Golf Tips Vol. 103

パッティングは芸術だ

パター・デザイナーScotty Cameron(スコティ・キャメロン)は「『パッティングは科学ではなく芸術だ』とする教えは間違いだ」と云い切っていますが、彼はパターを作る人であってそれを使う人ではありません。元NASAの科学者Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の場合、昔は「パッティングは科学だ」と主張していましたが、最近は「パッティングは科学と芸術が組合わさったものだ」と妥協しています。ツァー・プロですとRaymond Floyd(レイモンド・フロイド)やBen Crenshaw(ベン・クレンショー)をはじめ、"Putting is an art, not a science."(パッティングは芸術だ。科学ではない)と断言する人々が多いようです。以下はインストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)の信念。

[3 clubs]

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean (Gotham Books, 2005, $30.00)

「パッティングは芸術であって、科学ではない。しかし、多くのゴルファーはそれが真実であると理解しない。アマチュアのほとんどと無数のプロは、パターを完璧に真っ直ぐ引き、真っ直ぐ送り出す動作をマスターしなければならないと信じている。彼らはまた、ターゲットラインの真上に目を置き、完璧にパッティング出来るまで練習しなければならないと信じている。

私のこれまでの生涯で知ったPGAツァー・プロであれアマであれ、パッティングの名手は上のようなことはやっていない。先ず、それらは不自然な動作である。真っ直ぐ引き、真っ直ぐ送り出すというのは、今や禁止されているクロケー・スタイルのパッティングでしかなし得ない。

虚心に考えてみなさい。あなたの知っているパットの名人で、おかしなスタンスで風変わりなストロークをする人がいる筈だ。カット打ちしたり、インパクトで打ち下ろしたり、凄く短かったり長かったりするフィニッシュ。しかし、彼らは長きにわたってパット名人の称号を維持している。

いいパッティングは、他人の完璧なストロークのアイデアを真似することによっては得られない。卓越した読みとラインを視覚化出来る技術によって、何度でも繰り返し可能なストロークを出来る人だけがパットを成功させ得る。加えて、彼らはもの凄い自信を持っていて、思った通りのラインにボールを転がす能力の持主でもある。こういう自信に満ち溢れたゴルファーは、どんなに構えやストロークが珍奇でも、恐るべきパット名人と云わねばならない。

パッティングの芸術は複雑で、すぐれたタッチとフィーリングを必要とする高度に個人的な範疇のものである。多くの名手があまりにもメカニカルになり過ぎ、真っ直ぐ引き、真っ直ぐ送り出す動作をマスターしようとして凡庸になって行ったケースが多い。Brad Faxon(ブラッド・ファクソン)とBen Crenshawは、あまりパットの練習をしないことを自分で認めている。

もちろん、練習熱心なプロも多い。彼らはトーナメントとトーナメントの間に、古今の名手のヴィデオを観ながら、さらに技術を向上させるヒントを得ようと、様々な方法を試みている。あなたも自信を構築するためには練習が必要である。絨緞の上で机の脚に向かってパットするなど、短時間でも濃密な練習をすべきである」

《学んで忘れよ》という言葉があります。またもやお習字の喩えで恐縮ですが(父が書家だったもので)、お手本を見ながら忠実に書いている間は芸術ではないんですね。物真似に過ぎず、字が活き活きとしません。そのプロセスが済んだら、お手本を忘れて自分のセンス、リズム、テンポで書く。これなら芸術です。

パッティングもメカニカルなことに集中している段階では芸術たり得ません。振り子の動きだの、バック・ストロークやフォワード・ストロークの長さなどに集中している間は、活き活きとしたパットが出来ません。メカニカルな動きを身につけたら、それを忘れることが大事なようです。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(May 02, 2006)


プルとフックの原因

'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)

古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。

「プルとフックは、腕のスウィングが速過ぎて身体が追いつけなくて起る。地面の上にバランスよく立つこと。体重はターゲット方向の足へと移動し、インパクトからフィニッシュにかけて腕と肩の動きをサポートしなければならない。

左へ出るショットを防ぐには、忍耐とバランスを考えること」

(May 07 2006)


パッティングのボール位置

'Aiming to please'
by Mark Favell with Al Barkow ('Golf Illustrated,' May/ June 2006)

「教科書ではボールは目の真下にあるべきだと云われる。しかし、かなりの数のパット名人が目をボールの内側(身体に近い方)にセットして構える。頭を右や左に傾げない限り、内側ではあってもターゲット・ラインに平行だから問題ないのだ。

スタンスのどこにボールを置くかであるが、理想的にはスタンス中央から5 cm左である。しかし、掃くようなストロークをする人、あるいは上昇気味にボールを捉えたい人は、左足踵の前方が適切なボール位置である。ボールを下降気味に捉えたい人はスタンス中央が相応しい」

(May 09 2006)


クラス別・手打ち防止法

'A cure for your over the top swing'
by Tom F. Stickney II ('Golf Illustrated,' May/ June 2006)

【註:以下のクラス別の方法は、全部まとめて実行するというものではありません。一項目ずつ試し、効き目がなければ一つずつ追加して行います】

「1) 初級者篇

・アドレスで背骨をターゲットライン後方に寄せ、バックスウィングの比重を大きくする。
・グリップをストロングにする(時計回転)。この度合いを増やすと、バックスウィングで右手が低めになり、スウィング軌道が緩やかになる。
・肩をクローズにする。これもバックスウィングを大きくする(もし、腰の高さの時にクラブヘッドが爪先を結ぶ線より内側であれば、それは過度にインサイドなので注意)。

2) 中級者篇

・肩、前腕部、腰、膝はスクウェアで、足だけターゲットの右を向くようにする。これは腰のリードでパワフルなバックスウィングを形成する。
・もう一つの方法は、左足を爪先を結んだ線と直角になるようにすることだ。手打ちの多くは腰があまりにも早く過度に振りほどかれることによって起る。アドレスで外に開かれた左足はそれを助長してしまう。
・ダウンスウィングで左腰がターゲット・ラインを若干右に横切るようにスライドさせる。ダウンにおける過剰な腰の回転(振りほどき)は、右肩をアウトサイドに投げ出してしまう(手打ち)が、若干ターゲット・ラインの右に向かう腰の動きは、右肩を(回転ではなく)先ず落下させることに向かわせる。

3) 上級者篇

・両肩を結ぶ線が背骨と直角を形成するトップを作る(=右肩が左肩より上に出てはいけない)。
・上体が右足の上に寄りかかるようなトップ。これがスウィング弧を広げる。上体が作り出す回転半径が広ければ広いほど、インサイドからのダウンスウィングが可能になる。
・トップで右肘の折れ方を少なくし(90°以上)スウィング弧を広げる。トップで右手が伸びれば腕のスウィングは短くなる。これがトップからの手打ちを防いでくれる」

(May 11, 2006)


理想のテンポを探す

'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)

