Golf Tips Vol. 27

コーチが書いた教師用書

'See and Feel The Inside Move The Outside'
by Michael Hebron (1984, $15.96)

出版社名も何もないので、これは著者の私家版みたいです。著者はPGAプロ(レッスン・プロ)のカンファレンスで講義をしたりしている有名人なので、きっとそういう場所で展示即売したものではないでしょうか。David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)やDave Pelz(デイヴ・ペルツ)らが推薦文を書いています。

“教師用書”と云っても、80%はアマチュア・ゴルファー向けのスウィングの分析・解説です。

著者Michael Hebron(マイケル・ヘブロン)の定義では、腕、手(クラブを含む)は「アウトサイド」で、足、脚、腰、胸、肩、頭は「インサイド」です。書名にもなっている彼の持論は"The Inside Moves the Outside"(インサイドがアウトサイドを動かす)というもの。

「健全なスウィングは遠心力を作り出し、慣性と角運動量(angular momentum)を持つ。いいショットとは、遠心力を持つ健全なスウィングの結果である。逆に云えば、悪いショットとは遠心力を持たないか、あるいは遠心力が中断(ストップ)されたスウィングの結果である。

"The Inside Moves the Outside"の例がいくつか出て来ます。

例1:1mぐらいの定規をテーブルに置く。手前の端を固定し、10cm位のところを持って右か左に動かす。10cmの所の運動量(移動幅)はごく小さいのに較べ、1mの辺りの運動量は凄く大きい。

例2:アイス・ショーで、手を繋いだ20〜30人の少女達が時計の針のように回転するイメージを思い浮かべる。外側の少女達は短時間でかなりのスピードと距離に達する。反面、内側の少女達は短い距離をゆっくりと動く。

上の各例で明白なように、インサイドがアウトサイドを動かす際、アウトサイドは大きな距離を移動する。インサイドがゆっくり動く際、アウトサイドはより速く動く。これらはゴルフに結びつく数学と物理の事実である」

'Quantum Golf'ではクラブを「ダンスのパートナーと考える」という比喩が出て来ました。今度は30人のスケーターをリードするわけで、段々比喩もスケールが大きくなって来ます:-)。

ここで野球の投球・ヒッティング、フット・ボールのパス、テニス等のアクションが分析され、全て「インサイドがアウトサイドを動かす」原理に基づくという結論が示されます。

「テイク・バックで腕を持ち上げないこと。肩の回転に伴って動くだけである(編者註:'One Move'と同じ)。テコは長いほどスピードを増す。手と腕を動かしたのでは、長いテコにならない。とにかく、手と腕を使わず、身体が上下せず、体重の移動だけがあるようにする。

ダウン・スウィングの開始では両腕を後ろに残すように努める。心配しなくても、両腕はちゃんと必要な時に到着する。腕、手、肩そしてクラブのことを忘れるのが良い。

あらゆるスポーツにおいてパワーの源は体重移動である。アウトサイド(腕と手)では体重を移動出来ない。インサイド(足、脚、腰など)によってだけ可能。

トップで作られた手とクラブの角度を維持する。この角度が崩れるのは、ゴルファーが下半身のインサイド(足、脚、腰)の動き以外に、何か余計なことをしようとする時に起る。

ダウン・スウィングはバック・スウィングと同じスピードであるべきである。スピードを増そうと努めてはいけない。

角運動量(angular momentum)は物理の法則である。ダウン・スウィングで両手、両腕は回転軸から遠ざかる動きを続ける。角運動量が先ず腕の、次に手の動きをスロー・ダウンさせる。この勢いがパワーとクラブ・ヘッドのスピードを自動的に作り出す(ゴルファーの意図した努力ではない)。ムチも手元を止めた場合に、先端が最大のスピードとパワーを持つ。ゴルフ・スウィングが角運動量を持った場合も、ボールをヒットする時に手の動きがスロー・ダウンするのである」

