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公開:1964
監督:Carl Lerner
出演:James Whitmore、Roscoe Lee Browne、Lenka Petersonほか
範疇:実話の映画化/ドラマ/人種差別/偽装黒人
私の評価 :☆
【Part 1】
時代背景は1950年代。James Whitmore(ジェームズ・ウィットモア)演ずるテキサス州の白人ジャーナリストが、「白人が黒人となって体験記を書いたらどうだろう?」というアイデアを得る。雑誌への特別記事の契約を取ると、早速医師に相談する。服み薬、注射、紫外線照射などにより、全身を黒くし、髪を短くして縮らせる。薬を服まなければ元に戻るので、心配ない。目だけは青いままだが、混血は珍しくないのでそのままにする。
【註】James Whitmoreって誰だっけ?という方のために補足しますと、彼は主演者タイプではなく、普通は傍役です。有名な映画としては'Oklahoma!'『オクラホマ!』で、ショットガンで脅して娘のGloria Grahame(グロリア・グラハム)を旅の行商人と結婚させてしまう親父、'Tora!Tora!Tora!'『トラトラトラ』ではハルゼー提督を演じていました。彼の顔立ちはどうみても黒人の血が混じっているように見えず、目だけが異様に光るというメーキャップになっています。
鞄一つを手に、妻にも別れを告げず、テキサスからフロリダへと横断の旅に出る。以前、白人として話をした靴みがきも、彼を黒人としか考えなかったが、靴と名前の組み合わせでやっと思い出す案配。つまり偽装は完璧だった。靴みがきから、黒人としての言動の初歩を習う。
バスの車内や通りでも白人女性を見つめただけでトラブルの因になることを知る。ヒッチハイクで何人もの白人に乗せて貰うが、「"sir"(サー)を付けろ」とか、「白人の女と寝たいと思うか?」とか、不愉快な思いばかりで歯ぎしりをする。
ガソリン・スタンドで働けば、店主から「$10.00失くなったが知らないか?」と疑われるし、工場の秘書としてタイピングの腕を買って貰おうとすると、「北部へ行け。南部で白人の仕事を取ろうとするな」と突っ撥ねられる。
何もしていないのに、黒人だというだけで二人の白人の若者から町中を追い回される。機知で危機を脱するが、身の危険を感じるような経験だった…。
出て来る黒人はみないい人間、白人はみな悪い人間という極端な図式が気になりますが、1964年という、こんな時期にこのテーマで映画を作ったという度胸、見識、良識には敬意を表したいと思います。
(May 04, 2001)
【人種問題関連】
・The Defiant Ones『手錠のまゝの脱獄』 (1958)
・To Kill a Mockingbird『アラバマ物語』 (1962)
・In the Heat of the Night『夜の大捜査線』 (1967)
・A Soldier's Story『ソルジャー・ストーリー』 (1984)
・Sudie and Simpson(未公開)(1990)
・The Tuskegee Airmen『ブラインド・ヒル』 (1995)
・A Family Thing『ファミリー/再会のとき』 (1996)
・Once Upon a Time...When We Were Colored(未公開) (1996)
・Nightjohn(未公開)(1996)
・Miss Evers' Boys(未公開)(1997)
・Rosewood『ローズウッド』 (1997)
・Remember the Titans『タイタンズを忘れない』 (2000)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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