でいいようです。

このドリルに困難を感じる場合、両手をあまりにもターゲット方向に構えていないかチェックせよ。名人級のゴルファーたちがフォワード・プレスすることは承知しているが、そういう人々のパターはあなたのパターの二倍もロフトがあることを忘れてはいけない。私のお勧めはスラックスのファスナーの真ん前にパター・ハンドルを構え、完璧なロフトを生むようにストロークすることだ」

[icon]

2005年出版のJim McLean(ジム・マクレイン)の本'The 3 Scoring Clubs'によれば、ツァー・プロの多くは3〜4°ロフトのパターを用いているそうです(十年後の現在は変わっているかも知れませんが)。私のGuerin Rife(ゲリン・ライフ)製マレット型 2 Bar(トゥー・バー)パターはロフトが1°です。

(November 25, 2015)


パッティングの問題点と対策

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)による、あなたのパットのトラブルに見合った対策。

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean(Gotham Books, $30.00, 2005)

「・アドレスでラインを見るのに問題がある場合は、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のようにボールの後ろでラインに沿わせて目をセットする。長いパットではthe Masters(マスターズ)に二度優勝したBen Crenshaw(ベン・クレンショー)のように背を伸ばして立つ。

・風の強い日にいつものストロークがうまくいかない場合は、バランスを良くするために広めのスタンス、膝を通常より曲げ、コントロールを良くするためにグリップダウンし、短くしっかりしたストロークをする。

・短いパットに問題を抱えているなら、グリップに思い切った変更を加えることだ。ダブル・リヴァース・オーヴァラップ【註】、クロスハンド、クロー、スプリット・ハンズなど。そうでなければ、PGAツァーのBriny Baird(ブライニィ・ベアード)のように、われわれが練習グリーンでパットするようにパットする。実際には、彼はボールに向かうと、すぐ打ってしまう。大事なのは、彼はこれ以外の方法を絶対しないように見えることだ。

【編註】左手の最後の二本の指を右手の最後の二本のオーヴァラップさせるグリップ。

・長いパットに問題を抱えている場合は、Justin Leonard(ジャスティン・レナード)のようにターゲットラインの内側に目を置く。この調整は、自然なインサイド→スクウェア→インサイドのストロークを生む。これは距離のコンとロールに大事なよりソリッドな打つことを助けてくれる。

・ボールにピュアな転がりを与えられず、すぐさまスムーズにグリーン表面を転がせない場合、ボールの赤道を打つことに集中する。これはパッティング・グールーCarl Welty(カール・ウェルティ)が全ての生徒に教えるtipだ。これは簡単なアイデアに思えるが、バックスピンのない素晴らしい転がりを生み出す。

・あなたのパターのロフトを調べなさい。ツァー・プロの多くは3〜4°ロフトのパターを用いている。最近は新しいグルーヴ・フェース技術によって(C-grooveパターとかGuerin Rifeパターのように)たった1°のロフトしかないものも出現している。【註】このようなグルーヴ(溝)は芝に微かに沈んでいるボールを持ち上げ、急速に前進させる。Retief Goosen(ラティーフ・グーサン、南ア)は、このグルーヴ・フェース・パターによって二度のU.S.オープンに優勝した。

【編註】筆者Jim McLeanは、上記Guerin Rife(ゲリン・ライフ)パターを購入するとついて来る特典DVDの出演者の一人として、パッティング練習法を実演しています。(にもかかわらず、この記事では"Garon Rife"などとスペル・ミスを犯しています) 私はGuerin Rife製マレット型 2 Bar(トゥー・バー)パターを使っていますが、確かにこのパターだとボールがぴょんと弾んだりすることはなく、すぐにいい転がりが得られます。Jim McLeanの誇大宣伝ではありません。

(November 25, 2015)


Ben Hogan(ベン・ホーガン)の“最後の”秘密【リヴァース・ピヴォット篇】

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)がBen Hogan(ベン・ホーガン)の本'Five Lessons'『モダン・ゴルフ』のイラストの素材写真を検証した下記の本で、左図のような写真の解説として「Ben Hoganの“リヴァース・ピヴォット”」と書いていました。

[Ben's pivot]

'The Fundamentals of Hogan'(邦訳『モダン・ゴルフ徹底検証』)
by David Leadbetter (Doubleday and Sleeping Bear Press, 2000, $27.50)

”リヴァース・ピヴォット”と引用符に囲まれていることに注目。David Leadbetterの言葉を詳しく引用すると、「Ben Hoganのスウィング(とりわけバックスウィング)には他にも特徴がある。技術的には、それは“リヴァース・ピヴォット”と呼ばれるものだ。ゴルファーがバックスウィングのトップで体重の大部分を右側に移さないとリヴァース・ピヴォットになる。これは左側(ターゲット方向)に寄りかかっているような印象を与える。Ben Hoganもそのように見える。しかし、彼はバックスウィングの間の動きで捻転とストレッチを申し分なく行っているため、リヴァース・ピヴォットによる大きな影響は見られないし、彼の場合、この動きはかなりの体重移動を必要としなかった。彼はトップで"centered"(“中心に位置”)していると呼べるかも知れない。腰はターゲット方向に寄りかかっているけれども、彼の上体は中心に位置している(あるいはボールの真上にいる)ように見える。(ハイ・ハンデの者のリヴァース・ピヴォットは、腰も肩もターゲット方向に寄りかかるものだ)」

【註】初級者のリヴァース・ピヴォットはヘッド・ダウンしようという努力が原因で起ることが多く、その結果はフックやスライスが多いと云われています。

ところがです。この“リヴァース・ピヴォット”こそBen Hoganの最後の秘密だと主張するインストラクターが現れ、本まで出版しているのです。'The Final Missing Piece of Ben Hogan's Secret Puzzle'(ホーガンの秘密パズルの最後の一片)というもので、著者はV. J. Trolio(V.J.・トロリオ)という人。この人が何と、私が住んでいる町から数時間北方のゴルフ場のレッスン・プロなんです。ミシシッピ州で初めて開催されたプロのメイジャー・トーナメントが、1999年Juli Inkster(ジュリ・インクスター)が優勝したU.S.女子オープンで、まさに彼が所属するコースでした。当時、私も見に行ったものです。

[Jack]

私はこの本を買って読んだわけではないのですが、amazon.comの読者の感想やゴルフのディスカッション・サイトの発言からすると、上記の本の著者は体重移動を抑制したこのHogan流“リヴァース・ピヴォット”を推奨しているようなのです。驚きました。

