Golf Tips Vol. 85

松田さんの「80を切った、その日」

静岡県にお住まいの松田さんからのリポートです。松田さんは「振り抜く」という素晴らしいtipを過去にお寄せ下さった方。今回は悪天候とプレッシャーにもかかわらず冷静な判断で堅実なプレイを持続され、ベストハーフ、ベストスコア、そしてコンペ優勝を勝ち取られました。

時:2004年10月30日(土)
天候:雨、気温 14℃
コース:静岡県沼津市 沼津国際カントリークラブ
距離:6,052ヤード、パー:72(箱根 Par 36、天城 Par 36)、コースレート:68.9
スコア:79ストローク(箱根 44、天城 35)

当日は職場のコンペ開催日で私はその幹事を務めていました。朝から雲行きが怪しくどんよりとした雲が、今にも雨を降らせようとしていました。雲行きの観察と幹事業に朝から忙しく、プレイに集中できる環境ではありませんでした。職場のコンペというと「雨はいやだ」と言い出す輩が必ずいます。ここまで来たんだからとりあえずスタートしましょう!と鼓舞し、なんとかスタートに漕ぎ着けました。

四番目のホールから完全な雨となり、前半はボギーペースから一つ凹ませた44ストロークで、何の変哲も無いゴルフでした。パー4、ボギー3、ダボ1、トリ1、16パットで昼食をむかえ、生ビールに蟹ラーメンをすすり、後半スタートへ。

とっくに80切りは諦め、90切りを狙うゴルフの筈でした。ところが濃霧で何も見えない中、パー、パーと始まり霧が晴れた三番目のPar 4打ち下ろしの293ヤードは、ドライバーでピン1.5mへワンオン!さらにパットも一発で決め、生涯初イーグル!その後の三ホールもパーで、後半のスコアは2アンダーで残り三ホールを迎えました。

前が詰まっていたので、ここで売店へ行き一寸休憩。そこでスコアを数えてしまいました。90切りどころかこのまま行けば、とっくに諦めていた70台も狙えるではないですか。ところがここから大変なプレッシャーが始まってしまったのです。

外は相変わらずの雨模様。上がり三ホールはPar 3、Par 5、Par 4です。しかもPar 5はホール・ハンデ 1で一番難しいホールでした。Par 3は5アイアンのティーショットをミスしボギーにしてしまいました。これでまったく余裕がなくなりました。問題のPar 5はドライバーをうまく打てれば、OBゾーンを越えて2オンも可能な所へ行きます。しかし雨でアゲインスト、右OB、左林谷底という状況下なのでドライバーを諦めスプーンもやめ、もっと確実なクリーク(5番ウッド)で打ちました。二打目もクリーク、PWで3オン、計画通りパーをものにし、続く最終ホールもパーオンしドキドキの最終パットを入れ、悲願の79達成。ハーフ1アンダーのオマケつきで、ベストハーフ、ベストスコア、初イーグル、おまけにコンペも優勝(ベスグロも獲得)と最高の一日になりました。

ちなみに後半はパーオンは4回、14パット、35ストロークでした。前半とは別人のゴルフを展開できたのはなぜでしょうか?私にも分かりません。その時は突然やってきたのです。

今年はゴルフの上達を感じた年でした:
・ホームコースでの16ラウンドで平均パットは1.76でパッティングに自信がついた。
・7月から9月までの12ラウンドすべて81〜85のスコアで回れ80切りは時間の問題だった。体調が良くなった。

ところが10月に入った途端5ラウンド連続の90台で「どうしちまったんだ」状態でこの日を迎えたのであります。

では何が役に立ったのか?常に心掛けていたことは、

・目標にフェースを合わせたら飛球線に対してシャフトが直角になるように構える。
・グリップはソフトでスウィング中に右手の親指をずらさない。
・できる限り早くヘッドをプレーンに乗せる。
・ダウンスウィングからは何も考えずフィニッシュをしっかり取る。

