この記事の筆者Brad Brewer(ブラッド・ブリューアー)はゴルフ・スクールを経営するインストラクター。
'Drive with Control & Power'
by Brad Brewer ('Golf TIPS,' May 2005)
「非常に難しいコースで行なわれた、あるPGAツァーの最終日のTV中継。トーナメント・リーダーがNo.11のティー・ショットをしようとした時、私は妻に『このショットは左へ行く!』と予言した。そのボールは左へ行き、池の底に沈んで行った。妻はどうして私が予言出来たのか?と尋ねた。
私はプロの身体に緊張を認めたのだ。どういう理由かは不明だが、アドレスした時のそのプロの左肩に緊張が忍び入り、スウィングをぶち壊し、プルフックを生じさせたのだ。 以下のような想念が緊張を作り出す。 最も一般的な失敗はグリップ・プレッシャーを強め、手と腕によって速くクラブを振ろうとすることだ。 PGAツァーとLPGAツァーのロング・ヒッターたちを対象に、ある科学的調査が行なわれたことがある。いくつかの傾向が明らかになったが、その一つは、どのロングヒッターも他のプロより軽いグリップ・プレッシャーでクラブを握っていたことだった。彼らはリラックスした両手を使い、それは身体のどの筋肉を使うよりも優っていたのだ。 |
リラックスして落ち着いてロング・ドライヴを放つためのヒントを上げよう。
・プレショット・ルーティーンに、心臓に焦点を当てることによってリラックスした感覚を得る方法を加えなさい。五つ数えながら深く息を吸い込み、五つ数えながら息を吐く。これはあなたのグリップに軽くソフトなタッチを与えてくれる。
・スロー・モーションで短い素振りをする。土台となる回転、両手と両腕の自由なスウィング、クラブヘッドの重みなどに意識を集中する。
・アドレスに入る前、あなたの最もソリッドに打てたショットと、スウィートスポットで打てたその時の快感を思い起こす。そういういい記憶がない場合は、何かポジティヴな気分になれるもの(家族やペットなど)について考える」
(June 08, 2005、増補January 07, 2017)
'The LAWs of the Golf Swing'
by M. Adams, T.J. Tomasi and J. Suttie (HarperCollins, 1998, $25.00)
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【前回のおさらい】
この本はユニークです。「人間の体型が異なるのに、レッスン書もレッスン・プロも一つの方法しか教えないのは間違いだ」という発想で書かれています。主に三つのスウィングの型が代表として取り上げられています。
1) Leverage (テコ型):中肉中背の人、例:Steve Elkington、David Frost
2) Arc (円弧型):背が高く腕の長い、痩せ型の人、例:Fred Couples、Davis Love III
3) Width(幅広型):中背ではあるが胸幅の厚い人、例:Craig Stadler、Duffy Waldorf
自分がどれであるか見分ける簡単な方法があります。右の写真のように人指し指と親指を伸ばしてピストルの形を作り、肘を身体に付けて垂直にします。この時、親指が肩より高ければ円弧型で、丁度肩の高さならテコ型(私はこれ)、肩より低ければ幅広型となります。LPGAプロLaura Davies(ローラ・デイヴィス)は横幅があるので幅広型ですが、大抵の女性はテコ型だそうです。
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前回の「体型別スウィング」では私自身の体型である「テコ型」だけまとめました。今回は「幅広型」。「円弧型」は現在取り上げる予定はありませんが、それはひょろっと背の高い日本人離れした人です。女性のための頁もいくつかあります。
