公開：1969
監督：Mark Rydell
出演：Steve McQueen、Sharon Farrell、Clifton James、Will Geerほか
範疇：原作もの／ドラマ／コメディ／少年／草競馬

私の評価 ：☆☆

【Part 1】

原作はWilliam Faulkner（ウィリアム・フォークナー）で、彼はこれで二度目のピューリッツアー賞を受賞しました。

Mitch Vogel（ミッチ・ボーゲル）は、ミシシッピ州Jefferson（ジェファスン）に住む11歳の少年。彼の祖父は町で初めての自動車を手に入れる。運転経験のある何でも屋のSteve McQueen（スティーヴ・マックィーン）が運転手だ。お抱え御者のRupert Crosse（ルパート・クロス）も運転を習おうとするが、車を止められず、町中に損害を与えSteve McQueenと共に$100ずつの罰金となる。

母の父のお葬式があり、祖父と両親は四日間留守になる。Steve McQueenは二人で車でメンフィスに遊びに出ようと少年を唆す。先ず、少年に運転の楽しさを教えるという頭脳作戦。少年が初めて運転するシーンは'Butch Cassidy and the Sundance Kid'『明日に向って撃て！』の自転車のシーンに匹敵する出来栄え。いざ出発となったら御者のRupert Crosseが後部席に隠れていて、仕方なく三人で旅に出る。

Steve McQueenが「一種の宿屋だ」という建物に泊まる。綺麗なお姉さん達が下着で歩いているような家だ。Sharon Farrell（シャロン・ファレル）演ずるCorrie（コリー）は特に美人だった。彼女の甥が「Corrieは売女だ」と云うので、「嘘つき！」と殴りかかって大喧嘩になる。

泊まっている間に御者のRupert Crosseは車と馬一頭を交換してしまった。車は草競馬の賞品になるそうなので、車を取り戻すためには競馬で勝たなくてはならない。一番体重が軽い少年が騎乗することになるが、この馬は只では走らない馬だった。さあ、どうする？

Steve McQueenとWilliam Faulknerという組み合わせは意外です。しかし、彼の役はヤクザな雑役夫であり、少年の“悪い”ロール・モデルですから、そう違和感はありません。'Bulitt'『ブリット』の翌年の作品です。

ナレーションはBurgess Meredith（バージェス・メレディス）。音楽はJohn Williams（ジョン・ウィリアムズ）。この頃から'E.T.'や'Indiana Jones'シリーズの、特徴あるアレンジは聞き取れます。監督Mark Rydell（マーク・ライデル）はTV畑の演出家でしたが、映画に移ってからは、この後'On Golden Pond'『黄昏』などを担当した人です。

撮影が美しい。特にイントロの、昔の南部を懐古的に描いた積み重ねは絶品。

邦題ですが、前年公開の'The Thomas Crown Affair'『華麗なる賭け』の形容詞を頂いてしまったようです。この映画の売りは“華麗さ”ではなく、牧歌的冒険譚なので、この邦題はインチキだし誤解の因でもあります。

(April 14, 2001)

【William Faulknerもの一覧】

・The Story of Temple Drake『暴風の処女』(1933) Miriam Hopkins主演
・Intruder in the Dust（未公開）(1949) David Brian主演
・The Long, Hot Summer『長く熱い夜』(1958) Paul Newman主演
・The Sound and The Fury『悶え』 (1959) Yul Brynner、Joanne Woodward主演
・The Reivers『華麗なる週末』(1969) Steve McQueen主演
・Tomorrow（未公開）(1972) Robert Duvall主演

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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