Golf Tips Vol. 41

左肘の研究・検証篇

東京にお住まいの平田さんから、「続・左肘の研究」がお役に立ったというリポートを頂戴しました。

東京から初めてメール致します。私が日記をつけるなら、「100を切る!」となるヘボです。

先日の「続・左肘の研究」で紹介されていた、Ben Hogan(ベン・ホーガン)の「両肘は出来るだけ近寄せる。この際、(両肘の突起はそれぞれ左右の腰骨を指していて)肘の関節の内側に出来る窪みは両方とも空を向く。窪みが向かい合ってはいけない」を試してみましたが、効果抜群でしたので御礼かたがた報告します。

「左脇を締める」はレッスン書にも書かれており、ことさら意識はしないものの普通に腋は閉じ、上腕が胸の左側面に付いていることを感じていました。

「肘の窪みを空に向ける」をやろうとすると左掌が上を向かない限り出来ません。グリップをいつもの通りにして、極力肘の窪みを上に向ける、あるいは少なくも両肘の窪みが対向しない…を意識して構えると、左腕が今までより胸の前に移動します。この結果脇は適度に締まります。この状態で、高野さんがよく言われているように肩、胸を一体にして(極力腕は意識せず)テイクアウェイすると、トップの位置が一定に収まり、切り返しもスムーズにやり易くなりました。

こんなことは、常識なのかもしれませんが、私にとっては「肘の窪みを空に向け」ようとした結果導かれた正しいポスチュアのように思えます。鏡に映して、新旧の腕の位置を比べてもほとんど差は見えないのですが、脇の適度な締まり感は明らかに違うのです。

これまで、クラブの通り道が一定せず、ダフリ、トップに悩んでいました。打球も弱々しく距離も出ませんでした。練習場では、スイングプレーンが安定したのでしょうか、ダフリがほとんど無くなりました。おかげで伸び伸びと振れるせいか、打球も鋭くなってきたようです。

グリップがほんの数ミリ違うだけで打球が変わると書かれていたと思います。私には無縁の、高等レベルの話、と思っていました。脇の、あるいは腕の位置が少し変わっただけでこんなに様子が変わるとは、本当に微妙なんですね。

一夜の夢で終わらないよう、しばらくこれで練習します。100切りが普通のことになると良いのですが。

(June 10, 2000)


リズムの研究・休止符篇

いやはや、「リズムの研究」も考えものですね。当初は、「いいリズムを追求すれば、他の諸々のスウィング・キイを忘れて伸び伸びスウィング出来るだろう」と思っていました。確かに、そういう側面も無くはありません。しかし、ここのところスウィング(特にウッド)が滅茶苦茶になって来ました。全部悪いわけではないのですが、悪いショットが出ると自信を無くし、それがなおさらショットを悪くするという悪循環です。

「百足(ムカデ)が一本一本の足の動きを考え出したら歩けなくなってしまう」という名言があります。「いいリズムの追求」というようなシンプルなことでも、自分の身体の動きを分析的に考え過ぎると「歩けない百足」になってしまうようです。

私の場合の“悪いショット”というのは、主にプル・フックです。これへの対処法として、両方のVが顎を指すウィーク・グリップ、90゜付近で止めるコンパクトなテーク・バック、右肘を身体に引きつけるダウン・スウィング…というのが効果がありますが、これらを達成しようとするとリズムがどっかへ消えてしまいます。

それと、大問題が一つ。私は喋るのはゆっくり、車の運転もゆっくりですが、歩くのは滅法速いのです。双子座ですから、人格も二重:-)、行動のスピードも一定ではないわけです。これまで、盲目的にOne-Two-Three(三拍子)でやって来ましたが、One-Two(二拍子)でもいいショットが出ることが分りました。

さあ、これでは大混乱で、とてもゴルフになりません。ここらで研究をストップし、とにかく元のレヴェルに修復したいと思います。

(June 10, 2000)


上級専用パワー・フェード

'Learn to Hit a Power Fade'
by Al Barkow ('Golf Illustrated,' november/ December 1999)