【幅広型スウィング】
先ず、胸巾の広い人は身体の捻転をフルにしたとしても、胸巾が邪魔をするので、アップライトなトップを考えるべきでない。最近の当サイトの記事で云えば、「1プレーン」、それも短いトップが推奨されます。「短いトップでは物足りない」と思われるかも知れませんが、胸巾の広い人はスウィンガー(振る人)ではなく、その筋力を活かしたヒッター(打つ人)であり、安定してパワフルなスウィングが可能なので、短いトップで充分だそうです。
この型の弱点として柔軟性に欠けるという面があります。全ての留意点はその弱点を補うことに向けられています。
「グリップ
・ショートサムではなく、ロングサムにする(この体型の人の手首は固く、コックするよりも捩じれ易い。ロングサムにすれば手首のコックは容易になり、トップで十分な高さも得られる)
・左手はストロング、右手はウィークにする(これもコックを容易にする)*
・左右どちらの手もフィンガーで握る(これによって短いトップでも攻撃的なスウィングが出来る)
*胸巾は広いが胸板は厚くないという人は、右手もストロングにする。
ボール位置
・ボールは後方に置く(この体型ではクローズ目のアライメントが必須であり、ストロング・グリップなので、スウィング弧の最低点は後方になる。ターゲットの右を狙わないように注意)
・ショート・アイアン、ミドル・アイアンでは、ボールをスタンス中央に。
・ロング・アイアンとフェアウェイ・ウッドでは中央からボール一個ターゲット寄りに。
・ティーから打つ全てのウッドは、「左半身の真ん中」の前方にボールを置く。
スタンス
・クローズ・スタンスを基本とする。
・スタンスの広さを決める方法:普通に立ち、トップの形を作る。ゆっくりフィニッシュへと向かう。この時の両膝の間隔に注目。正しいスタンスであれば、後方の膝が前の膝と接する筈である。
・両爪先とも斜めに開く(柔軟性を補うため。開き過ぎは禁物)
ポスチャー
・アドレスの姿勢でだらんと下げた左腕を胸の前で左右に振る。もしバックスウィングで45°以上上がるようなら前傾し過ぎ。45°まで届かないようだとアップライト過ぎである。
・胸が広ければ広いほど、腰からの前傾角度を増やす。
・もしポスチャーがアップライトなら、スタンスのクローズ加減を減らす。前傾の度が強ければ右足をもっと下げる。
・アドレスにおける左腕は左脇に下がるのではなく、胸の上に位置するように。
バックスウィング
・左踵を上げないこと(これはスウィングを短くするが、捻転を強めるのでパワーにつながる)
・身体を捻転しながら体重を右腰に乗せる(これはスウェイではない。【右踵の外に体重が流れるのがスウェイである】こうしないと、左肩がボールの後ろに到達せず、アウトサイドにクラブが引かれてしまう)
トップ
・トップ位置の決め方:クラブ無しでアドレスし、右腕だけでフルにバックスウィングし、トップで止める。左手を上げて右手にタッチするよう試みる。もし、ギャップがあればその右手は上げ過ぎである。
・"low hands, high club head"を旨とする(ストロングな左手、ウィークな右手がこれを実現する)
ダウン
・体重が左腰に移ると同時に右肘を引きつけ、インサイドからの軌道を目指す。
フィニッシュ
・頭は左足の上。背中は曲げられていない」
この本の筆者たちは、人間の身体が冒頭の三つに整然と分けられるものではないことを承知しています。テコ型に近い幅広型もあるわけです。その場合、上の全ての要素を忠実に模倣する必要はないでしょう。要するに、現在いい結果が得られていることは直さなくていいのです。うまく行かない部分において何か体型に合わないことをやっている恐れがあると考え、上の記事を参考にすればいいのではないでしょうか?
