インストラクターEddie Merrins(エディ・メリンズ、81歳)はアマチュアとして華々しい成績を残し、PGAツァーで活躍後、ロサンジェルスのBel-Air(ベル・エア) C.C.のクラブ・プロに就任し、場所柄多くの映画スター、歌手、有名スポーツマンなどをコーチして来て、彼自身も有名人となりました。体型がアメリカ人としては小柄だったため、"The Little Pro"(ザ・リトル・プロ)というニックネームで親しまれています。彼は私が住んでいるミシシッピ州Meridian(メリディアン)出身なので、当地で彼を知らぬシニア・ゴルファーはいないほどです。また、Eddie Merrinsメソッドの核心である"Swing the handle."(ハンドルを振れ)は、御当地だけでなく全米、いや全世界的にも有名なフレーズとなっています。
クラブを握る部分(昔は皮、今はゴムや樹脂系コンパウンド素材で覆われている部分)を、英米人も日本人も「グリップ」と呼んでいますが、両手でどう握るかの形状のグリップと判別し難いので、厳密な表現を好む英米人はクラブの部分に関しては「ハンドル」、手の握り方に関してを「グリップ」と使い分けています。Eddie Merrinsの「ハンドルを振れ」はグリップ部分を振れということです。
英国のインストラクターErnest Jones(アーネスト・ジョーンズ、1887〜1965)は"Swing the clubhead and forget everything else."(クラブヘッドをスウィングすることに専念し、他の全てを忘れよ)と云い、Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ、1902〜1971)も"The one idea for a golfer to always keep in mind is that, when playing a shot, his only job is to swing the clubhead."(ゴルファーがショットする際に常に心しておくべき一つの想念は、「クラブヘッドを振るのが自分の唯一の仕事だ」と考えることだ)と云いました。Eddie Merrinsが長年自分の生徒たちにに教えたメソッドを本にした時、彼は'Swing the Handle—Not the Clubhead'(ハンドルを振れ、クラブヘッドではない)と題しました。歴史的名コーチErnest Jonesや歴史的名人Bobby Jonesに敢えて異を唱えたわけです。
'Merrins's Secret'
from 'The Secret of Golf' edited by George Peper (Workman Publishing, 2005, $18.95)
「《あなたの前腕でクラブ・ハンドルを振れ》 このセンテンスについて、しばらく熟考してほしい。われわれ人間は、人間であるという要素によって往々にして機械のような完璧さを遂行することが出来なくなる。しかし、クラブの端っこを前腕部で振ることは、完璧なスウィングを生む自動的手段であると私は信ずる。
スライス、フック、チョロ、トップなど、ゴルフにおける最悪のショットは、ハンドルを前腕で振ることによって撲滅することが可能だ。これらのミス・ショットは、手と手首によるクラブヘッドへの悪影響によって引き起こされる。スライスとフックの多くは、手と手首でクラブフェースをオープンにしたりクローズにしたりすることが原因であり、大方のダフりとトップは、ボール手前の地面にクラブヘッドをぶつけたり弾いたりするか、手と手首を早期にアンコックしてしまうことに起因する。
以上でお解りのように、手と手首はダイレクトにハンドルに良い影響か悪い影響を与える(概ね後者である)。あなたの腕が、腕だけがハンドルに影響を与える。
ポイントは、クラブを唯一あなたの前腕によって振ればよいということだ。そして、前腕部によってハンドルを振ることだけが、手と手首による方向性のミスを排除出来るのだ。また、前腕を早く振ることによって、クラブヘッド・スピードが増すことも忘れてはいけない。
手が勝手に動いてクラブヘッドに悪影響を与えることを防ぐには、ダウンスウィングからインパクト・エリアにかけて腕で加速することだ。腕が加速する限り(チッピングやパッティングでさえ)クラブ・ハンドルを振ることが出来る。もし、腕が遅れると、手と手首がしゃしゃり出てクラブヘッドを弾こうとし始める。これはミス・ヒットの前兆である。前腕でハンドルを振るばかりでなく、ダウンスウィングからインパクトにかけて、前腕を徐々に加速すべきである」
【おことわり】画像はhttp://golfersinsider.comにリンクして表示させて頂いています。
(February 06, 2013)
Michael Hobbs(マイケル・ホッブズ)はイギリスのインストラクターで、BBCのゴルフ中継の解説なども担当した人。
'From the fairway'
by Michael Hobbs (Gallery Books, 1991)
「最近ではピッチ・ショットと呼ばれるべきものがチップと呼ばれている。特に短いピッチ・ショットがそうである。ピッチ・ショットの定義は、距離の長短に関わらず主に空中を飛行するもので、ランが少ないショットである。このショットを遂行するには、クラブを短く持つことが肝要だ。
バックスウィングの長さは、必要な距離と選択されたクラブによって決まる。注意すべきは、あまりにも短いバックスウィングはクラブを振るというより突くような動きになってしまうのでよくないという点である。バックスウィングが長過ぎるとインパクトで減速しがちになる。バックスウィングは腰の高さより低くてもいけないし、肩の高さを超えてもいけない。
両肩を結ぶ線はターゲット・ラインに平行で、オープン・スタンス。ボール位置は左足踵の前か、スタンスのやや後方。
出来るだけ手首を殺す。腕と肩だけのショットと考えるように。手首を折る必要があるのは、長いピッチ・ショットの時だけである。手首で弾くようなショットで堅実に短いピッチ・ショットを実行出来る人はいない。きわめて短いピッチ・ショットでは、パッティング・グリップを使うのも効果的である。
ロング・パット同様、ピッチングでも方向より距離が重要である」
(February 06, 2013)
先日のラウンドで、ティーショットをプッシュしまくりました。帰宅してからこのサイトの「テクニック索引」中の「ミス・ショット防止策」で、「プッシュ」という項目を探したのですが、全然見当たりません。フックとプッシュは同根のミスであるということは知っていたので、フックの項目も点検しましたが、プッシュを回避する方策は皆無。ゴルフに関する大方の要素は網羅していたつもりでしたが、とんだ抜けがあったのでした。
英国のインストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ)は、スウィングの物理的分析(特にスウィング軌道とフェースの向き)に関する理論で、世界中のインストラクターに影響を与えた人。 'Golf Doctor' 「ターゲットの右へプッシュするゴルファーは、ごく最近までターゲットの左へフックするゴルファーであったことが多い。 彼はスクウェアなクラブフェースでボールとソリッドなコンタクトをするのだが、クラブヘッドはボールに達するまで右方向を向いているので、ボールは右へ向かう。われわれはボールの横に立っているのだから、スウィングはストレートではなく、アーク(円弧)に沿って動くべきものだ。ダウンスウィングでは、ターゲットラインのインサイドから円弧を描いて、瞬間的にターゲットラインに沿って動き、その後インサイドへと向かう。スウィング・ドアが右から左へと徐々に閉まるのと同じである。 もし、インパクトがあまりにも早く(ドアが閉まる前に)訪れると、クラブヘッドはまだインサイドからターゲットの右方向に向かって動いている。これが、フック打ちが右へプッシュする症状である。フックに悩むゴルファーは右を狙うため、ボールをスタンスの後方(過度に右側)に置く。このボール位置が、フォワードスウィングの早期にクラブヘッドがインサイド・アウトの軌道で動いている最中に(=ドアが閉まる動作に移る前に)ボールと接触する原因となる。 |
ボール位置をスタンスのかなり前方にすべきである。これによって、クラブヘッドがインパクトまでにスクウェアに戻る時間を稼ぐことが可能になる。以前のようにアライメントを右にしてはならない。スウィングする際、バックスウィングで右肩を遠くに廻し、ダウンスウィングで左腰を左へクリアし、腕にクラブをインパクトへと伸び伸びとスウィングさせる。
練習で適切なボール位置を見つけること。ボールが左へカーヴするようなら、ボール位置とアライメントを変えてはならない。その代わり、単にグリップをウィーク(両手を左に廻す)にする」
(February 09, 2013)
パッティングの練習中、ふとストロークのテンポを変えたらどうなるだろう?と思いました。私はフル・スウィングでは宮里 藍に近いスロー・テンポなので、パッティングでも似たような感じのテンポなのです。しかし、切り返し後のフェース角度を変えないためにはテンポを早めるのがいいかと思い、試してみました。かなりいい結果でした。“パット・ドクター”Dr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)の本を開いてみると、テンポについて以下のように書かれています。