古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。

「ソリッドにボールを打つための最も重要な要素の一つはバランスである。あなたのスウィングが早過ぎても遅過ぎても、バランスが崩れた打ち方になってしまう。ゆっくりのスウィングから始めて徐々にテンポを変えてみると、どこかの段階で、よろめいたりしないで最適のバランスが保てるテンポが見つかるはずだ」

(May 14, 2006)


[Squat] ダウンの開始はガニマタで

'The Golf Swing'
by David Leadbetter (Dutton, 1990, $29.95)

「スウィングのトップではバックスウィングとダウンスウィングが同時に一つの動作となって起こり、しかもそれは切れ目無く動的でなければならないため、最も重要な段階と云えるものである。

二つの異なる方向へのスウィングがスムーズに行なわれるかどうかは、下半身、特に両脚の動きの如何にかかっている。両脚はスウィングを安定させ、バランスを良くし、上半身の巻き上げと巻き戻しをサポートする。

上半身がバックスウィングを完了させている間、ダウンスウィングの動きは左膝によってきっかけが作られる。左膝は、左足爪先の方向へと若干斜めに動く。この時、右膝は何ら変化しない。ターゲット方向へ両脚がスライドするような動きは無く、右膝がアドレスの時の位置を越えたりすることはない。このような両膝の分離は'squat'(スクァット)あるいは'sit down'(しゃがみ込む)的外見をもたらす。

この時点の体重は主として右脚に留まっており、右足の踵は地面に平についていて、上半身は最大限捻転している。

以上の動きの正しい感覚を得るためには、充分な練習を必要とする」

Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のスウィング連続写真を見ると、彼女もsquatをしていることが分ります。

【図の左はSam Snead(サム・スニード)の"Snead's squat"(スニードのしゃがみ込み)として有名なものです。右はAnnika Sorenstam】

(May 16, 2006)


[High_tee] ティーアップの研究

'Tee it high or low?'
by Alan Bastable ('Golf Magazine,' June 2006)

'Golf Magazine'誌が27人のゴルファー(年齢25〜71歳、ハンデ0〜29)に三つの高さのティーで10打ずつ打って貰い、そのうちのナイス・ショット五つを、飛距離(キャリー)、発射角度、ボール・スピン率、ヘッド・スピード、ボール・スピードに分けて統計を取りました。なお、彼らが使用したドライヴァーは410〜460 ccのどれかで、正確度はフェアウェイを横に三つに分けて点数制にしたそうです。

そのティーの高さとは、
1) 低め:ボールがドライヴァーのクラウンの下に位置する。
2) 中庸:ボールの半分がクラウンより上に出ている。
3) 高め:ボール底部がクラウンとほぼ同じ位置(写真)。

詳しい経過報告は同誌を御覧頂くとして、ここでは結論のみ紹介します。

・高めのティーは、どのハンデのゴルファーにも平均して12ヤードのキャリー増をもたらす。
・ハンデの多いゴルファーの場合、低めのティーアップに較べ、高めのティーアップは18ヤードの飛距離増につながる。
・正確度は、1) 高めのティーアップがベストで、2) 低めのティーアップ、3) 中庸の順で落ちてしまう。
・このテスト後、27人の中で中庸のティーアップをしていた9人(1/3)が高めのティーアップへの変更を決意した。

同誌は高めのティーアップでうまく打つ方法もいくつか紹介しています。その基本は、「アドレスで若干右サイドに体重をおき、右肩を左肩より下げる。ボール位置はターゲット方向の足の踵。ボールがあまりにもスタンス内側だとアッパーに打つことは出来ない」というもの。

練習法の一つは、掃くように、しかも両手を伸ばしたパワフルなインパクトを迎える方法です。ボールを乗せたティーのターゲット方向約30 cmにもう一つティーを立てます。上の基本に従いながら、気持ちとしてその第二のティーをなぎ払うようなスウィングをします、実際に第二のティーに当たらなくても、高めのティーアップを活かす軌道が得られます。

私のゴル友Mike Reekie(マイク・リーキィ)は飛ばし屋ですが、彼のアドレスは変わっています。ボールは左足踵の位置で、写真のような高めのティーアップですが、ドライヴァーのヘッドはその10 cmぐらい後方でアドレスするのです。聞くと、そのヘッド位置がスウィング弧の最低点で、そこからヘッドはアッパーにボールに向かって行くとのことでした。彼のドライヴァーのロフトは9.5°ですが、結果的に10.5°で打つ軌道になるのではないでしょうか。これは私も真似してみようと思っています。

(May 21, 2006)


ティーアップの研究・アイアン篇

'How high to tee up a ...'
by Mike Perpich ('Golf Magazine,' June 2006)

「・6番アイアン〜ウェッジ
 ティーのほとんどを地面に埋め、頭だけ見えるようにする。

・ロング・アイアン
 地面から6 mmだけティーを出す。

・ハイブリッド
 ハイブリッドとフェアウェイ・ウッドは1.3 cm地面からティーを出す」

(May 23, 2006)


ヘッドの戻りを待つ

最近、「トップでクラブヘッドが戻り始めるまで待つ」のが飛距離と方向を良くする基本だったと書きました。実はこれは「今日のテーマ」(tips_61.html)として2001年11月10日に次のように書いていることでした。

「《重力を感じる》(クラブの戻りを待つ)
 ティー・ショットでもアプローチでも、はたまたパットでも、自分からダウン・スウィングを開始するのではなく、重力によってクラブが戻り始める動きを捉え、こちらはそれを補佐するといい結果になることは経験で分っています。しかし、これも毎ショットで実行しているかというと、ホンの時たまでしかありません。

重力を感じ、クラブの動きを助けた場合、『トップの間(ま)』を含めたテンポはとてもスムーズに感じられます。これを利用しないテはありません。」

私は結構いい発見をしているのに、「もっといいtipはないか?」と新しいものにかまけ、役に立っているtipを忘れてしまうようです。tip漁りも善し悪しですね。スウィングのいい時期、寄せのいい時期、パッティングのいい時期が過去にあったわけですから、その実績のまま突き進んでいれば良かったのに。「古いもの=悪いもの」ではないので、良いものは捨てずに継続すべきでした。

ところで、上の引用にもあるように、「ヘッドの戻りを待つ」はパットにも通用します。このようにストロークすることは、人間が作為的にストロークするのではなく、重力と二人三脚でストロークするわけで、最も自然な振り子式パッティングとなります。「人間の力などは果敢ない。重力には敵わない」ということを認識すべきでしょう。

(May 21, 2006)


Hogan(ホーガン)のチッピング [Hogan]

'Afternoons with Mr. Hogan'
by Jody Vasquez(Gotham Books, 2004, $20.00)

「Ben Hoganの“もう一つの秘密”」で紹介した本です。著者はBen Hogan(ベン・ホーガン)のボール拾いを数年勤め、Ben Hoganのフル・スウィングばかりでなく、アプローチやパットの練習も間近に見ることが出来た人。