「以下のインストラクションは初心者やハイ・ハンデのゴルファーのためのものではない。ハンデ10台の半ば〜シングルにかけての人々のためのものである。【編者註:これは原文にあるもので、私が書いた文章ではありません:-)】

ゴルファー達はドローを打つ講釈は数多く聞く機会があるが、フェードについてはほとんど無い。フェードはスライスに極めて似通っており、スライスは疫病のように嫌われているからだ。しかし、フェードは偉大なプロ達が好む球筋である。Ben Hogan(ベン・ホーガン)はフェードで有名…というか、彼がフェードを有名にした張本人である。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)、全盛時のBilly Casper(ビリイ・キャスパー)もフェード打ちで、Tiger Woodsは目下習得中、David Duval(デイヴィッド・デュヴァル)は習得済み。あなたも乗り遅れないように…。

パワー・フェードの要点は次の二つ。
1) ボールを打つまで、ダウン・スウィングで右肩の高さを保持する。
2) ボールを打つまで、ダウン・スウィングで右手は左手を越えない。また、ボールを打つまで、クラブヘッドは両手を越えたりしない。

あなたは『スライス防止にインサイド・アウトのスウィングをしろ』と教えられているので、右肩を落とし、クラブを身体に近寄せてフックを出すように努めている筈だ。誰しもスライスよりフックを望むからだ。右肩を落とすスウィングの例はTom Lehman(トム・レーマン)である。これはオールド・ファッションで、古老達が“キャディ・スウィング”と呼ぶものだ。これはフックを生産する。

パワー・フェードでは単純にダウン・スウィングで右肩を高くし続ける。右肩を落としてはいけない。当面、新奇だし違和感があるだろう。右肘が身体から離れがちになり、ターゲット・ラインを横切るようなスウィングをもたらし、結果はプルかスライスになる。これを防止するにダウン・スウィングの最初で右肘を身体に引き寄せることだ。これはBen Hoganがフェードを打つ時にやっていたことである。引き寄せた右肘は往々にしてフックと関連づけられる(Tom Lehmanを見よ)。しかし、高い右肩を実現する限り、フックにはならない。

ボールを打つまでコックを維持せよ。アイアンのインパクトでは、両手は若干ボール位置より先行している。ドライヴァーでは、ボールの真上。

左手はストロング・グリップにすることをお薦めする。右手は柔らかく握り、決して左手を越えない(返さない)。

パワー・フェードは必ず左から右へ飛行するとは限らない。しかし、ボールは旅の終りで右手を向いて着地するのが普通である。

バック・スウィングを短くしてはいけない。スウィングの長さはパワーの鍵である。インパクトで解(ほど)かれる両腕と両手首もパワーの源泉だ。くどいようだが、手首を返さないように」

(June 12, 2000)


必ずボールの後ろに立て

'The Game for a Lifetime'
by Harvey Penick with Bud Shrake (Simon & Schuster, 1996, $10.00)

Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)は、教え子の女子プロの一人がパッティング練習しているのを遠くから見ていました。3フィートぐらいの短いパットですが、彼女は全部1〜2インチ、ホールの右へ外しています。

「わざとやってるのかね?とても信じられないよ」とHarvey Penickが声をかけ、「ところで、パットの前にボールの後ろからラインを見ていないようだが…」
「だって、ただの3フィートですよ。U.S. Openてわけじゃないし」
「U.S. Openだろうが何だろうが、一打は一打だよ。約束しなさい。短いパットを甘く見ないこと。必ずボールの後ろから近づき、素振りを一、二回。そしてスウィート・スポットで打つ。練習であろうが、本番であろうが…。これを守ること」
この後、彼女は十回連続でパットを成功させた。
「貴女は生涯にわたってストロークを節約する方法を学んだのだよ」

ボールの後ろに立てば、本能的にライン上に目標を見つけます。「水・勾配・芝目」という呪文も思い出すかも知れません。

(June 12, 2000)


