公開：1994
監督：Kenneth Fink
出演：James Earl Jones、Mary Alice、Joe Seneca、Nicole Leachほか
範疇：実話の映画化／TV映画／人種問題／宗教

私の評価 ：☆☆

【Part 1】

1948年のアラバマ州の州都モンガメリ。James Earl Jones（ジェイムズ・アール・ジョーンズ）演ずる説教師Dr. Vernon Johns（Dr. ヴァーノン・ジョンズ）が長い旅から帰って来た。彼はデクスター・アヴェニュー・バプティスト教会の新司祭として迎えられる。Joe Seneca（ジョウ・セネカ）演ずる長老は格式を重んじ、保守的で、白人の判事の要求に屈するようなこと無かれ主義者。Vernon Johnsは最初の日に黒人霊歌'Go Down Moses'を歌おうとして、長老を慌てさせる（この教会では、黒人霊歌は威厳に欠けるとして軽蔑されていた）。しかし、これはホンの序幕だった。

当時の南部は水飲み場、バスの乗降口と座席、映画館の座席、食堂、喫茶店などに、厳密に「黒人用」、「白人用」と表示されていて、軽率に間違えた場合でも逮捕されるか白人達から袋叩きにあった。旅をして来たVernon Johnsには、この南部の差別に苛立つと同時に、卑屈に差別を受け入れている黒人一般が我慢ならなかった。

彼は娘たちにバス利用、映画鑑賞を止めさせ、若い教会役員に感化を与えようと「白人専用」レストランでレモネードとハムサンドを頼む。ウェイターは彼がレモネードを飲み干すと、そのグラスを床に落として割る。Vernon Johnsは何杯もレモネードを注文し、ウェイターに対抗する。

Vernon Johnsの欠点は怒りやすく過激であることだった。毎週の説教でも、黒人が行動することを訴え、泣き寝入りや傍観主義的態度を痛烈に攻撃した。信者の一人の息子がリンチで白人達に殺された後、説教のタイトルは「黒人を殺しても大丈夫」となり、若い教会役員が彼の影響で抗議に立ち上がって殺された時は「警官が黒人を殺した」となった。これらは教会前の掲示板に書かれたため、白人達はVernon Johnsの白人社会への挑戦と受け止め、遂にK.K.K.の燃える十字架が教会の前に立てられる…。

TV映画ですが、とても良く出来ています。父の過激さを理解出来ず、怨んでさえいた長女が、説教の途中で父が逮捕された時、会衆の中からすっくと立ち上がって一人'Go Down Moses'を歌い出すシーンは素晴らしい。次第に歌声が重なって行きます。

(March 30, 2001)

【公民権運動関連】

・Crisis at Central High『アーカンソー物語』 (1981)
・For Us, the Living（未公開）(1983)
・Eyes on the Prize（未公開）(1987)
・The Long Walk Home『ロング・ウォーク・ホーム』 (1990)
・Separate But Equal『裁かれた壁〜アメリカ・平等への闘い』(1990)
・The Ernest Green Story（未公開）(1993)
・4 Little Girls（未公開）(1997)
・Ruby Bridges（未公開）(1998)
・Selma, Lord, Selma（未公開）(1999)
・Crazy in Alabama『クレイジー・イン・アラバマ』 (1999)
・Freedom Song『フリーダム・ソング』(2000)
・Boycott『ボイコット／キング牧師の闘い』(2001)
・The Rosa Parks Story『ローザ・パークス物語』(2002)
・Sins of the Father『父と罪　重き告発』(2002)

・公民権運動・史跡めぐり

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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