【参照】
・「体型別スウィング(序章+テコ型篇)」(tips_54.html)
・「体型別スウィング再履修」(tips_107.html)
・「体型別スウィング(プレーン篇)」(tips_137.html)
・「体型別スウィング(テコ型の補遺)パート1および2」(tips_157.html)
・「体型別セットアップ法」(tips_165.html)
・「体型別・腰のアクション・ドリル」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【微調整ポイント一覧】」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【微調整ポイントの相性を知れ】」(tips_165.html)
・「体型別スウィング【妙薬と毒薬を見分けよ】」(tips_165.html)
(June 10, 2005、増補November 21, 2015、再増補December 08, 2015)
Tom Kite(トム・カイト)が様々なプロたちを観察した結果について語っています。 'How to Play Consistent Golf' 「たいていのいいパターはフェースに4°のロフトがある。それを0°にして打つためには両手を僅かにボールの前に出してインパクトを迎えなくてはならない。手首を曲げて撥ね上げるようなストロークをすると、ロフトをさらに追加する結果になる。これだとボールを宙に浮かべて地面にバウンドさせてしまう。アドレスで両手をボールより前に出しておくことが肝要だ。 パッティングの名手Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)、Jackie Burke(ジャッキィ・バーク)、Claude Harmon(クロード・ハーモン、Butchの父)などは、インパクト後もパターを低く出せと云っていた。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)も低めに出していた。Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)、Billy Casper(ビリィ・キャスパー)などは、パット後にパターを地面に置くようなストロークをしていた。彼らのパッティング・ストロークは水平であり、それがスウィート・スポットで打つためのコツであった。低めと云っても、ボールに向かって打ち下ろすようなものではないので注意。【編者註:打ち下ろすと一旦地面に潜ったボールがハネ上がる。当然方向も距離もおかしくなる】。 青木 功は『ボールめがけて打ち下ろす』と云って、私を驚かせた。しかし、彼が育った高麗グリーンはボールが芝に沈んでしまうので、打ち下ろさないと適切な転がりが得られなかったからだ。彼は速いグリーンで絶妙のパッティングを展開した。しかし、最近は速いグリーンで育ってもボールに打ち下ろすプロは少ない。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)、Paul Azinger(ポール・エイジンガー)、Payne Stewart(ペイン・スチュアート)や私なども打ち上げるパットをする。 Ben Crenshawはパターをインサイド(バック)からインサイド(フィニッシュ)に往復させる。Cathy Whitworth(キャスィ・ウィットワース)はアウトサイドに持ち上げる。Dave Stocktonはアウトサイドに引き、ループさせてインサイドからボールに向かわせる。 |
私の成長期、TVでArnold Palmer(アーノルド・パーマー)が左手の人差し指をシャフトに沿って伸ばすグリップをしているのを見て、私はそれを真似した。しかし、恩師のHarvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)は『伸ばした指は左手の安定性を増すが、同時にテンションを作り出す』と云い、私が現在も続けているようなもっとリラックスしたグリップに変えてしまった。
ポスチャーは目の位置を決めてしまう。原則的には、目はボールの真上である。しかし、ターゲット・ラインより内側に目を位置させる良いゴルファーも多い。Fuzzy Zoeller(ファジィ・ゼラー)の目は内側だし、Ben Crenshawの目はかなり内側だ(それが、彼がパターをインサイドに引く理由でもある)。反面、目をターゲット・ラインの外に置く良いゴルファーというのは見たことがない」
(June 12, 2005)
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の二人目のコーチとなったJim Flick(ジム・フリック)のスウィングtip。