'The Putting Prescription' 「1990年代にPGAツァー・プロたちのパッティングのテンポを調べた人の記録では、バック・ストロークからフィニッシュまでの所要時間は60〜70 bpm(ビート/分、♩=60と同じ)であった。私が計測した結果では、今日のツァー・プロたちの大多数のテンポは70 bpmかもっと早い」 一分間に70拍以上というのは、かなり早いです。私のKORG(コルグ)のイアフォン型メトロノームには70 bpmという選択肢はないので69 bpmに、リズムは二拍子にセットしてストロークしてみました。私がテンポ・アップして打った早さよりもかなり早い。 Farnsworth博士はゴルファーをパッティングのスタイルによって三つに分けます。そして、それぞれに適切なテンポがあると主張します。 「6メートルのパットをする。ボール位置に目印(コインなど)を置く。バック・ストロークのトップで一時停止し、パターヘッドの下に目印を置く(誰かに手伝って貰れば手っ取り早い)。パットし、フィニッシュで動きを止め、今度もパターヘッドの下に目印を置く。ラインの横から双方の長さの比率を検討する。バック・ストローク全体の長さが46センチ位で、バック・ストロークとフォワード・ストロークの長さが同じなら、あなたは"stroker"(ストローク型)である。もし、フォワード・ストロークが明瞭にバック・ストロークより長ければ"chaser"(フィニッシュでヘッドが膝や腰の高さになる、ボール追いかけ型)である。逆にフォワード・ストロークよりバック・ストロークが長く、そのどちらも30センチ強であれば、あなたは"hitter"(ヒット型)である。 メトロノームを65 bpmにセットし、一拍目でパットを開始し、二拍目でフィニッシュする。(パットの距離の長短にかかわらず、テンポは一定でなければならない) もし、そのテンポが遅過ぎたり早過ぎるなら、あなたのストロークに合うようメトロノームを調整する。あなたが"stroker"(ストローク型)ならテンポは60〜65 bpmで、"chaser"(ボール追いかけ型)か"hitter"(ヒット型)なら70 bpm以上であろう。 もしあなたがパットの強さに問題を抱えていたり、ラインに乗せることが困難だったりするのであれば、テンポを早めてみるべきだ。パット全体の所要時間を短くすれば、不穏当な動きをする時間も短くなる。あなたがストロークを早めれば、トップでの切り返しもスムーズで慌てふためかないようになる筈だ」 |
あるインストラクターのウェブサイト(http://www.waynedefrancesco.com/2212/woods-and-stricker-putting-observations/)によれば、現在チャンピオンズ・ツァーのパット名人Loren Roberts(ローレン・ロバーツ)のテンポは60〜65 bpmですが、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)とSteve Stricker(スティーヴ・ストリッカー)は共に80〜85 bpmの間、Webb Simpson(ウェブ・シンプスン)とBrandt Snedeker(ブラント・スネデカー)は90〜100 bpmの間だそうです。この数字がどの程度正確かは保証の限りではありませんが。
私が以前の比較テストの1,000パットをしていた時のテンポは55 bpmぐらいでした。それが、プロになると80〜100?二倍近い早さです。何故、こんなに早いのか?今のPGAツァーに"stroker"は少なく、多くが"hitter"だからそうです。パッティングの長さ全体が短く、しかも早いテンポのストロークをしているわけです。Farnsworth博士は「10〜12メートルのパットでもない限り、バックストロークはパターを自分の身体の幅の外に出すべきではない。フォロースルーも胸がターゲットを向くほど廻さぬように」と云っていますから、ストロークの幅は極めて短いようです。これなら80 bpm以上というテンポも出来ない相談ではありません。
60 bpmと72 bpm(私のKORGでは70を選べない)の比較テストをしてみました。72 bpmは私にはちと早い感じですが、60 bpmの結果と大差はありませんでした。私には60 bpmの方が快適だというだけの違い。80 bpmも試してみましたが、72 bpmでパット出来るなら80 bpmも難しくはないという感じです。
【参考】"metronome"でググれば色んなオンライン無料メトロノームが見つかります。MacのDashboard用ウィジェットもあります(http://www.apple.com/downloads/dashboard/music/metronomic.html)。
(February 12, 2013)
インストラクターSean Foley(ショーン・フォリィ)は、Justin Rose(ジャスティン・ローズ)、Hunter Mahan(ハンター・メイハン)、Tiger Woods(タイガーウッズ)などのスウィング・コーチです。
'Set your eyes inside the ball'
by Sean Foley ('Golf Digest,' February 2013)
「パットする時、目はボールの真上に置けと教わっていると思う。だが、そのセットアップはラインの知覚作用を歪めてしまう。ボールの上に屈み込んで頭をカップの方に向けると、あなたの目は本当の位置より左にカップがあるようにあなたを欺いてしまう。その視覚的歪みは、あなたのパットをプルさせる。
ボールの真上ではなく、多くのツァー・プロがやっているように、5〜8センチほどボールの内側(身体寄り)に目を置くべきだ。これは、特に2〜3センチ以上ラインを逸れてはいけない短いパットで重要だ。
上のようなセットアップで、以前より成功率が増えないかどうか試してみなさい」
“パット・ドクター”を自認する元検眼医でスポーツ・インストラクターのDr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)も、「パット名人たちの多くは、ターゲット・ラインの真上(ボールの真上ではない)かやや内側に目を置いている」と云っています。
(February 12, 2013)
これは'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌御用達のパッティング・インストラクターMarius Filmalter(マリウス・フィルマルター)による記事。彼はグリップ圧とテンポの組み合わせを三つに分類し、われわれはそのどれか一つを見習うのが最善であると主張します。(写真はTiger Woodsのパッティング・グリップ)
'Personalize your putting stroke'
by Marius Filmalter ('Golf Magazine,' March 2013)
「a) きついグリップ + 早いテンポ
例:Brandt Snedeker(ブラント・スネデカー)
Brandt Snedekerはツァーにおける最も早いテンポの一人で、かなりきつ目のグリップをしている。2012年のstrokes gainedは860で一位だった。 【編註】"strokes gained"については、「PGAツァー新スタッツ"putts gained"について」(tips_134.html)を御覧下さい。 彼のストロークは、バックストロークからフィニッシュまでスタンス幅の中に収まっている。 きついグリップで早くパターヘッドをスウィングすると、ストロークはコンパクトになる。彼のバックストロークの所要時間は他の二人に較べてかなり短い。 b) 中庸のグリップ + 中庸のテンポ Phil Mickelsonが好調の時は、グリップ圧とテンポがマッチしている。だが、時折グリップ圧を軽くし過ぎる時がある。2012年のstorokes gainedは591で十位だった。 グリップ圧が緩く、遅めのストロークなので、バックストロークもフィニッシュもスタンス幅を越えている。 |
彼の平均のバックストローク時間は、Brandt Snedekerの50%長く、次のLuke Donald(ルーク・ドナルド)より16%早い。これは従来の「ワン・ツー」とカウントするテンポに近い。
c) 緩いグリップ + 遅めのテンポ
例:Luke Donald
彼のパッティングを注意深く見ると、彼はとても軽くパターを握っているのが判る。ゆっくりスムーズにストロークするつもりなら、きつ目のグリップをしてはいけない。Luke Donaldは2012年のstorokes gainedは797で三位だった。
ストロークの幅はスタンス幅を遥かに越える。
バックストローク:700ミリセカンド
フォワードストローク:350ミリセカンド
ストローク全体:1050ミリセカンド
彼のバックストロークは、Brandt Snedekerのバックストローク〜インパクトまでの所要時間よりも長い。彼にとっては、緩いグリップとそのテンポの組み合わせがマッチしているのである。
以上は、グリップ圧とテンポの組み合わせの成功例である。早いテンポで緩いグリップをすると、パターヘッドをコントロール出来ないし、遅めのでれっとしたテンポでストロークするのにきついグリップをすれば、流れるような動きを損なってしまう。グリップ圧とテンポの組み合わせは無限にあるのだが、ソリッドにパットするためには適切なグリップ圧を見出さなければならない。
手始めに、練習グリーンに赴き、上の三人の真似をして何度もパットしてみるとよい。あなたが早いテンポでパットするタイプなら、Brandt Snedekerのようにきつ目のグリップをすべきだ。彼は1(最も緩い)〜10(最もきつい)の尺度の8で握る。Phil Mickelsonは6のグリップ圧、Luke Donaldは4である。どの組み合わせの時、どんなフィーリングで、どんな結果だったか記録してみる」
筆者Marius Filmalterのこの論法をどこまで信じていいか、ちと疑問があります。彼はPGAツァーのプロ全員を調べたわけでも、パット名人トップ20とか30について調べたわけでもなく、単に上位の中からグリップ圧とテンポの組み合わせが異なる三人を引っ張り出して来ただけという可能性大だからです。単なる三つの例を提示したというだけで、上のどれかでなければならないというほどの裏付けは感じられません。テンポについて書くなら、クレイグ・L・ファーンズワース博士のように"bpm"(拍数/分)の数値を示して欲しいのに、それも抜けています。
私はどちらかと云うと遅めのテンポのストロークですが、Marius Filmalterの云うことが正しいとすれば「手と手首を凍結したパッティング」(tips_145.html)は間違いということになります。本日、モルモットになったつもりで緩いグリップで通してみたら、全てのホールでプルしました。私は生来のフック系で、緩い手首でフルスウィングすると必ずフックになってしまうのですが、パットでもそれと同じことが起るようです。Marius Filmalterの言葉のように、色んな組み合わせを試みるのはいいとしても、上の組み合わせが100%正しいと信じるのは危険です。
(February 15, 2013、改訂August 13, 2017)