シニア・グループの長老で、1ラウンドで5バーディを達成出来る実力の持ち主であり、私の相談役でもあるJack Rushing(ジャック・ラッシング、86歳、右の写真)に、上記の件について「知ってる?」と尋ねました。彼はBen Hoganのスウィングを模倣しようとして苦心惨憺している人で、某ゴルフ・サイトのディスカッションにも参加しているほど熱心なゴルファーです。「40年前から知ってる。断っとくがホーガンのはリヴァース・ピヴォットではないよ。彼は左膝をボールに向かって押し込まず、その上で捻転するんだ」とのこと。彼、Ben Hoganのことで知らないことはないみたいです。

【私が上の図の元である写真を貼付したメールを送り、「David Leadbetterはこれを“リヴァース・ピヴォット”だと云っている。これは'Five Lessons'のイラスト素材の写真だけど、ホーガンはリヴァース・ピヴォットの悪い見本を実演してるんじゃないの?」と書きました。彼は「そうじゃない。原著の34ページを見てごらん。グリップが正しくないとトップでクラブをしっかり保持出来ないという説明のイラストだ」とのこと。'Five Lessons'の34ページを見ると、上図の右の後ろ姿の方がイラスト化されていました。悪い見本なんかじゃなかったのでした。この写真を基にしたイラストを本に掲載することを承認したわけですから、Ben Hoganはこれをミスだなどと思ってなかったわけです。

私の好奇心がJack Rushingを刺激したようで、彼は“リヴァース・ピヴォット”風Ben Hoganのスウィングを始めました。「難しい。ホーガンは今のわしよりずっと若かったから身体が柔軟だった。わしの老体ではうまく打てない」…と云いつつ、彼は研鑽を止めません。ある日、Jack Rushingの練習につきあい、スウィングをヴィデオに撮って上げました。その場で再生して見せると、「速い。速過ぎる」とぶつぶつ云ってました。

現在主流のゴルフ・インストラクションは、バックスウィングで体重を右脚の上に移し、その体重をダウンスウィングで左サイドに戻さねばなりません。背骨という回転軸を僅かながら左右に水平移動させつつ身体を捻転させるという複雑な動作をするわけで、タイミングが非常に難しい。可能であれば、Ben Hogan流ピヴォットがシンプルで望ましい。しかし、私に今のところ超人Ben Hoganのテクニックを試みるつもりはありませんが。

その夜、Jack Rushingからメールがあり、「今日は私のスウィングを助けてくれてありがとう。あのヴィデオで少し進展があることを期待している。あのスウィングは40歳の頃に何年間かやってたんだが、もっと距離を得たいという欲求から他のスウィングに移ってしまったんだ」とのこと。彼にとって、このBen Hoganの“秘密”は秘密でも何でもなかったのでした。

【参考書籍】http://www.amazon.com/Final-Missing-Hogans-Secret-Puzzle/dp/0979363500

(November 29, 2015)


Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)の フェアウェイでドライヴァーを打つ

Corey Pavin(コリィ・ペイヴン、1959〜)は、U.S.オープン1995の優勝者で、2010年のRyder Cupのキャプテンも務めました。ロング・ヒッターではないが、ショット・メーキングの名人と云われています。

'Corey Pavin's Shotmaking'
by Corey Pavin with Guy Yocom (NYT Special Services Inc., 1996)

「プレイヤーの中には、ティー・グラウンド以外の場所ではドライヴァーを使わない人がいる。それはそれで結構だし、多くの状況ではフェアウェイ・ウッドが安全な選択肢だ。しかし、あなたのボールがフェアウェイの草の上にちょこんと乗っているライであれば、正確な水平の一撃が可能なので、ドライヴァーは悪くない選択肢である。ボールは低く出るため、かなりのランが出る。向かい風の際なら、フェアウェイ・ウッドより距離が望める。

・状況設定

パー5のティーショット、あなたは凡打をフェアウェイに放った。地面は固く、ボールのライは良好。ソリッドなショットをすれば、チッピングの距離にボールを送り届けられるし、ミスしたとしても僅かにウェッジ+アルファの距離になるだろう。この日、あなたのドライヴァーは好調であった。

・セットアップ

フェードを打つようにセットアップする。ターゲット・ラインの左に両足を揃え、そのスタンス・ラインに合わせてクラブフェースをオープンにする。オープン・フェースはクラブフェースのロフトを増すので、ボールを宙に浮かべるのを助けてくれる。さらに、オープンにセットアップすることによってドライヴァーによる急角度の攻撃を促し、クラブヘッドはアウトサイドからボールに向かう。これはダフりやトップのミスを防いでくれる。ドライヴァーはボールを低く送り出し、障害物に向かって舞い上がることはない。

両足と身体をやや左に揃え、ボールの目的地にクラブフェースを揃える。ボール位置は数センチ左踵の内側とすべきだ。それはドライヴァーにとっては極度にスタンス後方ではあるが、クラブフェースのロフトを増したことと、ややダウンブローで打つために許容出来ることなのだ。

・スウィング

高等技術は必要としない。アドレスで全ては決まっている。インパクト・ゾーンで打ち抜くことだけを考え、ボール前方(ターゲット方向)の地面を打つことに務める。オープン・スタンスは長いスウィングを妨げるだろうが、それでいいのだ。あなたの目的はソリッドなクラブとボールのコンタクトであり、短いスウィングはそれを容易にしてくれる筈だ」

【参考】
・「フェアウェイ・ドライヴ」(tips_57.html)
・「続・フェアウェイ・ドライヴ」(tips_92.html)

(November 29, 2015)


『グリーン上の50%の法則』の犠牲者となるな

元検眼医で各種スポーツにおける眼の能力を発展させる方面の第一人者となり、現在はPGAツァー・プロたちにパッティングを指導しているDr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)が警告する、グリーン上での視覚認識の危険性。

'See It & Sink It'
by Dr. Craig L. Farnsworth (HarperCollonsPublishers, 1997, $24.00)

「視覚にはわれわれが乗り越えなければならない先天的な反射作用がある。目は焦点が合わされた対象の実際のサイズより、少なくとも50%も大きい視野を見るのだ。これを私は『50%の法則』と呼んでいる。目は周辺視力を用いて視野を広げ、対象を他の対象との関連において位置づけようとする。これは結構な話に聞こえるだろうが、この自然の距離感はエラーを増大する可能性を孕んでいる。ゴルフで打ったり狙ったりする場所は目が視るものだからだ。