「Mr. Hoganのチッピングはクラシックなものだった。最近のインストラクターが教えるのはスクウェアなバックスウィング、スクウェアなフォロースルーだが、それはあまり練習しないゴルファーにとって安全確実な方法だからである。しかし、その方法だとボールはクラブフェースを駆け上がるので、あまりソリッドなフィーリングは得られない。

Mr. Hoganはバックスウィングでクラブフェースをオープンにし、フォロースルーでクローズにした。彼はクラブフェースの底の部分しか使っていなかったことになる。

私はMr. Hoganが扇のようにクラブフェースを開き、インパクト後に閉じたりするのを見て、私もそのメソッドを真似してみた。すると、クラブフェースを一寸オープンにしただけでも、いいショットを生み出せることが分った。ボールとの接触は非常にソリッドだし、手でボールを投げたかのように完璧に転がるのだ」

「扇のように開閉する」というのは、インサイド←→インサイドのスウィングそのものです。手・腕と手首を使わず、両肩・手・腕が一体となったチッピングでしょう。

(May 28, 2006)


Francis Ouimet(フランシス・ウィメット)のパッティング

Francis Ouimet(フランシス・ウィメット、1893〜1967)の名は知らなくても、20歳の青年ゴルファーが10歳の少年キャディを従えてフェアウェイを歩いている写真は御記憶にあるでしょう。あれは1913年のU.S. Openで、そのゴルファーこそFrancis Ouimetでした。名前はヨーロッパ風ですが、彼はアメリカ生まれ。1913年のU.S. Openで、二人のイギリスの強豪Harry Vardon(ハリィ・ヴァードン)とTed Ray(テッド・レイ)とのプレイオフを制して優勝。この物語は2005年に'The Greatest Game Ever Played'(邦題『グレイテスト・ゲーム』)という映画になりました。裕福な家の生まれでもなかった彼の優勝は一気にアメリカ人一般のゴルフ熱を煽り、それまで無いも同然だったパブリック・コースを沢山出現させる契機となりました。つまり、現在のアメリカのゴルフの隆盛は彼の活躍に負っていると云うことが出来ます。彼はまた1914年と1931年の全米アマ・チャンピオンでもありました。

以下の記事はその優勝の翌年(今から92年前!)に出版されたFrancis Ouimet著'Success of Golf'の一部を'Golf Illustrated'誌が許可を得て抜粋・転載したものです。

'Suggestions for Putting'
by Francis Ouimet ('Golf Illustrated,' May/June 2006)

[Ouimet]

「・スタンス
 両踵は約30 cm離し、ボールはその中央に置き、頭はボールの真上に位置する。

・グリップ
 左手の親指はシャフトに沿わせる。右手の小指と薬指は左手の人差し指と中指の上にかかる。左手がパターを保持し、右手はボールを打つ力を供給する。

・バックストローク
 動きは左肩から始まり、手首の動きは伴わない。【編註:「パットでも'One Move'」そっくり】 パター・フェースは常にカップ方向に保つ。

・フォワード・ストローク
 パターはバックストロークで辿った軌道を、振り子のようにボールに向かって戻る。フォロースルーは重要である。パターはボールがあった場所を7〜10 cm過ぎて停止する。【編註:「短いパットは打って止めよ」そっくり】

・その他
 一般的に、ショートするよりもオーヴァー目のパットをすべきである。【編註:Dave Pelzの「ホールはゴールではない」そっくり】 返しのパットに自信が持てるからだ。ボールをスクウェアに、しっかりと打つように。ラインの研究をし過ぎたり、ぞんざいにパットしたりしないこと」

大部分が現在の理論と重なるということは、やはり名人の手法というものは不滅なんですね。

【参考】
「パットでも'One Move'」
「短いパットは打って止めよ」
「ホールはゴールではない」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(June 01, 2006)


二つのパッティング・スタイル

'Use a putting grip that fits your stroke'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April, 2006)

「あなたのパッティング・スタイルは次のうちどちらかである。定かでない場合は練習やヴィデオで確認すること。どちらの場合も、それぞれの正しいグリップ、目の位置、ポスチャー、体重のかけ方などは異なるものである。

1) 弧を描くパッティング(インサイド←→インサイドのストローク)

・両方の掌が向かい合わせになってグリップを形成する(これがフェースの回転を楽にする)。
・目はボールよりも最低3インチ(7.6 cm)足の近く(普通は『ボールの真上』と云われるので、この方式はかなり内側)。
・両手はだらんと下がった位置よりも、ボール方向に少し出す。
・右肩を下げる(ボールを上昇軌道で捉えるため)。
・シャフトは若干ターゲット方向に傾斜させる。
・体重は両足の中心。
 以上のセッティングによって弧を描くパッティングを適切に実行出来る。

2) ストレートなパッティング

・ソフト・ボールを受け止めるように、両手を上に向けてくっつける。そのまま手を閉じた形がストレートなパッティングのためのグリップである(両方の掌はグリップの横および下側になり、身体の前を向く。これがフェースの回転を防ぐ)。
・目はボールの真上。
・両手は肩から真っ直ぐに下げる。
・両肩は水平。
・体重は若干左足に。
 短いストロークをし、以上のセッティングを維持する。両手を回転させないことが、スクウェアなストロークを実現する鍵である。

The Golf Channel(ザ・ゴルフ・チャネル)のあるChampions Tour中継の中で、二人のパット名人Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)とLoren Roberts(ローレン・ロバーツ)のパッティングを並べて見せていました。

Ben Crenshawは上の(1)に近く、ボール位置はかなりスタンスの左で、左手とパターが一直線となって伸びています。Loren Robertsのボール位置は中央で、両肩は水平、パターと両腕が作る三角形を崩さないようにストロークします。ですから、上の(2)にそっくり。

どうやら私は(1)と(2)をごっちゃにしていたようです。Loren RobertsのアドレスでBen Crenshaw風ストロークをしていました。どっちかに統一せねば。

(June 04, 2006)


寄せのポカ防止グリップ

“年寄りのボケ防止”ではありません:-)。“ショート・アプローチのポカ・ミス防止”です:-)。

'Triple overlap'
by John O'Leary III, ('Golf Tips,' June 2006)

「両腕が正しく協調して働かない場合、常に右手(左利きの場合、左手)がボールを空中に上げようと余計な努力をしたりするものだ。右手がいい結果を生むということは先ず無い。デリケートなチップやピッチの場合はなおさらである。右手が出しゃばると、手よりもクラブヘッドを先行させてしまい、ポカ・ミス(トップやダフり)の原因となる。これを防ぐには、右手のショットへの参加度を減らすことだ。私は生徒たちに“トリプル・オーヴァラップ”と名付けたグリップを処方している。

グリップの説明に入る前に、先ずセットアップ方法から。狭めのスタンスでボール位置はターゲット方向の足の5 cm内側。左手とクラブ・シャフトはボールに向かって一直線となる。上半身をターゲット方向に傾げ、70〜80%の体重をターゲットの脚にかける。

