Golf Tips Vol. 151

Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ)のバンカー・ショット基本篇

著者Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ、1928〜1998)は、U.S. Open二回、Mastersに一回、生涯に計41回のPGAツァー優勝を達成したプロ。今回は基本篇です。

[Cary]

'Advanced Golf'
by Cary Middlecoff (Burford Books, 1957, $16.95)

「バンカー・ショットしたボールが、場所こそ異なれまだ同じバンカーにあることほど、屈辱的で、むかつき、スコアを増やす原因となるものはない。これに匹敵する最悪のショットはバンカーからのホームランぐらいであろう。これらは、たった一つのホールで恐るべきスコア(8とか9以上)の基盤を作り上げるショットと云える。

私は上のようなショットを嫌というほど知っている。プロとして快適な生活が出来るようになり、かなり名声も博するようになった後でさえそういうショットが私を苦しめたものだ。ある週は見事なバンカー・ショットをしたかと思うと、不思議にもそのテクニックを失い、100を切れないゴルファーのように完全に砂を恐れる生き地獄に陥った。そんなバンカー・ショットのスランプ時、必死で基本を学び、何とか堅実さを得ることが出来た。それを披露しようと思う。

第一段階は、とにかくガードバンカーから脱出してグリーンのどこかへ乗せることだ。私の云わんとするところは、ノーマルなライからバンカーを逃れる安全で基本的なショットを学ぶということだ。それが達成出来たら、たまにピンまでワンパット圏内に寄せるタッチを開発可能になる。

最も安全に脱出出来るのはエクスプロージョンのフル・ショットだ。たまにセミ・エクスプロージョンやチッピング、パターによる転がしなどが適切な場合もあるが、安全確実なのはエクスプロージョンである。これはエラーの許容範囲を最大限にする。エクスプロージョンの意味は、クラブヘッドがボールと直(じか)に接触するのでなく、ボール後方の砂を打つということだ。これにはサンド・ウェッジが必須である。サンド・ウェッジの3/4スウィングでボールの手前5センチのところを打つ。頭を静止し続け、ちゃんとフォロースルーを取る。それだけ。

以下はお勧めの工夫である。
1) 肩幅に開いた若干のオープン・スタンス。
2) スウィングの間中しっかりした足場を得るよう、両足を砂に埋める。
3) ボール位置は左足内側の前方。
4) かなり早期に手と手首を折るバックスウィング(=アーリィ・コック)。
5) ピッチングでロフトを維持する時と同様、両手を左腕の前に出すダウンスウィング。
6) 最初から最後までしっかりしたグリップを保つ。
7) エラーの許容範囲を増すには、スタート時にクラブフェースを少しオープンにし、スウィングを終えるまでフェースのオープン角度を維持すべく、左掌が地面を向く(=右手を返さない)フィニッシュを迎えること。

私の場合、ボールが顎に近くてロフトの効果が必要だと例外なくうまく出せたのだが、バンカー後方の平坦なライだと気が緩んで不注意になってしまい、出せなかったりホームランになったりした。そこで、私はボールの30〜60センチほどターゲット方向に顎があると想像し、必要の有る無しに関わらず急速に高くボールを上げるように努力した。この方法はとてもいい助けとなった。あなたも試してみてほしい。

単純な脱出法がマスター出来たら、ボールをピンに近づける第二段階に入る。これには、ボールからどの程度の距離の砂を打つかということと、スウィングのパワー、あるいはそれら二つの組み合わせ…の調整が絡んで来る。バンカー・ショット巧者のほぼ全てが両方の組み合わせで、ややパワーの要素を多めにしてプレイしている。パワーの範囲は3/4から1/2以下のスウィングまでである。ボール後方を打つ距離はほぼ5センチのままでよい。ボールをピン近くに運ぶには、チッピングやパッティングと同じタッチが必要となる。

【練習法】

長期にわたってバンカーの恐怖に苛(さいな)まれているゴルファー、あるいは一時的にバンカー・スランプと苦闘している人々に、一つの練習法を処方しよう。練習用バンカーで30分費やして貰いたい。ボール無しで、一定して1.3〜2センチほどの深さで、15センチほどの長さのディヴォットが取れるまでスウィングを繰り返す。どの場合もフル・フィニッシュのフォロースルーを取る。上の条件が満たせるようになったら、ボールを置いて同じスウィングをする。このパターンを10数回繰り返せば、必ず効き目がある筈だ」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(September 02, 2013)


パワフルなバックスウィングの構築

前に、インストラクターJimmy Ballard(ジミィ・バラード)の「バックスウィングで体重を(右足の上ではなく)右足・右脚・右股関節の内側に移す。その時、背骨の動きにつれて頭が右へ水平移動してもスウェイではない」という理論(「スウェイか否か」)を紹介しましたが、それがJimmy Ballardの専売特許でなく、一般的なものであることを証明します。

以下の記事は'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌認定トップ100インストラクターの一人、Don Sargent(ドン・サージェント)執筆によるもの。

'Three moves for a stronger backswing'
by Don Sargent {'Golf Magazine,' September 2013)

「あなたが懸命にスウィングしてもまだ充分な距離が得られないとしたら、バックスィングでパワーをちゃんと蓄えていないのだ。スウィングのトップで体重を右に移す代わりに、左サイドに残留させていないだろうか?だとすると、『リヴァース・ピヴォットよ、今日は!』ですぞ。この極めて一般的な過ちの原因は、腕を上げ過ぎ、身体の捻転が少な過ぎる結果であり、これほど弱々しいヒッティング・ポジションは他に見当たらない。

パワフルにエネルギー充填をするための《バックスウィングの三つの鍵》をお教えしよう。あなたは、『経験者のおれがリヴァース・ピヴォットなんてミスを犯すわけない!』とか考えるかも知れないが、謙虚になりなさい。ツァー・プロでさえリヴァース・ピヴォットから身を守るために、これらの鍵を遵守しているのだ。

1) 頭をターゲットと反対方向に僅かに泳がす。『頭を動かすまい』と頑張ってはいけない。

2) 身体を後方へ捻転させながら、体重を右サイドに移す。【編註:Jimmy Ballardは「体重を(右足の上ではなく)右足・右脚・右股関節の内側に移す」と云っています。内側から逸脱するとスウェイであるという見解です】

3) 肩と腰を回転させることによって、背中をターゲットに向ける。

これらを、両手を頭から出来るだけ遠くに保ちながら行うと、パワーが満タンのバックスウィングとなり、インパクトでの強打が実現する」

次は'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌編纂のゴルフ百科全書ともいうべき本の「バックスウィング」の項。

'The backswing'
from 'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'
by George Peper et al. (Harry N. Abrams, Inc., 1997, $45.00)

「大きな捻転と効果的な体重移動をするためには、バックスウィングでターゲットの逆方向に頭と身体を若干動かすことを恐れてはいけない。

David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は次のように云っている。『特にバックスウィングにおいて、身体を捻転する際に頭を水平移動させるのは極めて正常であり、頭を回すのも自由である。頭を過剰に静止させようとすると身体の動きを制限することになる』 数え切れぬほど多くのインストラクターが、一般ゴルファーの頭を静止させようとする努力は、緊張を生み出して肩の回転を制限させてしまうと指摘する。頭の回転を大袈裟にやってはいけないが、上体の筋肉をリラックスさせ続けるには、頭を自然に順転・逆転させてよい。

身体をずらす動きは、特に背の低いゴルファーにとって重要だとChi Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス)は云う。『身体を横移動させるとクラブヘッドが動く距離を増し、その結果スウィング弧を長く出来る。この方法によって、頭を完璧に静止させ背骨を軸に回転していた時よりも遠くにボールを打てるようになる』

肩と腰の捻転を大きくすると、左上腕部を胸に密着させ続けられる。クラブヘッドはターゲットラインのインサイドに向かいつつ、扇のようにオープンになる。下半身はきつく巻き付けられ、右腰に若干のプレッシャーを感じる筈だ」【編註:「左上腕が胸にくっつく」という部分と、「右腰にプレッシャーを感じる」部分はJimmy Ballard理論にそっくりです】