パッティングの際の50%の法則は、カップのサイズを10.8センチから15センチに拡大してしまう。だから、あなたがブレイクを相殺するために拡大されたカップの左右の一方を狙うと、そのパットをミスする可能性は大である。

ゴルフ・ボールは直径約4.3センチだ。目は50%の法則によってそのサイズを約2.1センチ膨張させる。あなたが不注意にもボールの天辺を凝視すると、2.1センチ上を見ていることになる。パターがそれより下にアドレスされていなければ、あなたは完全に空振りして当然である。

あなたがパターヘッドのサイズに50%足せば、パターフェースの一部でボールを打つことは可能だ。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)が、『ロング・パットの場合、ボールが目的地に到達しない主たる理由は打ち損ないである』と云っているのは、50%の法則のせいなのだ。

Dave Pelzは『打ち損ないは、インパクト時の20%のパワー・ロスに繋がる』と云う。つまり、パットされたボールは、目標であるターゲットに30〜60センチもショートする恐れがあるということだ。だから、パットをショートした場合、『自分は50%の法則の犠牲者なのか?』と自問すべきだ。言葉を替えれば、あなたはパターのオフ・センター(トゥやヒール)で打ったのではないかどうか?ということだ。

当然だが、ゴルファーは打ち損ないを減らすかゼロにすることによってスコアを改善出来る。それには、目が自然に外界を見る方法を変えさせる必要がある。言葉を替えれば、人は視覚的に漠然としていてはならないということだ。

[nail]

50%の法則に備わっている漠然とした視覚認識には、あまりにもエラーの余地があり過ぎる。さらに、身体の筋肉は適切に反応するように微調整されていない。先天的な訓練されていない視覚の影響から逃れるには、明確なターゲットを定めることだ。この明確さの重視は、よくあるリップアウトを防ぐ効能もある。

ボールをスクウェアに打つ能力を活かすため、ボール後部の一部のディンプルあるいはボール頂点のような小さな部位に明確な焦点を合わせるべきだ。Ray Floyd(レイ・フロイド)は『パターを当てる部位として、ボールの後部に刺さっている画鋲をイメージする』と云っていた。ロング・パットのミスを減らすには、この画鋲は真似するに値する素晴らしいイメージである。

狙うための微調整には、適切な中間目標を選ぶことを含めるべきだ。エラーの余地を最少限にするため、距離的ターゲットは草の一つ、あるいは小さな点(小砂利など)とすべきである。

ゴルフ・インストラクションの一つに『リラックスしてよいパットをするには、カップの周り1メートルに向かってパットせよ』というのがある。このアイデアは、拡大されたターゲットが任務の厳密さを軽減するため、プレッシャーをも軽減する…という理屈だ。残念ながら、この助言はわれわれの認識能力との間に本質的な矛盾を孕んでいる。皮肉なことだが、期待は軽減されるとしても3パットの危険が増大してしまうのだ。1メートルの円のtipは、よいパッティングに求められる方向と距離に挑戦するための必須項目を簡約化してしまう。このコンセプトを用いる場合、目はボールをカップの少なくとも1メートル向こうに導いてしまう恐れがある。無論、これは急な下り坂では大怪我となる。

可能な限り(特にショート・パットにおいて)常に小さな目標を選ぶこと。カップではなく、カップの端の草の一片のような」

(December 02, 2015)


それでもなおスライスで苦しんでいる方へ

「アウトサイド・インのスウィングはスライサーの特徴ではあるが、それがスライスの原因ではない」という、インストラクターHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のユニークな理論によるスライスの根絶法。

'The Only Golf Lesson You'll Ever Need'
by Hank Haney with John Huggan (HarperCollins, 1999, $25.00)

[Haney]

「スライスはボールに向かって斜めにカットする以外の何物でもない。アウトサイド・インのスウィング軌道は絶対にスライスの原因ではない。アウトサイド・インのスウィングはスライスを悪化させるけれども、原因ではないのだ。アウトサイド・インのカット打ちでも、クラブフェースをクローズにしながらだとプルかプル・フックになる。スライスにはならない。だから、あなたのスライスはスウィング軌道の過ちではないのだ。

原因の第一は、クラブフェースがオープンであるということだ。ありがちなのは、ボールに向かうスウィングがあまりにも急角度で、腕がクラブフェースをオープンに廻すというものだ。クラブヘッドは単純に左に向かい、その埋め合わせとしてフェースをオープンにする。これはスライスを増幅する。

だから、スライス治療はクラブフェースから始めるべきだ。1)充分ストロング・グリップ【註】にする、2)トップで左手首を甲側に折ってはいけない(←これはクラブフェースをオープンにし、スウィングをアップライトにしてしまう原因である)。これら二つのポイントにパスしてなおかつスライスするのであれば、あなたのスウィングがあまりにも急角度であるに違いない。あるいは、インパクトで左手甲をスクウェアにしていないのだ。

【註】左右両方の手の親指と人差し指が形成する"V"の字が、右肩の方向を指すようにする。

その急角度の攻撃、特にインパクト・ゾーンでの急な角度を一掃せねばならない。大方のゴルファーがバックスウィングでクラブを低くインサイドに引き、それから急上昇させ、反転して急角度にボールに向かい、クラブフェースをオープンにブロック【編註:クラブヘッドを適切にリーリースせず、ターゲット方向に向かわせようと執着するミス】を犯してしまう。これがスウィングを急角度にするシナリオの一つ。あるいは、終始スウィングが上下に過度に急角度なのだ。または、いいプレーンでバックスウィングするものの、ダウンスウィングで急角度にしてしまうのだ。あなたの問題はこれらのうちの一つに違いない。それを引き起こす震源を見極める必要がある。

テイクアウェイでクラブを過度にインサイドに引くのは、最も一般的な問題点である。クラブをフラットに後方へぐいっと引き、それからトップへと引っ張り上げる動きは、急角度の手打ちのダウンスウィングを生む原因である。その逆をすべきだ。クラブを先ず上げるバックスウィングをし、そのプレーンより下を動くフラットなダウンスウィングを心掛ける。フラットなプレーンなら、インパクト・ゾーンでクラブフェースをスクウェアにすることが可能である。絶対保証付きというわけではないが、それでも比較的容易であるのは確かだ。インパクトで左手甲をスクウェアにすべく集中すること。

全てのゴルファーはグリップ圧を軽めにすべきだが、スライサーにはそれが強く望まれる。きつくクラブを持つと、スウィングの間じゅう手はアクティヴでなくなり、前述のリリースを妨げるブロックを生じがちになる。インパクトでクラブフェースをスクウェアにしたいのなら、グリップ圧をソフトにすべきである。スライサーにとっては、握手する時よりソフトなグリップ圧が適切である。

