公開：1996
監督：Charles Burnett
地域：南部のどこか
出演：Beau Bridges、Allison Jones、Carl Lumblyほか
範疇：原作もの／ドラマ／TV映画／黒人奴隷／文盲

私の評価 ：☆

【Part 1】

南北戦争前1830年頃の南部（撮影地はサウス・キャロライナ州）。Beau Bridges（ボー・ブリッジス）が主人の綿花プランテーションで、黒人奴隷の女性が娘Sarny（サーニィ）を産む。Sarnyが物心つく頃、母は別の農園に売られてしまう。

Allison Jones（アリスン・ジョーンズ）演ずるSarny（サーニィ）は、Lorraine Toussaint（ロレイン・トゥッセン）演ずる親代わりのDealey（ディーリィ）に躾けられ、八歳になると主人の家で子守をするようになる。奴隷小屋とは較べようも無く広い家、高い天井、美しいシャンデリア、美術品、銀のスプーン、ふかふかのベッド…等に驚嘆する。

Sarnyが主人の家で来客の給仕をしている時、イギリスからの客が「もうイギリスでは奴隷は解放された」と云うのを聞く。主人は一向に気にしない。

Carl Lumbly（カール・ランブリィ）演ずる逞しい黒人奴隷Nightjohn（ナイトジョン）が買われて来た。彼は人一倍遅くまで働かされる。彼は噛み煙草と交換に読み書きを教えると云う。Sarnyは主人の妻の薔薇を虫から守るため、毎日噛み煙草を噛んで唾を花に吐きかけていた。彼に煙草を与え、ABCを教わるようになる。Nightjohnは一度北部へ逃げ自由の身になったが、同胞に読み書きを教えるために戻って来たのだと云う。

黒人の老人がNightjohnとSarnyに警告する。「奴隷が読み書きを覚えるのは法律違反なんだ。主人が知ったら、タダでは済まないぞ」と云って、彼の手を見せる。指を二本切り落とされていた！

主人は農園経営が下手で、がむしゃらに綿花の収穫量を増やすことだけ考えていた。奴隷と家族の前で「この辺で一番の農園にする！」と宣言し、自分と息子二人も共に綿摘みをするようになる。

Sarnyは主人の幼い子供のお供で教会に行き、いつの間にか聖書が読めるようになっていることに気付く。「私は読んでる！」 彼女は教科書として牧師の聖書を盗む。主人の長男は黒人に友好的だったが、ある日彼は奴隷小屋で牧師の聖書を見つける。冷酷無比な主人は黒人たちを集め、鞭を片手に「誰が盗んだ？聖書が読める奴はどいつだ。法律違反の罪は重いぞ！」と迫る…。

原作はアメリカの中学校の副読本になっている同名の短編小説です。「奴隷が読み書きを覚えるのは法律違反」というのは実際にあったそうで、読み書きが出来なければ結束したり謀反を起したり出来ないだろうという狙いだったそうです。

大変な筈の綿摘みのシーンがよく撮れています。逆光に綿クズが舞う様が素晴らしい。日中は作業する人々に水を飲ませる係が数人出て来ます。これは初めて見た光景です。夕景、夜景の綿畑や奴隷小屋の遠景も非常に綺麗です。

(May 31, 2001)

【人種問題関連】

・The Defiant Ones『手錠のまゝの脱獄』 (1958)
・To Kill a Mockingbird『アラバマ物語』 (1962)
・Black Like Me（未公開）(1964)
・In the Heat of the Night『夜の大捜査線』 (1967)
・A Soldier's Story『ソルジャー・ストーリー』 (1984)
・Sudie and Simpson（未公開）(1990)
・The Tuskegee Airmen『ブラインド・ヒル』 (1995)
・A Family Thing『ファミリー／再会のとき』 (1996)
・Once Upon a Time...When We Were Colored（未公開） (1996)
・Miss Evers' Boys（未公開）(1997)
・Rosewood『ローズウッド』 (1997)
・Remember the Titans『タイタンズを忘れない』 (2000)

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