'Flick's Master Tips'
by Jim Flick ('Golf Digest,' May 2005)
「Byron Nelson(バイロン・ネルスン)は私にこう語った。彼は最盛期に右ポケットには何も入れなかった、と。当時流行だった懐中時計をズボンの時計入れに入れることもしなかった。何か入れるとそれはインパクト直前で右腕の動きを邪魔したからだそうだ」
それだけ右肘がズボンを擦りながら通過したわけですね。Ben Hogan(ベン・ホーガン)はセーターが綻びるほど右肘で擦ったそうです。彼らのインサイド・アウトの度合いが想像出来るというものです。
私などはティー、グリーン・リペア・ツール、予備のボールなど結構な数が右ポケットに入っています。バンカー・ショットやチップ・ショットの際に邪魔になるようだと、ボールだけ引っ張り出して地面に置きます。あまり恰好よくありません。
(June 12, 2005、増補June 02, 2015)
'Dave Pelz's Putting Bible'
by Dave Pelz with James A. Frank (Doubleday, 2000, $30.00)
「ラインを跨いで後方からターゲットにボールを押す出すクロッケー・スタイルのパッティングは、1960年代に二人のツァー・プロによって使われた。これは、見た目の格好悪さを別にすれば、非常に容易で、手首の余計な動きを無くし、ラインもクリアに見通せるという良い方法であった。しかし、60年代半ばにSam Snead(サム・スニード)がyips(イップス)克服のためにこの方法を採用すると、USGAは直ちにこれを違法として禁止してしまった。
Sam Sneadは上の方法を、ラインの横に立つ"sidesaddle"(サイドサドル)に変更した。これはクロッケー・スタイルの次に容易なパッティング法である。
ある人物(誰であるかは忘れてしまった)が、"sidesaddle"をさらに次のように改良した。彼は42インチの長いパターを用いた(スタンダードは概ね35インチ)。彼はカップに向かい、ラインの横に立ち、グリップエンドを握った左手を右脇の下にあてがい、完璧な振り子式パッティングを行なった。彼はパッティングラインの上に目が来るように右に寄りかかり、左足を伸ばして体重のバランスを取った。これはこれまでのところ私が目にしたベストのパッティング法だ。
この人物は、どのパットでもボールの真後ろに立ち、ボールの前に中間目標を設定し、アドレスに入ってからもう一度アライメントが正しいかをチェックした。ストロークの最後で、パターが先ほどの中間目標を指すようなフィニッシュを迎えた。
これは違法ではない。しかし、誰かがこれで連戦連勝となったら、多分USGAが違法とするのは間違いない」
(June 14, 2005)
インストラクターButch Hamonによるスウィングの基本。
'The Four Cornerstones of Winning Golf'
by Claude "Butch" Harmon, Jr. and John Andrisani (Simon & Schuster, 1996, $15.00)
「大抵のゴルファーは、バックスウィングでトップに達した後、両手でダウンスウィングを開始するのが自分の任務だと考えている。これはゴルフスウィングを破壊する最大の誤謬である。
あなたの自然な気持ちに反しているかも知れないが、ダウンスウィングの第一歩は下半身の左側で始めることを学ばなくてはならない。
その練習法:通常のスウィングでトップまで行き、そこで数秒間ストップする。下半身にリードさせながらダウンスウィングを開始する。トップで一時停止するこの方法は、正しい動きを簡単に身に付けさせてくれる。これはまた、ターゲットラインの外から内へ右肩とクラブヘッドを送り込むゴルフスウィングの大敵“手打ち”を除去してくれる。
下半身がいい動きをすると、両手、右腕、肩は左半身の動きに受動的に追随し、ダウンスウィング開始以後身体に引き寄せられて行く。それが正しい状態である。
1995年に、私がFred Couples(フレッド・カプルズ)にこの練習法を教えた後、彼は続く二つのトーナメントで優勝した」
【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。
(June 16, 2005、増補June 02, 2015)
米国のあるゴルフ・サイトに次のようなことが出ていました。
1) 練習ボール一篭を持って練習グリーンに行く。下手投げで、10〜15m離れたターゲット目掛けて一個ずつ抛る。快適に投げられるまで、少なくとも30分は続ける。その時のフィニッシュの姿勢(足の位置、腰や肘の曲げ具合、ボール側への傾き加減など)が分れば、それがあなたに最も効果的なサイドサドルのスタンスである。