スウィングのタイミングの悪さもスライスを生む原因となる。クラブフェースが後方に取り残され、インパクトでスクウェアになるのが遅れるとスライスを生む。右肩がボールに飛びかかるようなダウンスウィングは、プレーンから逸脱した急角度のクラブの動きに繋がり、腕が逆に廻るためインパクトでクラブフェースがスクウェアにならない。ゆえに右肩を後方に留めるべきだが、それにはバックスウィングで先ずクラブを上げ、それから回転するのが肝要だ。

スタンスをややクローズにすることも、スライス軽減に役立つ。左爪先をやや内側に向け、右爪先を開く。こうすればバックスウィングが容易になり、左サイドが抵抗する理想的ダウンスウィングとなる」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(December 06, 2015)

ブロックをブロックせよ

"Block"(ブロック)は適切に手とクラブをリリースしないために起るミスで、プッシュと同じく真っ直ぐターゲットの右へ向かうボールを生む。

'Ban the block'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' August 2002)

タイミング良く、ショート・ゲーム専門インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)の次のような記事が掲載されました。

「多くのショート・ヒッターが、クラブをターゲットラインに向かわせるべく舵を取ろうとする。そのためクラブヘッドのリリースに失敗し、オープンなクラブフェースでボールとコンタクトしてしまう。その結果はブロックト・ショットとなり、高く右方へ向かい、著しく飛距離を減らす。

インパクトの間に右手を左手の上に廻さずオープン・フェースになるミスを犯す原因は様々である。ブロックをなくすため、セットアップとスウィングの次の部分をチェックされたい。

・ブロック除けのセットアップ

過度にボールに近く立たないこと。アドレスでグリップエンドと左太腿の間に少なくとも拳一個分の隙間をおくこと。近くに立ち過ぎると、胸に顎を埋め、肩の回転を妨害してしまう。

左手のグリップが過度にターゲット側に廻っていないかどうか確かめる。左親指と人差し指で形成する"V”の字が、顎のやや右を指すようにすること。

・緊張をブロックする

ダウンスウィングの最初でグリップ圧がかなり増していると、腕がリラックスした状態に留まるのを困難にする。この緊張は腕がインパクトでクラブフェースを回転させるのを妨げ続ける。もし、あなたがバックスウィングの間や切り返しで、グリップし直したりグリップのきつさを増したりする傾向があるのを感じたら、アドレスでグリップ圧を緩め、ウォームアップの際にチェックすべきである。グリップ圧を意識すれば、それを軽めに保つことを助けてくれるだろう」

(December 06, 2015)


即効プッシュ撃退法

The Golf Channel(ゴルフ・テャネル)のレギュラー講師Martin Hall(マーティン・ホール)による慢性プッシュ症候群治療法。

'How to stop pushing the ball'
by Martin Hall ('Golf Magazine,' May 2005)

「過度にインサイド・アウトにスウィングする人は、真っ直ぐ右へ向かうショットか、最後の最後に僅かにスライスするショットを打ちがちである。

このテの人は、インパクト後も右サイドをぐずぐずさせるのが普通で、正面から見た場合、左太腿の大部分が見えているフォロースルーをする。

フォロースルーの両手が地面と平行になる時点で、右肩・右腰・右太腿が左肩・左腰・左太腿を隠すように回転させよ。これはGary Player(ゲアリ・プレイヤー)などにバンカー・ショットを教えた名人Norman von Nida(ノーマン・フォン・ニダ、オーストラリア、1914〜2007)のヒントによるもので、こうすれば右サイドが完全に機能する。左サイドは右サイドに道を空けて譲り、その結果右に向かってクラブを振ることはほぼ不可能になる。究極の目標は、あなたの右肩が左足の上でフィニッシュを迎えることだ」

(December 06, 2015)


スナップ・フックとの訣別

スナップ・フックとは予期せぬほど急角度に左へ曲がるフックで、林やOBに飛び込んでしまって大惨事となる醜悪なもの。

'Get rid of your snap hook'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' July 2007)

「インパクト・エリアでは両手・両腕・クラブを反時計方向に回転させるべきなのに、クラブフェースをスクウェアにしようとして左手首を凹形にする(甲の方に折る)と、とんでもないフックとなる。

この対策には短い物差しを使う。物差しを左手の腕時計のベルトの下に差すと、手首は正しい平らな状態になる。先ず、ハーフ・スウィング(腰から腰まで)をし、左手首をフラットにしたまま両腕が回転するように努める。

この練習を毎日五分間、一ヶ月続ければ醜悪なフックとはおさらば出来る」

(December 06, 2015)


プルの原因と対策

'Golf Magazine'誌編纂のゴルフ百科全書ともいうべき本より。

'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

「プルはターゲットの左に飛び始め、そのまま直進するショットである。これはプッシュ同様、クラブフェースの真ん中でスクウェアにソリッドに打たれるため、いい打感を残す。だが、クラブフェースはアウトサイド・インの軌道でインパクトを迎えるので、ボールは意図されたターゲットの左方に向かい、そのまま飛び続ける。プルのクラブヘッド軌道はスライスと同じであるが、唯一インパクトでのクラブフェースの向きが異なるだけである。プルは次の要素のどれか一つ、あるいは複数の組み合わせが原因となって起る。

原因1:バックスウィングでの右方へのスウェイ

バックスウィングで、固定した軸の周りで身体を捻転すること。右足の内側から右脚を貫通し、頭の天辺へ抜ける垂直の棒が立っていると想像する。バックスウィングでは、確実に頭・肩・腰をこの棒の周りで回転させるように。その結果は肩と背中のより良い捻転となり、それはテイクアウェイの間にクラブヘッドをターゲットラインの内側に引き、インパクト・ゾーンでインサイド→スクウェア→インサイドの軌道を推進する。

原因2:左サイドへの過度の体重移動

右サイドへの体重移動の失敗は、往々にしてダウンスウィングで右への傾斜の原因となり、それはクラブヘッドをターゲットラインの外へ向かわせる。ダウンスウィング開始までに大部分の体重を右足内側に正しく移動させるようにする。クラブが下り始めるにつれ、体重は即座に左に戻るべきである。

原因3:右肘のフライイング・エルボー

インパクト前に右肘が身体から遠ざかっていると、クラブヘッドはターゲットラインの外に振られる。可能な限り右肘を身体の右脇に引きつけておくように。ダウンスウィングの開始は右肘を右腰に向かわせるように考えること。