[Triggers]引き金グリップ

右手人指し指を、銃の引き金にあてがっている形にすることを"Trigger position"(引き金ポジション)と云います。

'How to Build a Classic Golf Swing'
by Ernie Els with Steve Newell (HarperCollins Publishers, 1996, $27.50)

「この"Trigger position"を御覧下さい。これは世界中のいいプレイヤーには必ず見られるもの。グリップにもう一つの感覚的要素と、安心感、そしてパワーを与えてくれる。あなたも必ずこれを取り入れること。グリップはこの引き金の形を含めて、十分安定したものであるべきだ。クラブを前後にワッグルして、手首の関節の刺激を感じ、クラブヘッドの重みを感じ取ること」

確かに、こうすると一段とクラブヘッドの重みが判ります。

よく見ると、Ben Hogan(ベン・ホーガン)も"Trigger position"にしているようです。'Five Lessons'(邦題『モダン・ゴルフ』)に"Trigger position"という言葉は出て来ず、右手人指し指の扱いについての記述もありません。しかし、別の項で右手の親指と人指し指をクラブから離して(右手は中指と薬指だけで握って)スウィングする練習が推奨されています。これは両手の一体感を醸し出すそうです。

マジック・コックでお馴染のJoe Dante(ジョー・ダンテ)も"Trigger position"を勧めます。

'Four Magic Moves'
by Joe Dante with Len Elliott (Doubleday, 1995, $12.95)

「右手人指し指は中指から若干離れ、クラブ下方に鉤(かぎ)型に曲げられる。必ず親指の遥か下でなくてはならない」図は右手グリップの完了直前で、このまま右手人指し指を軽く曲げるだけ。

John Daly(ジョン・デイリイ)も"Trigger position"を実行しています。Ernie Elsに較べ、John Dalyはかなり伸ばしているように見えますが、別の角度から見れば似たような形です。この人の場合、トップでクラブが垂れ下がるほどなので、クラブヘッドの重みが感じ取れるかどうか疑問ですが。

(June 14, 2000)


クラブに仕事をさせる

「続・自分を騙す」は数日前の出来事でした。昨日は同じホールでティー・ショットが残り190ヤードまで達しました(10ヤード増)。快晴・無風、若干湿度が高め(これは飛距離を減ずる)という日で、スコアカード上では263ヤード飛んだことになります。私としては新記録です。

で、昨日も前に誰かいたかというと、そうではありません。視覚化で幻影を作り出したわけでもありません。御説明しましょう。

出だし二ホールで水難に遭い、この日もいいスコアは望めないと諦めました。となれば、何かテーマを設けてそれだけでも達成したいところです。最近の不調は折れた左肘にあるのではないかと推理し、左腕を伸ばすことを本日のテーマに設定。ところが、これでも復調しません。

No.6でのこと。トップでクラブヘッドが“戻りたがっている”という瞬間を感じ取りました。クラブが戻りたがっているわけですから、それに便乗したダウン・スウィングがパワフルでない筈がありません。ヘッドの「グヮシッ」という音と共に、快い弾道のナイス・ショットが実現しました。これまで「トップの間(ま)」という表現をしていたのですが、単純に時間としての間(ま)を置くのではなくこのようにクラブの(重力による)戻りを待ち、それをプレイヤーが助けるというのが正しいようです。

【参照:Dean Reinmuthの振り子の原理

腕主体のスウィングにおいては、クラブの出番はありません。全て人間がコントロールしてしまいます。クラブがダウンしたがっている瞬間を知るということは、クラブの存在を認め、クラブにスウィングへの参加感を与えることを意味します。クラブがキューを出し、人間がそれを助ける。ここにクラブと人間の労使(?)一体感が生まれ、最大の生産性向上が期待出来ることになります:-)。

以後OUT後半はほぼ復調し、前述のNo.9における新記録。INでは「ヘッドの戻りを待つ」をアプローチ、パット等全てに適用し41まで盛り返しました。まあ、パット総数26なので(1パットが10個)、相変わらず寄せワンに助けられている感じですが。

そうそう、もう一つ工夫したことがあります。右手のグリップは中指と薬指に任せ、親指と人指し指はほとんど添えるだけにしたこと。"Trigger position"(引き金グリップ)を適用したわけです。こうすると、一段とクラブヘッドの重みが判ります。

普通、「クラブに仕事をさせろ」という格言は、「クラブ固有のロフトと距離に全てを委ねて、小手先で余計なことをするな」という場合に使われます。トップでクラブヘッドの重みを感じ、それをダウン・スウィングのきっかけとすることも又クラブに仕事をさせるということではないでしょうか?