「サスペンション・ポイント」を訳せば「支点」です。Paul Runyan(ポール・ラニャン)はスウィングの支点を第七頸椎とすべきで、ショットに応じてその支点の位置を変えるべきだと提唱します。第七頸椎は頭を支えている頸骨の一番下の骨で、首の根元の触って分かる凸起です。この記事もそうお目にかかれる内容ではありませんが、云われてみると「なるほど!」と納得出来ます。
筆者Paul Runyanは小兵ながら、そのショート・ゲームの名人芸でメイジャーであるPGA選手権に二回優勝し、PGAツァーで29勝、その他で六勝という素晴らしい成績を残し、後にはショート・ゲームのインストラクターとしても活躍した人。
'The Short Way to Lower Scoring'
by Paul Runyan with Dick Aultman (Golf Digest/Tennis, Inc., 1979, $9.95)
「《ライ別サスペンション・ポイント》
・ロブ・ショット【図1】
ロブは理想的なライで打たれるのが常である。この場合、サスペンション・ポイントはボールの真上でよく、体重も左右の足に均等にかける。理想的なライであるから、草にクラブを絡めとられる心配もなく、水平に打てる。
・弱めのピンチ・ショット【図2】
【編註】ピンチショットとは、ボールをヒットダウンしてクラブと地面でボールを挟みつぶすようなショット。
ボール位置は上のロブ・ショットと同じだが、サスペンション・ポイントはボールの左に位置させてアドレスし、クラブヘッドを僅かに下降気味にスウィングする。バックスウィングを始める前に、体重を左足にかけて身体を左に傾ける。ボールが草の上に乗っていないライの時、この左に傾いだ体勢は、クラブヘッドにソリッドなコンタクトのための充分な角度を与えてくれる。
・強めのピンチ・ショット【図3】
クラブが草に掴まるのを避けたり、ボールの背後の地面でつっかえたりするのを防ぐため、サスペンション・ポイントをボールのかなり左に位置させ、体重をもっと左に寄せる。
・裸地からのピンチ・ショット【図4】
劣悪なライでは、体重を左に寄せただけではピンチ・ショットを遂行出来ない場合が多い。こういう時にはサスペンション・ポイントを左にするだけではなく、ボール位置をスタンス中央より右にしてアドレスすべきだ。
・最悪のライからのピンチ・ショット(ディヴォット・ホールなど)【図5】
上よりさらにサスペンション・ポイントを左に移し、ボールももっとスタンス後方にする。
《重要事項》
1) 身体がどれだけ左に傾ごうとも、両手は常に同じ位置(左太腿の前方)でアドレスすること。ピンチ・ショットでは必ずスタンス後方のボール位置とすること。サスペンション・ポイントは常にボール位置との関係で変化させ、クラブヘッドとの関係でグリップエンドの位置も変化させるべきである。
ピンチ・ショットする際、サスペンション・ポイントを左に移しても、両手とグリップエンドもまたそちらへ位置を変えなければ何の役にも立たない。
2) スウィングの間中サスペンション・ポイントを一定に保つこと。打つ間にサスペンション・ポイントを左に動かせば、意図したより強めのピンチになってしまう。逆も真なりで、サスペンション・ポイントを右に動かせばピンチの度合いを弱め、ボールの背後の地面でザックリするか、上向きのクラブヘッドでトップすることになり易い」
(February 21, 2013)
'The Short Way to Lower Scoring'
by Paul Runyan with Dick Aultman (Golf Digest/Tennis, Inc., 1979, $9.95)
「《スウィング軌道別サスペンション・ポイント》
・カットしないロブ・ショットとピンチ・ショット【図A】
両肩をターゲット・ラインと平行に揃え、クラブフェースもそのラインに合わせて狙う。全てスクウェアなこの方法は、クラブヘッドをターゲット方向に動かし、インパクトでフェースはターゲットを向く。
・弱めのカット・ショット【図B】
アドレスでサスペンション・ポイントを少し左に移動させ、 両肩をオープンにするが、クラブフェースはa) ターゲットにスクウェアか、あるいは b)肩よりもオープンの度合いを少なく構える。
この位置関係は、インパクトで若干左に向いたクラブヘッドの軌道と、スウィング軌道に対してオープンなフェースの方向を生み出す。スウィング軌道に対してオープンになるため、クラブは通常より「実効ロフト」を増す。
【編註:実効ロフト:例えば8番アイアンには製造元が定めたロフトが組み込まれており、それを"built-in loft"(ビルトイン・ロフト)と呼ぶ。しかし、その8番アイアンのロフトは、シャフトの傾け方次第でサンドウェッジから2番アイアン、もっと云えばパターのロフトにさえも変えることが出来る。これを"effective loft"(実効ロフト)と呼ぶ】
・強めのカット・ショット【図C】
アドレスでサスペンション・ポイントをさらに左に移すが、クラブフェースの狙いは変えない。それによって、インパクトで左方向へのクラブヘッドの軌道と、フェースがオープンなスウィング軌道とを生み出す。より多めのオープンなクラブフェースによる大きな「実効ロフト」が高いボール軌道を生み出す。
《重要事項》【再掲】
1) 身体がどれだけ左に傾ごうとも、両手は常に同じ位置(左太腿の前方)でアドレスすること。ピンチ・ショットでは必ずスタンス後方のボール位置とすること。サスペンション・ポイントは常にボール位置との関係で変化させ、クラブヘッドとの関係でグリップエンドの位置も変化させるべきである。
ピンチ・ショットする際、サスペンション・ポイントを左に移しても、両手とグリップエンドもまたそちらへ位置を変えなければ何の役にも立たない。
2) スウィングの間中サスペンション・ポイントを一定に保つこと。打つ間にサスペンション・ポイントを左に動かせば、意図したより強めのピンチになってしまう。逆も真なりで、サスペンション・ポイントを右に動かせばピンチの度合いを弱め、ボールの背後の地面でザックリするか、上向きのクラブヘッドでトップすることになり易い」
(February 24, 2013)
'Better by Saturday'(土曜日までにうまくなる)シリーズは、多くの有名インストラクターたちのtipを集めた小型本で、「ドライヴィング」、「アイアン/ロング・ゲーム」、「パッティング」、「ショート・ゲーム」の四冊が出ています。この項は「アイアン/ロング・ゲーム」篇のMike McGetrick(マイク・マゲトリック)によるスウィング・テンポに関するtip。
'Better by Saturday...Iron Play/ Long Game'
by Golf Magazine's Top 100 Teachers with Dave Allen (Warner Books, 2004, $15.00)
「・早過ぎるスウィングを遅くしたい場合
練習場へ行き、大きい篭のボールを買う。
1) 7番アイアンでフル・スウィングするが、最初の1ダースのボールは、あなたの通常の7番アイアンの半分の距離(普通150ヤードなら75ヤード)を目標に打つ。
2) 次の1ダースのボールは、通常の飛距離の2/3(100ヤード)を目指す。
3) 次の1ダースは125ヤードを目指す。
4) 最後に、残りのボールをいつもの距離(150ヤード)に向けて打つ。
このドリルは、やや遅めのスウィングの感覚をもたらしてくれる。また、いいバランスによる、スウィートスポットでのコンタクトをも可能にしてくれる。
・スウィングを早くしたい場合
1) 7番アイアンの3/4(スリー・クォーター)スウィングで、あなたの通常の飛距離迄飛ばそうと試みる。バックスウィングを短くすると、パワーを失うような気がするため、あなたはスウィングのテンポを上げて目的を達成しようとする筈だ。
2) 上の方法で小さい篭のボールを打った後、7番アイアンより長いクラブをドライヴァーまで打ってみる」
(February 24, 2013)
U.S. Open 2006チャンピオンのGeoff Ogilvy(ジェフ・オグルヴィ、オーストラリア)のtip。
'Trust your instinct'
by Geoff Ogilvy with Michael Walker Jr. ('Golf Magazine,' June 2009)
「私が若い頃、同じオーストラリア出身のIan Baker-Finch(イアン・ベイカー・フィンチ、全英オープン優勝者、現CBS-TVアナウンサーの一人)がこう云った、『パッティングが不調の場合、グリーンを読むのはやめろ』と。これはかなり大袈裟な表現だが、しかしグリーンを過剰に分析することをやめれば、あなたの心は本能的にどうすべきかを承知している。
重要なのはコトを単純に処理することだ。あがけばあがくほど泥沼に陥る。私がグリーン上で失望しっ放しの日、私は自分のパッティング動作について考えず、グリーンを過度に読まないようにする。私はボールが入るような気がする快適な体勢で狙いを定める。私の場合、本能のままにパットするほど、いい結果が得られる」
(February 27, 2013)
この記事の筆者Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)はパット名人で、最近はパッティングとショートゲームの本やDVDの製作・販売に余念がありません。彼のパッティング理論とtipsは、過去に当サイトで色々掲載済みですが【人物別索引の"S"の項を見て下さい】、それらと重複しないものだけを抜粋します。
'Golf Past 50'
edited by David Chmiel & Kevin Morris (Human Kinetics, 1961, $16.95)
「安定していいパットが出来るようになるためのチェックリストを紹介しよう。
1) ボールがカップの向こうの壁に触れてはいけない
カップのこちらの縁から転げ込むようにラインを読み、ストロークすべきである。
2) グリーンの変化を知れ
グリーンの早さは時々刻々変化する。朝の湿ったグリーンは、午後の乾いた固いグリーンより遅い。賢いゴルファーは、グリーンの状態を知り、強さとブレイクを調節すべきである。
3) カップの真の中心を狙え
大方のゴルファーはカップの中心へとボールを転がす。だが、ほとんどのパットにはブレイクがある。どれだけブレイクがあるかによって中心は変わるのだから、そのポイントを狙うべきである。