そしてグリップ。フル・スウィングのグリップをした後、右手を浮かせ、右手の中指、薬指、小指の三本全部が左手にかぶさるように動かす。膝の高さのバックスウィング、膝の高さのフォロースルーで素振りをする。【注意】このメソッドは40ヤード以内の寄せのためのものなので、それ以上の距離の場合は通常のグリップを用いること。

このグリップだと終始左手がリードすることになり、体重のかけ方によってチップとピッチに必要なダウンブローのヒッティングが作り出される。“トリプル・オーヴァラップ”は早過ぎる手首の返しも防いでくれる。

簡単至極な方法だが、効果はてきめんで、両方の手が一体となって共同作業を始めることに気づくだろう」

(June 08, 2006)


[Sergio] Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のフラットな軌道

「えっ、Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)って、かなりアップライトなスウィングじゃないの?」とおっしゃる?その通りです、バックスウィングにおいては…。

'Play Like Sergio Garcia'
by John Andrisani (G.P. Putnam's Sons, 2004, $23.95)

「ダウンスウィングでSergio Garciaの左腰が左回転を始めると、彼の腕はストンと落ち、右肘は身体の横にくっつく。この下降モーションはクラブにフラットな浅い軌道をもたらす。あなたも長いクラブ(ドライヴァー、フェアウェイ・ウッド、ロング・アイアン等)では、Sergio Garciaのように浅い掃くようなインパクトを迎えたいと願う筈だ」

Sergio Garciaのこの下降モーションは、レイト・ヒットやインサイド・アウトの軌道のためばかりでなく、インパクトでのフラットなヘッドの軌道をも作り出していたわけです。私はしばらくpop-upで悩んでいましたが、これはあまりにも急角度の(過度にダウンブローの)インパクトが原因でした。この記事のヒントで浅い掃くような軌道を心掛け、もう悩むこともなくなりました。特にフェアウェイ・ウッドがいい当たりをするようになって、気持ちがいいです。

(June 11, 2006、改訂June 02, 2015)


パッティング・スタイルとパターの相性

Stan Utley(スタン・アトリィ)は彼自身PGAツァーのプロでありながら、“競争相手”である他のプロにショート・ゲームを教えているという珍しい存在。特にパットの名手として知られていて、ハーフでたった6パットという記録を初め、PGAツァーでの記録を多数保持しています。彼が教えたプロには、Jay Haas(ジェイ・ハース)、Peter Jacobsen(ピーター・ジェイコブセン)、Craig Stadler(クレイグ・スタッドラー)、Darren Clarke(ダレン・クラーク)、丸山茂樹など多くのビッグ・ネームが含まれています。そのStan Utleyが彼のメソッドを詳述したパッティングの本を発表しました。

'The Art of Putting'
by Stan Utley with Matthew Rudy (Gotham Books, 2006, $25.00)

まだ1/3程度しか読んでいませんが、既に「読んでよかった!」という発見がありました。

[Putters]

写真は「Paul Runyanのパター鑑別法」(tips_69.html)として掲載したもので、ショート・ゲームの達人Paul Runyan(ポール・ラニャン)の推奨はAとCであると書きました。Stan Utleyによれば、AとCは「ストレートなパッティング」に相応しいものであり、「弧を描くパッティング」の場合はBかDを選ぶべきなのだそうです。トゥが下がる(地面を指す)ヘッドはインサイド←→インサイドのストロークに最適であるとか。つまり、二種類のパターのどちらがいい悪いでなく、パッティング・スタイルによって選ぶべきものだというわけです。

現在私が愛用している'Two-Bar Putter'も写真AとCのようにフェースがほぼ上を向きます。私がパッティングに関してスランプ気味だったのは、ストレートなパッティングに相応しいパターを用いて、弧を描くパッティングをするという矛盾した行動をしたからでもあったようです。

で、Stan Utleyはどうかというと、彼はトゥが下がるパターを用いて弧を描くパッティングをしています。それについては、いずれまた。

(June 13, 2006)


Stan Utley(スタン・アトリィ)のパットの目の位置

Stan Utley(スタン・アトリィ)はPGAツァー・プロ兼コーチ。Jay Haas(ジェイ・ハース)、Peter Jacobsen(ピーター・ジェイコブセン)、Craig Stadler(クレイグ・スタッドラー)など、彼の教えを受けた多数のプロがツァ−優勝を重ねています。

[Eye_position]

'The Art of Putting'
by Stan Utley with Matthew Rudy (Gotham Books, 2006, $25.00)

「リサーチの結果はあなたがよく聞くこととは反対で、パットの上手い人々の多くは目をボールの真上でなく、パッティング・ラインの内側(身体に近い方)に置いてアドレスすることが知られている。パター・デザイナーのScotty Cameron(スコティ・キャメロン)は、『右利きのゴルファーは両目をボールより1インチ(2.5 cm)内側で、同じくボールの1インチ(2.5 cm)右側に左目を位置させるべきだ』と教えてくれた。

これは、ボールを真横から、そして傾斜したプレーンで打つ、ゴルフ全般に共通する単純な基本であると確信する」

【註】Stan Utleyが推奨するボール位置は、図のようにかなり左足踵に近いところです。

このメソッドが利き目とは関係ないことに注目しましょう。この方法を採用しているStan Utleyの利き目は右だそうですが、利き目でボールを見ようとはしてはいません。両目を結ぶ線をターゲット・ラインに平行にしようと努力しているのです。

私の利き目も右で、これまでのボールの見つめ方は頭を右に傾げ顎をターゲット方向に出すというものでした。よく考えると、これは両目を結ぶ線に微妙な角度的誤差を生じる危険を孕んでいました。図のように(利き目を無視して)両目をターゲット・ラインに揃えてしまえば、そのラインに沿って両手を動かせばいいので、方向性については安心この上もないわけです。

(June 18, 2006)


Stan Utley(スタン・アトリィ)のパッティング・グリップ

Stan Utley(スタン・アトリィ)はPGAツァー・プロ兼コーチ。多数の有名ツァー・プロに「アーク(弧)パッティング」を指導し、優勝に導いています。

'The Art of Putting'
by Stan Utley with Matthew Rudy (Gotham Books, 2006, $25.00)

「・フル・スウィングではフィンガーでクラブを握って手首を多用する。しかし、パッティングでは手首を使わない方が正確にストローク出来るので、掌の生命線に沿ってパターを握るべきである。

・右手の親指はパター・シャフトの真上に置かれ、親指の付け根の膨らみでシャフトを上から押さえる。掌はターゲットを向く。

・左手の親指も右手と同じようにシャフトの真上に置かれる。左右の掌は向かい合う。

・上のようにパターを握ると、パター・シャフトと両腕は一直線となる。

逆オーヴァラップ・グリップとパームで握ることによって、私の左掌にはかなりの隙間が出来る。この隙間を無くそうとグリップを太くしたりしないこと。手と腕はソフトで敏感であるべきなので、強く握り締めるべきではない。特に、右手の親指と人差し指は鋭敏でなくてはならない」

