Golf Tips Vol. 70

目の位置とパットの球筋

距離感ぴったりなのに、僅かにボール一個右あるいは左という結果になることがあります。たった一度なら諦めもつきますが、二度、三度と重なると放っておけません。そういう場合の救急法として、以下のPaul Runyan(ポール・ラニャン)のtipが役に立ちます。

'The Short Way to Lower Scoring'
by Paul Runyan with Dick Aultman (Golf Digest/ Tennis, Inc., 1979, $9.95)

[Eye position]

「パッティング・ライン(ターゲット・ライン)の真上に両眼が揃っているかどうかは、まめにチェックする必要がある。

(A) あなたの両眼がパッティング・ラインの内側にある場合、視覚的にホールはパッティング・ラインの右に見えるため、あなたはパター・フェースと身体を右向きに揃えてしまう。その結果、ボールはホールの右に向かう。狙いを左に調整しない限りこの傾向はずっと続く。

(B) 逆に、あなたの両眼がパッティング・ラインの外側にある場合、視覚的にホールはパッティング・ラインの左に見えるので、あなたはパター・フェースと身体を左向きに揃えてしまう。その結果、ボールはホールの左に向かう。狙いを右に調整しない限りこの傾向はずっと続く。

家では等身大の鏡を用いて両眼の位置を確認出来る。コースでは次のような方法をとる。

ボールに向かってアドレスする。完全な体勢を保ったまま、パターのグリップエンドを(プラムボビングのように)親指と人差し指でつまみ上げ、眉間からぶら下げる。あなたの両眼が正しい位置にあれば、パターヘッドはパッティング・ラインの上に揃う筈だ」

両眼の位置を確認する方法には「眉間からボールを落とす」とか「古CD-ROMの反射を使う」というのもありますが、上のパターをぶら下げる方が超簡単です。

(December 01, 2002)


[Tape]

ボールからどれだけ離れて立つかですが、いいアイデアを思いつきました。誇り高きパターの姿勢でアドレスし、上の記事にあるように眉間の下にボールが来るように足の位置を調節します。構えたパター・シャフトと両爪先を結ぶ想像上のラインが交わるところに目印をつけます。私は黒いビニール・テープを巻きました。

この作業は実際のゴルフ・シューズを履いて行います。スリッパや裸足では爪先の位置が違いますから、意味がありません。

足のラインがこの目印より手前にあれば離れ過ぎ、目印より下にあれば近過ぎです。勿論、これはアドレスの姿勢が正しければ…の話であって、ある時は立ち気味、ある時はしゃがみ気味だったりしては役に立ちません。常に一定の姿勢を取ることが条件です。

(December 25, 2002)


屈むな、しゃがめ!

'Putt Better'
by John Klocksin with Al Barkow ('Golf llustrated,' Spring, 2002)

「グリーンでマークした後、ボールをリプレースするときに屈んではいけない。ホールを向いて、野球のキャッチャーのように低くしゃがみ、パッティング・ラインの最良の視点を得よう。

腰を折って下を向いて屈むのは、何も得ないどころか、腰痛になる危険を伴う」

(December 05, 2002)


チッピングの公式

「グリーンの転がりは読めるが、空中の飛行は読めない」と云われます。確かに、ロブ・ショットなどは距離に応じたバックスウィングの幅を調節するのが難しい。プロでも転がしを多用するぐらいですから、転がしはアマチュアに最適の寄せ方と云えるのでしょう。インストラクターMike McGetrick(マイク・メゲトリック)によるメソッド。

'Long Run'
by Mike McGetrick with Dave Allen ('Golf Magazine,' November 2002)

「チップ・ショットの好ましい着地点はグリーン・エッジから1フィート(約0.91m)のところである。着地点が近いほど狙いやすいし、飛行距離が短かければバックスピンが減り、自然に転がってくれる。

目の前のボールから着地点までの距離(Carry=キャリー)を目測し、着地点からホールまで転がす距離(Roll=ロール)の比率を出す。以下の表によってクラブを割り出す。

Carry:Roll  	Club
  1:1	    SW
  1:2	    PW
  1:3	    9 iron
  1:4	    8 iron
  1:5	    7 iron
  1:6	    6 iron
  1:7	    5 iron
  1:8	    4 iron
  1:9	    3 iron

ストロークの長さはパッティングに準ずる。パターと同じ長さに持ち、ボールに近く立つ。これがシャフトをアップライトにし、ディセンディング・ブローを可能にする。

ボール位置はスタンス後方、体重はターゲット寄り。腕、肩を一体にしてストレートにテイクアウェイ。手首を折ったり、下半身を動かしたりしない。ダウンスウィングではハンド・ファーストを保つ。