4) 他人のパットを参考にするな
多くのゴルファーが、同じラインのパートナーのパットから何かを学ぼうとする。私は『自分で読みなさい』とアドヴァイスしたい。何故か?あなたは、パートナーがどんな強さで打つか知らないのだから、あなたのパットにも同じブレイクがあるかどうか分からない筈だ。その上、パートナーがソリッドに打ったかどうかも見当がつかない。【註参照】自分の読みを信じてストロークすべきだ。
【編註】ボールをパターのトゥ近くで打てば、自動的に捩じれてフェースがオープンになり、ヒール近くで打てば逆にクローズになります(これらは見ていても判らない)。あなたのパートナーがそんな風に打てば、真っ直ぐ転がることはないので参考にならないわけです。
5) 手の位置を高くせよ
ほとんどのゴルファーがボールから遠くに立ち、手の位置が低くならざるを得ない状態にする。これは右利きの人が左へミスする原因となる。あなたがそのトラブルで悩んでいるなら、ボールに数センチ近く立ち、手と手首が高くなるようにセットせよ。そうすると、クラブシャフトが垂直に近くなり、目をボールの真上に置くことが出来る。
6) 練習の最後で短いパットを沈めよ
ティー・オフする前、常に練習グリーンで数分費やし、その最後で60センチ〜1メートルのパットを沈めるようにせよ。どんなラウンドでも、その長さのパットに立ち向かう場面はある筈で、それを沈めるかどうかでラウンドの成功が決まる。この距離を沈めておけば、No.1に自信を持って向かうことが出来る」
(March 03, 2013、追加 March 06, 2013)
'A pair beats three-Jacks'
by Tad Weeks with Frank Giordano ('Golf Tips,' March 1999)
「パット名人Jackie Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)は40〜50フィート(約12〜15メートル)のロングパットと、4フィート(約1.2メートル)のパットの練習を交互に行なうのが常だった。
彼のセオリーはこうだ。最重要なのは約12〜15メートルのアプローチ・パットと、よくありそうな残り約1.2メートルのパットである。約12〜15メートルを約1.2メートル以内に寄せ、その約1.2メートルを間違いなく沈められれば、グリーン上で嘆くことは無くなる。
ロングパットのテクニックだが、通常のストロークを用いるものの、長いバックスウィングとフォワードスウィングを実行する。毎日、数分でもロングパットを練習すれば、異なる距離のパットを成功させるためどれだけ長くパターを引き、押し出す必要があるか、その感覚を身体に染み付かせることが出来る。覚えておくこと、こういう長い距離のパットをカップに近づけられれば、3パットを2パットに変えることは非常に現実的なことであると」
中部銀次郎氏の「アマチュアは1メートルのパットに習熟せよ」にそっくりです。
【参考】「中部銀次郎のゴルフ・パット篇」(tips_118.html)
(March 03, 2013)
この記事の筆者Jim Colbert(ジム・コルバート、1946〜 )は、PGAツァーで8勝、チャンピオンズ・ツァーで20勝(シニアのメイジャー二つを含む)を挙げたプロ。この本は50歳以上のゴルファーのための本ですが、登場するシニア・プロのtipは当然どの年齢層のゴルファーにも役立つものです。
'Golf Past 50'
edited by David Chmiel & Kevin Morris (Human Kinetics, 1961, $16.95)
「私がプロアマでプレイするアマチュアの少なくとも90%は、30メートル右の林を狙う。彼らはそこへ打ち込み、何でこうなったのか首を傾げる。問題は、彼らがアドレス時に足を揃える際、ターゲットではなくボールを見つめるからだ。以下の正しいセットアップのための六つのステップは、あなたのスウィングにどんな欠点があるにかかわらず、あなたのショットを改善するものだ。
1) ターゲットを見ている間、ターゲットに対し身体をオープンにし、ターゲットラインに直角になるように右足をアドレス位置に配置する。この段階では、左手だけがクラブを握っている。
2) クラブを取り上げ、右手をきちんと添える。同時に左腕をソフトに身体に引きつけ、胸の左側に落ち着かせる。
3) 背を伸ばし、膝を少し曲げ、ボールの後ろにクラブをセットしてターゲットを狙う。身体は依然としてオープンのままターゲットを見る。
4) ターゲットを見つめながら左足をセットする。下を見てもターゲットを視界に入れてはいけない。そうすると、身体がクローズになり、右を狙いがちになる。
5) 右足を調節し、最終的な位置に定める。あなたが打とうとしているショットに応じて、スクウェア、オープン、クローズなどに動かすのはこの時点である。目はターゲットに注いだまま。
6) クラブフェースをボールの背後でスクウェアにし、ヒットする」
(March 06, 2013)
たまに抜群の飛距離が得られると、「夢よ、もう一度!」としゃかりきになるわれわれを戒め、更生の道を歩ませてくれる第一歩のtip。
'Swing smoother, not harder, for more yards'
by editors of 'Golf Magazine’ ('Golf Magazine,' April 2008)
「あなたはドライヴァーで思い切り引っ叩けばさらに飛距離が伸びると思い込んでおり、ティーアップする度にドライヴァーを強打しようとしている。その思い込みは間違いだ。次のドリルを試して貰いたい。
1) ピッチング・ウェッジ、6番アイアン、ドライヴァーを用意する。
2) 先ずピッチング・ウェッジで素振りをし、スムーズでリラックスしたスウィングをする。
3) テンポに集中し、ピッチング・ウェッジでボールをいくつか打つ。
4) ピッチング・ウェッジが快適に打てるようになったら、6番アイアンに替え、ウェッジと同じスムーズなリズムとテンポでスウィングする。
ウェッジと6番アイアンの違いは、クラブの長さとロフトだけであることに注意。
5) 最後に、ドライヴァーを取り出し、先ほどのウェッジのスウィングを視覚化する。
あなたはドライヴァーによる飛距離は強打から来るものではなく、スムーズで一貫したテンポによって生じるものだと気づく筈だ。このドリルを頻繁に行えば、あなたのティー・ショットがコントロールされたものになるだけでなく、長くストレートになるのは間違いない」
(March 06, 2013)
インストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)による「バンカー・ショットはインサイド・アウトに打て」という、通説とちょっと異なる理論。とはいえ、ロフトを減らすなという点では、どちらも同じ趣旨なのですが。 'Do this in greenside bunkers' 「ターゲットに向かって振り抜け。インパクトにかけてクラブフェースをオープンにし続けなくてはならない。それがクラブを砂の中でスライドさせることを可能にしてくれるのだ。 ターゲットに向かってスウィングすることを考えれば、クラブはダウンスウィングでインサイドに留まり、フェースをオープンに保ち続けてくれる。ボール位置を左足前方にし、フェースを開き、インサイド・アウトにスウィングし、ボールの手前の砂をぶっ叩く。 ボールをカット打ちしてはならない。砂に向かってアウトサイド・インのスウィングをすると、クラブフェースは往々にしてターゲットに対してクローズになりがちだからだ。スウィング軌道を左に向かわせながらフェースをオープンに保つのは難しい。フェースがクローズになると、クラブは砂の中をスライドするのでなく、砂にめり込んでしまう。そうなると、グリーンサイド・バンカーに必要なクラブヘッドのスピードとロフトが、双方とも失われてしまう」 |
(March 09, 2013)
イインストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の目玉を抉(えぐ)り出すコツ(彼の眼球ではありません)。
'Do this in greenside bunkers'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' February 2013)
「ボールが砂に埋もれていたら、脱出方法を変えなくてはならない。
ボールをスタンス中央に位置させ、クラブフェースをオープンにし、クラブを垂直に引き上げるバックスウィングをし、ボールの手前に急角度に振り下ろす。全てのエネルギーを砂に打ち込み、フォロースルーはほとんどない。だが、早期に力を抜いてはいけない。ボールを打ち出すにはしっかりしたスウィングをしなければならない。
かなりのランがあることを覚悟すること」
(March 12, 2013、改訂June 04, 2015)
'Breaking 100 90 80'
by America's best young teachers ('Golf Digest,' November 2012)
「・A.J. Avoli(A.J. アヴォリ、31歳)
いいアイアン・プレイの鍵は、先ずボールを先に打ち、次いで地面を打つことだ。7番アイアンを手にボールにセットアップする。四個のボールを右足の前方に、ターゲットラインに垂直に一列に並べる。ボールの列と接触しないようにスウィング・ダウンする。あなたはターゲット方向に体重移動し、ボールの前方(ターゲット方向)をスウィング弧の最低点として打つようになる。
・Luke Benoit(ルーク・ベノイト、31歳)
上質のアイアン・ショットの指標として、形のいいディヴォットほど役に立つものはない。ディヴォットの長さと深さをコントロールすることは、ボールとどのように接触したかと密接に関係する。以下は、ディヴォットをどう評価すべきかのヒントである。
毎日、あなたの家の裏庭で10分過ごす時間を作る。8番アイアンを用い、ボールは不要。次のようにディヴォットを取る練習をする。
1) ディヴォット跡がターゲットを指していること。
2) 細長いディヴォット跡であること(短く深いのは不可)。
3) ディヴォット跡は左爪先の前方であること。
練習を終えたら、ディヴォット(飛んだ芝の固まり)をディヴォット跡に戻すことを忘れないように。