それ以外には、

1999年11月3日に高野さんが公開された「自己暗示」のコピーを読み返す。私は当時プリントアウトしたコピーを今でも財布の片隅に入れて時々読み返しています。この内容はすばらしい!これは事実ですよ。中身を一つ一つ理解して行くごとに、ゴルフが上達して行きました。

今年になってからは'Tour Tempo'がカギになりました。スウィングスピードが確実に上がったからです。私の80切りには高野さんの日記が、かなり役に立っていることは紛れも無い事実です。

90台連発という泥沼を脱出し、五年掛かりの悲願を達成できた喜びをひしひしと感じています。このサイトと出会って本当に良かったと思います。

【参照】
松田さんの「振り抜く」
「自己暗示」
'Tour Tempo'

(November 03, 2004)

インドのゴルフ

インドにお住まいの山石さんからインドのゴルフ事情をお寄せ頂きました。ゴルフ場に孔雀が群れているという天国的なイメージに圧倒されます。インドのお国ぶり、宗教、身分制度の実態なども簡潔にお伝え頂いています。

私がインドに赴任したのは2002年の春で、ムンバイ(旧ボンベイ)という街です。この街はインドの商業、金融の中心地で、地価が異常に高く、東京やニューヨークと肩を並べるくらいです。私も家を探すときには本当に苦労しました。またゴルフ場は三つくらいあるのですが、日本人が利用するのは一つで、そこは18ホールでパーが61だったと思います。パー5はなく、日本の河川敷のコースのようでした。ただ、コースの隣にスラム街があり、そこにボールを打ち込むと、ボールが当たったと言われ金をせびられるという話を聞いたことがあります。私もそこで数回ラウンドしましたが、フェアウエイの真中に打ったボールをスラムの子供に持って行かれた経験があります。グリーンは雨季に備えて全部砲台です。雨季にラウンドしたときはまるで違うコースになってるのでびっくりしました。いくつかのホールが浮島のグリーンになってました。あるショートでは左右から木がせりだしていて、上からは狙えません。低く転がして攻めるしかないコースでしたが、雨季にはそこが水びたしです。どうやって攻めろというのでしょうか?またここのキャディーのほとんどは裸足で、たまにゴムサンダルを履いてるのもいましたが、とてもゴルフをやる環境ではなかったと思います。ですから私もムンバイにいるときは、あまりクラブを握る気にはなりませんでした。

[India]

ちょうど一年前にニューデリーへ転勤になりました。インドが英国に占領された時の首都はコルカタ(旧カルカッタ)でしたが、1911年にニューデリーに遷都されました。各国の大使館が集中している政治の中心地です。日系企業が多く進出していて、日本人も2,000人くらいいらっしゃるようです。ここには非常にすばらしいゴルフ場が多く存在します。初めてここのゴルフ場へ行った時びっくりしました。キャディーが制服を着てるし、靴も履いてます。電動カートもあるし、練習場は芝から打てますし、コースのメンテナンスも最高です。周りにスラムもありません。それからはゴルフに熱中する日々が続き、現在に至ってます。

インド人のイメージというと男はターバン、女はサリー、いつもカレーを食べている、という感じでしょうか。実際、ターバンを巻いてるのはシーク教の男性で、彼らは髪の毛とひげを一生切らないそうです。ただ全人口では七割くらいがヒンズー教で、彼らはベジタリアンでターバンは巻いてません。残りの二割がムスリムでその他にキリスト教徒やシーク教徒、仏教徒、拝火教徒がおり、一口にインド人はこうというもの、と云うのは難しいくらい、混沌とし雑多な感じを受けます。ビジェイ・シンはフィジーの出身ということになってますが、オリジナルはインドのシーク教徒です。たぶん先祖がインドから渡ったんだと思いますが、シン(正しくはスィン)という姓がまさにそうで、彼はインドでは非常に人気があります。

カーストという身分制度の影響はまだ大きく残っており、例えば運転手でもカーストが高いから自分で車は洗わない、というのもいました。安い給料の中から金を払って洗車する人間を自分で雇ってました。人口が多い国ですので、うまくワークシェアリング出来てるのかも知れません。ゴルフ場のクラブハウスで着替えてるとびっくりすることがあります。従業員をまるで自分のサーヴァントのように使うのです。服をどんどん脱いでいって、自分では片付けずに従業員に片付けさせます。最初は何様だ、と思いましたが最近ではすっかり見慣れた光景です。