ボールはグリーン・エッジを越えて着地し、ホールに向って転がって行く」

(December 10, 2002、改訂May 31, 2015)


ノーマンのおててブラブラ

'Lights-Out Putting'
by Todd Sones with David DeNunzio (Contemporary Books, 2000, $22.95)

Todd Sones(トッド・ソーンズ)はゴルフ・スクールも経営するインストラクター。PGAツァーのScott McCarron(スコット・マッキャロン)などのコーチで、雑誌'The Golf Tips'の常連ライターでもあります。

Todd Sonesの発見:「Greg Norman(グレッグ・ノーマン)のパッティングで気づかれたことはないだろうか?彼はパターを両腕で持つ前に左腕を垂らし、それを前後に揺する。何をしているかというと、彼は自然な腕の位置を探しているのだ。それは肩のラインから真下にぶら下がる位置に他ならない。このGreg Norman方式は、同時に両腕の緊張も取り除いてくれる。

上の理想的姿勢を取り両腕を垂らし、前後に揺すりなさい。自然に両肩の下で止まるでしょう。では、両腕を遠ざけたり近づけたりしなさい。テンションを感じますね?スクウェアなストロークをするための振り子式パッティングに、どの位置が理想的かは云うまでもないでしょう」

(December 11, 2002)


呼吸で飛ばす

腹式の深呼吸が心を落ち着かせ、自信を持ってスウィング出来ることについては、もう何度も触れました。しかし、呼吸法で飛距離が伸びるとは?スポーツ心理学者Dr. Tom Dorsel(トム・ドーセル博士)による呼吸法。

'The Complete Golfer'
by Tom Dorsel, Ph.D. (Allyn and Bacon, 1996, $19.00)

「1988年のPGAツァーのロング・ドライヴ部門のトップだったSteve Thomas(スティーヴ・トーマス)はインパクトで息を吐くのが彼のパワフルなスウィングの要素だと私に語った。

彼の方法の正しさについて、私には三つの理由を挙げられる。

1) インパクトの瞬間に集中したパワーを生み出す。息を吐くのは決定的瞬間の筋肉の収縮を際立たせる。これはボクサーや空手の達人がインパクトで物凄いパワーを生み出すのと同じである。

2) 息を吐くことに集中することによって、雑念を排除出来る。

3) 鼻を鳴らす程度でなく、肺を空にするような強制的排気は、一瞬意識がなくなるくらいのエネルギーの放出に繋がる。これはあなたのゴルフを攻撃的に、恐れを知らぬものに、より楽しいものに変貌させる。

インパクトで息を吐くのはスウィングのトラブルを治療する役には立たず、既に確立された健全なスウィングを最大限に向上させるものだ。集中した排気はオーヴァー・スウィングを必要とせず、スムーズなスウィングを損なうものでもない。これはティー・ショットばかりでなく、チップ・ショットでも有効だと思う。

私の方法は、バックスウィングを開始する前に肺を90%空にし、ボールとコンタクトする瞬間に残りの10%を吐くというものだ。これは力のこもった、しかしほぼ聞こえない程度の『ウッ!』という音を生じる。これまでのところ、その音が紳士的でないと非難した人は一人もいないので、誰も気づいていないのは確かである」

(December 22, 2002、改訂May 31, 2015)


目線と球筋

私はフェードを打つ時、両足、腰、両肩をオープンにするだけでは不足で、両目を結ぶラインもオープンにします。こうしないと、スクウェアに両目を結んだ線に沿ってスウィングしてしまい、ストレート・ボールにしかなりません。

パットでも同じことだと気がつきました。寄せやパットのような距離の短いショットは、ついオープン・スタンスを取りたくなるものです。寄せやバンカー・ショットではいいとしても、パターでは全てスクウェアにしなければなりません。両足、腰、肩。ついでに両目を結ぶラインもターゲット・ラインの真上でスクウェアでなければならない筈です。目のラインがオープンであれば球筋もプッシュになり、クローズならプルになるでしょう。

しばらくパットが不調だった原因は、この目のラインがオープンだったからのようです。ちょっと小首を傾げただけで目のラインは変わってしまいます。要注意です。

(December 25, 2002)


バンカー・ショットの極意

中堅インストラクターBill Moretti(ビル・モレッティ)によるバンカー・ショット。

'Turn Three Shots Into Two'
by Bill Moretti with Mike Stachura (Andrews McMeel Publishing, 2002, $19.95)