・Jason Birnbaum(ジェイスン・バーンバウム、32歳)
アイアンで望ましいボールの軌道が得られなくなった時、あなたの友達が『もっと楽に振れ』と云っても無視すること。切り裂くよう打つことを恐れず、インパクトにかけて加速するように努力せよ。スピードが増せばスピン量も増し、高く真っ直ぐな軌道になる。
・Cameron McCormick(キャメロン・マコーミック、39歳)
いいショートゲームを身につけたければ、ボールをカッチリと捉えなくてはならない。ボールとの接触を改善するいい方法を教えよう。掌一杯のコインを、フェアウェイかフリンジにバラ撒く。芝の上からコインをクリーンに摘み上げるのだ。普通のチッピングに戻った時、ボールに向かって精密にヒットダウンし、パー・セーヴするのはいとも容易(たやす)くなることだろう」
(March 15, 2013)
これは'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌の巻末に毎号連載されていた'Breking 100 90 80'というシリーズの一つ。筆者は主にインストラクターやツァー・プロで、毎回変わります。この回の面白い趣向は、ゴルフ上達の具合を学歴に見立てていること。「100を切る」は学士課程(大卒レヴェル)、「90を切る」は修士課程(大学院卒レヴェル)、「80を切る」は博士課程です。以下の記事は大学院で学ぶべき技法です。
'Learn the knockdown shot'
by Jeff Jones with Ron Kaspriske ('Golf Digest,' December 2002)
「ノックダウンという言葉は、ボールが通常より低い軌道で飛ぶことに由来する。【編註:ノックダウン・ショットはパンチ・ショットの別名でもあります】
・狭いスタンスをとる。
・ボール位置はスタンス中央。
・クラブで普通に得られるよりも短い距離を打つ。
フル・スウィングしても狭いスタンスによってスウィング半径が短くなり、テンポがよくなる。これはまたボールのスピンを減らすので、低く真っ直ぐに飛ぶ」
別なソースによる追加ですが、このショットではフォローを短くすべきです。向かい風、横風、木の枝をかいくぐるショットなどを打つ際にも重宝です。
(March 15, 2013)
Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の'My Game and Yours'『わたしのゴルフ あなたのゴルフ』という本は、私がゴルフに入門した頃に読んだ翻訳本の一冊でした。同時期に出たJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の本が、現在のtips本に近かったのに較べると、Arnold Palmerの本はさほどインパクトを感じませんでした。そのせいで、この本のことはすっかり忘れていて、古書を注文したら、半世紀前に読んだ本の原書と久し振りに再会することになっちゃったのでした。Arnold Palmerはインストラクター・タイプではないようで、この本も理論的ではなく感覚的エッセイ風なのですが、現在のゴルフ人気を作り出した立役者としての言葉ですから重みがあります。この本が出版された当時の彼は、1960年と1962年にthe Masters(マスターズ)、1960年にU.S.オープン、1961年と1962年に全英オープンに勝利しており、全盛期だったことになります。
'My Game and Yours'
by Arnold Palmer (Simon and Schuster, 1963)
「頭と足はスイングの錨であり、とても重要な部分だ。頭を上下左右いずれかの方向に動かせば、必ずミス・ショットに繋がる。頭を動かさないことの大切さは、いくら強調しても足りないほどだ。ミス・ショットの99%は頭を動かしたせいである。大多数のアマチュアは大方のショットで頭を動かすし、われわれプロでさえしょっちゅう頭の動きを警戒せねばならないほどなのだ。
多くのゴルファーは頭を静止させるのなんか簡単だと考える。ボールを見続ければいいだけだと思うからだ。アマチュアがトップすると、仲間は『ヘッドアップした』と云い、ダフると『ボールを見てなかったからだ』と云う。彼らは間違っている。目を逸らす結果頭が動くのは確かだが、逆は真ではない。ボールを見続けたからといって頭が動かない保証はないのだ。目と頭は完全に独立して動くものだからである。立って、ドアのノブを見つめながら前進後退したり、左右に動いたりして貰いたい。目はノブを見ていても、頭はあっちこっちに動いているでしょうが。だから、目でボールを見るだけでは充分じゃないのだ。あなたは意識的に頭を静止させるべく、自分に強制しなければならない。これはゴルフを学ぶ際、最も困難な部分だろう。
ゴルファーの誰彼と同じように、私も頭を動かす常習犯であった。スウェイはするわ、頭を上下させるわで、最悪の事態を招いたものだ。もう今は動かさない(少なくとも、そう頻繁には)。頭を静止出来るのは、私のゴルフの最良の部分であるとさえ思っている。だから、私にはミスは多くない。
みんなが頭を静止させられるなら、100を切ろうとして四苦八苦するゴルファーはいない筈だ。実際のところ、90を切るためにあがく人もいないだろう。誰もが70台か、80台前半で廻れる筈だ。まるでゴルフ天国。
ここで私が読者に《頭を動かさずに済む10の公式》てなtipを提示出来たら、どんなにいいことだろう。しかし、出来ない。私は先ず正しいグリップを身につけるために苦闘し、次いで足の問題に取り組んで解決し、最後に頭の問題に集中して数年を費やした。練習場でもコースでも、ボールを打つ際、常に頭のことを考えた。そして、私は頭を静止させる決意をし、ショットに失敗したらこの次はちゃんとやろうと自分に云い聞かせるようにしている。頭の問題は集中心の問題と云える。一旦動かさないと決意したら、後は実践あるのみである。
『頭を動かさぬためには鏡の前でスウィングしろ』とか、『太陽を背にして影を見ながらスウィングせよ』とか云う人がいる。私は同意しかねる。ボールを見ながらのスウィングと、鏡や影を見ながらのスウィングは同じではないからだ。
頭を静止させるための物理的メソッドや近道というものは存在しない。それについて考え、第二の天性になるまで実践するしかない。頭のことを完全に忘れ去ることは出来ない。かく云う私だって私自身に云い聞かせ続けなかったら、すぐさま頭を動かすようになってしまう。
鏡や影を見るより、レッスン・プロに見て貰う方が確実である。でなければ、ラウンドの結果から判定することも出来る。あなたが妥当なグリップをしているのに90台で廻っているなら、間違いなく頭を動かしている。70台で廻っていたのに80台に転落したのなら、頭を静止させる習慣をつけるべきだ。決まったようにフックやスライス、あるいはトップやダフりを患っているなら、疑問の余地は全くない。
これは真剣に取り組むべきテーマである。私に出来るのは、あなたの集中心と幸運を祈ることだけだ。適切なグリップを獲得していて、その上頭を静止させることが出来たら、ゴルフの他の物理的側面などは簡単至極である」
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の師匠Jack Grout(ジャック・グラウト)は、Jack Nicklausの髪の毛を掴んでスウィングさせたそうです。これだと、痛いので嫌でも頭を動かさなくなるわけです。インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は、頭にクッションを当てて壁につけ、両手を胸の前でクロスさせてスウィング動作をするドリルを紹介しています。これは背骨の角度を維持するためのものですが、頭を動かさない練習にも使えます。
【要注意】頭を動かすまいとするあまり、体重を過度に左においたままスウィングする「リヴァース・ピヴォット」になってはいけません。これだとギッコンバッタンの動きになり、パワーと飛距離を失ってしまいます。最近の理論では、頭の上下の動きは厳禁ですが、左右への僅かな動きは容認されています。
(March 18, 2013、改訂June 04, 2015)
Dr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)は元検眼医で、各種スポーツにおける眼の能力を発展させる方面の第一人者となり、現在は“パット・ドクター”と自称してPGAツァー・プロたちにパッティングを指導しています。
'The Putting Prescription'
by Dr. Craig L. Farnsworth (John Wiley & Sons, Inc., 2009, $24.95)
「少し前まで、インストラクターたちは短いバック・ストローク、長いフォワード・ストローク(まるで1:3のような)を主張していた。それはインパクトにかけて加速させるという趣旨で、10メートルのパットならパターヘッドは膝の高さ(人によっては腰の高さ)のフィニッシュになるようなパッティングだった。私はこれを"chase stroke"(ボール追いかけ型ストローク)と呼んでいる。
こういう高いフィニッシュのストロークは、往々にしてかなりショートしてしまう。バック・ストロークが短か過ぎてボールにエネルギーを伝えられず、手で無理矢理フォワード・ストロークをしなければならない。手が介在すると、距離のコントロールが不安定になってしまう。
現在多くのインストラクターは、バック・ストロークとフォワード・ストロークの長さが等しいテクニックを提唱する。この振り子式ストロークは、距離にふさわしいパワーを蓄えるに充分なバック・ストロークの長さを持ち、手の介入に抗して、ボールをカップ近くに進ませるのに役立つように見える。グリーンが早ければ早いほど、このテクニックの必要性が増す。これは、身体の大きな筋肉(腕と肩)のパワーによってにストロークを実行させる。
パッティング・インストラクターたちの中で最近人気を得ているのは"60:40"の長さのストロークだ。このテクニックはストロークというよりヒッティングすることを重要視する。実際のところ、ツァー・プロにはストローク派よりはヒッティング派の方が多い。長く流れるようなストロークをするStewart Cink(ステュアート・スィンク)やLoren Roberts(ローレン・ロバーツ)などは少数派となり、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)型の短い長さのストロークが典型的となっている。