インドにおける生活環境を手短かに記します。停電はしょっちゅうあります。先頃サッカーのジーコジャパンがコルカタでW杯の予選を行い、ハーフタイムの停電で大騒ぎしてましたが、あんなのは日常茶飯事です。日本のマスメディアが騒いでるような、アウエーの策略でも何でもないと思います。あれがインドなのです。治安は最近安定してますが、二年前はパキスタンとの緊張が高まり、私も日本へ一時退避しました。あの時は国境に両国で100万人の兵士が対峙したそうです。想像しただけで恐ろしくなります。日本の自衛隊は全部で14万人しかいないのですから。一番気をつけるのが衛生面です。どんなに気をつけてても、ここに一週間滞在すれば下痢はします。日本からの出張者はよく悩まされてます。あとは病気ですが、HIVの感染者数、狂犬病での死者数等が世界一だったと思います。最近はデング熱も流行って来てるようです。先日帰国したときに友人にインドのデパートはどんな感じ?と聞かれました。デパートはありません。基本的には市場で買い物です。私は汚いと聞いてるので行ったことはありません。売り物にハエがたかっていて真っ黒になっているそうです。肉は鶏肉しかありませんが、冷蔵庫が発達してないので、生きてるのをその場で絞めてくれるそうです。

インド人でゴルフをやってるのは本当の金持ちのごく一部だと思います。あとは外人、特に日本人と韓国人が目立ちます。地元ゴルファーの特徴は、謝らないということでしょうか。後ろの組から打ち込まれて、インド人に謝られたことはありません。なぜなのかは不明です。

ニューデリーには七、八ヶ所のゴルフ場がありますが、面白いところがあります。まず、場内に野生の孔雀がいます。それも、沢山います。孔雀は雑食でコブラも餌にしてるそうなので、当然コブラも場内にいるはずです。私は一度、池際にボールを打ち、そこで緑色の蛇を踏んづけたことがありますが、まだコブラは見たことがありません。コブラの天敵たるマングースを見たことがある人もいます。日本のゴルフ保険は、コブラに咬まれた場合もカバーされてるのでしょうか。ちょっと心配です。

私の所属してるコースの年会費は21万円くらいで、家族も全員含まれます。キャディーフィーは1ラウンド360円。カートフィーは18ホールで1,900円程度です。ただコースにはサウナ、プール、フィットネスジム、テニスコートも付いてますので、非常にお得な感じがあり、コースへ行けばインドにいることを忘れられるので、我が家族にとってはオアシスになってます。ただ私の休日は日曜だけですので、週一回のラウンドしか出来ません。

ニューデリーのコース自体は非常に気に入ってるのですが、キャディーは結構いいのを探すのが大変です。私も最初はそうでしたが、聞いても無駄と思いつつ、残りの距離やラインを聞いてしまいます。すると分からないのに平気で勝手なことを自信たっぷりに言うキャディーが多いのです。私は何回もインド人の言うことを信じて、痛い目にあってます。公私両方で。私も気が短い方ですので、キャディーに腹を立ててスコアを崩して行くことがありました。また、途中でキャディーを帰した人も見てます。とにかく、ここではいいキャディーを見つけて専属にするか、何も聞かずに自分で判断することが重要です。私ではないのですが、真夏にキャディーからクラブをヘッドの方から渡されて、なぜグリップのほうを向けて渡さないのかと質したところ、「熱いから」とキャディーに言われたという漫才のような話もあります。日本のようにキャディーさんにホスピタリティーを期待してはいけないのです。

ゴルフ場の周りは砂漠というか土漠地帯で寒暖の差が激しく、真夏は摂氏50度近く(もっとも、法律で50度を越えると工場等を閉鎖しなければならないので、公式最高気温は一度も50度を越えてないそうですが)になる一方、真冬は3℃くらいになります。日本人は3℃の中では問題なくゴルフ出来ますが、50℃は大変です。本当に命がけのゴルフといっていいでしょう。したがって、私は身の安全のために絶対カートを使います。水は3リットルくらい持って行きます。ただ体力はあっても集中力をキープするのは難しく、後半のスコアはボロボロになることがままあります。まさにゴルフは修行です。