「クリーンなライのショットに較べたら、一般的に云ってバンカー・ショットは三倍ハードにスウィングするべきだ。言葉を替えれば、10ヤードのバンカー・ショットは、通常のライからの30ヤードのウェッジ・ショットを打つ程度にハードでなくてはならない。

短いショットではボールは左足の前。ショットが長くなるにつれ、ボールは内側に後退する(終点はスタンスの真ん中)。

上半身はスウィングの間中左足の上に位置する。

ゆっくりのテイクアウェイで急激なダウンスウィングをするのは避ける。急速なダウンスウィングは、過剰な手の動きにより砂を多めに掘り起してしまい、砂の上層をスライドしない。

グリーンを飛び越えてしまうようなトップ・ショットは、あなたが強めに打ったから起るのではない。砂より前にボールに接触したからでもない。あなたがスウィング底辺でボールを掬い上げようとしたからに他ならない。この動きはウェッジをボールよりずっと手前の砂でバウンドさせ、リーディング・エッジでトップしてしまうのだ。

両足と両肩はターゲットの左を指していなければならない。ターゲットに真っ直ぐスウィングしたい誘惑にかられるだろうが、両肩のラインに沿ってスウィングすること。

シャフトを短く持ってはならない。短く持つとトップしやすい。バンカー・ショットの目的は砂との接触であってボールではないことを忘れてはいけない」

(December 29, 2002、改訂May 31, 2015)


[Palm Grip]パームでパッティングせよ

PGAティーチング・プロTodd Sones(トッド・ソーンズ)は、三つのラインが重要だと説きます。

'Line Up Your Putter'
by Todd Sones with Greg Midland ('Golf Magazine,' January 2003)

1) 第一のライン:目から真下へのラインにボールが位置する。
2) 第二のライン:両手は肩から垂直のラインに位置する。
3) 第三のライン:グリップ・エンドの延長線は左手首と左前腕部の中心を通過するラインを描く。

この三番目に注目しましょう。これはあまりお目にかからないtipです。

'Lights-Out Putting'
by Todd Sones with David DeNunzio (Contemporary Books, 2000, $22.95)

「レフトハンド・ローであろうが、オーヴァラッピングであろうが、スプリット・ハンドであろうが、快適にパターをコントロール出来るなら、どれを選んでも結構。私が望むポイントは、パターをフィンガーでなくパームで握ってほしいという一点に尽きる。パームで握ることは成功への鍵なのだ。

フィンガーで握った場合、手首の蝶番(ちょうつがい)的動作の自由が利き過ぎる。それはロング・ゲームでは手首のコック、アンコックによりヘッドスピードを増しパワーを生じる要素となる。しかし、パッティングにおいては、パワーや過剰なスピードなどというものは必要ない。パームでパターを握れば、手首の余計な動きを防止出来る。その結果、あなたのパターヘッドはラインをキープし、常にスウィートスポットでボールとコンタクト出来るようになる。

フィンガーで握っていた人にとって、パームで握ると違和感を感じるかも知れない。それでも、パームにチェンジすることを勧める。数回の練習で、パームでも快適にパット出来るようになるはずだ」

これを読んでチェックしたら、私のグリップは完全にフィンガーでした。早速改造に着手。パームで握った時、グリップ・エンドの延長線は左前腕部の中心を指します。私はレフトハンド・ローなので、写真の左手はかなりグリップの下の方に位置しています。そのまま左手でグリップを完成し、右手を添えます。手首の自由がなくなるので、自然に「肩でストロークするしかない」という境地になります。振り子式パッティングを取り入れている方には最高です。

(January 04, 2003)


パターのからくり

Tom F. Stickney II(トム・スティックニィ二世)はフロリダにあるゴルフ場所属スクールのインストラクター。彼の発見は、「ほとんどのツァー・プロはパットの際に両手をパター・ヘッドより前(ターゲット方向)に位置させていて、ストロークの間中変わらない」というもの。

では、等身大の鏡の前でパットのアドレスをしてみましょう。「あれ?オレの両手はヘッドの後ろだ!」これは大多数のアマチュアに共通する傾向だそうです。

'Missed Putts'
by Tom F. Stickney II ('Golf Illustrated,' Winter 2003)

「プレイヤー自身が上からアドレスを見下ろしても、本当の姿は見えず、正しいアドレスをしているように錯覚してしまう。アマチュアの場合、この状態からフォワード・プレスしたとしても、おおむね不十分である。アドレスで作られた角度はパター本来のロフトを増加させてしまい、あなたはボールの進路とスピードをコントロール出来なくなる」