(June 14, 2000)


虎の照準

二つの写真を御覧下さい。左は本年4月30日に 「パットの照準」として御紹介した時の写真。右はU.S. Open 2000 三日目(6月17日)のTiger Woods(タイガー・ウッズ)のボールです。奇しくも殆ど同じ長さのラインが描かれています。違いは、私のボールがTaylor Made、TigerのがNike…というだけ。

天才的な感覚だけでパットしているわけではなく、こうしたTipにも助けられているんですね。

[Line][Tiger's ball]

(June 18, 2000)


[My impact]左肘の研究・インパクト篇

写真は上がショート・アイアン、下が5番ウッドです。姿勢が屈んでいる、立っているという違いはクラブによるものです。

問題はまたしても左肘です。上の写真はチキン・ウイング程ではないにしても、左肘が真っ直ぐ伸びていず全然誉められないインパクトです。「当てよう」としてこうなるのでしょうか?。最近撮ったヴィデオはずっとこういう具合で、私としては大いに不満でした。

Swing Trainerというものを買って来ました。よくある、短く重い、クラブ型の練習道具です(スーパーで$19.95)。家の外ではドーナツ型錘(おもり)でいいのですが、こっちは主に室内用として購入。U.S. OpenのCMタイムになる度にTVの前で振り廻しました。ダウンで右腕は脇につけ、伸ばさないようにしました。嫌でも左腕に仕事をさせる魂胆です。

練習場でやってみましたが、ボールの方向、軌道が安定せず、なかなかインパクトでの左肘まで気が廻りません。ここのところ、アイアンは非常に良好なのですが、ウッドはトップしたりダック・フックになったりで、全くひどい状態なのです。この時の5番ウッドも最初はそういう絶望的状態でした。

ウィーク・グリップにし、右のグリップは殆ど添える程度、トップは肩の高さに抑えるという方法を取ってから、まあまあの弾道になって来ました。左肘が意識に上って来たのはそれからです。あくまでも左腕に全責任を負わせるつもりで打ってみました。

家に戻り、シャワーを浴びてからバスタオル一枚で、ビール片手の試写会。スローにし、スウィングのトップでポーズをかけ、後は齣送りにします。「やった!」真っ直ぐの左腕。クラブとも一直線です。パワーが感じられない“超エフォートレス”なインパクトではあるものの、とりあえず現在はこれで満足です。この後も真っ直ぐの左腕が連続し、「これだよ、これ!」と一人で悦に入って乾杯したことでした。「だから、どうした?」と云われても困ります。自惚れ鏡で喜んでいるだけです:-)。

(June 22, 2000)


頭の回転

普通、“頭の回転”は早い方がいいのですが:-)、ゴルフの場合、あまりに速くて動いているのかいないのか分らないものです。最近の不調の原因を知ろうと、ヴィデオを何度も見ている間に頭の異常な動きが目に止まりました。ミス・ショットの原因は左肘とかグリップやトップの高さなどではなく、実は頭(と上半身)の大幅な揺れ動きだったようです。写真は非常に悪いショットの場合を素材に、帽子の天辺のボタンの位置をマッピングしたものです。

[moving head]