原因4:クラブシャフトが”レイドオフ”【註】の位置の場合

【編註】"laid-off":アドレスした時のシャフトの角度を右肩の上に延長した線をシャフト・プレーン(スウィング・プレーン)とすると、その線上に両手があればオン・プレーンで、その線より下の場合がレイドオフ。クラブヘッドがターゲット・ラインの左を向くことが多い。

これは手と腕のミスである、バックスウィングの途中で左手首が凸型(弓形)に折れ、クラブヘッドを両手の遥か下に落としてしまう。左腕をもっと身体に近づけ、胸を横切るようにすべきである。同時に、両手はシャフトの下にあるように感じること。バックスウィングのトップで、クラブは右手で支えられるべきである。右手首が右前腕の真上にあるように。

原因5:ダウンスウィングで打ち急ぐ

ダウンスウィングで上半身と下半身は一体となってスムーズに、慌てないで左に動くべきものだ。ボールに向かってクラブヘッドを突進させる感覚があってはならない。手首は、インパクトに先立って作り出される遠心力によって自動的にアンコックされるので、それを人間が自前で行う必要はない」

[icon]

ここのところパー3でプルするのが私のビョーキだったので、この記事は他人事ではなく熟読しました。私には「原因5」が該当しているように思え、ある日「慌てず、ボールに向かって突進しない」ように注意して打ったところ、四つのうち三つのパー3でワン・オンさせることが出来ました。これにはスウィング・スピードだけでなく、左肩を90°近く捻転しようとした努力も一役買っています。左肩を充分に捻転すると、手・腕の力で打たねばならないというプレッシャーが消え、自然に捩った身体の逆転運動で打つようになるので手首が捩れず、いい方向性が得られるのだと思います。

(December 06, 2015)


Lydia Ko(リディア・コゥ)とBen Hogan(ベン・ホーガン)の両肘

2015年LPGA最優秀プレイヤーとなったLydia Koの、YouTubeのあるヴィデオ【写真左】を見て驚きました。彼女はBen Hoganが'Five Lessons'(1957、邦訳『モダン・ゴルフ』)に書いたのと同じように両肘を身体の前で引き締め、窪みを空に向けたアドレスをしていたのです。Ben Hoganの本のイラスト【右端の図】と見比べてみましたが、完全に瓜二つです。今年、彼女がプレイしたトーナメントは何度も見ましたが、この両肘の形には迂闊にも気づきませんでした。

[elbow1] [elbow2] [elbow2]

【参考ヴィデオ】「Lydia Ko—Hands at impact (close up slow motion)」https://www.youtube.com/watch?v=UoRF8meIAUc(5'12")

このヴィデオは2015年1月5日に公開されています。ひょっとすると、このBen Hogan流両肘は去年のスタイルであって、今年はもうやっていなかったかも知れないと気になり、YouTubeで彼女のスウィングを収めたヴィデオをしらみつぶしに見てみました。正面から撮られた映像は少なく、あってもTV中継の画像では遠過ぎて肘のディテールまでは判りません。やっと見つけたのが次のものでした。【中央の写真】

【参考ヴィデオ】「Lydia Ko Lower body view」https://www.youtube.com/watch?v=_5su7jv6SzM&index=196&list=PLum_NfcgOrSQoqxYd8XsnLKvAUlumlxkp(0'44")

これは2015年10月に公開されたもので、ハングル文字のタイトルからして、LPGAツァーがアジア各国を経巡った今年終盤のものだと思われます。彼女の下半身の動きに焦点を当てた映像(スローモッション)なのですが、アドレスで両肘が身体の前で絞られているのが明瞭に判ります。

Ben Hoganは自著'Five Lessons'に次のように書いていました。

「(アドレスで)両肘は出来るだけ近寄せる。この際、(両肘の突起はそれぞれ左右の腰骨を指していて)肘の関節の内側に出来る窪みは両方とも空を向く。窪みが向かい合ってはいけない。これは、大切なチェック・ポイントだ」

[Elbow]

'Five Lessons'『モダン・ゴルフ』のイラストの元となった膨大な写真を点検したDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は'The Fundamentals of Hogan'(邦訳『モダン・ゴルフ徹底検証』)という本で、「Ben Hoganの通常のアドレスでは両肘の窪みは空を向いてもいないし、胸の前で絞られてもいない」と書いています。確かに、写真を見て行くとイラストレーターAnthony Ravielli(アンソニィ・ラヴィエリ)に撮らせた一葉の写真だけが異常に誇張されているだけで、他は全てリラックスした両肘です。左肘の窪みは真横を向いており、やや折られた右肘の窪みでさえどちらかというと横・前向きという感じ。そして、どちらも全く絞られていません。念のため'Hogan vs. Snead'(1965)というヴィデオを見てみました。'Five Lessons'が書かれた八年後に撮影されたものです。右の写真のように、右肘の窪みは空を向いているものの、左肘の窪みは横向きです。プロが本を書くと、通常自分がやってもいないことを書くことがあると云われます。「理想的にはこうしたい」という願望を書いてしまうのでしょう。この部分はその典型のようです。

ところで、奇妙なことに気づきませんか?「Ben Hoganの実際のアドレス時の両肘は、本のイラストとは異なり、空を向いていなかった」と喝破したDavid Leadbetterは、なんとLydia Koのコーチなのです。彼はBen Hoganが実際にはやっていなかったことを、自分の生徒であるLydia Koにやらせているようです。David Leadbetterは、Hogan流「窪みが空を向く両肘」に関して、上掲書で次のような意見を述べています。

「両肘の窪みが空を向くアドレスが、大方のゴルファーの助けになるとは考えられない。Hoganが求めた両手・腕の一体感が得られるよりも、【原著のロープでぐるぐる巻きにされた両手・肘・腕の】イラストが示しているように、ある程度であるがきつ目の緊張を生じてしまう。だが、あなたがHoganの【本に書いたことでなく】実際にやっていた両腕の状態を研究すれば、それらは緊張しているようには見えず、それどころかまるで反対であったことに気づく筈だ。両腕は、とてもソフトに見える。

実際の彼の両肘は、窪みが向かい合うのと彼の説明との中間の段階のように思える。【参照:右の写真の円内】Hoganは、明らかに最初の段階で両腕を近づけ、胸に一緒にきつくくっつけておけば安定すると感じたに違いない。スウィングの間じゅう一体感(きつ目のコンパクトな感覚)を得たいのであれば、アドレスからそうしとけばいいじゃないか?と思ったのだろう。