「何人かの優れたコーチ達は、スクウェアな腰と脚より肩が左を指すアドレスを推奨する。これはスイングのスタートで肩が左を指していることによって、より大きく自然なコイル(捻転)を作り出すと考えられる。試してみる価値はある。

クラブを『グリップする』というと、力強く握らなければいけないような気になる。クラブを『持つ』という表現が相応しい。

健全なスウィングでは、アドレスよりクラブが自然に自動的に1.3cmほど長くなり、ボールに接触した後ディヴォットを取る。これは正常なスウィングの自然の結果であり、意図してトライする必要は無い。

『アイアンは上手く打てるが、ウッドはトラブル気味』と云うゴルファーが多いが、スウィングはアイアンもウッドも同一である。短いクラブではミスが小さく済む。アイアンによる6ヤードのミスは、ウッドでは15〜20ヤードに広がるため、ウッドのミスが目立つだけである。

あなたの身体はあなたの脳が命令した通りに実行する。もし気に入らないショットが出たとしても、それは脳が作り出したショットであることを認識すること。スウィングは勝手に生じるものではなく、あなたの脳が発信したメッセージへの効率の良い反応である。

スロー・ダウンすることは昂ぶった神経への妙薬である。しかし、実際にはゴルフ・コースへ着くずっと前からスロー・ダウンすべきだ。余裕を持っているゴルファーに較べ、慌てて駆け込むゴルファーは実力を発揮出来ない。

工場労働者を対象に調べた研究結果によれば、新しい習慣を学ぶには17日かかり、古い習慣を新しいもので置き換えるには45日かかるという。学習には時間がかかるということを覚悟すること。

いいプレイヤーはフィーリングとタッチでプレイする。プロとロー・ハンデのゴルファーはいいスウィングの感覚を記憶し、次の機会に同じフィーリングとタッチを繰り返すよう、自分に教え込む。マスル・メモリとはフィーリングである。"How to"の記憶ではない」

(August 27 & 29, 1999)


振り抜く

NikeのTV CM:Tiger Woods(タイガー・ウッズ)シリーズの一つに、練習場篇というのがあります。満員の打席の一番手前にTigerがやって来て打ち始めます。300ヤード。後ろ打席の若者が、Tigerのテンポに合わせて一緒に打ちます。300ヤードへ2個。更に後ろの数名も揃えて打ち始め、300ヤードに7個。「美しく青きドナウ」の音楽に乗って、残り全員を含めてラインダンスのようなスウィングで、全て綺麗に300ヤードに届きます(Tigerがバンカーかどっか他へ移動しちゃうと、ゴルファー達のスウィングは俄に乱れ、元通りてんでんばらばらになるというのがオチ)。静岡県沼津市にお住まいの松田さんが、TigerのCMそっくりの実話を届けて下さいました。

 

ある土曜日の午後、かみさんとふたりで練習場に出かけました。いつもどうりに短いクラブから打ち始め、100球ほど打った頃のことです。いつの間にか打席に子供たちが増えてきました。どうやらその日にジュニアの大会があったようで、父兄同伴で 5、6人ほどが打席にいました。 私の後ろの打席には中学生位の女の子がいます。彼女はたぶん7アイアンだと思いますが打ち始めました。子供だからどうかな?と思い見ていたらポンポン打つじゃないですか。しかもフォームがとてもきれい。無駄がなくスムーズにスウィングしています。で、ボールの行方はというと、130ヤード先のピン方向に結構良く飛んでいきます。しかも高弾道で攻めてます。次に5アイアン(これは確認しました)で170ヤード先のピンめがけて打ち出しました。さすがに距離は届きませんが、方向性はなかなかなものです。距離は150ヤードくらいでしょうか。次にドライバーを打ちました。距離は200ヤードですがこれまた方向がいいんです。間違っても大きくスライスして横のネットに当たるなんてことはありません。