2) トスした時の手の地面からの高さは、あなたがパターをグリップすべき高さを示している。
3) パターヘッドをボールの後ろ1インチか2インチ(2.5cmか5cm)に置き、短いバックストロークでボールをポンと打ち("pop" the ball)、パターを押し出す。
4) バックストロークの前に息を吸い、ストロークの間普通に息を吐く。これはテンションを和らげる万能のテクニックである」
(June 20, 2005、改訂June 02, 2015)
Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)が語るラフ対策のコツ。
'On the course,' a part of 'Breaking 90 with Johnny Miller'
by Johnny Miller (Callaway Editions, 2003)
「ラフには短いもの、長いもの、そしてその中間の三つがある。 あなたがベント・グラスのコースでプレイするのであれば、短く刈られたラフはフェアウェイとそう変わりはない。丈の長い芝は太陽の方角に伸びる。もし、長い芝があなたの方を向いているとしたら、クラブを振り抜くのが大変で、ボールを出すのに苦労する。長い芝があなたから遠ざかるように伸びていれば、それはフライヤー・ライである可能性が高い。フライヤー・ライでは草がボールとクラブ・フェースの間に挟まるためスピンがかからず、ホームランになり易い。 中間の長さに刈られたラフでは、1クラブ小さいものを選ぶ。フェアウェイで7番アイアンの距離だとすれば、8番アイアンを選ぶのだ。そして、ボールをスタンスの2インチ(5cm)後方に位置させる。腕と手首をしっかりさせ、ディセンディング・ブローで草の介入を避けるように打つ。 アメリカ南部やハワイにはバミューダ・グラスのフェアウェイやラフがある。これは針金のようで、もじゃもじゃに絡み合って伸びる。クラブは振り抜けない。中間の長さであったとしても、いい結果を期待してはいけない。 |
バミューダのラフでは、90%の割合でサンドウェッジを使い、フェアウェイに戻すのがベストである。もし、ボールがラフに深く埋もれているなら、バンカー・ショットの要領で出さなくてはならない。20°のオープン・スタンス、ボール位置は左踵の前。ボールの1インチ(2.5cm)後ろを目掛けてエクスプロージョン・ショットする。20ヤードか30ヤード進めば御の字である」
(June 23, 2005、改訂June 02, 2015)
'Local Knowledge'
by editors of 'Golf Tips' ('Golf Travel Annual,' December 2004)
「グリーン周りの短いラフからのショットは、トップしたりダフったりしがちである。こういう場合にはハイブリッド・クラブを使うべきだ。
ボールはスタンス中央で近めに立つ。クラブは短く持つ。パッティングのようにストロークする。ワン・ピースのバックスウィングで、しっかりしたフォロースルーを心掛ける。
クラブのロフトを増やそうとか、ボールを上げようとしないこと。このショットは短い一跳びと長いランをもたらす。ハイブリッドはエネルギーをボールに伝える効率がいいので、パターを使う時よりもソフトに打つこと。
この方法により、グリーン周りでのザックリにおさらばし、カップにするすると寄って行くボールが見られる」
(June 28, 2005)
'Driver off the deck'
by editors of "Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2004)
「フェアウェイでドライヴァーを使うのは強力な武器である。しかし、条件が整っていなければ実行しない方がよい。
先ず、ボールがフェアウェイにあること。やや登り坂にあるとベターである。また、着地予定の地面が乾いていて固いこと。これらは低い弾道から距離を引き出す要因である。
ボールを空中に上げる簡単な方法は、ややカット気味に打つことだ。これはロフトを数度増やすことになる。クラブフェースはスクウェアなまま、身体はターゲットの左を狙う。アウト→インのスムーズなスウィングをする。ボールは最初左に出るが、右に戻って来てグリーンに駆け上がって行く」
【参照】「フェアウェイ・ドライヴ」
(July 04, 2005)
●パットの体重は後方に
ハリウッドのスターたち大勢にゴルフを教えたインストラクターEddie Merrins(エディ・メリンズ)のパッティングtip。
'Rollin', Rollin', Rollin'
by Eddie Merrins with David Dusek ('Golf Magazine,' December 2004)