[Putters]

パター・ヘッドには普通4°前後のロフトがあるそうです。しかし、ヘッドだけでなく「シャフトにも角度がついていて、それがアマチュア・ゴルファーを惑わしている」というのが彼の二番目の発見。あなたのパターをテーブルの上に乗せて下さい。ヘッドの底面がべったりつくように調節します。いいですか?では、出来るだけ離れてシャフトを御覧ください。写真のように角度が付いていて、垂直ではないでしょう。これが自然に両手をヘッドより後方にセットさせてしまう原因だそうです。

「これは適切なストロークへと導くために、パター・メーカーがゴルファーにフォワード・プレスを強制しているということに他ならない。これはいいアイデアなのだが、問題は上のような錯覚により、我々が十分なフォワード・プレスをしていないことだ。僅かなフォワード・プレス程度では、両手はパター・ヘッドの上に来るのがやっとで、ヘッドの前までは到底届かない。

大方のゴルファーは多めにフォワード・プレスすることだ。足りないより、多い方がエラーを防げる。右利きの人なら、パターのグリップエンドがベルト・バックルのすぐ左のベルト通しを指すのが、いい目安となる。このポジションだと、肉眼ではパター・ヘッドが地面に伏せ目になっているように見えるだろうが、鏡で点検すればそれはほんの少しボール方向に傾いているに過ぎないことが分る」

よく、パットの最初でポーンとボールが弾むことがあります。これは、こうしたパターの構造に由来するものでもあったのですね。そうした事実を知らせることなくパターを販売している会社に腹が立ちます。そういえば、ゴルフ・クラブには「取り扱い説明書」というものが全くありません。シャフト・アングルなどについての説明がないというのは問題があると思います。

「Dave Pelzのベリィ・パター」において、彼がグリップエンドを左脇腹につけていることについて触れました。あれにはこういう意味があったのですね。ベリィ・パターではフォワード・プレス出来ませんから、最初からプレスした位置で構える必要があるわけです。

(January 08, 2003)


●「パターのからくり」への補足

「パターのからくり」を誤解されている方がおられました。そういう方が沢山いると困るので、補足します。あの記事の論旨は、

1) パター・メーカーは、ゴルファーがフォワード・プレスすることを前提にパターをデザインしている。
2) そのため、フェースやシャフトの角度によってロフトを増やしている。
3) 十分フォワード・プレスして、フェースのロフトを減らし垂直にする必要がある。

つまり、フォワード・プレスすることによって差し引きゼロのロフトにするわけです。私が「ダウンブローによるパット」を推奨したという「誤解」がありましたが、ロフトを必要以上に殺すのではなく、垂直に最適化するだけですのでお間違えなく。ダウンブローにパットしたら、先ずボールは芝にめり込み、ついでポンと跳ね上がり、それから転がり出すことになります。とてもコントロールなど出来ません。

(February 22, 2003)


パットでも'One Move'(ワン・ムーヴ)

'One Move to Better Golf'
by Carl Lohren with Larry Dennis (Golf Digest, Inc., 1975)

['One Move']

「スウィングは左肩で始動」というシンプルなセオリーのこの本'One Move to Better Golf'(上達への一つの動作)については、既に何度か紹介して来ました。実はこの本にはパッティングの項もあり、「パットでも左肩始動」と書いてあるのです。しかし、半信半疑というか、90%クエスチョン・マークだったため、それについての詳述は控えて来ました。最近これを試してみて、非常に役立つことが分りました。「フル・スウィングの左肩始動」は急激な粗っぽいテイクアウェイを防止し、スムーズなスウィングへと導いてくれるものですが、「パットの左肩始動」も全く同じ。スウィングほど大きな動作でないだけに、こちらの方が誰でもすぐ御利益が得られると云えそうです。

「パットもスウィングの一種である。大方のゴルファーはパターをスウィングしようなどと考えていない。本当はパットでも肩をターンすべきなのだ。両肩で推進力をつければ、力を補うために右手が出しゃばることはない。右手が出しゃばるとパターフェースをラインから逸らすか、右肩が頭をターゲット方向に押して軸を台無しにする。

左肩からストロークを始動することが、上のような問題を解消する。フル・スウィングと同じである。

左肩からの始動はパターヘッドを安定させる。大きい筋肉は、手や手首などの小さい筋肉よりも方向をコントロールしやすい。少々の肩のターンでも大きいパターヘッドの動きを作り出し、両手を使う時よりパワーが得られる。また、肩による始動はいいリズムも創り出す。