両方を実際に較べてみれば、長いバック・ストロークで短いフォワード・ストロークの方が効果的であることが解る筈だ。何故なら、短いバック・ストロークで長いフォワード・ストロークは手首の介入を許し、身体全体をターゲット方向にスウェイさせがちだからだ。
どのスタイルが安定したパッティングをさせてくれるか試されたい。もしあなたがショートしがちなら、あなたは"chaser"(ボール追いかけ派)であり、少なくともバック・ストロークとフォワード・ストロークの長さが等しいパッティングを練習すべきである」
(March 22, 2013)
Bob Cisco(ボブ・シスコ)は10歳で80を切り、12歳の頃70台で廻れるようになったという神童ですが、超短気だったためにプロ生活を断念し、インストラクターに転身。この本は三版だそうですから、結構売れた部類のようです。
クラブを水平に、そして次に縦に振る素振りは、あまり深い考えもなしにやっておられる方もおありでしょう(私もそうでした)。Bob Ciscoはその練習と効果について詳細に解説してくれ、レイト・ヒットと飛距離増に繋がる意味合いを教えてくれます。 'The Ultimate Game of Golf' 「野球のスウィングのように水平にクラブを振る。クラブが身体の廻りで振られる際、手と腕に引かれながら、クラブがどんな風に背後に置き去りにされ、遅れて動くかに注目すること。フォワードスウィングでクラブがボールに向かって戻る時、勢いを増しながら、一時的に身体の回転の中心から外側へ向かう動きも感じとって欲しい。 腰が、フォワードスウィングでどんな具合にボールに向かって動くかにも注目する。手と手首が腰の動きに追いつき、鞭のようにクラブヘッドをボールに叩き込む、そのまるでブレーキがかかったような左サイドの形にも注目。これがゴルフにおける遠心力である。 水平軌道で5〜10回前後に素振りし、外側へ、そして前方へと動くクラブヘッド・スピードの刺激を感じるよう努力すること。自然に手首がバックスウィングでコックし、フォワードスウィングでリリースされ、最後に交差するままに任せること。 次に、ゴルフ・スウィングに近い低目の水平軌道で素振りし、クラブがスウィング弧の最低点へと勢いを増し、ボールを鞭打つ感覚を身体に覚え込ませる。クラブが回転しながら加速し、インパクト・ゾーンに近づくと身体の外側へ動くことに注目」 |
トップでクラブを背後に置き去りにするスウィングは、下半身主導のスウィングです。TV中継でツァー・プロのスウィングを見ているとそうは見えないのですが(まるで手打ちに見える)、実際には彼らはみな重力と遠心力を利用しています。下半身主導で重力と遠心力を使う時が最も方向性に優れ、飛距離も増加します。手・腕主体の手打ちをしていたら、とてもツァー・プロなど勤まらないでしょう。
(March 25, 2013)
ゴルフ・スクールを経営する有名インストラクターの一人Jim McLean(ジム・マクレイン)のtip。
'The chip without the chunk'
by Jim McLean ('Golf Digest,' April 2013)
「チッピングに古典的な問題を抱えるローハンデのゴルファーを教えていた時のことだ。彼の下半身は凍り付き、彼は振り抜くために身体を回転させられなかった。彼の身体は右側に留まり、ボールに向かって手を抛り出すので、ザックリになるだけだった。
彼の問題はアドレス時に右足をスクウェアにすることから始まっていた。彼は右爪先を身体の前に真っ直ぐ向けていた。これだと、右膝が動かなくなり、ダウンスウィングで右膝の流れるようなリリース(=チッピングの名手に必要なもの)が不可能になる。
私は彼に右足をターゲット方向に30°向けるように指導した。これは次のような二つの働きがある。
1) 体重を左サイドに置くことになる。
2) 自然に膝が送れるようになり、回転軸を前方に移すことでボールをヒットダウン出来るようになる。
あなたも右足を(ターゲット方向に向けているのでなく)スクウェアに身体の前に向けているなら、貧弱なボールとのコンタクトしか出来ないだろう」
(March 28, 2013)
風変わりなグリップをしているゴルファーを見たら、yipsを病んでいる、あるいは少なくともパッティング・スランプに陥っていると思っていいでしょう。藁をも縋る思いで風変わりなグリップを試すのはいいとしても、注意すべき点があるようです。これはパッティング専門インストラクターMarius Filmalter(マリウス・フィルマルター)によるtip。
'The easy way to beat the yips'
by Marius Filmalter ('Golf Magazine,' April 2013)
「あなたがyipsに悩んでいるなら、右手(左利きなら左手)があまりにもアクティヴなのだ。よしんば、あなたがyipsとは無関係だとしても、あなたの右手が過度に加速したり、パターヘッドを回転させ過ぎたりしているかも知れない。この問題を解決するにはクロー・グリップを試すべきだ。クロー・グリップへの変更はあなたの動きを劇的に改善する。ただし、正しくクロー・グリップを用いた場合であるが。
クロー・グリップを用いる際によくある間違いは、クローにした右掌をパター・グリップの横に押し付けるというものだ。これはクローっぽく見えるが、本当の所は右手がストロークを牛耳ってしまう伝統的な構えと何ら変わらない。その理由は、右掌が力の向かうべきターゲットを指しているからである。正しい方法は、右掌が(ターゲット方向ではなく)自分の身体の方を向いているべきなのだ。こうすれば右手のパワーを殺し、左手がアクションの主導権を握ることが可能になる」
(March 31, 2013)
インストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)による、アイアン・ショットのミスを防ぐ方法三つ。
'Strike your irons solid'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' November 2012)
「自分でも惚れ惚れするようなドライヴァー・ショットをフェアウェイのど真ん中に放った後、それをダフったりトップしたりすることほど口惜しいものはない。ゴルファーは、何故そんな惨事が起るのか見当もつかない。私が見るところ、彼らがヒット・ダウンするのでなく、反対にボールを上げようとするのが原因だ。しかし、諸君はこのテの話は耳にタコが出来るほど聞いている筈だ。だから、今回は別な解決法を考えてみよう。
いい考えの一つは、インパクトの瞬間に胸がボールの真上にあるように感じることだ。これはインパクトで(ボールを上げようと努力するせいで)立ち上がってしまうことを防いでくれる。
別の方法は、右膝を左膝の方に押すことだ。これは体重をターゲット方向に移動させてくれる。
もう一つ、左手甲をターゲットに向けつつボールを打つこと。これはボールを上げようとする誤った動きを根絶する。
これらを試しなさい。そうすれば、ベストのドライヴァー・ショットを無駄にすることはなくなる筈だ」
(April 03, 2013)
'Golf's Mental Magic' 「・距離感養成ドリル 1) バックストロークを15センチ引いて打つ。 これを読んで、次のようなことを考えました。 パット練習というとカップを狙った方向性の練習になりがちです。2〜3メートルの距離であれば、入れなければならないのは当然なので、カップを狙う練習をしたくなるのがゴルファーの普通の心理です。しかし、ショート・パットでも距離感は重要です。たとえ距離は短くても《ネヴァー・アップ、ネヴァー・イン》が真理なのは同じですし、少し強く打ってしまうと、真っ直ぐカップの上を素通りしたり、逸れればギミー(=OK)の距離を越えて厄介な返しのパットを残したりします。 |
カーペット上のカップからの歩数が、三歩、四歩、五歩のところにマークをしました。で、そのマークからカップ目がけてパットするのですが、カップぴったりでなく数10センチほどオーヴァーするのがいいと思われます。ピッタシを目指すとカップ周辺でへろへろ酔っぱらいのような動きをしがちだからです(結果はミス)。私には20センチ程度のオーヴァー目が適切ですが、これは人それぞれでしょう。
カーペットの上で練習しているうちに、この範囲の距離なら上の「距離感養成ドリル」を応用したバックストローク幅の目安を設定出来るのではないかという気がしました。やってみると、次のようになりました。
3歩:シャフトが右靴の内側(ボールの後部から15センチ後方)
4歩:シャフトが右膝の内側(ボールの後部から20センチ後方)
5歩:シャフトが右膝小僧の真上(ボールの後部から30センチ後方)
もちろん、体型やスタンス幅で異なるでしょうから、この例は誰にでも当てはまるものではありません。また、上りのライン、下りのラインや順目・逆目によっても塩梅しなければならないので、全くの目安に過ぎません。しかし、勾配による強さの調整も上のどれかを適用すればいいので、簡単になります。右脚の目安を見続ける必要はなく、ボールを見つめている周辺視野に入っています。頭を動かさずにいる必要があるため、早期にボールを見送ってしまう弊害も防止出来ます。一石二鳥。
なお、この方法は手首で弾くようなストロークをする人には合わないと思われます。手首を多用すると打つ強さが一定しないので、上のような目安を作っても無駄でしょう。
練習グリーンで試してみましたが、まだ芝が生え揃っていないグリーンはカーペットに似ているせいか、上の目安のまんまで通用しました。そしてラウンドでも結構成果を上げました。夏場には変更を迫られると思いますが、その時はまた別の方策を考えます。
【参考】「パットの距離をコントロールする」(tips_175.html)
(April 03, 2013)
これも正確なアイアン・ショットを打つための工夫。筆者は、メイジャーに二回優勝しているLee Janzen(リー・ジャンセン)のコーチRick Smith(リック・スミス)。
'Start your swing at impact'
by Rick Smith ('Golf Digest,' May 2012)