彼の腕の位置は、スウィングのトップで右肘を身体にきつ目に近づけるように、意図的に設計されている。彼のように柔軟な身体の持ち主にはそれが理想的だったかも知れないが、私にはゴルファーの大多数に適しているとは思えない」

the Masters(マスターズ)とPGA選手権を含め、ツァーで17勝を挙げたJackie Burke, Jr.(ジャッキィ・バーク二世)は、この点に関し次のような意見を述べています。

'It's Only a Game'
by Jackie Burke, Jr. with Guy Yocom (Gotham Books, 2006, $22.50)

「Ben Hoganはアドレスの際、左右の前腕部を身体の前で互いに近づけ、スウィングの間中そのままにすべきだと感じていた。彼の本'Five Lessons'には、双方の前腕部が縛られているイラストが掲載されている。彼は両肘の突端が股関節を指し、前腕部の内側が空を向くのを好んだ。私はこの点については同意出来ない。前腕部を近づけるのは、薪を抱えて暖炉に運ぶ時の体勢であり、ゴルフするには不自然だし、不必要である。どっちみち、ダウンスウィングでは遠心力が両腕を身体の前で真っ直ぐにし、両方の前腕部を近づけてしまうのだ」

[icon]

過去の私の「日記」を辿ると、2011年のWegman's LPGA Championship(全米女子プロ選手権)に優勝したYani Tseng(【中】曾雅●[=女+尼]、【米】ヤニ・セン)も両肘を身体の前で絞り、窪みを空に向けるスタイルをしており、彼女はこの年LPGA最優秀プレイヤーとなりました。YouTubeで調べると2014年も同じようなアドレスをしていました。

Jackie Burke, Jr.の言を信ずれば、これは「不必要」な工夫であって、どうせ「遠心力が両腕を身体の前で真っ直ぐにする」のならば、益はないが害もないのかも知れません。しかし、二人のLPGA最優秀プレイヤーが揃ってこのアドレスをしているとなるとちょっと気になりますが、柔軟な身体の持ち主限定(シニアはお呼びでない)ということなのかも知れません。Yani Tsengは現在26歳、Lydia Koは18歳です。

(December 13, 2015)

Lexi Thompson(レキシィ・トンプスン)のバックスウィング

2015年LPGAツァー最終盤のトーナメントを見ていて、Lexi Thompson(レキシィ・トンプスン、米、20歳)のバックスウィングが印象に残りました。飛行線後方から撮られた彼女の胸は、100%カメラを向いていたのです(下図)。TV解説者のJudy Rankin(ジュディ・ランキン)は「LPGAのロングヒッターの一人」と彼女を形容していました。さもあらん。われわれは「ターゲットに背中を向けろ」と云われて実行しているつもりでも、本当にターゲットに100%背中を向けているでしょうか?捻転度5%程度の「偽のターン」(tips_185.html)や、たった40〜50%の捻転だったとしても、「おれはターゲットに背中を向けたぜ」と主張することは出来ます。ですから、「ターゲットに背中を向けろ」はちと曖昧な表現で、Lexi Thompsonのように《飛行線後方のカメラに胸を100%向けろ》と云うのが正確だと思われます。

[Lexi Thompson]

【参考ヴィデオ】https://www.youtube.com/watch?v=NoE_4xmhAQY (0' 56")

後で知ったのですが、Lexi Thompsonの左肩は90°回転どころではなく、ボール位置を通り越して110°回転しているのだそうです。捻転どころか超捻転!。これは20歳の女性だから出来ることで、男性、特にシニアとなった私などには不可能な動作です。しかし、せめて90°近くには捻転したいと願っていますが。

ところで、私は彼女の伸び上がる(跳び上がる?)ようなインパクトは感心しません。古くはGary Player(ゲアリ・プレイヤー)、最近ではNatarie Galbis(ナタリィ・ガルビス)なども似たようなインパクト体勢ですが、練習量の少ないわれわれには危険でしょう。

以下の記事は、Lexi ThompsonのコーチJim McLean(ジム・マクレイン)によって昨年書かれたLexi Thompsonのスウィング分析。

'2 moves to groove'
by Jim McLean and Roger Schiffman ('Golf Digest,' July 2014)

「私はLexi Thompsonの小学生時代から教えている。いまや彼女は19歳となり【編註:2015年現在は20歳】、2014年のKraft Nabisco(クラフト・ナビスコ)優勝でメイジャー優勝者ともなった。彼女のベストの動きは何か?現在彼女は絶好調だが、特にバックスウィングのトップとインパクトの体勢が素晴らしい。この二点は、どのゴルファーにとってもスウィングの焦点である筈だ。

よりよい回転には左肩をボールの背後にストレッチすることだ。そしてリラックスすること。Lexi Thompsonを御覧なさい。彼女はフルに捻転しているが、硬直しているようには見えない。最悪の動きは、きついグリップと、ダウンスウィングの開始で突進するような動きだ。

[Flying Elbow]

注目すべきは、彼女のややオープンなセットアップだ(特にショート・アイアンにおいて)。彼女の生来のショットはドローなので、オープン・スタンスはクラブを過度にインサイドに引くことを防止し、ストレートなスウィング軌道を促してくれる。彼女は弧の広いバックスウィングをし、高い手のトップを作っている。

バックスウィングの間にコックすることを忘れてはいけない。バックスウィングの半ばで、腕とシャフトは90°の角度を形成すべきだ。大きなスウィング孤を作ることだけを考えているプレイヤー(最近こういう人が多い)は、パワーと正確さに必要なフル・コックを往々にして忘れがちだ。

もう一点、彼女のトップにおけるクラブフェースを見て欲しい。そのリーディング・エッジの角度は彼女の左腕に揃っており、完全にスクウェアである。以前彼女はフェースが天を向くクローズなトップだったが、われわれはもっとトゥを下げるように調整した。これによって、アイアン・ショットは高く打てるようになり、タイトなライやラフからも安定したコンタクトが得られるようになった。

彼女のバックスウィングは、実際には以前より長くなっており、最近の若いプレイヤーの傾向の反対である。スウィングを長くすることは、トップへ向かうテンポをスムーズにするのを助け、彼女のバックスウィング完了前に下半身にダウンスウィングを始めさせる。私はそれを“双方向動作”と呼んでいて、それこそがダウンスウィングでの彼女のパワーに繋がっているのだ」

よく見るとLexi Thompsonの右肘はJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)そっくりの"flying-right-elbow"(フライイング・ライト・エルボー、宙に浮いた右肘)です。Jack Nicklausは、自著でフライイング・エルボーについて次のように述べています。