彼女はけっして身長が高いわけでもなく、女子プロのような(失礼)たくましい体格でもありません。よくいる普通でちょっと細身の中学生です。でも顔はとてもかわいらしかったです(将来のためにサインを貰っておくべきでした)。

彼女の後ろの打席にいたオヤジ(失礼:おじさん)は結構うまかったのに、彼女が打ち始めてからさっぱり当たらなくなりました。良く見るとその後ろのおじさんもです。もっと良く気がつくと彼女の前の打席のオヤジ(これは私自身でした)もさっぱり当たらないじゃないですか。中学生の分際で生意気だと思い、これが大人のゴルフだ!てな感じで彼女と張り合ってしまったのが自分のスウィングを崩すことになったみたいです。よく練習場で同じくらいの実力の他人と飛距離を競って、だんだんオーバスウィングになり調子を落としたなんて経験があると思います。

 

あまりに調子が悪いので、ジュースを飲みながら彼女や他の打席の子供たちを見ていました。そこで気づいた事は彼らは皆一様に振り抜いていると言う事です。振り抜くって自分もやっていると思っていました。ところが彼らはフォローの腕が首に巻き付くくらい振り抜きます。デュヴァルみたいにね。でも決してオーバスウィングではなくコンパクトなトップから大きくフォローをとっているのです。しかもゆっくり振っています。子供は身体が柔らかいからああなるのかなとも思えましたが、その他大勢いる大人たちを見るとインパクトばかりに気を使い肝心なスウィングが出来ていないように思えました。だから身体が小さい子供たちの方がスウィングが大きく見えました。やれトップだダウンだと形にこだわる大人たちより、子供たちのほうが素直にのびのび打っているんです。しかも楽しそうに。

私が所属するクラブの会報に、アメリカのとあるゴルフ・アカデミーで教えられたことについての記事がありました。そこではグリップは "hold"、インパクトは"contact"と表現し、受講者に対して決して力が入るような言葉を使わないとか。ヘッドスピードはクラブヘッドがボールを過ぎた直後に最大になるとし、最大スピードを生むためにはゆっくりスウィングしなさいと教えるそうです。正しくプレーンを描いたクラブヘッドはボールにインパクトさせるのではなく、"contact"するんだと。そんなことが書いてありました。今回子供たちのスウィングを見てこの事を思い出したのも事実です。

そこで私は彼女のフィニッシュを真似てみることにし、しっかり振り抜くことを実行しました。そうしたら当たるは飛ぶは、しかも方向も良く、すっかり調子が良くなりました。8アイアン、7アイアン、5アイアン、2アイアン(ティーアップ)すべてうまく打てます。この時の私になにが起きたのか。それは振り抜いてスウィングすることができたことだと思います。あたりまえだ!と言われればそれまでですが、あたりまえの事がなかなか身につかなくてみんな苦労していると思います。私のスウィングの持論は"Narrow stance, slow swing."です。これからそこに“しっかり振り抜く”(big finish)を入れたいと思います。この日は子供たちにスウィングを教えられた日となりました。

【編者の蛇足】

松田さんの「振り抜く」は素晴らしいTipだと思います。大人は腕力でヒット出来ても、子供達は筋肉が発達していないので身体全体を使うしかありません。大方の女子プロと似たような条件です。しかし、非力な筈の「中学生位の女の子」が7番アイアンで130ヤードとは、私と同じじゃないですか。立派なもんですね。

ここで注目すべきは「コンパクトなトップから大きくフォローをとっている」という個所です。読者のTipsベスト10の五位に選ばれた「Liselotte Neumann(リセロッテ・ノイマン)のコンパクト・スウィング」と同じです。