両手はパームで握る。グリップ・プレッシャーは軽めに。両手はストロークの間中受動的であること。

パターヘッドを無理に低く保とうとしないこと。何もしなくとも自然にそうなる。バックスウィングで過度に低く保とうとすると、肩が下がりスウィングの軸を壊し、フェースをシャット(伏せ目)にしてしまう。

[Compass]

パターヘッドを過度にストレートに引こうとしないように。パターフェースは肩に対してスクウェアなのであって、ターゲット・ラインにスクウェアである必要はない。ショート・パットではラインに対してスクウェアに見えたとしても、実際には肩のターンにつれ若干オープンになるものだ。長いパットではそれが増幅される。同様に、ボールを打った後は、ターゲット・ラインから若干内側に入る。それがスウィングが両肩でリードされていて、両手によるものではないことの証である。

【編者註:肩をターンさせるということであれば、図のコンパスのように動くしかありません。こうでなく、ターゲット・ラインに沿って真っ直ぐバックストロークするとなると、身体をスウェイさせるか腕を伸ばして両腕で出来る角度を壊すことになります。フォワードにおいても同じ。これらがパットの大敵であることは御存知の通りです】

長いパットでは多めにターンする。必要なら手首によるテコで距離を出す。

あまり距離と方向を考えないこと。方向は、いったんパターフェースをスクウェアにセットすれば、その通り戻って来るので心配する必要はない。距離については、様々な距離の練習を積むしかない。

左肩始動によるコントロールをマスターするには、右半身が無いものと思うことだ。そう考えてパットした場合の成果に驚くことだろう」

【参照】

'One Move'
'One Move' Video篇
Carl Lohrenの'Next Move'

(January 13, 2003)

【注意】このtipはアーク(弧)・パッティング(パターヘッドをインサイドに引き、スクウェアにボールに当て、再びインサイドにフォローを出すメソッド)に向いています。ストレート・パッティング(時計の振り子のようにパターを上下させるメソッド)とは相容れません。ストレート・パッティングでは左肩を垂直に上げ下げするべきです。

(May 07, 2009、改訂May 31, 2015)


奇跡のパッティング・グリップ

Jim Flick(ジム・フリック)はNicklaus-Flick Golf Schoolsの校長であり、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の現在のコーチです。私のサイトに彼の名はほとんど登場しません。私がなぜJim Flickを高く買わなかったかというと、だいぶ前に観たヴィデオに、中・老年男女のコーチ三人がコースを廻るという趣向があり、Jim Flickが一番お粗末だったからです。正直と云えば正直なヴィデオですが、「コーチは実戦には強くない」の見本みたいに見えました。商売上手なButch Harmon(ブッチ・ハーモン)やDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)などは、自分のそんなヴィデオを絶対公開しないでしょう。

[Grip]

'On Golf'
by Jim Flick with Glen Waggoner (Villard Books, 1997, $24.00)

たまたま図書館にあったこの本'On Golf'(ゴルフについて)を借りたら、結構いいことが書いてあり、Jim Flickを見直しました。

見直す以上に尊敬したのが、ある1ページとの遭遇でした。パッティング・グリップの図版(右の写真はそれを模したもの)があって「振り子式グリップ:もし私がゼロからゴルフをスタートするなら、このグリップを選ぶだろう。これは自然に振り子式ストロークを促すグリップである」というコメントが添えてあるだけ。周りを見ても、それ以外の記述は全くありません。「これをお勧めする」でもなく、「誰某はこれで成功している」でもなく、ただポンと投げ出してあるのみ。

先日これをコースで試したのです。No.1〜No.4まで全部ワン・パットで済みましたが、寄せが良かった副産物ではなく、そのどれもが中距離〜長距離パットでした。そのうち一つはエッジからパターでねじ込んだもの。ワン・パット、パーの連続にパートナーたちはやんやの喝采をしてくれました。「エイジ、新しいパターを買ったのか?」と聞かれましたが、「新しいグリップにしたんだ」とは答えませんでした。種明かしはいつでも出来ますし、私のグリップに集まる皆の視線を意識したりしたくなかったからです。しかし、No.5で5連続パー達成の予感に痺れてショートしてしまい、“奇跡”は去って、それ以後パーは二つしか取れませんでした。

実はJim Flickのグリップと私のそれまでのグリップはそう大きく変らないのです。私もレフトハンド・ローですし、スプリット・ハンズ(両手が離れているグリップ)であるのも同じです。唯一の違いは右掌の角度です。私は両手の平が向かい合うグリップをしていました。Jim Flickのは掌が天を指すような角度です。これは、実は右手首の余計な動きを封じ、肩の動きに従わせる重要な要素です。