「Lee Janzenが1993年のU.S. Openに優勝する数ヶ月前、私は彼のアイアン・ショットに役立つドリルを与えた。当時の彼のスウィングは問題点だらけだった。あなたが、既に体重移動を正しく行っているとしても、このドリルはあなたが一貫してソリッドなヒッティングをする助けとなる筈だ。
本番前に、次の諸点を完備したインパクトの体勢を作って彫像のように静止する。
1) シャフトがターゲット方向に傾いでいること。
2) 左脚はぐらつかずに安定していること。
3) 体重が右足を離れていること。
4) 身体の中心がボールの真上にあること。
この体勢からフィニッシュへとスウィングする。
Lee Janzenは、スウィングする前に毎回このインパクト体勢をシミュレートした。彼のショットはめきめきと良くなり、メイジャーに二勝した。あなたもいつもの素振りを、このインパクト体勢リハーサルに替えることをお勧めする。インパクト体勢を作り、上の1〜4の諸点を確認しつつその感覚を記憶し、フィニッシュへと振り抜く。リラックスし、もう一度繰り返す。二回のリハーサルで得たこのインパクト感覚を本番で再現するよう務め、ビシーッと打つ」
(April 06, 2013)
筆者Ken Venturi(ケン・ヴェンチュリ)はU.S. OpenをはじめPGAツァーで14勝し、後にCBS-TV中継の解説者を35年間も務めた人。
'Be the Ball'
edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrews McMeal Publishing, 2000, $14.95)
「私は同じカップに向かって二度続けてチップしたりしない。6番という番号のカップにチップしたら、次は9番、その次は18番を狙い、次に4番という風にチップする。常に異なるカップを選んでチップし続ける。私はコンピュータに目と手の情報をインプットする。目は『距離はこのぐらいだ』と云い、手は『チップしなきゃならんのはそこだな』と応じる。
同じカップに10、15、20回もチップするのは、コンピュータに情報が送られず素通りするだけなので、絶対にやってはいけない。異なるカップを狙う場合だけ、目は距離を測るとすぐに『打つ強さはこのぐらいだ』と手に伝達する。この、目と手の情報交換がいいチッピングを生むのだ」
これは目から鱗の考え方です。私は同じカップめがけて三個のボールを打つのが常でしたが、もうそれはやめました。確かに、アイ=ハンド・コーディネーション(目と手・腕の協調作業)の能力を開発・深化させて、オートマティックに遂行する方が結果がいいようです。
(April 09, 2013)
私はこれまでいくつかの「ハイブリッドの打ち方」に関するtipを紹介して来ました。
・嘘つきその1
クラブ・デザイナーDavid Glod(デイヴィッド・グロッド)
「ハイブリッド・クラブを正しく打つコツは、そのクラブが何番アイアンに相当するかを知ることだ。まさにその対応するアイアンのようにスウィングしなさい」【出典】「ハイブリッド・クラブの打ち方」(tips_80.html、削除済み)
これは嘘です。アイアンはダウンブローで打つべきクラブですが、ハイブリッドは3ウッドのように身体の周りをフラットに廻しながら打つべきクラブだからです。
・嘘つきその2
インストラクターDon Hurter(ドン・ハーター)
「ハイブリッドを使う際の心構えは、セットアップでもスウィングにおいても7番アイアンを打つのと同じにすることだ。(中略)そして、7番アイアンを打つようにディセンディング・ブローを遂行する」【出典】「ハイブリッドの正しい打ち方」(tips_124.html、削除済み)
これも上と同じで大嘘。
・嘘つきその3
インストラクターHank Haney(ハンク・ヘイニィ)
「あなたは3番アイアンや4番アイアンをハイブリッドに置き換えたので、それらを3番アイアンや4番アイアンと同じように打とうとする。そうではなく、7番アイアンを打つ時と同じような順序と機械的動作をするのが肝要だ」【出典】「Hank Haneyのハイブリッドの打ち方」(tips_141.html)
彼の言葉の前段は正しい。しかし、「7番アイアンと同じように打て」という部分は(少なくとも、われわれアマチュアには)嘘です。プロの中にはドライヴァーもダウンブローに打つ人がいるそうですから、そういう人はハイブリッドもダウンブローに打つかも知れません。しかし、ドライヴァーをアッパーに打つ人は、ハイブリッドを7番アイアンのようにダウンブローに打つべきではないでしょう。
・正しい人その1
インストラクターRobert Baker(ロバート・ベイカー)
「ティーからのハイブリッドは、上昇気味の軌道でボールを掃くように打つのが基本」【出典】「ハイブリッドでティー・ショット」(tips_107.html)
地面の上から打つ場合でも掃く(あるいは払う)ように打つのがベストです。
・正しい人その2
'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌編集者
「正しいハイブリッドの使い方は、(中略)クラブで掃くような軌道を得るように努めること。そうすれば、ボールはロフト通りに空中に上がり、あなたが無理にボールを上げようと“努力”する必要など全くない」【出典】「ハイブリッドを使いこなす」(tips_109.html)
私は18°のハイブリッド(2番アイアン相当)をフラットに払うように打ち始めて、ほとんどミスしなくなったのですが、21°(3番アイアン相当)と24°(4番アイアン相当)はシャフトが短いせいもあって、まだアイアンのようにスウィングしていました。これらのクラブが必要なパー3で全く乗らないのに業を煮やしたある日、18°と同じようにフラットに振ってみました。ピンポーン!乗るじゃないですか!私は上に挙げた三人の嘘つきを怨みます。これらの記事は間もなく削除します。
【参考】
・「ハイブリッドを完璧に使いこなす」(tips_149)
・「ハイブリッドはフックするように出来ている」(tips_177.html)
【おことわり】画像はi.ebayimg.comにリンクして表示させて頂いています。
(April 09, 2013、改訂June 04, 2015、増補January 02, 2017)
Graeme McDowell(グレアム・マクダウェル、アイルランド)は2010年のU.S. Open優勝者。正確でしたたかなプレイが身上のプロ。
'Take control of the tee box' 「以前のツァーでは、ティーからの飛距離の長さか正確さか、どちらか一方が備わっていれば優勝出来た。現在は飛距離と正確さ双方が必要となっている。われわれプロは毎日練習出来るが、あなたはそうもいかないだろう。あなたがティー・ショットの内容を向上させたいのなら、賢くなければならない。 その秘訣は、第一にボールとの接触である。スウィング速度のことはしばらく忘れ、ボールをクラブフェースの中心で捉えることに専念すべきだ。クラブのヒールやトゥでなく、またフェース上部でも底部でもなく、スウィート・スポットでのコンタクトである。それは単にストレートなショットを生むだけでなく、スウィート・スポットが最大のエネルギー転送部位であることにより、飛距離増にも繋がることを知る筈だ。これは二重の魔力である。コントロールを目指せば、強打することなくヤーデージも増えるのだ。 私はプロ仲間の多くと異なり、ボールを低くティーアップし、是が非でもフェアウェイをキープする【編註:写真ではドライヴァーの天辺がボールの天辺に揃っている】。低いティー・アップはボールに向かってヒットダウンすることを促し、それはドライヴァーのようにロフトの少ないクラブでさえ自動的にバックスピンを生み出す。こと正確さに関してなら、バックスピンは最大の味方である。なぜなら、バックスピンが増すということはサイドスピンが減ることを意味する。それが3番ウッドがドライヴァーより打ち易い理由であり、役に立つトリックでもある。 もしフェアウェイが広く、大きいスウィングを許してくれる場合、私はごく一般的な高さのティーアップをする【編註:写真ではドライヴァーの天辺がボールの中程に揃っている】。さらにボールをスタンスのターゲット側に少し移す。これは、ボールをややアッパーに打つことを容易にしてくれる。これが最大の飛距離を生む唯一の方法だ。 あなたに研究課題を上げよう。次回練習場に行ったら、あなたの最大限の能力の80%で打ちながら篭を空にしてほしい。多分、あなたは自分の能力の80%なるものを知らないだろうから、とにかく少し遅目に振って貰いたい。スウィング速度を一寸遅くするだけで目立った変化がある筈だ。腕の回転を少なくし、身体の回転を増やす。左の二の腕が胸についたスウィングを心掛ける。もし、しばらく試してもスウィート・スポットでボールを捉えられない時は、もっとスウィング速度を落とす。 |
ボールがクラブフェースで押し潰された感触を得たら、それがあなたの理想的なスウィング速度だ。同時に、あなたが期待している以上の距離が得られることにも気づくだろう。このスウィングを練習し、その後、スウィート・スポットでのコンタクトによる正確さと飛距離の両方を獲得出来るまでスピードを増して行けばよい」
(April 12, 2013)
このテクニックは身につけておくと重宝する、いい隠し技になるでしょう。筆者Brian Manzella(ブライアン・マンゼラ)はYouTubeで人気のインストラクター。
'How to hit a spinning pitch'
by Brian Manzella ('Golf Magazine,' May 2013)
「ピッチ・ショットがカップを通過してグリーン奥にこぼれてしまうと、1〜2回のバウンスで急停止する返しのショットが必要になる。
現在のあなたが知っているテクニックは、急角度のヒットダウン・スウィングでボールを先ず打ってスピンを生じさせ、カップの傍で急速に停止させる…というものだろう。残念ながらこのテクニックは概して2〜3ヤードだけ進むチョロになるか、トップしてグリーンをオーヴァーするホームランになるかどちらかになり易い。あなたにはもっとムラなく打てる別なテクニックが必要だ。