これを読ませて頂いてから、「私は12歳、私は12歳」という念仏を唱えてみました。12歳はまだ小学生かも知れませんが、13歳は云いにくいので12歳にしました:-)。要するに、私は子供で全身を使ってスウィングし(打つのではない)、ボールを身体で運ぶしかないということを云い聞かせる趣向です。私の場合、「振り抜く」ことだけを念頭に置くとスウィングが早くなってしまったので、「トップの間(ま)」を十分に取り、「ダウン・スウィングの開始では両腕を後ろに残すように努める」という「コーチが書いた教師用書」をお手本に、下半身のリードに任せてうまく行くようになりました。

ここのところ、練習不足とまだ不安の残る腰によってダック・フックに悩んでいたのですが、松田さんのリポートをきっかけにストレートに戻りました。松田さん、貴重なtipをありがとうございました。

(September 08, 1999、改訂January 02, 2017)


ウーマン・パワー

 

'The Power Game'
by Helen Alfredsson and Amy Nutt ('Golf Digest Woman,' April 1998)

これはLPGAツァー・プロHelen Alfredsson(ヘレン・アルフレドソン)が女性向けに書いた記事(彼女の著書'A Good Swing is Hard to Find'からの抜粋)ですが、私のような貧弱な体型の男性にも参考になる内容です。

「よりハードにスウィングすれば、より遠くにボールが飛ぶという確信が存在する。私達はみな1マイル(1.6 km)ぐらい飛ばしたいと願う。で、私達はクラブを固く握り締め、高く、早くスウィングする。そうしてボールをトップして、50ヤード進める:-)。ハードにスウィングすると、概ね掬い上げ、腕でスウィングしようとするが、この二つほどラウンドを台無しにするものは他に無い。

女性はボールを打つのにためらいがちである。ボールを地面にめり込ませるのを恐れるあまり、えてしてトップするか浅めに打ってしまう。もっとパワフルにボールをヒットしたい女性は、次の点に留意すること。

腕は身体のサポートが無ければ無力なものである。ゴルフに重要なのは、腕ではなく脚だ。女性の脚は男性に劣らず逞しいし、腕よりはずっと強靭である。脚が大切な理由は、パワーというのは全身を支えている、安定してバランスの良い重力の中心から生じるからである。だから、重力の中心が低ければ低いほど良い。私のように背高ノッポは多めに膝を曲げる必要がある。小柄な女性は何も気にしなくてよい。お腹とお尻で自分の中心を確立したら、スウィングの準備完了である。

腕は、あなたの身体から遠いほど、ボールを発進させるための遠心力を伝達する。バック・スウィングの間、左腕(左利きは右腕)を真っ直ぐにするように。トップでは多少腕が折れても構わない。どうせダウンスウィングで真っ直ぐになる。インパクトではパワーを最大限にするため、両腕を可能な限り身体から離す。

 

90以上のスコアで廻るゴルファーへの助言としては、アイアンを力一杯ヒットせず、ワン・クラブ上げなさいと云いたい。あなたのスウィングに欠点がある場合、目一杯スウィングすればするほどその欠点が大きく目立つようになる。7番アイアンが必要だと思われたら、6番アイアンを取り、やや短めに持って、少し楽にスウィングしなさい」

(September 11, 1999)


スウェイ防止

最近、Ken Venturi(ケン・ヴェンチュリ)がTVで宣伝を始めた道具に、'The Ultimate Position for Better Golf'(上達のための究極のポジション)というのがあります。見たところ、プラスティック製の楔(くさび)を横にしたような代物(尖った方がターゲットを向く)にベルトが付いていて、それを靴に嵌めるだけ。楔がスウェイを防止し、ダウンからフォローにかけてはスムーズにターゲット方向に体重が移動出来るというもの。Ken Venturiは、「今度トーナメント中継を見る時は、プロ達の右膝を見なさい。絶対に右へは動かない」とか云います。

しかし、そんなものを買う必要はありません。私が長いことやっている動作ですが、スウィング開始前に右膝を内側に絞るのです。普通、スウィング開始のキッカケはクラブを僅かにターゲット方向に動かす“フォワード・プレス”が推奨されていますが、私の場合は右膝を“フォワード・プレス”し、それがスウィング開始の合図。この絞った右膝が私のバックス・ウィングの回転軸になります。十数年前に自分がスウェイしていることを発見し、自作したTipです。