私(編者)は左手はパーム、右手はフィンガーというグリップをしていました。それでパット総数23のラウンドをしたことがあるのですから、悪いわけはありません。あるラウンドの9ホールで、Stan Utleyが推奨する両手パームのグリップを試しました。別段目の覚めるような成果が得られなかったので、後の9ホールではいつものグリップに戻しました。数ストローク良くなりました。私には右手フィンガーが合っているのか、単なる慣れの問題か、まだよく分りません。

Stan Utleyは逆オーヴァラップ・グリップで、私はレフトハンド・ロー(俗称クロスハンデド・グリップ)です。レフトハンド・ローはそもそも右手のパワーを殺すのが目的のグリップですから、右手までパームにしてしまうと弱過ぎるのかも知れません。1 m位のパットでは両手パームも有効ですが、8〜10 mの距離となると右手はフィンガーの方がいいようです(レフトハンド・ローの場合)。この件は継続課題とします。

(June 22, 2006)


パンチ・ショット

私のホームコースのNo.14(下りの130ヤード、パー3)は、私の苦手なホールです。別段難しいレイアウトでもないのですが、いつも結果がよくありません。ひどい時は右にせり出している松林にキンコンカンで、よくてもグリーン左の坂を転がり落ちて急な打ち上げとなります。見事にオンしたこともあるにはあるのですが、ミスしたケースの方が圧倒的に多い。

最近のLPGAトーナメントを観ていると、Michelle Wie(ミシェル・ウィ)がパンチ・ショットをするのが目立ちます。ショート・ホールのティー・ショットやショート・アイアンでグリーンを狙う時に多用していて、真っ直ぐ飛んでグリーンへと駆け上がります。そこで思い出したのが「広木さんの80を切った、その日」でした。もう二年も前の記事ですが、「低いボールは曲がらない」というtip(tips_80.html)を読んだ広木さんが、ドライヴァーに応用して見事80を切られたというリポートでした。

《低いボールは曲がらない》のであれば、例のNo.14でもMichelle Wie風に応用出来るのではないか?ある日、私は1クラブ大きい6番アイアンで、ボールをスタンス中央に置き、短いバックスウィングから1/2のフォロースルーで打ってみました。これは距離はよかったものの、やはりグリーンの左へ行ってしまいました。

次のラウンドで、今度はボール位置はスタンス中央よりやや右側とし、スウィングのリズムに注意しながら前と同じスウィングをしてみました。大成功。ボールはグリーン手前に着地し、ピン数メートル手前まで転がりました。もし、ピンが奥であったら、もう少し早く腰を動かす必要があるでしょう。確かに「低いボールは曲がらない」です。

【追記】その次のラウンドでも、同じ方法で1オンしました。そのまた次のラウンドではNo.14では駄目でしたが、No.8(上りの125ヤード、パー3)で同じ手法、同じ6番アイアンでピン傍1 mにつけました。

【追記2】その後No.14のピンが奥になりましたが、「早く腰を動か」しても駄目で、1クラブ上げて1/2のフォロースルーをしたらうまく行きました。

(June 25-26, 2006)


Stan Utley(スタン・アトリィ)のパッティング・アドレス

Stan Utley(スタン・アトリィ)はPGAツァー・プロ兼コーチ。多数の有名ツァー・プロに「アーク(弧)パッティング」を指導し、優勝に導いています。

'The Art of Putting'
by Stan Utley with Matthew Rudy (Gotham Books, 2006, $25.00)

「・スタンスは肩幅か、それより狭め。

・上半身は腰から折る。背骨を曲げて前屈みになるのではない。過度にアップライトな姿勢もよくない。

・両肩はほぼ水平(左肩が若干高め)。

・体重は左右に均等で、爪先・踵の間でも均等に。

・シャフトは垂直。私(Stan Utley)はほんの少しターゲット方向に傾げるが、どちらでもよい。

・パターフェースはスタンスの中央。ということはボール位置はその前方ということになる。

・足をオープンにするのは構わないが、前腕部の先端はあくまでもターゲット・ラインにスクウェアにすること。

・パターは利き腕一本で持ち、利き目によってボールにセットすると方向が正確になる」

特に風変わりな点はありません。Stan Utleyは“自然であること”をモットーにしていますので、どのポイントもごく当たり前のものです。

Stan Utleyは逆オーヴァラップ・グリップ、私はレフトハンド・ロー(俗称クロスハンデド・グリップ)と流儀が異なるわけですが、上のアドレスおよび「目の位置」は全て流用出来ます。レフトハンド・ローの方が自然に両肩が水平になります。

【参照】「Stan Utleyのパットの目の位置」

(June 27, 2006)


頭を使え

「頭の使い方」(tips_59.html)と似た内容ですが、今回のは出だしが面白いので採録することにしました。これはロングドライヴ・チャンピオンのJason Zuback(ジェイスン・ズバック)をモデルにした、長距離打法の分析の一部。

'Crush it!'
by Tim Mahoney ('Golf Magazine,' July 2006)

「もしあなたのコーチが『頭を動かしてはいけない』と云う人だったら、別なコーチを見つけるべきである。頭は横に動くべきものだし、スウィングの間に捻られるべきものである。この動きは、飛距離に貴重な数ヤード増を作り出すための不可欠な役割を果たす。

頭はターゲットの反対方向へ数インチ(5〜10 cm)動き、右へ数度の角度回転すべきものである。この微妙な動きは、よりワイドなスウィング弧のための空間を生み出す。さらに重要なのは、この動きが体重移動の開始を容易にすることだ。もし頭を動かさないように努力すると、体重は行き場がなくなってリヴァース・ピヴォットとなってしまう。

頭は右足の上に行くまで横に動き続ける。体重も頭の動きにつれて追随する。頭が右足の上に到達した時、パワーはフルに充電されたことになる。

スウィングがインパクトに向かう際も、頭は右足の上に留まる。もし、ダウンスウィングで頭をターゲット方向に戻してしまうと、最も大きいパワー源の一つを無駄にすることになる。

インパクトでは頭はほんの少し上に動く。左手が突き出されるからである。結局、腕・腰・肩などが頭を前へと引っ張り、かっこ良いフィニッシュ・ポーズの位置へと動いて行く」

【参照】「頭の使い方」

(June 29, 2006)


Stan Utley(スタン・アトリィ)のアーク(弧)パッティング

Stan Utley(スタン・アトリィ)はPGAツァー・プロ兼コーチ。彼の18ホール公式競技における最少パット数は21だそうです。Jay Haas(ジェイ・ハース)、Peter Jacobsen(ピーター・ジェイコブセン)、Craig Stadler(クレイグ・スタッドラー)など、彼の教えを受けた多数のプロがツァ−優勝を重ねています。