'Golf My Way'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Fireside, 1974-1998, $14.00)

「アップライトなプレーンを望むなら、『バックスウィングで右肘を身体につけておけ』という教えは警戒すべきだ。アップライトなプレーンを維持するには、左腕は身体から離れて振られ、左肩は(回転するだけでなく)下降しなければならず、右肩は上昇しつつ廻されねばならない。右腕が身体にくっ付いたままでは左腕も同じようになり、左肩は下降せず廻るだけになってしまい、クラブヘッドは急激にインサイドへ引かれ、望んだアップライトではなく、フラットなプレーンでスウィングすることになってしまう」

ゴルフ・ライターで、世界ゴルフ・ライターズ選手権に優勝したほどの腕を持つJohn Andrisani(ジョン・アンドリサニ)は次のように云っています。

'The Nicklaus Way'
by John Andrisani (HarperResource, 2003, $19.95)

「Jack Nicklausのフライイング・エルボーは、右肘が地面を指すのではなく上方を向く。この動きをコピーしたパワー・ヒッターでメイジャー優勝者にJohn Daly(ジョン・デイリィ)とFred Couples(フレッド・カプルズ)がいる。私はフライイング・エルボーは週一ゴルファーにも有益だと思うのだが、トップ・クラスのインストラクターたちでさえ『ハンカチを右脇に挟んで落とすな』式の指導をする理由が理解出来ない。

ある程度はあなたの体型がスウィング・プレーンのタイプを決定する。背が高くボールに近く立つゴルファーは、背の低い者より自然にアップライトなバックスウィングをする。にもかかわらず、6フィート(約1.83m)に満たないJack Nicklausでさえ、非常にアップライトなスウィングをして問題がなかったことは一考に値する」

[icon]

John Andrisaniの記事は、1.80 mのJack Nicklausが長身とは云えないような書き方ですが、アメリカ人男性の平均身長は1.75 mだそうなので、やはり長身の部類に入ります。彼より3センチ背の高いLexi Thompsonが、なおさらアップライトなスウィングを志向するのは頷けます。

「体型別スウィング」(原著'The LAWs of the Golf Swing' 1998)(tips_54.html)の共著者たちは「最盛期のJack Nicklausは円弧型(長身・スリム体型)と幅広型(中背・がっしり体型)の混合型のスウィングをしていた。現在のJohn Dalyも同じ混合型で、まさに同じようにフライイング・エルボーのスウィングをする。この混合型のプレイヤーは非常に強靭で、しかも柔軟性にも富んでいないと成功しない」と云っています。

「体型別スウィング【妙薬と毒薬を見分けよ】」(tips_165.html)によれば、フライイング・エルボーは幅広型のプレイヤーには妙薬ですが、私のようなテコ型(平均体型)ゴルファーには毒薬とされています。若いLexi Thompsonはいざ知らず、強靭でも柔軟でもなく、広い胸幅も有していない私にフライイング・エルボーは無縁のものです。桑原桑原。

【参考】「節度ある捻転をせよ」(このページ上)

(December 20, 2015)

ぶっ叩けばいいというものではない

この本はプロ・ゴルファーたちが、自分が育った宗教(キリスト教)的環境、信仰がゴルフを支えてくれた瞬間、および彼らから読者に贈るゴルフtipsという三部構成で、43人の男女が執筆した原稿をまとめた珍しい本。今回はChampions(チャンピオンズ)ツァー・プロJoe Jimenez(ジョー・ヒメネス)のtip。彼は元々はゴルフ場所属のレッスン・プロで、シニア・オープン優勝ほか全11勝を挙げています。

'The Way of an Eagle'
edited by Robert Darden and P.J. Richardson (Thomas Nelson Publishers, 1996, $19.99)

「あなたがおよそ80%のレヴェルのパワーでスウィングを遂行すれば、より良いプレイが出来るだろう。一緒の誰かと心の中でドラコンを展開するような真似をしてはならない。『おれだってぶっ叩けば、飛ばせるんだ』と思うのは結構。だが、実際にぶっ叩いてはいけない。毎回スウィングをフィニッシュするように。さすれば、自ずと飛距離はついて来る。80〜85%のパワーでスウィングすれば、スウィングとタイミングの向上によって、飛距離が増大する。

多くのゴルファーがハードに打とうとしたがる。『ぶっ叩け!ぶっ叩け!ぶっ叩け!』彼らはそういう心境を乗り越え、頭を冷やすべきだ。

体重移動だの何だので思い煩うことはない。いいグリップ、スタンス、そしてスウィングの基礎を知っていれば、スウィングに与えるパワーの量がドライヴァーの成功に差をもたらすのだ」

(December 20, 2015)

バックスウィングの右肘

1) 飛距離を得るにはスウィング孤を大きくせねばならない。
2) そのためにはテイクアウェイ(バックスウィング初期の30〜45センチ)で(左手・腕だけでなく)右手・腕も伸ばし気味にすべきである。

以上を念頭に置いてスウィングしていたのですが、さらに「Lexi Thompson(レキシィ・トンプスン)のバックスウィング」(別項)に影響されて肩の捻転を増そうとしていて発見したことがあります。長めに右手・腕を伸ばし続けようとすると、充分に肩が廻らないのです。コックするのさえ難しい。これでは飛距離は伸びず、スウィング孤を大きくする意味がありません。

シニア・グループの長老であり私にとってのグールーでもあるJack Rushing(ジャック・ラッシング、86歳)は、Ben Hogan(ベン・ホーガン)をモデルにしているので、フラット目のバックスウィングをします。私には「スウィング孤を広げろ」とアドヴァイスしておきながら、自分はテイクアウェイから右肘を身体にくっつけるような狭いスウィング孤です。ま、彼は"hitter"(ヒッター、打つ人)であり、素早いスウィングで低いトップからバシーン!と打つため、"swinger"(スウィンガー、振る人)の私のようにクラブヘッドの重さや重力の助けを借りようとはしないのですが。

ある日、テイクアウェイを過ぎ、シャフトが地面と平行になる時点からコックを始め、同時に(Jack Rushing方式で)右肘を畳んで身体にくっつけてみました。すると、左肩がこれまで以上にスムーズに廻るではありませんか。飛距離は減らず、ショットの正確度が格段に上がりました。四つのパー3のうち三つにワン・オンさせられたのが、その証明です。やはり、伸ばし続ける右手・腕は左肩の捻転を妨げる要因だったのです。

(December 20, 2015)

三ヶ月でハンデを33%減らす方法
[homebase]