「パットに際し、多くのゴルファーがターゲット方向の足に体重をかけ過ぎる。それは上体も前方に傾かせることになる。その結果、下降気味にボールを捉え、芝生に押し付けることになり、ボールはぴょんと宙に浮いてしまう。【編者註:正しい方向に転がらず、勢いも削がれる】
そうではなく、体重の大半は後方の足に置くこと。自然に低いバックストロークとなり、フォロースルーは高くなる。これならボールは正しい軌道で正しい方向に転がる」
この筆者はフォローを高くするというメソッドを説きます。確かに、ボールを上から押さえつけるようなストロークは駄目ですが、「低くバックストロークし、フォロースルーも低く出す」方式を採用するプロも多いようです。「続・ストックトンの技法」にあるように、ボールを追いかけたパターを前方でトンと地面に置くようにストロークすると低さを保てます。
パットがうまくいかない場合は色々試してみるべきで、この「パットの体重を後方に置く」もその候補の一つです。フォローの高低と共にトライする価値はあるでしょう。
(July 06, 2005、改訂June 02, 2015)
'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)
「両手が一杯に伸ばされるのは、唯一インパクト直後である。これはクラブが正しい軌道にあることを示す。これが実現出来ない多くのゴルファーにお勧めしたいのは、ホームラン・バッターMark McGwire(マーク・マグワイヤ)のスタイルを踏襲したドリルである。
インパクト直後、後方の手(右利きなら右手)をクラブから外すのだ。3番ウッドかドライヴァーでスムーズな素振りを数回行い、ボールをティー・アップして実際に数発打ってみる。インパクトを感じたら即座に後方の手を外す。
この方法が、両手を伸ばしたパワーヒッターのフォロースルーを実現する」
(July 12, 2005)
'The Best Golf Tips Ever'
by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)
【Phil Rogers(フィル・ロジャース)のバンカーtip】
「私は生徒に『ボールが20cm四方の箱の真ん中にあると想像し、箱全体をバンカーから弾き出せ』と云う。クラブヘッドはボール後方10cmのところに入り、ボール前方5〜7cmのところへ出て来る。ディヴォット痕は先ほどの箱と同じ寸法である(砂は前方ばかりでなく、横にも飛ぶからだ)。もし、ディヴォット痕が四角でなく長方形だったら、そのショットはよくない。長方形になるのは、砂を強打したのではなく、ボールをカット打ちしたことを意味しているからだ」
(July 13, 2005)
'Waggle the putter'
by Stuart Appleby with Greg Midland ('Golf Magazine,' October 2004)
オーストラリアのプロ Stuart Appleby(スチュアート・アップルビィ)によるtip。
「パットの距離のコントロールは、アマチュアの最大の課題だと思う。それにはパターをソフトに握るのがコツだ。以下の私の方法を試してみてほしい。
私はパターを絞るように握って、次の瞬間ゆったりとさせる。アドレスの際、これを数回繰り返す。フル・スウィングにおけるワッグルと同じように行う。これは両手をリラックスさせてくれ、パターヘッドの動きを感じ取る感覚を鋭くしてくれる。これによって距離感がよくなる筈だ」
【編者註:これは以前Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)がフル・ショットの際にやっていた、牛の乳搾りのような動作と同じですね。彼は最高25回もやっていました。こうも長くやると嫌われますので御注意:-)】
(July 14, 2005)
'Roll your Putts'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' August 2005)
「いい転がりを実現するには、ターゲットから遠い方の足に多めに体重をかける。ボール位置は身体の中心より前方。【雑誌のイラストでは、両目と胸骨はスタンスの真ん中にある】こうすることによって、ボールを上昇軌道で捉えることが出来る。体重がターゲット方向の足にあると、ボールを下降軌道で捉えるので、ボールが弾んだりして狙ったライン通りに転がらない。
両目をターゲット・ラインに揃えると、上の方法がもっと活きる」
驚きました。上の雑誌が届く数日前、実は私は似たようなことを思いつき、既に原稿にしてあったのです。以下がその内容です。
「パッティングの際、ボールは目の真下」とよく云われます。すると、図Aのように目と目の真ん中にボールが来るべきであろうと思うのが普通の考え方ではないでしょうか?(図はボールを見せるために目をターゲット・ラインの下に描いていますが、これは便宜上のことです。目もターゲット・ラインの真上にあるのが普通。赤丸は身体の重心です)
私はAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)の真似をして、ボール位置を左に寄せています。この時にも目をボールの真上にしようと努力すると(図B)、上体がターゲット方向に傾ぎ、体重もそちらに寄ってしまいます。こういう状態で起りがちなことは、両目を結ぶ線まで傾いでしまい、ターゲットラインに平行でなくなってしまうことです。そうなると、ストロークは正直に両目を結ぶ線に沿って行なわれるので、自然にプッシュしたりプルしたりします。
で、上のような障害を克服するため、図Cのように目はボールの後方に配置したらどうかと思いました。これはよく考えると、アイアンなどを打つ時の体勢と同じですね。ドライヴァーなら目はもっとターゲットライン後方です。これをパッティングに応用して悪いことはないと思います。フルショットの場合と同じく、両目はターゲットラインと平行になるように注意します。
以上です。雑誌の記事と比較すると、「体重と目はボールの後方、両目をターゲットラインに揃える」という二点でぴったりと一致します。
(July 20, 2005)
'See and Stroke'
by Nancy Quarcelino ('Golf Magazine,' April 2005)
「いくらラインの読みが正確でも、アライメントが悪ければパットは成功しない。多くのアマチュアはアドレスの最初からラインを逸れていることが多い。
スクウェアに構えるには、先ず左手だけでパターを持ってアドレスする。これはオープンな両肩で構えてしまうというよくあるミスを防止する。そして、グリップを動かさずにカップを見ながら両足をターゲットラインに平行に揃える」
(July 23, 2005)
'Why you need a lob wedge'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' August 2005)
ショート・ゲームの権威Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)による、ロブ・ウェッジの必要性と使い方のポイント。
「ボールを高く上げ、カップの傍でソフトに着地させるにはロブ・ウェッジ(60°)が必要だ。バンカー越え、高い障害物があったりピンが近い場合、早いグリーンのダウンヒルへ寄せる場合など、ロフトが必要などんなショットにもロブ・ウェッジは必須のクラブである。 グリーンをミスしがちな人(プロを含む)にはロブ・ウェッジが有用である。転がしはエラーが少ないのは事実であるが、ボールを上げ、なおかつすぐストップさせなくてはならない状況では、ロブ・ウェッジを使うしかない。 ロブ・ウェッジの使い方における致命的ミスはスウィングを減速させることだ。両手がクラブヘッドに先行し、インパクトで加速していれば、他のどんなクラブを使うよりも高くソフトなショットが打てる。 ボール位置はスタンス中央。バックスウィングは3/4(両手は胸の高さ)で、フィニッシュはフル・ショットのように大きくする。これが加速させる要因。短いショットを打つ場合は、1/4のバックスイングでフィニッシュは胸の高さにする。 【ロブ・ウェッジのポイント】 |
・ボール位置はスタンス中央で、体重も真ん中。
・バックスウィングは3/4以内に留める。
・ダウンスウィングは左腕でリードし、クラブヘッドに先行すること。
・フル・フィニッシュへと加速する」
他のアイアンはスムーズに打ってもボールは飛びますが、ウェッジはそうは行きません。スムーズに掃くように打ったのでは、スピンがかからないため、低く短いショットにしかなりません。ウェッジではピシッと加速させる打ち方が必要です。かと云って、Deve Pelzの戒めを無視してバックスウィングが3/4以上のパワフルなショットをしたりすると、今度はボールが天高く舞い上がるだけで全く距離が得られません。この辺がロブ・ウェッジは難しいと云われる原因でしょう。Deve Pelzのポイントに従ってこれに習熟すると、寄せるのが楽しくなる筈です。LPGAツァーでは、いくつものクラブを使い分ける転がしが主力でしたが、Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)が男子ツァーに参加して覚えたテクニックが、ロブ・ウェッジによるアプローチ・ショットでした。今後はLPGAでもロブ・ウェッジで高く上げ、ぴたりと止めるショットが多くなることでしょう。
(July 27, 2005)
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