Stan Utleyは肝心のストロークについてはあまり書くことがないようで、全112ページの彼の本の中でたった7ページしか費やしていません。シンプル過ぎて、水増しも出来ないということのようです。当サイトではいやというほど「インサイド←→インサイドのストローク」について研究して来ましたので、興味のある方はそちらも御覧下さい。

'The Art of Putting'
by Stan Utley with Matthew Rudy (Gotham Books, 2006, $25.00)

「パッティング・ストロークには二つの流派がある。一つは終始パターフェースをターゲットにスクウェアに保つ《ストレートなパッティング》である。Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)がこの流派のコーチで、プロの代表としてはLoren Roberts(ローレン・ロバーツ)がいる。この手法で成功するにはかなりの練習量が必要である。毎日何時間も練習出来るツァー・プロにはいいかも知れないが、週末ゴルファーにはとても難しい。

フル・スウィングの際のクラブフェースはスウィング弧に対してスクウェアであり、《ストレートなパッティング》のようにターゲット・ラインに対してスクウェアなのではない。私は、パッティングはフル・スウィングの小型版だという考えなので、パッティング・ストロークも弧に対してスクウェアであるべきだと考える。

そのスウィング弧はバックストロークでターゲット・ラインのインサイドに向かい、インパクト後、再びターゲット・ラインのインサイドへと向かう。パターフェースを開いたり閉じたりするような感じである。《ストレートなパッティング》は両肩を上げ下げしなくてはならないが、《アーク・パッティング》では、フル・スウィング同様、両肩は背骨を中心に回転する。

《ストレートなパッティング》では両手の小さな筋肉を使わなくてはならない。大きな筋肉を用いた身体の回転による《アーク・パッティング》は狙ったところへ正しく打てる方法であり、失敗が少なく、練習量も少なくて済む。

ストロークの最初は両肩がパターヘッドのトゥをバックさせ、右肘を折り左腕を伸ばす。前腕部だけが若干回転する。グリップエンドはほぼ静止しているに近い。インパクトでは、シャフトがやや先行するように左腕を伸ばす。フォロースルーでは前腕部を回転させつつ右肘を伸ばす(手首を返すのではない)。弧に沿ってパターヘッドのトゥがヒールをリードする。

肩や腕、肘を緊張させないこと。ソフトボールを下手投げで抛る時のように、柔らかく肩を使う。

 

《ストレートなパッティング》から《アーク・パッティング》への切り替えには、早い人で20分だが、あなたの場合丸一日、あるいは一週間かかるかも知れない。しかし、必ずマスター出来る」

「えっ、これだけ?」残念ながら、これだけなんです。しかしこれだけでも、これまでの私の“探求”が間違っていたことが分りました(次項「Stan Utleyの衝撃」参照)。

【参照】

「円弧でストロークせよ」
「インサイド←→インサイドのパッティング」
「インサイド←→インサイド・ストロークの探求」
「インサイド←→インサイド・ストロークの探求・証言篇」
「インサイド←→インサイド・ストロークの草分け」

(July 02, 2006)


Stan Utley(スタン・アトリィ)の衝撃

Stan Utleyの理論が正しければ、私が「インサイド←→インサイド・ストロークの探求」でやっていたことは間違いだったことになります。ゴルフショップEdwin Wattsの店員も間違いだったし、練習器具'Putting Arc'のメーカーが「パターを低く保ってはいけない」というのも間違い、その器具を買ったDavid(デイヴィッド)のやり方も間違いだったことになります。

何がいけなかったのか?あくまでもStan Utleyの理論が正しいという前提に基づいてのことですが、私は「振り子式パッティング」が万能という思い込みがあったため、インサイド←→インサイド・ストロークと振り子運動を(無意識に)融合させようと努力していたのです。振り子は肩を上下させる動きですから、「両肩を背骨を中心に左右に回転させる」というStan Utley方式とは真っ向から対立します。

Stan Utleyのパッティング理論には純粋に左右の運動しかないのです(上下はない)。Edwin Wattsの店員が「そんなにフェースを開いちゃ駄目」と云い、Davidが「おれはバックで自然にヘッドが上がり、ややクローズ目になる」と云っていたのを知ったら、Stan Utleyは「冗談じゃない!」と云うでしょう。フル・スウィングではバックでフェースをクローズにする動きなどあり得ない(というか、してはいけない)からです。

Stan UtleyはJay Haas(ジェイ・ハース)を教えた時に「アドレスで左肩を低くし、ストロークの間じゅう低く保つように」と云ったそうです。本の中でパター軌道の高さについて触れられているのは、ここ一ヶ所ですが、「両肩を背骨を中心に回転させる」というStan Utley方式がパターの上下運動を認めるわけがありません。となると、肩の回転に伴い、パットの距離が長くなればなるほどフェースはオープンになるのが自然です。

《アーク(弧)パッティングでは、パターを上下させない》のです。

(July 02, 2006)


スウィングのチェックポイント

イラストはお馴染みのものですが、今回の内容はDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)の説明です。

[waist_high]

'The Golf Swing'
by David Leadbetter (Dutton, 1990, $29.95)

「【バックスウィング】

・(イラストの時点では)シャフトは地面と平行であり、両爪先を結んだ線とも平行である。腕を伸ばしたりしてスウィング半径を広げることを考えてはいけない。

・仮にクラブの後端から垂直の線を下ろしたとすれば、その線は右足の外側の地面を指す。

・右腕は胸にくっついていて、右肘は右腰に近い。

・右手の掌はターゲット・ライン上で(後ろの人と)握手するような形である。

・クラブのトゥは真っ直ぐ天を指す。

【ダウンスウィング】

(若干の違いを除いて、バックスウィングの同じ位置のミラー・イメージである)

・クラブの後端は右脚の僅か後ろ(内側)に位置する。

・シャフトは地面とターゲット・ラインの双方に平行であり、両手首はクラブと90°の角度を形成する。

・右肘は右腰の丁度真ん前にある。

・クラブのトゥは真っ直ぐ天を指している」

(July 04, 2006)


フェアウェイウッドで飛ばす

'How to nail your fairway woods'
by Todd Anderson ('Golf Magazine,' July 2006)

「先ずボールを左脇の下の延長線上に置く。この位置がボールを“掃く”スウィングを可能にする。

フェアウェイウッドに関する最悪の誤解は、バックスウィングでクラブを急激に振り上げ、ボールに向かって打ち下ろさなければならないというものだ。このミスを避けるには、腰と肩の動きがクラブを自然に上方に向かわせる迄の間、バックスウィングの弧を拡張するように地面に沿ってクラブを引き摺るようにすることである。トップで左腕が右肩にかぶさるように意識を集中する。これがスウィングを縦に上げて縦に下ろすのではなく、身体に沿って回転するスウィングに変える。