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私はまさに「頭を完璧に静止させ背骨を軸に回転させるべきだ」と考えていました。頻繁にパーオンさせられないのは、身体の横移動によって方向性が乱れるせいだと思いました。頭を完全に静止させる努力によって方向性は改善しましたが、飛距離が格段に落ちてしまいました。30ヤード減になると、次打もかなり長いクラブで打たねばならず、結局正確なゴルフにはなりません。

私のグールーであるJack Rushing(ジャック・ラッシング)の助言でJimmy Ballardメソッド(左上腕を身体に密着させてスウィングする)を始めたら、頭を完璧に静止させようとしていた時よりも正確なボールが打てるようになりました。さらに、「背骨の動きにつれて頭を右へ水平移動させる」ことによって飛距離も増大。おかげでコース攻略プランの変更を迫られて嬉しい悲鳴を挙げています。

【参照】「スウェイか否か」(tips_114.html)

(September 11, 2013)


5ストローク減らすパット法

ショート・ゲーム専門インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)は、自分で製作・販売している練習器具のセールスマンになることが多いのですが、珍しくこの記事は違います。安心してお読み下さい。(^-^)

'The Pelz way to save 5 strokes'
by Dave Pelz {'Gol Magazibe," August 2013)

「アイアンやウッドでミス・ヒットした場合は、明白なフィードバックがある。ボールは急速にターゲットラインから逸れ、ショートしてしまう。クラブのトゥで打てば、貧弱なインパクトの反応としてクラブフェースがオープンに回転するため、手の中でハンドルが捩じれるのを感じとることが出来る。(クラブのヒールで打った場合は、ヒールがシャフトに近いため、トゥで打った時ほどの感じはない) スクウェアではなくトゥやヒールでボールを打つと、インパクトの衝撃はボールへ向かうのではなくシャフトを駆け上がって手に逆流するため、手の痛みを感じることがある。

上のようなフルスウィングの即座のフィードバックは、上達のためにとても重要である。不幸にして、パッティングではそのようなフィードバックは得られない。パターヘッドがミスヒットによってインパクトで捩じれたとしても、衝撃は小さ過ぎて感じ取れるほどの刺激を生じない。フィードバックなしでは、どうしてミスしたのか、どう直せばよいのか見当もつかない。それが、あなたのパッティングが(練習の後でさえ)上達しない理由である。

欠くことの出来ないフィードバックを得るには、どこのゴルフ用品店でも売っている『インパクト・シール』を購入し、パターヘッドのスウィートスポットの真上をセンターとして接着する。トーナメントではない日に18ホールのラウンドをする。途中でインパクト・シールをチェックせず、ラウンド終了まで待つこと。

あなたのインパクトの痕が小さく密集していればストロークに問題はないので、今後の練習は狙い方とグリーンの読みに集中すればよい。もし、痕跡が広がっていれば、インストラクターのレッスンを受け、3ミリずつ減らすことを目指す。スウィートスポットから3ミリ外れただけでパットはラインから逸れてしまう。インパクト・シールのフィードバックを手掛かりに、セットアップとストロークを改善する。インパクト・シールに残るインパクトの範囲を3ミリずつ減らせれば、あなたのハンデから5ストローク減らすことが出来る。私のリサーチがそれを証明している」

[icon]

この記事には英文解釈上の問題がありました。原文では"shrink it by 1/8""となっているのです。この"by"は「…を単位として」、「…ずつ」ですから、「3ミリずつ減らせ」と解釈出来ます。仮に私のハンデが15で、パットしたインパクトの痕跡がスウィートスポットを中心として周囲2センチに広がっていたとしましょう。懸命に練習して3ミリ減らしたとすると、私のインパクトは17ミリになります。これでハンデが10になるものでしょうか?さらに練習して3ミリ減らすと、ハンデが5?嘘でしょう。そんな旨い話があるわけはありません。

ゴル友のMike Reekie(マイク・リーキィ)に原文を添付し、彼の解釈を聞いてみました。彼は大学の名誉教授(数学)で、詩も書き俳句もひねり、教会の臨時の説教師でもあり舞台俳優でもあるという多芸多彩な人物です。その彼も、「このDave Pelzの文は混乱している」と云い、彼の解釈を明解には説明出来ませんでした。

で、Dave Pelzの趣旨は別として、私なりの解釈をまとめてみました。

・痕跡が全てスウィートスポット上に集まる:優【機械でもない限り、これはあり得ない】
・痕跡がスウィートスポットを中心として半径3ミリ以内に集まる:良
・痕跡がスウィートスポットを中心として半径6ミリ以内に集まる:可
・痕跡がスウィートスポットを中心として半径9ミリ以上に広がる:不可

これだと、3ミリ減らす毎のハンデとの関連も納得出来る感じです。ま、3ミリとかハンデ云々にこだわらず、スウィートスポットで打つことを心掛けるということが核心ですが。

(September 14, 2013)


Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のバックスピン

急停止する、あるいはころころと戻って来るようなバックスピンをかけるには、多層構造の(高級な)ボール、ふかふかのフェアウェイが不可欠とされていますが、次のJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のtipにはそういう断り書きがありません。「ひょっとして自分にも?」と期待させられます。

'The Senior Tour and the Men Who Play It'
by Steve Hershey (Doubleday, 1992, $30.00)

「プロのトーナメントでギャラリーを興奮させてやまないものの一つは、グリーンに着地してから数メートル戻って来るアプローチ・ショットである。それは単に見て興奮するだけのものではなく、きわめて実用的なプレイである。…特にピンの手前の着地点が狭い場合には。

最高のバックスピンは、急速なクラブヘッド・スピードと、クラブヘッドが地面に接触する前にボールの後部に向かって急降下する軌道とによって生み出されるものだ。あなたのクラブヘッド・スピードはプロ並ではないだろうが、彼らと同じクラブヘッドの動きを模倣することは出来る筈だ。

アドレスで単純にクラブフェースをオープンにし、バックスウィング開始と同時に手首をコックして、通常より急速でアップライトな高いスウィングプレーンでクラブヘッドを上げる。ダウンスウィングでは、カットするような動きで(バックスウィングと同じように)急角度にクラブヘッドをボールに戻す。左手首をしっかり保ち、クラブヘッドをターゲットに向かって真っ直ぐ振り抜く。左手の回転を遅らせ、手が返ってクラブフェースがクローズになるのを防ぐこと。左手が返るとバックスピンが減り、ボールを低過ぎる軌道でグリーン奥へ転がしてしまう」

(September 17, 2013)


頼りになるハイ・フェード

精力的にYouTubeヴィデオをリリースしているインストラクターBrian Manzella(ブライアン・マンゼラ)の安全打法。

'How to build a go-to drive'
by Brian Manzella (Golf Magazine,' November 2011)

「あなたのフェアウェイ・キープ率があまり高くなく、ドライヴァーを自信を持って打っていないのなら、ハイ・フェードを習得すべきだ。このテクニックはさほど時間をかけずに打てるようになる。

1) ターゲットの約20ヤード左を狙って身体を揃え、ボールはスタンスの前方(ターゲット寄り)に置く。オープン・スタンスが過度ではないかと心配しないように。これは必須である。

2) 二、三度素振りをするが、両足のラインに沿ってクラブを動かすのではなく、5ヤードほどターゲットに近い方に打つようにスウィングする。両足のラインはターゲットの20ヤード左だから、スウィングはターゲット15ヤード左ということになる。

3) 素振りしながら気をつけるべきことは、体重を後方の足に残さないようにすることだ。このショットではボールとの水平なコンタクトが重要である。

4) ボールを打つ。ターゲットの左に向かったボールは、高い軌道でフェアウェイ中央に戻って来る筈だ。

毎回成功するまで練習すること」

(September 24, 2013)


3パットに死を!

インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)による3パット撲滅のススメ。

'Death to the three-putt!'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' October 2013)

「3パット。ゲッ!それは完全なるストロークの浪費であり、スコアを台無しにするだけでなくあなたの心持ちをも害してしまう大敵だ。最近の早いグリーンで3パットをゼロにすることは不可能に近いが、アマチュアの多くは3パットのし過ぎである。

以下はPGAツァーのShotLinkの助けでPelzゴルフ研究所が発見した「3パット発生頻度」だ。

ハンデ
   プロ   
0
    10    
    20    
    30    
頻度
3.3%
12.45%
14%
16.8%
19.4%

アマチュアのスクラッチ・プレイヤーでさえ10ホールに一度以上3パットしており、ハンデとともに発生頻度は高くなる。あなたがハンデ30なら、毎ラウンド3〜4ストロークをどぶに捨てていることになる。

ShotLinkのデータだと今シーズン(2013年7月下旬まで)のPGAツァー・プロは、各イヴェントにつき平均2.4回3パットしている。3パット無しで優勝したプロは八人である。プロが3パットを回避出来るなら、あなたにだって可能な筈だ。3パット回避に天才的運動能力は要らないし、もの凄い練習量も必要としない。第一パットを、これまでより少しカップに近づければいいだけなのだ。ラグ・パットでショートしないために、次の二点を変更されたい。

1) オープンスタンスでボールに近く立て

これによってラインを(望遠鏡でなく)双眼鏡で見るように深度を感じ取ることが出来る。この視点はまた、ボールに向かうパワーを生む動きの自由度を増してくれる。

 

2) パッティング・ストロークでなく、チッピング・ストロークを使え

バックストローク、フォワードストローク双方で、僅かな手首の蝶番(ちょうつがい)の動きを許す。これはショートになり易い弱々しいストロークを防止する。

以上によってあなたの3パットは激減する筈だ。一打一打はかけがえのないものであり、3パットを防止すれば簡単に打数を節約出来る」

【参考】「3パット撲滅対策」(tips_131.html)

(September 27, 2013)


パットの基準距離を使え

パッティング・インストラクターMalius Filmalter(マリウス・フィルマルター)のアイデアによる、簡単至極な距離感の尺度。

'Roll every putt close—or in!"
by Malius Filmalter ('Golf Magazine,' October 2013)

「これはどんなコースでも(初めて訪れたコースでも)正しい距離を転がすことが出来る、ごく簡単なメソッドである。

練習グリーンに赴き、平らな部分を選んで何回かパットする。その際、あなたの通常のスタンスとテンポを用い、バックストロークでパターヘッドが右爪先のやや外側、フィニッシュで左爪先の少し外側になるようにする。その方法で十回連続でパットし、どれだけ転がったか、スタート地点からボールまで歩数を数える。

私の場合、スティンプミーターが10のグリーンで十歩である。あなたの距離が私より短くても長くても問題ではない。あなたはその日の基準となるストロークを手に入れたのだ。六歩前後は、中級のハンデのゴルファーが直面する一般的距離である。

パットする前にボールからカップまで歩いて歩数を数える。きっちり六歩であれば、あなたはどうすればよいか知っているわけだ。もし六歩より少ないか越えているとしても、少なくともどれだけ基準ストロークの幅を増減させればよいか見当がつく。ラインが上りか下りかも勘案すべし」

(September 27, 2013)


Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)のチップインの秘訣

ショートゲーム専門インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)が明かす、チップイン技法。

'Hole more chips!'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' April 2006)

「チップインを達成するテクニック、次の通り。

1) ボールを後方の足のくるぶしの前方に位置させる。
2) ディセンディング・ブローを行うため、身体をややターゲット方向に傾げる。
3) インパクトにかけてスムーズに加速する。加速は不可欠なのだが、徐々に加速すべきであって、急な加速は不可。【重要】スムーズな加速をするには、バックスウィングより20%多いフォロースルーを行うこと。これは5番アイアンでもサンド・ウェッジでも変わらない。20%多いフォロースルーを確実に実行出来るよう、二回の素振りをすること。

チッピングにおいては、常に短いバックスウィングと長いフォロースルーをすべきである。ソリッドにボールとコンタクト出来るようになったら、結果はグリーンをうまく読んだかどうか、適切な強さで打てたかどうかにかかって来る。この二つの技能は練習次第で急速に身に付くものであり、努力する価値は充分にある」

(October 01, 2013)


Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)メソッド ①《"Connection"(コネクション)とは何か?》

これはインストラクターJimmy Ballard(ジミィ・バラード)の理論の原点です。

[Connection]

Jimmy Ballardは何人ものプロのメイジャー優勝に貢献しました。Curtis Strange(カーティス・ストレンジ)、Sandy Lyle(サンディ・ライル)、Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)、Hal Sutton(ハル・サットン)、Paul Azinger(ポール・エイジンガー)等々。そして、彼の著書'How to Perfect Your Golf Swing'『完璧なスウィングの構築法』は、名著の一つに数えられています(なぜか絶版で、幻の名著となっていますが)。その要点を10回シリーズで紹介します。

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「私はインストラクターとして偉大なゴルファーたちのスウィングを観察して来たが、彼らのアクションの自然な連続する一体化された効率の良さは、ゴルフだけでなく全てのトップ・クラスのスポーツマンの高度に磨き抜かれた動作に共通するものだった。そのエッセンスを生徒に伝えるにはどうしたらよいか?私が見つけたのは"connection"(コネクション、結合、連結)という言葉だ。

クラブ、ラケット、バットなどを振るスポーツのベストの人々は、身体の大きな筋肉(脚、上体、肩など)を使って手・腕をコントロールする。身体の適切な利用が生み出したパワーは腕・手を通してクラブ、ラケット、バットなどに伝わる。絶対にその逆ではない!これはゴルフにおいて顕著であり、全てのお粗末なゴルファーは腕・手主体であり、偉大なゴルファーはそうではない。私のインストラクションにおいて"connection"というアイデアは主要な基本となった。それは決して複雑なものではないので、私は理論とも概念とも考えていない。"Connection"はプレイヤーのセットアップで導入され、基本の存在と持続によってスウィングの間じゅう維持されるべきものだ。

【"Connection"を感じ取るドリル】

メディシン・ボールのように両手で抱えることが必要なくらいに重く、抛り投げてもよいものを見つける(古新聞の束、畳んだ布団など)。通常のアドレス体勢をとり、上向きにした両手でメディシン・ボールを抱え、4〜5メートルのターゲットに向かって抛り投げる。この動作を効率的に行うには、両脚と腰の大きな筋肉を使うべきであることを自然に発見する筈だ。パワフルなゴルフ・スウィングも身体全体が関わらねばならない。もしメディシン・ボールを(あるいはゴルフ・クラブを)手と腕で投げようとすると、パワーと正確さの両方を失ってしまう。


あなたは上の動作の詳細を認識しないだろうが、実際にはゴルフの基本とすべきことが多々含まれているのだ。

・体重が両足・両脚の内側に平均にかけられていれば、上半身全体、両手、両腕、肩、上体などを右脚に向かって捻転させることが出来る。この際、頭は背骨に追随してわずかに右に動く。

・メディシン・ボールが後方の腰の高さに到達すると、あなたの体重は右足と右脚の内側へと移り、バランス・ポイントは身体の中心の後方【右側】15〜20センチとなる。

・そこから、両脚を逆方向に蹴る。体重は主に右の足・脚・股関節などの内側にかけられているわけだから、体重移動は右足と右膝両方の蹴りによるもので、直ちに右サイド、上体、両腕・両手の急激な動きへと続く。

・その右足と右膝の蹴りによって、あなたのバランス・ポイントは左足に移り、身体の中心の前方15〜20センチとなる。これを達成すると、左サイドは体重移動に合わせてクリアされ、両腕はターゲット目掛けて真っ直ぐ振り抜かれる。メディシン・ボールが抛り投げられると、両手はターゲットを指し、体重はほぼ完全に左足に乗り、腰と肩は水平で、頭と目はメディシン・ボールを追って上げられている。

これは、過去・現在・未来のどの偉大なゴルファーにも共通するアクションである」

【参照】
・「Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)はなぜ有名でないのか?」(tips_152.html)
・「Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)メソッド創世記」(tips_152.html)
・「人心を惑わす格言を無視せよ」(tips_152.html)

【参考ヴィデオ】'The Golf Channel Academy: Jimmy Ballard & Rocco Mediate'
http://www.golfchannel.com/media/12-nights-academy-rocco-mediate-jimmy-ballard/ 【18' 41"】

(October 01, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ②《踏ん張り、結合された体勢をとれ》

インストラクターJimmy Ballard(ジミィ・バラード)による安定したポスチャー構築の秘訣。

[posture]

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「一段高いところにいる私が、クラブが入っている重いゴルフバッグを下にいるあなたに渡すとする。『いいかい?』と私が云ったら、あなたはゴルフバッグの重量を受け止めるためにどう準備するだろうか?