【おことわり】画像はhttp://indiangolfconnexions.comにリンクして表示させて頂いています。

(November 07, 2004、改訂January 03, 2017)

Moe Norman(モゥ・ノーマン)の半生

ストレートなボールをしかも狙った通りの場所に打つので“パイプライン”という異名がついたという、カナダの伝説的ゴルファーMoe Norman(モゥ・ノーマン、1929年生まれ)が最近亡くなりました。飛ばし屋Sam Snead(サム・スニード)でさえ刻まなくてはならなかった小川を、橋の上を転がしてボールを向こうに渡したという名人です。アマチュア優勝多数、カナダ・ツァー優勝27回、アメリカPGAツァー優勝11回、コース・レコード多数。Moe Normanの形容詞には様々あって、“奇人”、“変人”というのもあります。しかし、それは彼がシャイで、多少“裸の大将”的なところがあったり、貧しくてゴルフ用品や旅行に遣うお金が無かった故ということもあるようです。彼のスウィング・スタイルはNatural Golf(ナチュラル・ゴルフ)というゴルフ・スクールのメソッドとして受け継がれています。以下は彼が亡くなる前に'Golf Digest'誌がインタヴューした内容の一部。

[Moe]

'My Shot'
Interviewd by Guy Yocom ('Golf Digest,' November, 2004)

「十代後半にあちこちのアマチュア・トーナメントに参加した。ヒッチハイクで町から町を転々とし、寝るのはバンカーの中だった。笑いものにされたが、26歳ぐらいになる頃まで誰も助けてくれなかった。

1950年代もプロになるお金が無かったので、アマチュアに留まっていた。トーナメントに出る資金は、冬の間にボウリング場のピンをセットする仕事で稼いだ。当時は五本のピンだけだったので、私は一度に四つのレーンを担当し、誰もが驚くような速さで仕事をこなした。

私はゴルフ・ボールが駄目になるまで使った。バラタの糸巻きボールは五ラウンドで壊れるか柔らかくなってしまった。そうなると、薮をかき分けて新しいボールを探した。

1980年代と90年代、カナダのツァーはスポンサーがいなくなってしまった。この時期、私は車でアメリカを転々とした。ある日、フロリダのPGAマーチャンダイズ・ショーのTitleist(タイトリスト)のブースにいた時、TitleistのCEOだったWally Uihleinがやって来て、「あなたはまだ我々の会社のロゴがついたヴァイザーをかぶっているし、我々の製品であるFootjoyの靴を履いている。しかも、我々のボールを40年も使っている。うちの会社の誰かがあなたのために何か配慮してるだろうか?」と聞いた。私は誰も何もしてくれてないと答えた。CEOは「手を出しなさい」と云い、我々は握手をした。彼は「あなたは、今後生きている間ずっと、我々から月々$5,000を受け取ることになります」と云った。このお金とNatural Golfスクールから入るお金で、私は初めて銀行に口座を持つことが出来た。

クラブは掌で握るべきだ。テニスだって野球だって、斧やトンカチだって掌で握るじゃないか。掌は、身体の中で最も敏感な部分だ。それなのに、どうして指なんかで握るのか?指は動き過ぎるよ。

クラブを軽く握るなんてのは間違いだ。手首が効き過ぎる。しっかり持つんだ。遠くへは飛ばないかも知れないが、真っ直ぐ飛ぶ。それがゴルフってもんだろう。

ボールを打つ時、私は自分の右手は鈎爪(かぎつめ)のように感じる。右手は一切曲げない。supination(掌を下向きに回転させる)やpronation(掌を上向きに回転させる)とかはやらない。フォロースルーでは、私の両手は旗竿と握手する。

