公開：1974
監督：Martin Ritt
地域：サウス・キャロライナ州
出演：Jon Voight、Paul Winfield、Hume Cronyn、Madge Sinclairほか
範疇：原作もの／実話の映画化／僻地教育／白人教師と黒人生徒達の交流

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

'The Long, Hot Summer'『長く熱い夜』(1958)、'Sounder'『サウンダー』(1972)、'Norma Rae'『ノーマ・レイ』(1979)など、数多くの“南部もの”を手掛けた監督Martin Ritt（マーティン・リット）の作品。

サウス・キャロライナ州ボウフォート。Jon Voight（ジョン・ヴォイト）演ずるPat Conroy（パット・コンロイ）は沖合いの離島の中学校の先生として赴任する。生徒は10歳〜13歳の約20名。全員黒人。校長も黒人女性で、「厳しく鍛えて下さい」とPat Conroyに鞭を渡すような硬派。

驚いたことに生徒の誰一人として自分の誕生日を知らず、自分の島が何という海に面しているのか、世界地図の中で自分はどこに住んでいるのかも知らず、プロ野球のスターも、映画スターも、要するに何も外界のことを教えられていなかった。

生徒達は"Conroy"という名が発音出来ず、彼を"Conrack"（コンラック）と呼ぶ。Conrackは生徒の注意を喚起するものなら何でも使った。ベル、写真、レコード、野外での自然観察。おまけに歯磨きの仕方まで教える。生徒との取っ組み合いも触れ合いの一つだった。

校長は、威厳に欠け生徒と同化するようなConrackの指導方針に失望する。ボウフォート本校の教育委員が参観にやって来るが、彼も生徒を抑えられないConrackの姿勢に疑問を抱く。

ある日、釣りをしていたConrackは子供の水死体を釣り上げる。黒人たちのほとんどは水を恐がって泳げないことを知る。Conrackは生徒全員を浜辺に連れて行き、ぼんぼん海に放り込んで水に慣れさせ、泳ぎの楽しさを教える。いつしか、生徒達はConrackを慕うようになり、父兄もConrackを評価する。しかし、校長と教育委員の考えは正反対だった…。

Jon Voightとしては'Midnight Cowboy'『真夜中のカーボーイ』(1969)の五年後、'Deliverance'『脱出』(1972)の二年後です。いつものような煮え切らない役柄ではなく、早口で喋りジェスチャーも大きく、活動的なConrackを熱演しています。

撮影はジョージア州のある島で行なわれましたが、本当の島はサウス・キャロライナ沖合いのBarrier（バリヤー）諸島の一つ、Yamacraw（ヤマクロウ）島と云い、南北戦争の前は米と綿のプランテーションがあったそうです。南北戦争の後は解放された奴隷達が入植し、孤立して暮していたため、独特の方言と文化が形成されました。この黒人達を"Gullah"（ガラ族）、言語・文化を"Gullah"（ガラ）と呼びます。

(July 15, 2001)

【追記】

原作者Pat Conroyの写真を御覧下さい。

http://www.citadel.edu/citadel/alumni/manhattan/patconroy.htm

Jon Voightとよく似ています。

(October 06, 2002)

【黒人の生活】

・Nothing But a Man（未公開）(1964)
・Sounder『サウンダー』(1972)
・I Know Why the Caged Bird Sings（未公開）(1979)
・Color Purple『カラーパープル』(1985)
・Once Upon a Time...When We Were Colored（未公開） (1996)
・Mama Flora's Family（未公開）(1998)
・Down in the Delta（未公開）(1998)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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