足で地面をしっかり踏まえ、体重を身体の内側にするだろう。両脚は自動的に踏ん張り、両膝は緩められて僅かに内側を向く。そして、両脚の内側の大きな筋肉が重いものを待ち構えて若干緊張するのを感じるに違いない。そのフィーリングは背中と腰の底部にある大きな筋肉にも感じられる筈だ。

上体の大きな筋肉(特に広背筋【肩関節を中心に腕を回したり、振ったり、引いたりする上腕の運動に関わる大きな筋肉】と胸筋)が敏感に即応体勢にあることを感じるだろう。また、両方の上腕が胸の脇にくっついているのにも気づく筈だ。驚くかも知れないが、この時点で身体全体の中で最も静的で受動的なのは前腕部と手なのだ。手と腕は重いゴルフバッグを受け止めはするものの、身体の大きな筋肉との自然な連携なしには使命を達成出来ず、よろめかざるを得ない。

この重量挙げの体勢を再現するには、両手で机か食卓の端を持って持ち上げようとするフィーリングを得ることだ。これが、身体全体が結合された体勢である」

「Jimmy Ballardの『正しいスタンス』」(tips_114.html)を経由し、「Jimmy Ballardメソッド ③《ゆったりグリップせよ》」に続く。

(October 04, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ③《ゆったりグリップせよ》

インストラクターJimmy Ballard(ジミィ・バラード)による正しいグリップのあり方。

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「数え切れぬほどのゴルフ本の最初の章が、正しい基礎工事の比喩になぞらえてグリップとポスチャーに関して費やされる。その比喩は正しいのだが、読者の90%はそんなものに食傷している。数千万のゴルファーが、グリップとセットアップの重要性について強調した数千ページの記事を読んでいるものの、彼らはまるで腹痛をこらえるようなポスチャー、芝刈り機のハンドルを握るようなグリップを変えようとしない。

[grip]

週末ゴルファーにツァー・プロのトップと同じようなスウィングをしろというのは無理な話だが、知的な週末ゴルファーがツァー・プロと同じグリップとセットアップを出来ない理由はない筈だ。グリップの仕方とセットアップ法は必要悪なのである。

1) 先ず第一に、両手の掌は合わされてターゲット・ラインに直角になるべきである。
2) クラブは人差し指の第一関節から生命線の下方の膨らみでクラブを押さえ【=フィンガー + パーム】、人差し指がシャフトに巻き付けられる。【編註:Ben Hogan(ベン・ホーガン)の左手のグリップと同じ】

そのまま腰の高さで左手を前に突き出すと、広背筋【肩関節を中心に腕を回したり、振ったり、引いたりする上腕の運動に関わる大きな筋肉】と胸筋が若干緊張するのを感じる筈だ。この状態で、あなたと似たような体型の友人がクラブヘッドを掴んで引っ張ったり捩ったりしても、あなたはそれに抵抗出来、身体をぐらつかせたりクラブを奪われたりしない。

しかしながら、もしあなたが左手の最後の三本の指(中・薬・小)できつくクラブを握ると左前腕部が緊張する。この状態では、あなたは友人の引っ張る動きに抵抗出来ない。左手の正しいグリップ圧は、巷間云われているように最後の三本の指で堅く握ることではないのだ。クラブを引き絞ってはならない。上記の2のように、快適に軽く指を巻き付けるだけでよい。

インパクトで約時速45キロで動くクラブを手の圧力でコントロール出来るものではないので、クラブはゆったりと握られるべきである。軽いグリップによって、手は自然に遠心力に反応し、必要とされる正しいグリップ圧を生み出す。

右手はターゲットに面し、中指と薬指をシャフトに絡ませる。右手は必ずクラブの上に位置すべきもので、絶対にクラブの(シャフトが掌にかかるような)下方であってはならない。また、右手の親指と人差し指で圧力を加えるようなことをしてはならない。そんなことをすると、右前腕部の筋肉を緊張させてしまう。

多くのインストラクターやゴルファーたちが、ナックルをいくつ見えるようにするとか、Vがどこを指すかということを力説するが、そういうのはアドレスで手をどこに置くかによって見え方が変わるので無意味である」

【参考】「Ben Hoganのグリップ」(tips_1.html)

(October 07, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ④《左上腕を身体に密着させよ》

これは既出の「左肩とはどこか?」を改訂・増補し、このシリーズの一つとして衣替えさせたものです。

インストラクターJimmy Ballard(ジミィ・バラード)は手・腕などの小さな筋肉は無視します(能動的には使わない)。身体の大きな筋肉によるスウィングが最もパワフルであり、正確なショットを生むと主張します。

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「レッスンの最中、私は生徒に『肩とはどこか?』とよく聞く。大体において生徒たちは肩の突端を指差す。そこはシャツの袖の縫い目であり、肩関節である。そこはコーヒー・カップや受話器を持ち上げたり…という日常生活において認識される“肩”ではあるものの、ゴルフクラブを振る際に肩関節を用いたのでは、ゴルフが上手くなる見込みはない。絶対に肩関節でスウィングしようとしてはならない。

[shoulder area]

ゴルフに必要な“肩”は広背筋(肩関節を中心に腕を回したり、振ったり、引いたりする上腕の運動に関わる大きな筋肉)、胸筋などの背と胸の大きな筋肉がある一帯である。ゴルファーは先ず左上腕部をその『肩一帯』と連結させるべきである。偉大なゴルファーたちは全て大きな筋肉を含む『肩一帯』で腕を従えてスウィングする。腕は決して独立して動かない。嘘だと思ったら、偉大なゴルファーたちの連続写真を点検して貰いたい。彼らの左上腕部は、フォロースルー以前には身体の左サイドから離れることはない。

 【左上腕を身体に密着させるドリル】

ミドル・アイアンやショート・アイアンを振る際、左脇の下にハンカチを挟む。あなたがハンカチを落としたら、上腕部と『肩一帯』の連結は外れていて、腕を独立させて動かしている証拠である。【註参照】


[Babe]

【編註】この練習法はホームラン王Babe Ruth(ベイブ・ルース)の野球の練習法で、それを教わったBabe Ruthのピンチ・ランナーSam Byrd(サム・バード)がプロ・ゴルファーとなってからゴルフに応用して成功し(PGAツァーで25勝)、そのSam Byrdが弟子のJimmy Ballardに伝授しました。Babe Ruthは左利きだったので右脇にハンカチを挟んだのですが、右利きのSam Byrdは左脇に挟みました。ハンカチの代わりに小さなタオルでも手袋でも可。PGAツァーの若手Keegan Bradley(キーガン・ブラッドリィ)やRickie Fowler(リッキィ・ファウラー)らはシャツの左袖を脇の下に押し込んでプレイしているとか。Jimmy Ballardは比喩として電気器具用延長ケーブルのソケットを提示します。左上腕と右脇に♂および♀のソケットが存在し、それらをフォロースルー直前まで接続し続け、抜けるようであってはならないというアイデアです。