あまりにも練習ボールを打ち過ぎるので、三セットのアイアンを駄目にした。グルーヴ(溝)が無くなり、やがてスウィートスポットに銅貨大の凹みが出来た。そのせいでボールは妙な飛び方をし始めるが、どっちみち平らでないフェースはルール違反だということで使えなくなった。

チタン製のドライヴァーで、私は35歳の時より遠くへ飛ばせるようになった。こういうのは好かん。私が100歳になって現在の私より飛ばしたいと思うだろうか?ノー。それは正しいことじゃないよ。ボールをピュアに精確に打つことが価値あることなんだ。遠くへ飛ばすことじゃない。それを忘れちゃいかん。絶対に」

Moe Normanは生涯独身で家も電話も持たず、亡くなるまで車の中や公園のベンチで寝るような生活をしていたそうです。75年の生涯でした。

【参考】Moe NormanのNatural golf

(November 09, 2004)

賢者の贈り物

'The Doctor and the Lawyer'
from ('Chicken Soup for the Golfer's Soul 2,' Health Communications, Inc., 2002, $12.95)

「弁護士と医師が数年もの間定期的にラウンドしていた。二人は互角の腕前で、ライヴァル意識が鮮明だった。

ある年、弁護士の腕前が飛躍的に上達し、医師は負け続けた。医師も上達しようと努力したが、徒労に終わった。しかし、彼はいいアイデアを思いついた。彼は本屋へ行き、三冊のゴルフの技術書を購入し、弁護士に誕生日のプレゼントとして送った。

二人がまた互角に戻るまでに、そう長い時間はかからなかった」

(November 09, 2004)

フェアウェイを広げる

'Real Golf'
by David Gould (Andrews McMeal Publishing, 2002, $10.95)

「以下は'Golf World'誌の“1998年ベスト・コース設計家”に選ばれたあるコース・デザイナーからわれわれゴルファーへの助言である。

あなたがストレートなボールを打つ人なら問題ない。しかし、もしあなたがショットの65〜80%をフェード、スライス、あるいはプッシュするタイプなら、次の二点を肝に銘じること。

・フェアウェイの真ん中(あるいはPar 3のグリーンの真ん中)を狙ってはいけない。
・ティー・グラウンドの真ん中から打ってはいけない。

フェアウェイの真ん中を狙ったボールが右へ行けば、あなたはフェアウェイの右半分しか使っていないことになる。あなたはティー・グラウンドの右端にボールをセットし、フェアウェイの左端を狙うべきだ。こうすれば、ボールの着地点が15〜20ヤードは広くなる。たまたまボールがストレートに飛んだとしても、左のラフだから安全。予定通りボールが右へ曲がれば、ラフやハザードでなく堂々とフェアウェイに着地する。

子供だましのようなtipだが、スウィングを変えないで6ストロークは縮められることを請け合う」

(November 10, 2004)

[Cup]絨毯上のパッティング・改訂版

私の室内パット練習用のターゲットは、カップ大に切り抜いた紙の円盤です。ボールが通過すれば「サワッ」と音のフィードバックはあるのですが、円盤の中心を通過したのか、縁をかすめただけなのか判断がつかないのが難点でした。縁を通過したボールは、本番ではリップアウトする可能性大なので、まあ失敗の範疇に入るでしょう。

「Payne Stewartの頭」のようにボールを見送らない決意をした場合、ボールを見送らなくても結果が分る正確なフィードバックが欲しくなります。カップの中心を通過した時と周辺部で違う音がするのが理想です。

「絨毯上のパッティング」のターゲットに変更を加えてみました。カップの直径は4.25インチ(10.8 cm)ですから、これに合わせて紙を切り抜きます。出来た円盤にペーパー・クリップをかませ、その両端を円盤の半ばまで切り、写真のように立てます。

パットがカップの中心を通過しなければ、以前と同じ「サワッ」という音ですが、真ん中を通過すれば、明瞭に「クヮシャッ」という音がします。これなら頭を上げて結果を盗み見しなくても、十分なフィードバックが得られます。