ボールへの急降下爆撃ではなく、インパクトに向かう浅い角度の接近をする。そのために、ダウンスウィングからインパクトへと腕が上体より早く動くように感じること(とはいえ、ソフトでしなやかであること)。この動きはインパクトにかけて腕が否応なく身体に吸い寄せられ、ボールへのかなりフラットで浅い角度の攻撃角度を作り出す。実のところ、あなたはボールに接触する前にクラブヘッドが草にタッチする感じを抱くだろう。それは浅い角度のスウィング軌道だからだ。
正しく遂行すれば、クラブフェースの下方でボールを打ち、低い発射角度ながらかなりの停止スピンを生み出す筈だ」
上の解説だと、何やら手・腕主体の掬い打ちのような胡散臭い印象ですが、実は驚くような効果があります。私がこのテクニックを60°ウェッジで試してみると、60°が64°ウェッジに変貌しました(60°ロフトなので低い軌道にはなりませんが)。確かにうまく行けばピタと止まり、プロの気分が味わえます。また、高く上げる必要はない、グリーン奥からの急な下り斜面で、普通のチップ・ショットだとごろんごろん転げて行く恐れのあるところからも試してみました。この手法だとピン傍に寄りました。
このテクニックの秘密はインパクト以降、すぐにクラブを身体に引きつける動きです。これがフェースを返す動きを阻止し、最後までロフトを維持してくれるのです。ボールを真上から叩いてバックスピンをかけるよりも、格段に易しい。しかし、難しい要素がない訳ではありません。
先ず慣れなければいけないのは、距離の長短にかかわらず、通常より長めのバックスウィングをしなければならないということ。フォローを短く身体に引きつけてしまうので、距離の調節はバックスウィングの長さ一つにかかって来ます。ピンの根元が見えないほどの私の身長以上の高いグリーンに寄せる場合、両手は右肩の高さまで上げなくてはなりません。大雑把に云って、通常のチッピングでのカップまでのショットの三倍のバックスウィングが必要という感じ。もし、大きなバックスウィングをすることを躊躇すると、ボールはグリーンに到達出来ず、手前の上り斜面に着地してころころと元の場所に戻って来てしまいます。
また、この方法は筆者Brian Manzella(ブライアン・マンゼラ)が云うほど超安全ではなく、お粗末に遂行すればやはりザックリやチョロも出ます。それはどんなショットでも同じですけどね:-)。ですから、普通にチップ・ショット出来る場面で面白半分にやったりしてはいけません(これは自戒)。
【参考】筆者によるヴィデオ https://www.golf.com/video/how-hit-spinning-pitch
【おことわり】画像はhttp://3.bp.blogspot.com/にリンクして表示させて頂いています。
(April 15, 2013、改訂June 04, 2015、再訂August 20, 2018)
●「ザックリの恐れなしにスピンをかける」追加リポート
・これは上り斜面だけでなく、顎の高いバンカーからピンまでの距離が短い場合にも役立つことが分かりました。つまり、バンカー・ショットの一つとしても使える訳です。
・バンカーを越えたすぐのところに切られているピンに寄せるのにも重宝します。
・慌てず、ゆっくりスウィングするといいようです。急いで打つと、スピンが充分かかりません。この手法は地面に水平に滑らすようなスウィング軌道ですから、ボールにクラブフェースの底から上へ駆け上がらせてスピンをかけるのだと解釈します。これだと、急ぐ必要はないのです。
・地形が平らな場所でこの手法を使う場合、距離が10ヤードだと両手が右肩の高さのバックスウィング…という感じ。【現在の印象です。確定ではありません】
・このショットが必要になる状況は、グリーン奥からの上りの急斜面、バンカー越え、バンカーの高い顎など、全てショートすると悲劇になることで共通します。《ショートは大怪我、少しオーヴァー目でもよしとする》という気持ちで大きなバックスウィングをするといいと思います。ぴったりピン傍に寄ったりして驚いちゃいます。
・ラウンド直前にこの手法の練習をすべきではありません。手打ちが身についてしまう恐れがあるので:-)。
(April 18, 2013)
筆者Wally Armstrong(ウォリィ・アームストロング)はPGAツァーに10年間参加し、The Masters(マスターズ)に五位タイに入ったりしましたが、その後インストラクターに転向。多くの著書やDVDを出しています。
'The Heart of a Golfer'
by Wally Armstrong with Frank Martin (Zondervan, 2002, $14.99)
「アマチュアでちゃんとターゲットを狙える人でも、アプローチ・ショットでピンにショートする人が多い。そういう人は旗竿の天辺を狙うべきだ。
大抵のゴルファーは、100ヤード以内のピッチングだとボールがグリーンに着地してカップへと転がることを期待しながら、カップの遥か手前に寄せようとする。彼らはピンをオーヴァーするのを恐れて筋肉を強ばらせる結果、大幅にショートさせてしまう。
大方のゴルファーは寄せる際、カップを見る傾向があり、われわれは自然に目の焦点を合わせたところを狙いがちだ。もしプレイヤーが旗竿の天辺を狙えば、ボールをもっとピン傍に寄せられるチャンスが増す筈だ」
(April 15, 2013)
ゴルフの元スーパー・スターで現TV解説者Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)によるショット・メーキングのtip。
'Foot position is key to shotmaking'
by Johnny Miller with Guy Yocom ('Golf Digest,' August 2003)
「1967年にBing Crosby Pro-Am(ビング・クロスビィ・プロ=アマ)に出た時、私は右足を開くと身体をかつてないほど捻転出来、目を見張るような飛距離が出ることを発見した。アドレス時の両足の位置が、そんなにも身体の回転とスウィング軌道に大きく影響するという事実に驚かされた。以下はお望みのボール軌道にふさわしい基本的な足の位置である。
・ストレートなボール
左爪先を少しオープンにし、右足はターゲットラインにスクウェア(直角)。【図A】
・フェード
左爪先をターゲットラインから10度前後オープンにし、右爪先をほんの少し内側(左)に向ける。【図B】
・ドロー
左足はターゲットラインにスクウェア(直角)にし、右爪先を少し外側(右)に向ける。【図C】」
(April 18, 2013)
インストラクターDr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)の下記の著書に、ゴルフの基本ではありながら見逃されている、あるいはよく理解されていない部分にスポットライトを当てた明解な説明があります。今回は『背骨の角度』で、ダフり、トップの原因の一つが明解に語られています。
'It's Good for Your Game'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrew McMeel Publishing, 2003, $12.95)
「あなたがアドレス体勢をとる時、あなたはスウィングの半径を確立したことになる。それは『あなたの腕の長さ+クラブの長さ』である。例えばあなたの腕の長さが81センチ、クラブの長さが96センチだとしよう。あなたのスウィング半径は、クラブヘッドから肩先までの177センチとなる。ボールとのソリッドなコンタクトを得るには、あなたはダウンスウィングで177センチの半径でボールに戻らなければならない。
たとえあなたが、半径を一定に維持したとしても、あなたにはもう一つ別の仕事がある。あなたのスウィング軸(背骨の角度)を変えてはならないというものだ。これは一見単純至極のようだが、かなり重要なことなのだ。もしあなたがインパクトで立ち上がればボールをトップし、ボールに向かって沈み込めばボールの後方を打ち、恐るべきダフりを生む。
いったんあなたが上の原理を理解したら、次に述べるドリルによって、沈み込みも立ち上がることもなく身体の水平を保つ感覚を身につけるべきだ。
ショート・アイアンを手に、スウィングが出来る壁を探し、頭を軽く壁につけてアドレスする。スローでゆったりした速度でスリー.クォーターのスウィングをする。スウィングの間、頭は回転し少しスライドするだろう。しかし、フォロースルーに至るまで、頭は壁にくっついたままであるべきだ。このドリルのポイントは、頭の高さを水平に保つことにあり、あなたは身体全体をテイクアウェイからダウンスウィングまで水平に維持し、『あなたの腕の長さ+クラブの長さ』でアドレスした半径のままインパクトに到達する。これこそが折り紙付きの立派なスウィングと云えるものだ」
(April 21, 2013)
驚くなかれ、これはインストラクターButch Harmon(ブッチ・ハーモン)執筆の記事です。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)ではありません:-)。
'Lesson tee'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' May 2013)
「ラインに沿って、ストレートにパターヘッドを振りなさい。なぜかって?望ましいパッティングの基本の第一番は、選んだライン上にボールをスタートさせることであり、そのラインに沿ってパターを振るのが最も簡単な方法だからだ。パターヘッドはバックストロークでほんの僅かインサイドに動き、フォワードストロークではラインに沿ってリリースさせなければいけない。私の云う“リリース”の意味は、パターは真っ直ぐ振られながらも、パターフェースは左に回転するということだ。こうすれば、パットが沈むチャンスが増える筈だ。
フォロースルーがラインの内側に向かう円弧型ストロークはすべきではない。パターヘッドが左に向かい、フェースまで左へ回転させたのでは(自然にそうなる)プルのオンパレードになる。このミスを防ぐため、パターフェースをオープンにするゴルファーが存在することを知っているが、それはパッティングを複雑にするだけだ。パット名人たちは、出来るだけストロークをシンプルにしようとする。フェースを回転させ、ボールの目的地に向かって振り抜くべきだ」
(April 24, 2013)
Copyright © 1998-2018 高野英二 (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.