写真では分りにくいかも知れませんが、両手ともパームで握っています。

勿論、「左肩主導のパット」、「パターのからくり」対策や、グリーンの読みなどが相俟ってカップ・インしたものであり、このグリップをすれば必ず入るという保証はありません。

(January 16, 2003、写真改訂May 01, 2005)


[Focus]目のつけ所・決定版

自信を持ってお届けする「目のつけ所」です。

先ずはパットの際の目のつけ所。これは私の82歳のゴルフ仲間J.B.(ジェイ・ビー)が教えてくれたもの。ずっと前に教えてくれたのですが、あまり気に留めていませんでした。しかし、やってみると、これが非常に素晴らしい。「どういう本(あるいは雑誌)に載っていたのか?筆者は誰か?」と問い合わせたら、「あれは自分で考えたものだ」という答え。オリジナルとはさらに素晴らしい。

パットの際、あなたはボールのどこを見ますか?J.B.は「ボールのターゲット方向を見よ」と云います。図上の赤い点です。普通は青い点辺りを見るわけですが、両方を較べてみると段違いにJ.B.方式が優っていることが分ります。

ボールに線を引いて、それをターゲットに揃えるというテクニックがありますが、このJ.B.方式はそういう「方向の目安」ではありません。ボールのターゲット方向の一点を見るということは、パチンと青い点を「打つ」のでなく、青い点から赤い点に向かって「ストロークする」ことを示唆します。理想的な長いフォロー・スルーも期待出来るというわけです。ロング・ゲームにも応用出来ます。

もう一つは私のオリジナル。ウェッジを使う時は「ボールと地面との接点」を見ます(図下の赤線)。ボールの天辺を見るとトップします。上の空だとダフります。絶対にボールと地面との接点でなくてはなりません。ウェッジ(特にロブ・ウェッジ)の成果はライの良し悪しに左右されます。ボールが芝で少し浮いたライが望ましく、クラブヘッドはボールと芝との間を滑り抜けて行くべきものです。「ハンド=アイ・コンタクト」のために、ボールと地面との接点を凝視することが必要です。

勿論、ウェッジの基本である「ゆったりしたグリップ」、「加速するスウィング」などは不可欠です。その上でこの目のつけ所を実行すれば、30ヤードであろうと5ヤードであろうと変らず役に立ちます。お試し下さい。

(January 20, 2003)


帯に短かく、たすきに長い距離

'Stretch the Wedge'
by Editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2000)

「ピッチング・ウェッジでは足りず、9番アイアンでは大き過ぎる距離が残った。どちらかと云えば、あなたはピッチング・ウェッジのコントロール性能を活かしたい。となると、ウェッジにエクストラの距離を足さなくてはならないが、力をこめた大きなスウィングでは過去に何度も失敗している。さて、どうする?

答えはボール位置とセットアップである。ボール位置を1〜2インチ(2.5〜5cm)後方に下げる。さらに、両手を前方に出して構える。この二つはピッチング・ウェッジに9番アイアンのロフトをもたらすが、短いシャフトにより両者の中間の距離を生む。ピッチング・ウェッジのコントロール性能も活かせる」

(January 22, 2003)


どこでもドア

'Golf Magazine's Handbook of Putting'
by the Editors of Golf Magazine (Harper & Row, 1973)

「Frank Beard(フランク・ビアード)はラグ・パット派のスポークスマンである。【編者註:「ラグ・パット」(lag-putt)はカップインを目指さず、カップに近づくだけでよしとするメソッド】 彼は云う、『私は折り紙付きのラグ・パット派だ。常にカップの手前にパットする。理由はこうだ、バシッと打つ'Never-up, never-in'の信奉者はカップの後ろの壁にスクウェアに打たなくてはならない。この方式は横から転げ込む可能性を犠牲にするので、僅かの誤差も許されない。

ラグ・パットはカップの周りどこもが入り口となる。カップの前を狙えば、多少の誤差があっても両側から転げ込むチャンスがある。ショートした場合のダメージは、かなりオーヴァーした場合のダメージよりずっと軽い』」

(January 29, 2003)


[Hole]ホールとボールの算術

'Golf Magazine's Handbook of Putting'
by the Editors of Golf Magazine (Harper & Row, 1973)