円盤の中のさらに小さなターゲットで練習すれば、本物のカップは丼のように見えて楽勝になる筈…という皮算用でもあるのですが、果たしてどうでしょうか:-)。

【参考】「絨毯上のパッティング」

(November 12, 2004)

環境にタフになる

昔、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の親父さんは、ポケットのコインや鍵をじゃらじゃらさせたり、咳をしたり、さまざまな音で息子のスウィングを妨害し、そういう騒音を無視出来るタフネスの訓練をしたそうです。唯一、親父さんが考えつかなかったのはカメラのシャッター音を聞かせることでした:-)。

'Shrink Your Handicap'
by Phil Lee, M.D. and Jeff Warne (Hyperion, 2000, $14.95)

「カセット・レコーダーを用意する。テープに拍手だの『行け行け!』、『やったね!』とか『ワーッ』とか、様々な音声を録音する。【編者註:TVトーナメントの大喝采の音も候補】これを30分ぐらい繰り返す。

先ず、練習場や練習グリーンで、上のテープをヘッドフォンで聴きながら練習する。出来れば、テープを聴きながら数ホール廻ってみる。最初はテープの音声があなたのプレイを妨害するだろう。この訓練の最終目標はあなたがテープの音声を全く意識しなくなる状態である」

この訓練には第二部があります。それは、一緒にラウンドしている人々が自分をどう思っているかに神経質な人のためのものです。友人たちがあなたをどう考えているか想像した文句を書き出し、それをテープに録音します。例えば、

「空振りすんじゃねえか、こいつ」
「どうせチョロだろ」
「よくてスライスだ」
「全然進歩ねえんだから」
「ひでえスウィングで見ちゃいられねえ」
「ゴルフ止めりゃいいのに」
「ひどい奴と廻ることになったもんだ」
「もう、こいつとは来ないぞ」

これを電車の中とかジョギングの最中、休憩時間などに聴きます。あなたが上のような悪口雑言にむかついている間は、まだ上の文句がパワーを持っている印です。次第に(多分、四〜五回聴いた後)あなたは音声を無視出来るようになるでしょう。そしたら、ヘッドフォンをつけて練習ラウンドをしてみる。じきに音声はあなたに影響を及ぼさなくなります。この試練を通過した後は、通常のラウンドでもあなたは周囲の思惑から解き放たれ、のびのびとプレイ出来るようになっているという寸法です。

(November 16, 2004)

腹を立てる資格

筆者Peggy Kirk Bell(ペギー.カーク・ベル)はLPGAツァーで活躍し、現在は自分が所有するゴルフ場でインストラクターを務めている。

'A Woman's Way to Better Golf'
by Peggy Kirk Bell with Jerry Claussen (E.P. Cutton & Co., Inc., 1966)

「故Mildred "Babe" Zaharias(“ベイブ”ツァハリアス)は女子ゴルフ界の女王だった。

【編者註:"Babe" Zaharias(1914〜1956)はもともとトラック競技、陸上競技の世界的選手で、バスケット・ボールでも全米クラス。ほかにテニス、野球、ソフトボール、ボウリング、潜水、ローラー・スケートなども一流の腕前でした。1932年にはトラック競技と陸上競技でオリンピック金メダル二個、銀メダル一個を獲得。ゴルフでもアマ時代とプロ時代を通して82勝(うちメイジャー優勝五回)。LPGA創設者の一人。最初の名誉の殿堂入りした一人でもあります。当時の女子スポーツ界のスーパー・スターでした】

私は"Babe" Zahariasとはトーナメントで何度も一緒になったが、彼女が私にお灸をすえた文句が忘れられない。私たちは1948年頃プロ・アマの行事でラウンドしていた。私がアイアンをミスしてクラブを放り投げた時、"Babe" Zahariasはこう云った、『自分を一体何様だと思ってるの?偉大なゴルファーだから、ただの一度だってミスしちゃいけないってわけ?』私はその場で直ちに態度を改めた」

(November 18, 2004、改訂June 01, 2015)