身体に密着した左腕はゴルフスウィングに一定の半径を作り出す。あなたはその左腕を長くしたり短くしたりしたくない筈だ。ゴルフにおける最も一般的な間違いの一つは、肩関節からクラブを振り、『肩一帯』との結合をほどいて独立させ、腕を伸ばしてしまうことだ。その結果は長い腕、短いスウィング弧である。【註参照】腕がバックスウィングで伸びてしまうと、ダウンスウィングでクラブヘッドをボールに当てるために腕を引いたり縮めたりしなくてはならないが、そんなことを常に正確に実行出来るとしたら奇跡である」

【編註】「腕を伸ばしたのにスウィング弧が短くなるかな?」と疑問に思われるかも知れません。腕が独立して動いてしまうと、Jimmy Ballardが定義した『肩一帯』は廻らず、手・腕だけの半径になってしまうので、結果的にスウィング弧が短くなるわけです。

[Turn]

私が経験した過ちを記しておきます。左上腕を身体にくっつけることに集中するあまり、背骨を軸にした捻転(右図の赤矢印)を忘れ、右への体重移動と共に左肩を横移動(図の黄色矢印)させるだけだった時期がありました。これは正しい捻転ではなく、捻転したフリをしているに過ぎず、大きなフックやプッシュが出る結果に患わされます。左肩は、あくまでも両肩を結ぶ線を直径とする円弧に沿って、赤矢印のように回転せねばなりません。

左腕が『肩一帯』に連結されたら、次は右腕。Jimmy Ballardは「右腕は胸郭に接触し続けるのでもなく、フライング・エルボーでもなく、自然に野球のオーヴァーハンドの投球動作のようなトップになるべきである」と云っています。こちらも左肩同様、肩関節から独立して動くのではなく、右の『肩一帯』に付随して動くべきだそうです。

 【正しい右肘を作るドリル】

練習場でクラブ無しで、右手にゴルフ・ボールを握って通常の望ましいアドレス体勢をとる。その体勢から力強くボールを投げる。右腕はどんな反応をしただろうか?もし、あなたが右肘を身体の右脇に凍り付かせようとしたら、完全に不自然な感覚を抱き、結果はワイルド・ピッチになった筈だ。また、あなたが右肘を身体から離して純粋なフライング・エルボーを作ったら、フィーリングと結果はどちらも不快なものとなろう。だが、あなたが自然にボールを投げたら、あなたの右腕の動きは偉大なゴルファーのバックスィングにほぼ似たものになる筈だ。


《左上腕を身体に密着させよ》はボールとのベストのコンタクトを生み、正確な方向性をもたらしてくれるだけでなく、手打ちやスライス、チキンウィングなどを退治する即効薬としても機能します。

【参考ヴィデオ】
・両脇にタオルを挟んだドリル http://www.youtube.com/watch?v=2Kp_Hdoxk3k【4' 10'】
・Rocco Mediate(ロッコ・ミディエイト)のスウィング [スローモーション] http://www.youtube.com/watch?v=UXEsL6AZQzo【1' 10"】

(October 10, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ⑤《三角形とセンターを保て》

Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)の《左上腕と身体(広背筋と胸筋)を密着させよ》は、実は《両肩と両手・腕で形成される三角形を保て》という理論をサポートする部品に過ぎないと云えます。彼の本で"Connecting the arms to the body"(腕と身体を密着させよ)はアドレスに関する章の一部に過ぎないのですが、"Triangle and Center"(三角形とセンター)という説明には丸々一章が与えられているのです。Jimmy Ballard理論の核は、実はこの《三角形を保て》なのです。このJimmy Ballardが提唱した練習法は世界中のインストラクターたちに浸透したものだそうですが、巷間で聞かれるワンピース・スウィングとは異なりますのでお間違えなく。

[triangle]

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「優れたゴルファーたちのスウィングにおいては、両手・両腕・両肩は終始ユニット(一体)となって動く。そしてこのユニットは身体の中心との関係を絶対に変えない。これをアドレスで測定する簡単な方法は、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の完璧なアドレスを正面から見た時のように、両手・両腕を二辺とした二等辺三角形が形成されているかどうかをチェックすることだ。【編註:両手・腕とシャフトは左図のようにYの字になる】

正しいセットアップをすると、グリップエンドから上に垂直に引かれた線は、胸骨(か左胸)を指す。これを逸脱すると【編註:yの字や、yを左右反転した形になると】二等辺三角形は破壊される。両手がターゲット方向に突き出されれば三角形は不均衡になり、クラブと身体のセンターとの結びつきは失われる。アドレスで、三角形の代わりに別な角度を作り出せば、一瞬にして"connection"(結合)は消滅する」

 【三角形を保つドリル】

ドライヴァーのグリップエンドを胸骨につけ、両手は普通のアドレスのように金属シャフトを握る。そのまま、クラブを腰の高さで左右に何度も振る。これは身体の中心【センター】と《両腕と両肩で形成される三角形》の"connection"(結合)を保つ感覚を養ういい方法である。バックスウィングとフォロースルー、共に腰の高さでクラブのトゥは天を指す。このドリルをしながら(そしてフル・スウィングしながら)クラブの位置をチェックし、インパクトでクラブがスクウェアであることを確かめること。


Jimmy BallardはYoutubeヴィデオの一つで、「スウィングの最中、左肘は一貫して地面を指していなければならない。左肘の角度が変われば、クラブフェースのスクウェアな角度も変わってしまう」と説いています。三角形を保てば左肘の向きが変動することはありません。三角形を保つことは正確なショットの基盤なのです。

[Boros]

Jimmy Ballardは一般に云われるワンピース・スウィング理論を攻撃します。「ゴルフ・スクールの生徒たちは、『両手・両腕・両肩をワンピースでテイクアウェイせよ』と教えられる。現実的結果は、クラブは両手・両腕と肩関節でぐいと後方に引かれることになる。この時点でクラブを引き上げる唯一の方法は、急激で不自然な手首のコックを生み出し、肩関節の働きで胸を横切るように腕を持ち上げることだ。それは三角形のセンターの動きを伴わない、身体との"connection"を欠いた限定的なものでしかない。センターを伴わない三角形で正しいスウィングは不可能である。

あなたは『三角形を腰の高さに上げた。その後、どうするの?』と聞くだろう。その答えは『意図的に何もするな』である。腰の高さに達すると、右腕は畳まれクラブの勢いによって自然に手首がコックされる。ゴルフ・スウィングの間、意識的にコックしたりアンコックしようと努力してはならない。クラブが正しくグリップされ、身体のセンターと共に結合された三角形がテイクアウェイされたら、何の手助けも必要とせず両方の手首はそれらがすべき仕事(コック)をするのだ。なるがままにさせればよい。だから、バックスウィングの初期にコックするゴルファーは、グリップエンドだけでなく両手をもセンターから離反した独立愚連隊にしてしまう。そこから先、ボールの背後で正しい捻転を行うことは出来なくなるし、スウィング弧も縮めてしまい、スウィングは"connection"を失ってしまう。

バックスウィングで右腕は必然的に折られるが、偉大なゴルファーたちのスウィングのトップで、センターと三角形は明白に保たれている。右腕を無理に胸郭に近づけるとか、不自然に高く挙げるのは"connection"(結合)を壊す一般的な過ちである。どちらの場合もクラブはセンターとの共同作業を放棄してしまうため、ダウンスウィングは弱々しい手の動きで操作せざるを得なくなる。

私が胸の中央【センター】につけたグリップエンドを強調するのは、以上のような理由だ。三角形の発想と共にこうした事情を弁えていれば、ゴルファーは無関係な動きを最小限にし、スウィングの間に"connection"をぶった切ろうとする作用を排除出来る筈だ」

【参考ヴィデオ】
・左肘について 'Golf Tip: Role of Left Arm in Swing; Jim Ballard' http://www.youtube.com/watch?v=CUhu1S1hI3Q 【2'25"】
・三角形について 'ballard day' http://www.youtube.com/watch?v=fPlXggMYXHY 【40' 22"】