「3m以内の絶対入るパットをミスするゴルファーが多い。

先ず、ホールとボールの寸法をちゃんと認識しよう。ホールの直径は10.76cm。ホールの左右どちらかにボールの半分(半径2.13cm)がかかれば、引力でカップインする。ということは、ヴァーチュアルなホールは10.76+2.13×2で、合計15.02cmとなる。【編者註:この大きさなら気分的に楽です】

円形のターゲットはとらえどころがないので、四角形と考える。ボールがホールに到達すれば、前後左右四つの入り口からカップイン出来る。ショートした場合だけ、ミスとなる。

その練習法として、ボール紙で6.5cm四方のターゲットを作る(図の下の部分)。ターゲットのどこに触れても、そのボールはカップインしたものと考える。この方法によって自信をつけスコアを縮めることが出来る。このターゲットに慣れたら、実際のホールはカゴのように大きく見えるという利点もある」

(February 02, 2003)



伸ばしちゃならない左腕

パットの話です。パットでダフったことはありませんか?パターがボールの後ろの芝に突っかかり、哀れボールはへろへろと大幅ショート。私も先日盛大なダフりをやりまして、思わずグリーンに突っ伏してしまいました。なぜ、こういう現象が起るのか、現Champions TourプロTom Watson(トム・ワトスン)が解明してくれます。

'Getting Up and Down'
by Tom Watson with Nick Seitz (Random House, 1983, $14.00)

「以下はパッティングにおける最も重要な要素であるが、これまでほとんど言及されたことのないポイントでもある。左肘の角度はストロークの間中維持しなければならない。これが出来れば、肩と腕は一体となって振り子のように動く。

もしバックスウィングで左肘を伸ばしたら、フォワードスウィングでそれを縮めなくてはならない。縮めなければボールの後ろの地面を打つことになる。これはパッティングにおいて、最もよく見受けられるメカニカルなミスである。

パターヘッドを地面に近く保とうと過剰な努力をすると、左腕が伸びてしまう。パターを低く保てという助言をよく聞くが、これはボールとの接触ミスや方向ミスを誘発しやすいのでよくない。地面を打つ症状がある人は、両腕と肩が一体となっていないと理解すべきである」

ウッドやアイアンを打つ時、バックスウィングで左肘を曲げると、それを伸ばさない限りトップします。スウィング弧の半径が縮んでしまうからです。逆に、パッティングで折れた左肘を伸ばせば弧の半径が伸びるので、パターヘッドはボールに到達出来ず、後ろの地面をほじくり返すしかないわけです。

(February 05, 2003)


高〜く上げるショット

'Handle with Care'
by Mike Lopuszynski with Dave Allen ('Golf Magazine,' July 2002)

「高〜く上げるショットを実現するには、クラブフェースをオープンにし、クラブのハンドル(握る部分)を膝方向に押し下げる。この要素がボールの下をヘッドがスライドするのを助け、必要なロフトを作り出す。

この方法はサンドウェッジにもロブウェッジにも適用出来る。より高く上げたければ、もっとハンドルを下げる。両手はボールの若干後ろになるようにアドレス。これによって自ずとボールから離れて立ち、広めのスタンスとなる。両膝をリラックスさせ、アドレスでセットしたフェース角度を維持すれば、いつも高くソフトなロブ・ショットに成功する」

(February 11, 2003)


Nick Faldo(ニック・ファルド)のテンポ

Nick Faldo(ニック・ファルド)は全英オープン三回、マスターズに三回優勝したイギリスのプロ。1996年のマスターズ・トーナメント最終日、ビビったグレッグ・ノーマンを尻目にさっさと優勝してしまった手際は鮮やかでした。

'A Swing for Life'
by Nick Faldo with Richard Simmons (Penguin Books, 1995, $19.95)

「ジュニア・チャンピンだった頃、私は常により遠く飛ばせると考えていた。4番アイアンを手にするより、5番でハードに打ちたがった。そこには暴力的な要素があり、安定した結果を得ることは出来なかった。

コーチがこう云った、『1ダースのボールを取り出して、そのうち六個を5番アイアンで目一杯引っ叩け』。私は云われた通りにした。

『残りの六個を3/4(スリー・クォーター)以下で打て。スロー・モーションのような感じで打つこと』

御推察の通り、楽に打てば打つほどいいボールになり、スウィート・スポットで打つに従いボールはストレートになった。その瞬間、私は生涯で最も重要なことを学んだ。そして、無気力に見えるリズムは私のトレードマークとなった。3番ウッドであろうが、5番アイアンであろうが、私のスローなテンポは同じである。