フェアウェイのマナー

日本人にとってエティケットというのは、「実践すれば品よく見えるだろうが、あえてやらなくてもいい」という風に捉えられていないでしょうか?では「マナー」はどうでしょう?マナーは行儀作法です。どのナイフとフォークで魚を食べるか、長老(お偉方)をどこに座らせるか、紹介の順序など…これらは知らないと恥であり、正しく実践しないと馬鹿にされます。ゴルフのエティケットもマナーと考えるべきですね。マナーを守らないと人格を疑われ、昇進に差し支え、人は遠のき、ビジネス・チャンスを失うという結果が待っています。

'Golf Etiquette'
by Barbara Puett and Jim Apfelbaum (St. Martin's Press, 1992)

「・ガソリンで動くカートは400kgの重さがあり、バッテリー駆動のカートはさらに重い。急発進、急ブレーキ、急ターンなどは非常に危険である。

・90度ルールの指示があったら、ボールからボールへとフェアウェイを走ってはならない。必ず、いったんカート道路に戻ること。

・誰かが打ち終わるまではカートのブレーキを掛けておく。うっかりカートが動くとクラブがガチャ!と音を立ててプレイヤーの集中心を妨げてしまう。

・フェアウェイで「どうぞ、お先に」は無用。グリーンから遠い順番で、準備完了した人から速やかに打つ。

・前の組が遅いからといって、急(せ)かすためにボールを打ち込むのは野蛮な行為である。

・ミス・ショットが他の組の方に飛んだら、ためらわず"Fore!"(フォーッ!)と叫ぶ。その後、謝るのを忘れないように。

・自分が掘ったディヴォット・ホールを埋めるのはエティケットの基盤である。ディヴォット(飛んだ芝の固まり)を拾って穴にかぶせ、とんとんと踏む。あるいはカートに備え付けの砂で埋める。ついでに、他人が作った穴も埋めれば申し分ない。

【編者註】"divot"(ディヴォット)は、一般に“クラブで削られて凹んだ穴”と思われていますが、実は「削られて飛んだ芝生の一片」なんですね。これは皆さんの英和辞典にもそう出ています。調べてみて下さい。

・誰にも他の組を追い越す権利はない。パスさせてくれるのは好意であり、感謝しつつ受け入れるべきものだ。

・ゴルフはスピードを競うゲームではない。後ろの組に追いつかれたとしても恥でも何でもないし、彼らをパスさせるのは正しいことである。

・フォーサム(四人組)がゴルフの基本的要素であり、彼らが18ホールを四時間のペースで廻っているとすれば、それは標準の速度である。彼らが三人以下の(人数が基本の数に達していない)組をパスさせなければならない理由はない。

【編者註】しかし、常に追いつかれ、待たせ、見守られるのも鬱陶しいわけですから、後続が四人であれ三人以下であれ、常識的にはパスさせるのがお互いのためだと思われます。要するに、後続の組はパスを強要するようなスピードで追い上げず、もしパスさせてくれる合図があったら、十分に感謝の意を表明するというのが原則でしょう。

・次のホールのティーからグリーンまでガラ空きだとすれば、後ろで待っている組をパスさせて上げるべきである」

(November 20, 2004)

バーディを数える

Minea Blomqvist(ミニ・ブロムクウィスト)はフィンランド生まれの19歳の新人女子プロ。ヨーロッパの期待の新星で、“ミニ・アニカ”と呼ばれています。全英女子オープン2004で、62というメイジャーにおける新記録を樹立。現在、Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のコーチであるPia Nilsson(ピア・ニルソン)の指導を受けています。次のは、その“ミニ・アニカ”の言葉。

'Fantastic, Finnish'
by Minea Blomqvist ('Golf Magazine,' December 2004)

「私は眠りにつく時、羊を数えたりしない。バーディを数える。私はどのグリーンにもオンさせ、どのパットも沈める場面を視覚化する。こうすると、コースに行った時どうすればいいか分っている(もう体験済みなのだから)」

コーチのPia Nilssonは'54 Vision'(54ヴィジョン)という目標を掲げています。《どのホールもバーディで廻れば54になる。59が出せて54が出せないわけはない》という趣旨です。

【参考】Pia Nilssonの「瑞典式英才教育」

(November 24, 2004)

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