(October 13, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ⑥《ボール後方で捻転せよ》

これはJimmy Ballard(ジミィ・バラード)理論の「バックスウィングで体重を(右足の上ではなく)右足・右脚・右股関節の内側に移す。その時、背骨の動きにつれて頭が右へ水平移動してもスウェイではない」という重要なポイントです。これによって爆発するパワーが得られます。

[turn]

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「偉大なゴルファーたちは全てボールの後方で身体を捻転させる。『頭を動かすな』という格言に忠実なゴルファーは、左足に体重を置いたたままボールの真上で(捻転ではなく)身体を弓なりにするだけの“リヴァース・ピヴォット”となり、弱々しいボールしか打てない。

完璧にボールの後ろで身体を捻転するには、右脚の外側に約2メートルの高さの壁があると想定し、それに右脚外側が触れるように身体を捻転させることだ。
・過剰な水平移動:上体が壁を越えてスウェイとなる。
・過少な水平移動:壁から遠ざかるリヴァース・ピヴォット(多くのゴルファーが患う疫病)。
・適切な水平移動:踏ん張った右脚が体重を受け止め、パワーが蓄えられる。

どうやって水平移動を適切に行えるか?がっちり踏ん張り、身体各部が結合したアドレスをした後、三角形とセンターを左サイド(左足、左膝、左腰、左肩等を連鎖反応的に一直線にした全体)とともに支柱である右脚方向に捻転させる。この捻転は目一杯行うが、あくまでも体重を右足、右脚、右股関節などの「内側」に置くことに注意。私は体重を右股関節の上に置くとか云っているのではないので間違えないように。右股関節の内側である。また、意識的に頭を動かしてもいけない。あくまでも背骨の動きに追随するだけである。

一旦がっちりと踏ん張り、身体各部が結合したアドレスをしたら、プレイヤーは本質的にバックスウィング・プレーンを形成したことになる。両膝と腰は常に水平であるべきで、バックスウィング・プレーンは背骨の前傾角度によって形成され、肩のプレーンも作り出される。高いプレーンか低いプレーンかというお馴染みの議論は無意味である。どちらも基本として正しいとか、正しくないとは云えない。プレーンはゴルファー個々のアドレスで決まるものであり、それをどうこう云える筋合いのものではない」

【参照】「(Jimmy Ballardの)スウェイか否か」(tips_114html)

(October 16, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ⑦《右足と右膝で切り返すべし》

Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)による切り返しの原動力についての理論。地面をがっちり踏まえた足元からの動きでダウンスウィングを開始すべきなのです。

[transition]

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「バックスウィングのトップでボール後方での捻転を果たしたら、下半身主導の動き、特に右足と右膝によるボールに向かっての蹴り【註参照】が、足元から順に身体の中心を通って腕・手、そしてクラブへと伝達される連鎖反応を引き起こす。途中経過での結合のどの要素をも維持しつつ足から上に逆転(捻転の振りほどき)をすれば、動作の最大の効率を得ることが可能となり、身体のどこかの勝手な動きを防止出来る。この動きはダウンスウィングの正しいプレーンをも生み出す。この際、手と腕によるどんな意識的企ても試みてはならない。

【編註】「右足と右膝によるボールに向かっての蹴り」のボールに向かってという表現に注目。「ターゲットに向かって」ではありません。ターゲットに膝を送るのは単なるスライドであり、インパクトでパワーを損なう因になります。

バックスウィングとダウンスウィングを分けて考えるのは危険である。偉大なゴルファーたちは、上半身によるバックスウィングが完了する前に下半身がダウンスウィングを始める。両者の境界を指摘することは出来ない。ゆえにスウィングのトップでの一時停止など考えるべきではないし、そういう企ては、身体各部が結合した捻転によるバックスウィングが構築したエネルギーを抹殺してしまうことになる。

偉大なゴルファーたちの連続写真を見ると、切り返しで遠心力によってシャフトがしなっているのが分る。これは腕と手を意識的に操作して出来ることではなく、そもそも小さな筋肉で実現することなど不可能なものである。結合された身体各部によって正しく捻転されていれば、逆転はその捻転に対する瞬間的で自然で調和した反作用となる。すると、腕と手はインパクトで自動的にリリースされ、ヒッティング・エリアで文字通り爆発(強烈でコントロールされた、しかし自由でもある爆発)をもたらしてくれる」

(October 19, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ⑧《右サイドで火を吹け》

一般にはスライス防止のためか「左サイド主導で打て」と云われますが、インストラクターJimmy Ballard(ジミィ・バラード)はこれに異を唱えます。私自身、彼の《左上腕と身体(広背筋と胸筋)を密着させるテイクアウェイ》を実践してみると、方向性のためにも飛距離のためにも右サイドでドカーン!と攻撃することの重要性を痛感させられます。バックスウィングのトップまでJimmy Ballardメソッドを完全に遂行したとしても、下半身主導のダウンスウィングをしないとプルやプッシュが出る恐れがあるからです。この記事のもとになった章のタイトルは"Firing the right side"で、単なる"hitting"(打つ)より激しいのです。銃口から凄まじい勢いで弾丸が飛び出すイメージ。

[fire]

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「右サイドのパワーを全開させて火を吹くように撃てというのは、私の理論の中で最も議論の的となる部分だ。事実上アメリカのどのレッスン・ティーにおいても、右サイドは悪魔のように忌み嫌われている。この間違った考えは左サイドでコントロールせよという教義を厳格に強調したもので、右サイドに完全な従的役割を強制している。

もしゴルファーがバックスウィングのトップで捻転し70〜80%の体重を右足・右脚・右股関節の『内側』にかけていたとしたら、彼はどうやって左サイド主導のダウンスウィングが出来るだろう?不可能だ。

Ben Hogan(ベン・ホーガン)は、彼の著書'Five Lessons'『モダン・ゴルフ』において次のように述べている。『ダウンスウィングを始めるには、腰を左に廻す。その際、体重を左足に移すため、ターゲット方向への充分な横への動きがなくてはならない。右腰と右太腿の筋肉は右腰をターゲット方向に押しやる』 その11ページ後で、彼はこうも云っている、『パワーの活用に関する限り、私は三本の右手があったら!と思う』

右サイドが火を吹くと、左腰は捻転をほどかれ、右サイドに道を譲らねばならない。だが、プレイヤーがダウンスウィングで意識的に左腰を回してどかせようとするとスピンを、また両膝を左に横移動させようとするとスライドを招いてしまう。左腰の回転、あるいは両膝を横にスライドすることに集中すると、プレイヤーは右サイドのパワーを弱めてしまう。スライドする動きは三角形のセンターを落下させて、クラブを正しくない位置にするため、クラブは飛行線を斜めに引かれることになる。

プレイヤーが単純に腰を回すのは、腰の横移動を伴わない弱々しい試みである。スライドの時と同じように、クラブが正しいセット・ポジションに降下するのは不可能になり、クラブは飛行線のインサイドで下側にリリースされる。

右足と右膝が地面を蹴った後、右サイドと三角形およびセンター全てが直ちにボールに向かい、ターゲットラインへとリリースが続く。両手はプレイヤーの背後の正しいセット・ポジションへの降下に反応し、インサイドからターゲットラインへの正しいプレーンでリリースされる。実質的に、右サイドの火を吹く動きはクラブを飛行線上に伸ばす。三角形が保持されていれば、インパクトでクラブをアドレス時の元の位置に戻すことが保証される。

右サイドで火を吹くことの理解と学習によって、横への動きの正しい度合いと捻転の振りほどき動作を自動的に融合させ、偉大なゴルファーたちのダウンスウィングに現れる適切な混合比を獲得出来る」

(October 22, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ⑨《正しくリリースせよ》

Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)が説く、あるべきリリースの姿。

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「一般にリリースとは手・腕・肩の動作だと思われている。正しくは身体全体がそれらと結合して行動すべきなのに。