1) Address

2) Top
左肘をピンと伸ばしたテイクアウェイを心掛けたところ、「右へ、右へ」という脳の指令に引き摺られるのか、身体が大幅に右へ移動します。頭の約半分移動。

3) Down
右へ移動した頭が左へ戻るのはいいのですが、(レイト・ヒットのために)右肘を引きつけるのにつれ上半身が沈みます。

4) Impact
沈んだままでは地面を強打するので、インパクトで身体が再浮上します。我ながら器用ですなあ:-)。

いやあ、こんな複雑なモーションで安定したボールが打てる筈がありません。たまにナイス・ショットが出るのは、滅多にない偶然というものでした。

プロのコーチなどは実際にボールを打つ間、プレイヤーの頭にクラブの尻をあてがって、そこから頭が離れないように特訓します。コーチがいない人は、頭をドアや壁につけたまま、(クラブ無しで)スウィングします。これでうまく行かなければ、壁に頭をゴンゴンぶつけて自分の下手さ加減を呪うしかありません:-)。

[Robot coach]

不幸にもクラブを頭にあてがってくれる閑な友人がいないので、コーチ・ロボットを作ることにしました。古い花鉢のスタンド(鉄製)があったので、それを支柱とし、細く長い木の棒を縛りつけました。これだけ。“珍道具”ですね、いわば:-)。上下運動を防止したい場合は木の棒の先端を額につけます。右へのスウェイだけを警戒したい場合は右頬につけるだけで良さそうです。針か釘を刺しておいて、スウェイすると痛みを感じるという工夫もいいかも知れません。傷だらけになり、マゾヒズムに目覚めてしまう恐れもありますが:-)。

裏庭でやってみたところ、非常にいい感じでした。で、練習場にこのロボットを持ち込んで試してみました。「エエッ?そんなもの持ち込んでいいの?」という声が聞こえそうですが、混んでなければいいでしょう。正直云うとちと恥ずかしかったですが、あつかましい中年女性と同じ心境になって実行しました:-)。数人がチラチラ見てましたが、別に注目されるわけでも呆れられることもありませんでした。

アイアンは前からいいので、問題は5番ウッドです。スウェイと上下運動を排除しても、やはり不調のままでした。コーチ・ロボットは次の策を考えてくれないので、自分で模索しなければなりません。

数日前のラウンドで、あまりメカニクスを考えずに振りたいように振ったら良かったことを思い出しました。で、スムーズに、しかし遅すぎないように、低めのトップで左手を伸ばすことだけ注意して振ってみました。OKです。悩み出す前のストレートで高めの弾道が出るようになりました。

コーチ・ロボットが無駄だったのではなく、「不動の頭」はやはり基本だと思います。ただ、頭を不動にしただけでは駄目で、自分なりのいいリズムで打たなければいけないようです。“エフォートレス”ではあっても、ビシッというインパクトを含むシャープな振り抜きが必要なのでした。

(June 24, 2000)


胸の高さを保つ

'Swing Thoughts'
by Don Wade (Contemporary Books, Inc., 1993, $12.95)

この本は数十人のPGAツァー、LPGAツァー・プロ達から得たスウィング・キイ100項目ほどを集めたもの。七年前のものなので、顔ぶれがやや古いですが、結構いいTipが混じっています。以下は私の「頭の回転」に関係するLeonard Thonmpson(レナード・タンプスン)のスウィング・キイ。

「唯一避けたいものと云えば、スウィングの間の身体の上下動だ。これはアマチュアにも多く見られる欠陥だが、さほど注目されたことがない。このミスを冒すとクラブは絶対に同じ軌道を通らず、結果としてあなたのショットは非常に不安定になる。

Buick Open(ビュイック・オープン)1990の一日目のウォーミング・アップで、上の過ちを冒さないヒントを探していた。私が見つけたのは、胸の真ん中の一点を選び、スウィングの間中水平に保ち続けるというものだった。これは身体の上下動を防止し、ボールを理想的に打てるようにしてくれた。

私は65-71-69でラウンドし、最終日Payne Stewart(ペイン・スチュアート)とHal Sutton(ハル・サットン)の追撃を振り切って優勝した」

(June 24, 2000)


プロ的ピッチ・ショット

1995年のU.S.オープン優勝者Corey Pavin(コリィ・ペイヴン)のピッチングの秘訣。

'Corey Pavin's Shotmaking'
by Corey Pavin with Guy Yocum (NYT Special Services, Inc.)