(September 11, 1999)


[Arm Down]レイト・アンコック

'Golf Digest'の1999年10月号にSergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のスウィング分解写真が出ていました。この人のレイト・アンコックは凄い。ダウン・スウィングでリグリップするので、左肩近辺へ手が下りて来た時の方が、トップよりコックの度合いが強いのです。「腕が下降し手首はコックを増す。これはBen Hogan(ベン・ホーガン)のスタイルだ」と解説されています。ただ、飛行線の前後から見ると明白ですが、アップライトなトップにもかかわらず、ダウンではスウィング・プレーンが低くなります(図参照)。つまり、往きと帰りでプレーンが変わる。それで、「オーソドックスなスウィングではない」と評されるんですね。

しかし、背丈5.11フィート(1 m 56 cm)のSergio Garciaの飛距離の秘訣は、そのレイト・アンコックにあるそうです。そう聞けば、なおさらこちらの練習意欲も湧いて来ます。

「コックをほどかずに右肩まで腕を下ろす、そこからは腕の動きは全く心配しないで下半身でダウン・スウィングを遂行する」という試みをしています。'4 Magic Moves'の「クラブヘッドのことは忘れること。手首を弾(はじ)く動きを試みるなどは自殺行為である。心配しなくてもクラブヘッドが手に追いつく瞬間はやって来て、まさにその瞬間に手首の弾く動きが自動的に現出する」、さらに「コーチが書いた教師用書」の「ダウン・スウィングの開始では両腕を後ろに残すように努める。心配しなくても、両腕はちゃんと必要な時に到着する。腕、手、肩そしてクラブのことを忘れるのが良い。トップで作られた手とクラブの角度を維持する」というのが拠り所です。

現在、左肩を顎から離すことでダウン・スウィング開始、そして下半身主導のスウィングという二段モーションで練習しています。この場合、飛距離は伸びません。その代り、Hale Irwin(ヘイル・アーウィン)の「ダウン・スウィングの最初はゆっくり」というセオリーを満足させるので、非常にステディに飛んでくれます。全体を連続させてスウィングし、さらに「振り抜く」の教訓でフル・フィニッシュを実行すると10ヤードは飛距離が増えるようです(当社比:-))。

急激でパワフルに見えるスウィングと距離・方向は同じでも、こちらは"effortless"な非常に快い後味のスウィングになります(うまくいった時はですけど:-))。

(September 16, 1999)


85%がベスト

'Long Swings = Long Shots'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' July 1999)

「常に同じ力加減でスウィングすることが、ソリッドに打ちスコアを低くする秘訣だ。これはいいプレイヤーの常識である。最大のスウィング・スピードを100とした場合、標準はその85%である。

もし10ヤード余分に欲しいと思っても100%の強さでヒットしてはいけない。強くヒットしようという意識はリズムを壊し、貧弱なショットとなり、それまで良かったスウィングを再現出来なくする原因となる。こういう場合は、余計に肩を廻すこと。リラックスし、ダウンスウィングで何も無理をしない。身体の反発力が全てをやってくれる。力加減は85%でも、遠心力とクラブヘッドのスピードが増す結果、余分のヤーデージを稼ぐに十分となる」

(September 16, 1999)


砂の器

あるトーナメント中継のおまけで、TV解説者の一人Peter Kostis(ピーター・コスティス)がバンカー・ショットの説明をしました。

彼は先ずクラブでなく手で、ボールをピンまで放り投げて見せました。これはよくある説明法。

その次がユニーク。バンカー・ショットで掬い上げるべき砂の量をビニール袋に詰めたもの(100万円の札束ぐらいだったでしょうか。あまり見たことがないので不確か:-))が用意されていて、上と同じパワーで放り投げるととんでもなくショートすることを証明します。砂は重いのですから、倍以上のパワーが必要なわけです。これは非常に解り易い説明です。