クラブのロフトに仕事をさせること。バックスウィングの浅いプレーンは、クラブ本来が持つロフトを活かしてくれる。インパクトを過ぎても地面を掃くように意識し続けることが重要である」

私のホームコースのNo.11(417ヤード、パー5)は急な岡の上にグリーンがあり、私がベストのロング・ドライヴを放ったとしても3番ウッドで2オンさせることは出来ません。3番ウッドを下手に打つと、砲台グリーンの下の急な中腹にボールが止まったり、中腹を横断してどんどんグリーンから遠ざかる結果を招きます。ですから、最近私は3番ウッドではなく21°のハイブリッドでボールがフェアウェイに留まるような作戦に変更していました。

私のフェアウェイウッドが良くなったのは、上のtipにあるように地面に沿ってバック、地面に沿ってフォローを実践するようになってからです。私はもう一つアクションを追加しています。フォワード・プレスとしてクラブをボールの上をターゲット方向に少し通過させ、そこから地面を擦るようなバックスウィングへと移行するのです。

先日、このホールの二打目は残り190ヤード、急な上りですからピン迄はおよそ200ヤードです。私の21°ハイブリッドは飛んでも190ヤードなので、計算では何の心配もなく麓の平らなフェアウェイに刻めるはずでした。ところが、いい当たりのショットはグリーン手前の中腹に落下して、そのままグリーン方向へと駆け上がり、エッジから1 mにまで寄ってしまったのです。何たる誤算。何という嬉しいミス。

21°ハイブリッドが13°の3番ウッドより遠くへ飛ぶはずはないのですが、初代Tight Liesの3番ウッドより、最近の21°ハイブリッドの方が低重心で、よりボールを上げてくれたということでしょうか。《ロフトに仕事をさせろ》というのは決まり文句ですが、フェアウェイウッドの場合には特に重要なようです。

(July 06, 2006)


前傾姿勢で飛ばす

インストラクター・増田哲仁氏は「いつでも動き出せる角度のアドレス」を説きます。背後から背中を押されたら身体が前に出てしまう角度です。

『中心感覚打法』
増田哲仁・著(2006年、ゴルフダイジェスト社刊、1,800円+税)

増田流前傾姿勢の作り方:
1) 歩幅のスタンスで立つ。
2) ゆっくり頭を倒し足首から前傾する。
3) そのままでは前に踏み出しそうになったところで、両膝を曲げる(踵は地面に着くか着かないか)

私は前から押されようが後ろから押されようがビクともしない、安定した構えがいいと思い込んでいました。増田流前傾姿勢はやや爪先体重の「アスレティックな構え」と呼ばれるもので、テニス、卓球、バスケット、バレーボール、フットボール、水泳、相撲など、ありとあらゆるスポーツに共通するものです。合図やボール、相手の動きなどに迅速に対応出来る体勢です。相撲でも土俵入りなどは相手がいないので、どっしりと安定した構え(踵体重)をします。私のは土俵入り型でした:-)。

ある時、ロング・ドライヴを放とうとしてこの増田流前傾姿勢を取ってみました。確かに抵抗なく機敏にバックスウィングを開始出来ました。スウィングが軽やかになる感じです。

U.S. Women's OpenのTV中継で、プロたちのアドレス姿勢に注目していました。増田流前傾姿勢の最も顕著なプロはMichelle Wie(ミシェル・ウィ)でした。彼女の場合はDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)が指導しているわけですから、彼が公認した姿勢のはずです。他のプロは目立つほど前傾していません。Michelle Wieは、残念ながらボールを右に左に曲げていました。

私も前傾することによってスライスを出すことが多く、全てのホールで前傾はしないようにしています。前傾がよくないというのではなく、私の場合バランスが崩れてしまうような前傾になりがちなのでしょう。練習が必要です。

(July 09, 2006)


上級者のためのフック撃退策

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィング・アドヴァイザーだったHank Haney(ハンク・ヘイニィ)の本より。

[Haney]

'The Only Golf Lesson You'll Ever Need'
by Hank Haney with John Huggan (HaperCollins, 1999, $25.00)

「上級者のフックとの闘いにおける過ちは、過度にスウィング・プレーンをフラットにし、クラブヘッドを背後に置き去りにするか、過度にインサイドからボールに向かうことで、これは古典的過ちと云えるものである。

フックに悩む上級者は、ボールを左に行かせないようにするため、フラットなスウィング弧でクラブを背後に置き去りにしようとする。これはボールをフックさせるのと同じ原理であり悪循環というべきものだ。ゴルフは本能と反対のことが起るゲームである。ボールの進路の矯正は本能と闘うことでもある。

上級者はバックスウィングでは両手両腕を身体の前から遠ざけたがる。両腕が身体の回転より行き過ぎると、クラブはダウンスウィングの開始で出遅れてしまう。で、両手両腕より先に肩が逆回転を始める。上級者はここでクラブを置き去りにする。これは過度にインサイドからの、しかもヘッドが遅れ過ぎのスウィングとなる。

あなたが、真の上級者であれば、バックスウィングにおけるアップライトなシャフトの動きは、ダウンスウィングにおいて過度にフラットになろうとする傾向に繋がる。無理にアップライトにせずアドレスした時のシャフトの角度を維持して、左前腕部を回転させながらスウィング・プレーンに上げて行くべきだ。この回転はダウンスウィングで反対の動きとなり、左腕を身体の左脇に落とす。それがクラブヘッドを身体の前から追い出し、シャフトを正しい軌道に乗せてくれる」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(July 11, 2006、改訂December 08, 2015)


《ヘッドの戻りを待つ》の効果

パッティングに関するある本を読んでいましたら、「パッティングの敵は怖れと不安である。パターヘッドに意識を集中していれば、怖れと不安が忍び寄って来るのを防げる」とありました。

《ヘッドの戻りを待つ》は紛れも無くパターヘッドに意識を集中することです。いつヘッドが重力の作用で戻り始めるかを感じ取るわけですから、他のことに気を取られていては出来ません。これはパッティングばかりでなく、フル・スウィングでも同じです。

《ヘッドの戻りを待つ》は競泳や短・長距離走のスタートを待つことになぞらえられるでしょう。合図(ピストルあるいは笛の音)より早くスタートすればフライングです(規定回数を超えると失格)。ヘッドが戻る以前にダウンスウィングを始めると、予期せぬプルやプッシュなどによる失敗が待っています。

《ヘッドの戻りを待つ》に成功すると、同伴者から「実にスムーズなスウィングだ」とか「エフォートレスだ」という賛辞が聞かれます。当然ですが、ボールは距離も方向も充分満足出来るところへ飛んでいます。

(July 11, 2006、改訂June 02, 2015)


Stan Utley(スタン・アトリィ)のパット・ミスの原因

Stan Utley(スタン・アトリィ)はPGAツァー・プロ兼コーチ。Jay Haas(ジェイ・ハース)、Peter Jacobsen(ピーター・ジェイコブセン)、Craig Stadler(クレイグ・スタッドラー)など、彼の教えを受けた多数のプロがツァ−優勝を重ねています。