私がある生徒に『リリースという言葉の意味するところを見せてほしい』と云ったら、彼は両足はぺたんと地面につけて立ったたまま、、インパクト・エリアでクラブをオープンからクローズにし、右前腕を左前腕の上に返して見せた。多くのゴルファーが、リリースとは純粋に手首と手の作用だと思い込んでいる。彼らは身体の小さな筋肉の独立した活動がリリースだと考えているわけだ。そうではなく、リリースとは身体各部が結合された状態での切り返しで開始される、主として大きな筋肉が関与するプロセスである。

[release]

切り返しで右サイドが火を吹いた後、結合された左サイドの捻転が振りほどかれて道を開ける。それは三角形のセンターのリリースを許し、インパクトに至るまで結合の持続がクラブを胸の中心に留める。

どの偉大なゴルファーをとっても、フォロースルーが腰の高さまでは両肩と両手・腕で形成される三角形を保ち続ける。クラブのグリップエンドは胸の中心を指し、その胸の中心(および、ベルトバックル)は身体の逆回転によってターゲット方向を向く。

 【正しいフォロースルーのドリル】

 クラブを握った右手の人差し指を伸ばして、何回か左右にスウィングする。正しく行われれば、腰の高さになった時に指とクラブはどちらもターゲットを指す筈だ。あなたがインパクト・エリアで手を返したり回転させると三角形は損なわれ、人差し指はターゲットの左を指したり、右を指したりする。


表面的にはインパクト直後のフォロースルーで右腕が左腕に重なるように見え、右前腕が交差するように感じられる。しかしながら、プレイヤーの正面から見た時にのみ右前腕が左前腕にかぶさって見えるだけだ。「⑤《三角形とセンターを保て》」のドリルに戻って貰いたい。胸にドライヴァーのグリップエンドをつけ、左右にスウィングし、自然で正しい腕の回転に注目。あなたが力づくで前腕を交差させようとすると、フィニッシュは到底あなたの肩を越えられない筈だ。右前腕が左前腕の下になれば『ブロック』となってしまうし、右前腕が上になればこれは手・腕だけのリリースとなり醜悪なダックフックとなる。

Ben Hogan(ベン・ホーガン)は、『腕のアクションは身体の動きに刺激されて起るものであって、手はクラブをしっかり保持する以外、意識的には何もすべきでない』と云った。覚えておいて欲しいのは、手・腕の動きを考えたりすべきではないということだ。手・腕の動きは小さな筋肉の独立した活動となり、結合という最重要なルールを破ることになる」

(October 25, 2013)


Jimmy Ballardメソッド ⑩《バランスよく、すっくと立ったフィニッシュをせよ》

Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)メソッドの最終パート。

'How to Perfect Your Golf Swing'
by Jimmy Ballard with Brennan Quinn (Golf Digest/ Tennis Inc., 1981, $13.50)

「バランスよくすっくと立ったフィニッシュは、プレイヤーによって"connections"(身体各部の結合)が作られ保存され、火を吹いた右サイド、完全にリリースされた三角形のセンターを達成したよい見本である。『バランスよくすっくと立った』という言葉に、私は両膝、腰、肩が水平であり、スウィングの終わりで全体重が左サイドに移っているという意味を篭めている。偉大なゴルファーたちのフォロースルーの完結時点では、左足から右肩にかけて直線が引け、それは垂直かほぼ垂直である。

[finish]

柔軟な脊柱を持ったゴルファー(特に若者たち)は“逆C”の弓なりになったフィニッシュをするものだ。これは『頭を動かすな』という格言の悪影響でもある。センターはリリースされず後方に留まり、プレイヤーはボールに向かってヒットダウンで打ち抜くのではなく、下方から打ち上げることになる。これがジュニア・トーナメントでダックフックやダフりが多発する理由である。

いったんわれわれがボールの後方で正しく捻転し、土台である足から順に、膝、脚と火を吹けば、身体はインパクトで自ずとボールの後ろに位置することになる。考える必要などない。意識的にその位置を作り出そうなどとすると、"connections"(結合性)が損なわれてしまう。

私の生徒たちは『Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は“逆C”のフィニッシュしてませんか?』と聞く。私は答える、『ノー。彼が絶好調の時には…』と。

プレイヤーが直立しバランスをとり、両膝、腰、肩が水平のフィニッシュをすると、両脚にはプレッシャーを感じるものの、腰背部には何らプレッシャーを感じない。これは素晴らしいチェックポイントだ。もし、腰背部にプレッシャーを感じたとしたら、十中八九身体のセンターがリリースされていない証拠だからだ。

私の知る限り、“逆C”の弓なりのフィニッシュをするゴルファーのゴルフ生命が長かったためしはない。脊椎異常の手術をすることなくいいゴルフをするために、バランスよく両膝、腰、肩を水平にした直立のフィニッシュをしてほしい」

Jimmy Ballardの現在の生徒の一人Rocco Mediate(ロッコ・ミディエイト)は、下記のYoutubeヴィデオのフィニッシュで右足を上げて見せ、体重が全て左に移っていることを証明しています。

【参考ヴィデオ】
・Rocco Mediateの体重移動 http://www.youtube.com/watch?v=xk2m80vkvdo【1' 49"】

(October 28, 2013)


Jimmy Ballardメソッドのまとめ [posture]

以下は、ゴルフ・ライターJim Dodson(ジム・ドッドスン)がまとめたJimmy Ballard(ジミィ・バラード)理論の要綱。

1) ゴルファーは先ずがっちりと"connected"(結合された)アドレスで、身体各部の"connection"(結合)を作り出さねばならない。そうするため、Jimmy Ballardは重量挙げのスタンスを模範にすることを勧める。それはほぼ肩幅の広さで、左足を僅かにオープン、右足は飛行線に直角、両膝を曲げる。この際、両肩・両腕・両手は"connected"(結合され)、三角形を形成する。バックスウィングで右脚に対して適切に"brace"(踏ん張る)するセットアップになる。

【参照】
・「Jimmy Ballardメソッド ①《"Connection"とは何か?》」
・「Jimmy Ballardメソッド ②《踏ん張り、結合されたアドレスをせよ》」


[Boros]

2) スウィングは三角形とそのセンター(胸の中央)を一緒にテイクアウェイすることで開始する。Jimmy Ballardによれば偉大なゴルファーの全ては、少なくとも腰の高さ(あるいは時としてその少し上)まで完全に三角形を維持する。テイクアウェイではコックしたり、手首をこねたりしないこと。

【参照】「Jimmy Ballardメソッド ⑤《三角形とセンターを保て》」


3) スウィングのトップでは、右脚の支点に向かって身体を捻転する。左肘を身体に"connected"(密着)し続ける(必要なら左脇にハンカチを挟む)。バックスウィングのトップでは両手の親指がシャフトの真下になるように。頭は背骨と共に漂い、体重移動に従う。ゆえに捻転の間に自然に右へ動くべきだ。

【参照】「Jimmy Ballardメソッド ⑥《ボール後方で捻転せよ》」


4) 捻転した身体をボールに向かってスクウェアにほどくためのクラブの方向転換は、下半身の大きな筋肉で開始される。特に右足と右膝のボール方向へのキック(蹴り)によるもので、腕や手によるものではない。

[transition]

【参照】「Jimmy Ballardメソッド ⑦《右足と右膝で切り返すべし》」


5) 方向転換が開始されたら、即座に右サイドとセンターを一緒にリリースする。これによって三角形を元の位置に戻し、インパクトでクラブがボールにスクウェアになることを確実にする。Jimmy Ballardは『右は力なり』と云う。すなわち、右サイドの大きな筋肉に火を吹かせることによって、最適の火力を放てるという意味だ。正しく遂行されれば、両腕と両手は自然にリリースされ、フォロースルーのトップでも三角形が形成される。インパクトで右前腕は絶対に左前腕の下になってはならない。それはプッシュやスライスを招くことになる。同様に、右前腕が左前腕の上をよぎるとダックフックを生じる。