Peter Kostisの結論は、「腕をリラックスさせること。手打ちでなく、身体で運ぶこと」というものでした。

(September 26, 1999)


賢いバンカー脱出法

'5 Unlikely Shots with 5 Unlikely Clubs'
by Brady Riggs with Mike Chwasky ('Golf Tips,' October 1999)

「グリーンサイド・バンカーは、砂を多くとれば脱出失敗、薄くとればホームラン。これらを避ける単純な方法は、パターを使うこと。パートナー達が何と云おうと気にしてはいけない。この手法を恥じる必要はないし、簡単にストロークが節約出来る。

パターが使える条件としては、バンカーの縁(ふち)が低いこと、砂が固めでライが良好であること。砂の状態によってヒッティングの強さを決定する。罠からの脱出を最優先するなら、ボールの赤道より上を打つことによりオーヴァー・スピンをかけることが大切。

注意:パターを砂につけて2ペナの対象にならないように」

(September 26, 1999)


芝目を読む

U.S.オープン優勝者でショートゲームの名手Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)によるウェッジ・テクニック。

[Pavin]

'Corey Pavin's Shotmaking'
by Corey Pavin with Guy Yocum (NYT Special Services, Inc., 1996, $11.20)

グリーンの読みは、コースの駐車場に着いた時から始まる。

・どちらに日が沈むか?
 芝は日が沈む方向に伸びる。一般的に、南西方向へのパットは速い。しかし、東に池があれば双方の影響は相殺される。

・グリーンの近くに池や小川はないか?
 全ての要素が互角で、フラットに見えるパットは水のある方向に切れる。これは芝目の影響ばかりでなく、排水のために微妙に傾斜がついているせいでもある。

・周辺で一番高い山の頂上はどこか?
 山岳コースであれば、パットは頂上から遠のく方向に切れる傾向がある。

・地元の人はどう云っているか?
 初めてのコースでは地元の人の意見を聞くに限る。コースからは見えない谷に向って切れるなど、独特のクセを教えて貰える。

・上り坂のホールではないか?
 盛り上がったグリーンの場合、フラットに見えてもグリーン手前に向って切れる。

芝は垂直に伸びるものではなく、夕日か水に向って伸びる。芝目はベントよりもバミューダのときに重要になるが、どの芝にも芝目は出来る。

・グリーン中央に立って見回すと、半分は光って見え、半分は暗く見える。光る方向へのパットは順目で、速く転がる。反対は逆目で遅いので、より強く打つ必要がある。

・曇天で上のような判別が出来ない時は、ホールそのものを調べる。どこか一方が、他方より崩れている筈だ。芝目はその方向に流れている。

・芝目に横からパットする場合、芝目方向にブレイクがあるとすると、より鋭く切れる。ボールの速度が遅いと、芝目の影響は大となる。

グリーンを読む際は、あまり時間をかけないこと。『最初の一瞥がベスト』である。初めてボールの後ろから見た印象が、概ね一番正確という意味だ。ストレートに見えるラインなら、長く見過ぎて、ありもしないブレイクを創作しないように。スピードに関しては、ボールとホールの中間に立ち、横から全体の長さを見る。グリーンの低い方から見上げると、傾斜の度合いがよく分る」

【編者の蛇足】私が通っているコースは水捌けが悪く、大雨の後、グリーン周辺に水たまりが出来ます。これも重要なチェック・ポイントだと思われます。つまり、グリーンに降った雨はその水たまり方向に流れるので、その方向にブレイクがあると見ていいわけです。

どれかの要素を忘れないために、「水・勾配・芝目」というお経の文句を作ってみました。グリーンを読む前に呟き、三要素をサッとチェックします。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(October 04, 1999)


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