'The Art of Putting'
by Stan Utley with Matthew Rudy (Gotham Books, 2006, $25.00)

「・プル

ボール位置があまりにもスタンス前方だとプルになり易い。

アドレスで右の前腕部が左より高くなっていないかチェックする。

クローズ・スタンスだと無意識にパターを左に引っ張り込む。

長過ぎるパターは、ボールから離れて立つことになり、トゥが上がって左を狙う原因となる。

あまりにもアップライトなライ角のパターも左を狙う原因となる。

・プッシュ

両肩を上げ下げすると、バックストロークでパターフェースがクローズになり、フォワードストロークでオープンになる。両肩は上下させず、回転させること。【編註:Stan Utleyはアーク・パッティングなので肩を上下させない】

アドレスで左の前腕部が右より高くなっていないかチェックする。

強ばった肘や肩は、クラブヘッドをリリースさせないためプッシュを生じる。

あまりにもフラットなライ角のパターも右を狙う原因となる」

(July 13, 2006)


安全確実な寄せ

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィング・コンサルタントHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のtip。

'Fix your game in a weekend'
by Hank Haney with Matthew Rudy ('Golf Digest,' October 2005)

「グリーンまで5〜10ヤードの距離だと、昔はチップ・ショットを教えたものだ。しかし、最近は生徒たちにハイブリッド・クラブかウッドを手渡し、パッティングのようにストロークせよと教える。

セットアップはパッティングと同じである。狭いスタンスでボールはその中央、姿勢はややアップライト。これは安全確実な方法であり、最悪のミスを冒してもボールはカップの周辺に寄っている筈だ」

(July 16, 2006)


アーク(弧)パッティングへのヒント

この'Golfweek'の記事は、最近プロの間でとみに多くなったアーク(円弧型)パッティングについて紹介しているのですが、後段の練習道具の設計者の言葉がとても参考になります。そこをお見落としなく。

'Standing behind the Arc'
by James Achenbach ('Golfweek,' June 17, 2006)

「前世紀のインストラクターのほとんどは『ストレートなパッティング』を教えていた。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)メソッドとして知られるパター・フェースをバックでオープン、インパクトでスクウェア、フォローでクローズにする方式は、さんざ取り沙汰はされたものの誰一人教えようとする者はなかった。

Ben Crenshawストロークへの非難は、それが精密さを必要とし、タイミングを維持するのが困難だという理由からで、『ストレートなパッティング』の方がゴルファーには視覚化するにも学ぶにも易しいとされたのである。

2001年にミシシッピ州のレッスン・プロV.J. Trolioが「人間の身体構造からして、パターヘッドは若干カーヴする弧を描いて動くべきだ」として、'Putting Arc'(www.theputtingarc.com)なる練習道具を開発し、販売を開始した。これがアーク・パッティングの逆襲の始まりである。'Putting Arc'が2002年のPGA Merchandise Showに出品された時、あるイギリスのパッティング・コーチは「てんで見当違い」と批判した。しかし、トップ・インストラクターの一人であるDr. Gary Wiren(ゲアリ・ワイレン博士)は、'Putting Arc'の宣伝マンではなかったものの、「ヴァケーションには'Putting Arc'を持って行くつもりだ」と表明した。

同じ頃、PGAツァー・プロStan Utley(スタン・アトリィ)は、『ストレートなパッティング』がバックでパター・フェースを若干クローズ目にし、ラインにスクウェアにするため又オープンに戻す動きをすることに疑問を投げかけた。彼は'Putting Arc'とは無関係だったが、同僚のツァー・プロたちにアーク・パッティングを教えて有名になっていた。

アーク・パッティングは、ショート・ゲームの指導者Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)が『ストレートなパッティング』を教え、そのための練習道具'Putting Track'を開発・販売している姿勢と正面から対立するものであった。【編註:U.S. Open 2006の練習グリーンでVijay Singh(ヴィジェイ・スィン)が'Putting Track'を使っていました】 Dr. Gary Wirenは次のように云う。「'Putting Track'はフェースを常時ターゲット・ラインにスクウェアにする小細工を必要とする。これは自然ではない。弧を描くスウィングは自然である」

'Putting Arc'の開発者V.J. Trolioは「パターヘッドはバックストロークで若干(slightly)インサイドに、そしてフォロースルーでまたインサイドに動く。パター・フェースはバックストロークで少し(a little)オープンになり、フォロースルーで少し(a little)クローズになる」と説明する。彼は"a little"を強調する。「もし、過度にオープンにしたり、クローズにしたりすると、正しい軌道(plane)ではなくなってしまう。今日のベスト・プレイヤーたちは肩でストロークしようとしている。彼らは身体のあちこちの部品を使いたくないのだ。軌道(plane)を外れたら、それは肩ではなく手首や前腕部を使っているからと考えられる」

V.J. Trolioの主張はこうだ。「シャフトはストレートに後退し、ストレートに前進する。ただし、パターヘッドはインサイド←→インサイドに動く。これが真の"straight-back-and-straight-through stroke"(ストレートなパッティング)である」

2006年のPGA Merchandise Showには、かなり沢山の会社がアーク・パッティング用練習道具を出品した。Stan Utleyも'Learning Curve'(www.eyelinegolf.com)という道具を販売している」

私は'Putting Arc'の模造品を自作しました。非常に緩いカーヴに沿ってパターのヒールを滑らす仕掛けです。その経験からすると上の記事の「シャフトはストレートに後退し、ストレートに前進する」というのは一寸違うと思います。弧に沿って滑らすのですから、当然シャフトも気持ちインサイド←→インサイドに動きます。ただ、横から見てもほとんどストレートに前進・後退して見える程度です。

私の考えですが、肩を上下させず、パターを水平に保って前進・後退させれば自然にアーク・パッティングになります。ただし、「Stan Utleyのグリップ」にあるように「肩や腕、肘(と手首)を緊張させないこと」が肝要です。最近の私の経験から云いますと、フォワード・ストローク段階では、左手首を固定する(左腕と左手を鉄筋が貫通していると思って、自由度を奪う)ように動かすといいようです。

(July 18, 2006、増補June 02, 2015)


弾道の高低を重心位置で打ち分ける

「ミドルアイアンによる高低の打ち分け」
増田哲仁(『週刊朝日百科Golf Lesson No.17』、2003年、560円)

「ミドルアイアンでは高低を打ち分け、5番を7番代わりに、7番を5番代わりに使い分けることが必要。

それをアドレスの体勢を変えることによって行なう。
・普通のアドレスから重心を左足に寄せればハンドファーストになってロフトが立つ(低い球)。
・重心を右足に寄せればロフトが寝る(高い球)。
・どちらの場合もスタンスとボール位置、スウィングは通常と同じ。

スウィング中に細工しないこの方法だと、ミスが少ない」

(July 20, 2006)


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