33%というのは漠然としているようですが、計算してみるとハンデ15なら10に、20なら13.4に、25なら16.8、30なら20.1になる勘定です。これは馬鹿に出来ませんね。それがなんと実話であり、パッティングのスタイル一つによる成果というが驚きです。

'Success story'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2016)

「サウスキャロライナ州に住む病理学者Dr. Scott Parker(スコット・パーカー博士、62歳)は云う、『私は常にストレート・ヒッターなのだが、6メートルかそれ以上のパットになると3パット間違い無しになってしまう』。

そこでインストラクターCarol Preisinger(キャロル・プライジンガー)のお出まし。彼女はたった一つのtipで、三ヶ月も経たずに彼のハンデを10.6から7.1に引き下げた。

Dr. Scott Parkerの証言。『彼女は私に両肘を広げ、肩と両腕で野球のホーム・ベースの形を作れと云った。この方法は、私の右手の力を抑制し、パターを正しい道筋を保つことを容易にしてくれた』

あなたも同じことをしてストローク数を減らすことが出来る」

[icon]

現在の私のストローク法も、この実話の主人公のスタイルに似ています。ただし、私のは上の写真のようなホーム・ベースの形はしていません。何故かというと、ホーム・ベースの形にしただけでは、私の場合飛躍的進歩は見られなかったからです。試行錯誤の末、私は新機軸の工夫をひねり出し、それによって抜群の成果を収め始めました。現在、その新開発技法を自信を持って公開出来るよう、実績を積み上げているところです。私のメソッドによってハンデを何%減らせるのかは不明ですが、私自身の平均ストローク数を、ホーム・ベース・スタイル時から12〜17%減らしてくれています(^-^)。それも三ヶ月どころか、たった二週間でヽ(´~`)ノ。その詳細は出来るだけ早く紹介したいと考えていますので、どうぞお楽しみに。

(December 27, 2015)

簡単にパワーを生む三つの鍵

'3 Keys to easy power'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' January 2016)

「300ヤードを超えるティー・ショットを放つツァー・プロたちは、全力で打ったりしない。そんなことをするとタイミングとリズムを壊し、ミスに繋がるからだ。彼らのエフォートレスに見えるパワーを生むには、次の三つの鍵を試されたい。

1) バックスウィングは《腕の動きを少なく、肩の動きを多く》

広く安定した下半身で、腰を動かさずにクラブヘッドを地面近く低くゆっくり、肩の回転で後方に引く。クラブヘッドが広い弧で引かれる際、右脚内側にプレッシャーを感じるように。トップへと向かいながら、腕ではなく肩の大きな回転をするように努め、手は出来る限り頭から遠ざけるよう伸ばす。

2) ダウンスウィングは《引き締めた腹部を軸に逆転》

ダウンスウィングでは背骨の角度を維持しつつ、背骨の周りで身体を逆転させる。背骨の角度を維持するには、安定した身体の中核を維持することだ。スウィングの前に腹部を引き締め【註】、スウィングの間終始それを意識し続けるように。それが身体の中核を活発にさせ、腕を自由にスウィングさせつつ身体の逆転を自然なものにする。

【編註】大雑把な「腹部」でなく、「下腹部」と特定して引き締めるべきだと思います。

腹部を引き締めることは、あなたの身体をスリムに見せるだけでなく、遠くに飛ばす役にも立つ。緊張した腹部の筋肉を維持すれば、インパクトへと身体の中核を安定させ、クラブヘッド・スピードを増す。

3) フィニッシュは《伸ばした左脚の上でフォロースルー》

スウィングの完結時、ほぼ全ての体重は左脚の上にあるべきで、その左脚は真っ直ぐ伸びていること。顔はターゲットを向く。これら全ては、あなたが背骨を中心に充分に回転したことの証しである。最も重要なのは、完全なバランス感覚を抱くことだ。ボールが地面に落下するまでフィニッシュ体勢を保てるなら、これ以上エフォートレスに見えるスウィングはないであろう」

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以前の私は、左肩がテイクアウェイをリードする「'One Move'(ワン・ムーヴ)」(tips_4.html)というtip、そしてテイクアウェイと同時に手首をコックする「マジック・コック」(tips_35.html)によって、人も羨む方向性を得ていました。しかし、これは正確ではあるものの、(ドライヴァーを打つ場合)スウィング孤が小さいため長い飛距離は望めませんでした。で、最近は腕を伸ばし、テイクアウェイ終盤からコックを始めるようにして飛距離増を目指し始めました。

スウィング弧を広げることに集中すると、ついつい手・腕のリードによるバックスウィングとなりがち。その結果、私は上の(1)の反対で、両腕がターゲットラインと平行になる地点まで「肩の動きを少なく、腕の動きを多く」してテイクアウェイしていました。これだと飛距離は増えるのですが、方向性が不安定でした。上記(1)を読んだ翌日、肩の動きを多くしてみたところ、ドライヴァーが格段に安定して打てるようになりました。私の今のバックスウィングをメモしておくと、次のようになります。
[臍下丹田] ・両腕を伸ばしたまま、肩の動き主体でテイクアウェイする。
・シャフトが地面と平行になったらコックを開始し、同時に肩を捻転しつつ、右肘を折って身体の脇に引きつけ両手を持ち上げる。
・左目の視野を鼻梁と左肩が邪魔してボールの形がぼやけるが、パニックに陥らぬようにしてフルに捻転する。
これだと、広めのスウィング弧と深い捻転によって正確さと飛距離の両方が望めます。

上記(2)を「下腹部」と解釈すれば、日本人に親しみ深い「臍下丹田(せいか・たんでん)に力を篭める」と同じことです。丹田の正確な場所については定説がないのですが>一説にはお臍の下5センチぐらいで、さらに身体の内側5センチほどのところと云われています(写真の◎印)。不思議ですが、下腹部に力を篭めると両手・両腕がとても軽く感じられるようになります。両手・腕は、臍下丹田を回転軸とする模型飛行機のプロペラの感じになり、この軽さならスウィング・スピードもさぞ上がることだろうと思われました。

これを読んだ次のラウンドで試してみましたが、期待通りこれは素晴らしい効果を発揮しました。軽いクラブが速く振れるのは常識ですが、両腕が軽くなるのも同じ効果を生み出します(=スウィング速度が上がる)。「簡単にパワーを生む」という見出しは嘘ではありません。お薦めです。

【参考】
・「臍下丹田に力を篭めよ」(tips_121.html)
・「合氣道でスウィングせよ」(tips_153.html)

(December 27, 2015)

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