「ピッチ・ショットにおいては、グリップ・プレッシャーを軽くする。それがボールをグリーンに放り投げる(ピッチ)感覚と距離感をもたらす。

クラブ・ヘッドの重みを感じるように。右手人指し指は銃の引き金を引く構えになっていて、クラブの重みを受け止めている。

ピッチ・ショットでは、ボールはクラブ・フェースが狙ったところへ向かってスタートする。身体の向きに沿って飛ぶのではない。

クラブを両手で軽く保持し、先ずクラブ・フェースをターゲットに合わせる。この段階では、まだ指でグリップを握り締めてはいけない。全てが整ったら(身体の向き、クラブ・フェースなど)、そこでやっと両手を閉じる。

距離のコントロールはフォロースルーの長さで決まる。

クラブを振り下ろし、インパクトにかけては、ボールに目を釘付けにする。打つ強さだけを考える。ボールがターゲットに向かい、フォロースルーがほぼ終わるまで、頭を動かさない。

両脚は出来るだけ動きを少なく。そのためには、アドレスで両足をかなり寄せておく。これによって、不要な腰の回転や体重移動を軽減出来る。さらに、スウィングの間じゅう両膝を一緒にする。バック・スウィングやフォロースルーで両膝を離してはいけない。スウィングは両肩、両腕、両手だけで行なう。

スウィングはいいテンポでリズミカルであるように。急ぐ必要は無い。

最初は直径6フィート(1.8m)の輪の中を狙う。次第に輪を小さくし、最後に3フイート(1m)にする。あまり輪が大きいと集中出来ないが、小さ過ぎても緊張が邪魔をする。3フイートが適切だ。

バンカー越えなどでは、クラブヘッドがボールの下を通過するように打つ。フォロースルーで右の掌が空を向くようにすれば、クラブフェースをオープンにし続けられる。アンダースローでボールを放るように、クラブを放る気持ち。インパクトのずっと後までクラブヘッドが両手を過ぎないよう(ハンド・ファースト)に留意」

(June 26, 2000、増補May 30, 2015)


限りなく透明に近いテイクアウェイ

Bobby Jones(ボビイ・ジョーンズ)のコーチStewart Maiden(スチュアート・メイデン)の名言:「バック・スウィングでボールを打つわけではない」これは「バック・スウィングで力んでも仕方が無い」という意味だと解釈します。お恥ずかしいことながら、私などはギリギリ歯ぎしりしてバック・スウィングすることすらあります。これは必ずミス・ショットを導きます。緊張を解く方法に、「思い切り筋肉を引き締め(力瘤を作り、拳を握り締める)、しばらくして一気に弛緩させる」というのがありますね。歯ぎしりするようなテイクアウェイはこれと同じようなもので、いざダウンとなると筋肉は弛緩してしまうのだと思います。

「限りなく透明なテイクアウェイ」と念じながら振り上げてうまく行くことが多いようです。「透明」という言葉が逸る心を冷やし、能役者の動きのようなスーッというテイクアウェイになります。溜められていたパワーは、全てダウン・スウィングで使われます。

(June 26, 2000)


続・頭の回転

「頭の回転」で御紹介したコーチ・ロボットは、私の最悪の例のように上下・左右に頭が動き過ぎる場合の矯正法です。

'Using Your Head'
by Harvey Penick ('Golf Magazine,' February 1998)

Harvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)は「フル・スウィングにおいてはバック・スウィングで右への適切な体重移動を助けるため、若干頭を右へシフトさせたい衝動にかられる筈だ。この衝動と闘うのはトラブルの因である」と云っています。ですから、多少の右移動は許されると考えていいわけです(ダウンでちゃんと左へ戻るならば…ですが)。また、インパクト以後は全体重が左に移動し、頭を含む上半身は左足の上に乗るべきなので、コーチ・ロボットからは外れないといけません。

コーチ・ロボットの土台としては写真用三脚を使う方が簡単ですね。三脚のパン棒(アーム)に棒を結びつければ、角度も自在になります。なお、棒の先で目をつつかないように、ツバのついた帽子着用が必須です。

(June 28, 2000)


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