私はアマチュアにErnie Els(アーニィ・エルス)やFred Couples(フレッド・カプルズ)の、ゆったりしていながら、しかも長い飛距離を生むスウィングに注目せよと云いたい」

(February 15, 2003)


人類の敵、ダウンヒル・ライ

原題は「上手なゴルファーの強敵」なんですが、それじゃ当たり前過ぎて面白くも何ともありません。実はRobert T. Jones Golf Trailでプレイした時、三ホールに一度はダウンヒル・ライで痛い目に会ったので、私怨がこもっていたりします:-)。

'Good Player's Nemesis: Downhill Lies'
by Editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 1997)

「穏やかなダウンヒルの場合、ボール位置は通常より3インチ(7.6cm)後ろに下げる。これは急角度のダウンスウィングをする準備である。

ボールを後ろに置くということはロフトが変わることを意味する。7番アイアンが5番アイアンになる感じ。だからといってクラブを変えてはいけない。その距離を打つ時に普通に選ぶクラブを握る。その理由は、
1) 3クォーターで打つ
2) コントロールを増すため、クラブを短く持つ
3) 楽にスウィングする
…これらが三拍子揃ってボールとの正確な接触を実現する。ゆえに、7番アイアンは7番アイアンの飛距離に留まるという仕組みである。

スウィングの間じゅう重心を動かさない。アドレスで右足に錨を下ろし、両肩を斜面と平行に揃える。3クォーターのトップは、手が右肩を越えてはならない。

バックスウィングと同じようにスムーズにダウンスウィングする。体重を左足に移し、クラブヘッドをボールの後ろに落とすようにすれば、重力がいいスウィングをもたらしてくれる。

インパクト以後、可能な限り斜面に沿って両腕を伸ばし、クラブヘッドがターゲットを指すようにフォローを取る」

実践してみましたが、これはもう「おっしゃる通り」という感じで、ファイン・ショットが出ました。こういうことを知っていると知らないでは大きな違いがありそうです。もう意地悪なコースでも大丈夫:-)。

(February 22, 2003)


[Bunker]信ずる者は砂地獄から救われる

'The Way of An Eagle'
by Robert Darden and P.J. Richardson (Thomas Nelson, 1996, $19.99)

この本はユニークな本で、43人の男女プロ・ゴルファーが、自分の宗教的体験を語り、いかに神が彼らのゴルフを助けてくれているかを開陳し、おまけとして一人一つずつのゴルフtipを披露するという構成になっています。一例を挙げますと、

「ゴルフ・ボールを見つめることは『信仰の導師(みちびきて)また之を全うする者なるイエスを仰ぎ見る』(ヘブル書、第12章第2節)のと同じことである」という具合です。これは現Champions TourのKermit Zarley(カーミット・ザーリィ)の言葉。

バンカー・ショットについての印象的なtipがありました。Paul Stankowski(ポール・スタンコウスキ)は、「プロになりたての頃、私のバンカーショットはひどかった。Fred Couples(フレッド・カプルズ)のプレイを目の前で見たりTVで観たりしたが、彼はほとんどの場合片手を離し、一本の腕で見事なショットを繰り広げていた。これを真似ているうちに、ある日私は魔法を手にした」と述べています。その“魔法”についてはPaul Azinger(ポール・エイジンガー)が上手にまとめてくれています。

2002年ライダー・カップ最終日最終ホールのPaul Azingerの華麗なバンカー・ショットをご記憶でしょう。バンカーからの見事なチップインでした。距離と方向の絶妙なコントロールの成果です。以下は、彼の素晴らしいtip。

「バンカー・ショットを成功させる鍵は、クラブフェースを返さないことだ。この練習には左手をポケットに入れ、クラブを右手だけで持つ。これだとクラブフェースは回転しない。右手によるスウィングは通常完璧なスウィングとなる。ボールから離れ、椅子に腰掛けるような体勢で、若干オープンなスタンスを取る。私はクラブを低めに引く。

普通、体重は両足に50:50。左足の体重を70にすると飛距離は短く、右足に70だと飛距離は長くなる。

ファットに打つ傾向がある人は胸骨をボールより少し前に位置させる。トップしやすい人は胸骨をボールの少し後ろに位置させる。実際にはファットに打ったクラブのバウンスによってトップしているのに、ファットに打っていると自覚しないゴルファーが多い。この場合、胸骨は前に置かなくてはならない」

クラブフェースを返してしまうとロフトが活かせず、バンカーの顎を越えられないとか、ピンにも寄らないという結果を招きます。それを右手一本で習得出来るという、嘘のようなtip。

(February 25, 2003)


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