【参照】「Jimmy Ballardメソッド ⑧《右サイドで火を吹け》」


6) どの偉大なゴルファーもフォロースルーで三角形を維持する(少なくとも、クラブが腰の高さになるまでは)。グリップエンドは身体の中央を指し、身体はターゲットを向いている。

【参照】「Jimmy Ballardメソッド ⑨《正しくリリースせよ》」


7) 膝・腰・肩を水平にし、全体重を左サイドにかけてスウィングを完結させる。直立し、バランスのとれたフィニッシュが、スウィングの間中"connection"(結合)が保持された証しである。『ボールの背後に留まることや、広く教えられているリヴァースCのフィニッシュは、体重移動が完結していないことを示す重大な間違いである』とJimmy Ballardは云う」

【参照】「Jimmy Ballardメソッド ⑩《バランスよく、すっくと立ったフィニッシュをせよ》」

(October 31, 2013)


アイアンのダフりをストップせよ

インストラクターJim Murphy(ジム・マーフィ)による超簡単ダフり防止策。

'Turn fat irons into pure ones'
by Jim Murphy ('Golf Magazine,' March 2008)

「急角度のダウンスウィングをせよ。フラットなスウィングはドライヴァーには向いているが、ミドル・アイアンやショート・アイアンには相応しくない。フラットだと、ボールの手前で地面を捉えてしまうからだ。これは、多くのゴルファーがダフった後トップする理由でもある。一度ボールの背後の地面を掘り返したあなたは、次のアイアン・ショットでスウィングを縮めてボールの天辺を叩いてしまうのだ。

スウィング弧の最低点をターゲット方向に移す工夫をする。これを達成する簡単な方法は、頭を廻してボールのターゲット方向60センチのところを見つめることだ。あなたの本能は目が焦点を合わせたところを打とうとするから、スウィング弧の最低点は自動的に前方に移動する。

あなたはボールを先に捉え、その後でターフを取る。ダフりは消滅するという仕掛けである」

(October 10, 2013)


顎の角度でショットが変わる!

私にJimmy Ballard(ジミィ・バラード)メソッドを教えてくれたJack Rushing(ジャック・ラッシング)は、練習場で一緒になると私のスウィングを見てくれ、色々助言してくれます。

最近の助言の一つは「顎を引くな」でした。アドレスした時の私はボールを直視するように、顎を引いていました。「顎を引いていると左肩をブロックするから完全なスウィングが遂行出来ない。顎を上げ、下目遣いでボールを見ろ」とJack。それはどこかで読んだような記憶があるクラシックなtipでしたが、私はさほど大きな影響があるとは思えず気に留めていなかったのでした。

一応彼の云う通り顎を上げてラウンドしてみましたが、別に凄くいい結果になったわけではありません。全体に低調だった自分のゴルフに納得出来なかった私は、翌日コースに出向き、人気(ひとけ)のないホールを選んでアプローチ・ショットの練習に励みました。あるホール、21°ハイブリッドで乗らないので3番ウッドを短く持って打ちました。顎の下を左肩がするりと通り抜けていい捻転が出来たと思ったら、小気味いい快音を残してボールはピンを目掛けてまっしぐら。結果だけでなく、スウィングの後味も最高でした。信じられなかった私はもう二発打ってみましたが、いずれもワン・ピンの距離につきました。驚き!

顎一つでこうも変わるものなんですね!というか、今頃気付くなんて何年ゴルフやってんだ、てめえ…という感じですが:-)。

P.S. ショートゲームのインストラクターTodd Sones(トッド・ソーンズ)は、パットでも「顎を胸に埋めるな。誇らしくパットするように、顎を上げよ」と云っています。

【参考】「Tiger Woodsの顎」(このページ下方)

(October 13, 2013、追補May 23, 2015)


バンカー・ショットはクラブ選択で距離を調節せよ

インストラクターAndy Hilts(アンディ・ヒルツ)が提唱する、《バンカーでは早めにスウィング》プラス《スウィングの強弱ではなく、クラブを替えて距離調節》という理論。

'More speed, more sandies'
by Andy Hilts ('Golf Magazine,' November 2013)

「ドスン!又もやバンカー・ショット失敗。ボールはあなたの足元に転がり戻って来る。何がいけないのか?あなたのスウィングは遅過ぎるのだ。バンカーで早めのフル・スウィングをするのは恐ろしいだろうが、そうすることが唯一ボールをグリーンに送り届ける方法なのだ。

どれだけ早く振るか?ピンまで50〜75ヤードのフェアウェイにいると想定し、サンドウェッジでソリッドにボールを打つ早さだ。ボールの下をフィニッシュまで加速し続ける。足元が不安定で下半身で速度は生み出せないので、手と手首を多用する。このショットは、サンドウェッジで15〜20ヤードの距離が得られる。

【編註:私はサンドウェッジで15〜20ヤードの場合、「トップは手を右肩の高さ、フィニッシュで手を左肩の高さ」とスウィングして成功しています。なお、当然ながらバンカーで手を返すのは厳禁】

それ以外の距離が必要な場合は下記の表を参照されたい。スウィングを遅くしたり早くしたりして距離調節をするのは、クラブを砂に埋め込んだり、トップしてホームランを打つ原因になりやすい。

サンドウェッジだけに頼ってはいけない。他のクラブ(9番や8番アイアンでさえ)もバンカーで役に立つのだ」


クラブ 通常の飛距離 バンカーでの飛距離
  LW   60ヤード   15ヤード以下
  SW   75ヤード   15〜20ヤード
  GW   90ヤード   20〜25ヤード
  PW   115ヤード   25〜35ヤード
  9番   130ヤード   35〜45ヤード
  8番   145ヤード   45ヤード以上

(October 16, 2013)


パットの方向誤差チェック法

距離感は合っているのだが、方向がカップの右や左に逸れるという人のためのtip。

'How to see the right line'
by Carl Rabito ('Golf Magazine,' August 2007)

「ブレイクが影響しないのにパットが右や左に逸れるのは、あなたの両目を結ぶ線がカップの左右どちらかにズレているからだ。

ストレート・パットのラインにアドレスし、左手に持ったアイアン(あるいは真っ直ぐな棒)を目の下5〜10センチのところで水平に支え、両目を結ぶ線に平行にする。そのシャフト(棒)に沿って目を走らせた時、その先端はターゲットに正しく向っているだろうか?

もしターゲットを指していなかったら、目や頭だけでなく上半身全体を廻してシャフトがターゲットを指すようにする。上半身全体を廻すことが目、頭、両肩全てをターゲット・ラインに揃えることになり、そのライン上でストロークすることを可能にしてくれる」

(October 22, 2013)


Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の顎

「顎の角度でショットが変わる!」(このページ上方)の続編。こちらの筆者は大物Tiger Woods(タイガー・ウッズ)。

'How I Play Golf'
by Tiger Woods with the editors of Golf Digest (Warner Books, 2001, $34.95)

「どのショットでも良いポスチャーは必須である。アドレスする際、私は背中がちゃんと真っ直ぐになっているか、膝が僅かに曲がっているかどうか確認する。それらがOKなら、私の身体はスウィングの間どの方向にでも動ける準備が出来ているということだ。

良いポスチャーの重要な要素の一つは、アドレスで顎を高く保つことだ。それはButch Harmon(ブッチ・ハーモン)と私が絶えずチェックしているものである。顎を胸から充分に離しておけば、バックスウィングで右肩は顎の下をゆとりを持って回転出来る。これは私の鍵となる考えの一つである。

私はかつてボールにかなり近過ぎるように立っていた。それは、私が見下ろすとかろうじてボールが見えるほどに顎を下げることを余儀なくさせた。私は時折窮屈な思いをしたのだが、それは不思議でも何でもなかった。肩が回転し腕がスウィング出来る空間的余裕がほとんどなかったせいだったのだ。

現在、私はボールから遠くに立ち、スウィングの間じゅう頭を高く保つ。このポスチャーの変更によって、肩の左右への回転が自由になった」

(October 28, 2013)


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