Golf Tips Vol. 37

Sam Snead(サム・スニード)のヴィデオ

The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)は'Sam Snead: A Swing For A Lifetime'というヴィデオを販売しています。最近、それをTVで無料公開しました。ヴィデオは二部構成になっていて、前半はスウィング・コーチのJim McLean(ジム・マクレイン)がSam Snead(サム・スニード)のスウィングの秘訣を微に入り細にわたって訊き出すという趣向。全盛時代のハイスピード撮影フィルム(白黒)を使っていますから、Samの最近のシニア・ゴルフを見せられるわけではありません。後半は某スポーツ心理学者がSam Sneadのメンタル面の話を聞きます。こちらは、あまり面白くありません。

[Sam Snead]

【グリップ】

・軽く握る。固く握るとボールを弾けない。
・ヴァードン・グリップは左手が全部シャフトを握るが、インターロッキング・グリップは左手人指し指が参加していないので、弱過ぎる。

【セットアップ】

・足の爪先が上がる位の重心。
・体重は両脚に均等。
・足先は逆八の字に開く。

【バックスウィング】

・ワンピース・スウィング。
・両手が腰の高さになったら右手を折る。
・右肩の辺りでフル・コック。
・頭の上下動はいけないが、肩が廻るにつれ、少し右へ回転するのはよい(頭を無理に留めようとすると、肩の回転を妨げる)。
・左膝を両足の真ん中近辺(ボールの遥か後方)まで曲げる。

【ダウンスウィング】

・バックスウィングのスウィング・プレーンに沿って戻す。
・右腕は身体のすぐそばを通過する。
・頭はボールの後ろに留まる。
・左腕はストレートだが硬直はしていない。
・両膝は硬直させない。

【フィニッシュ】

・体重は100%左側に移る。
・最後に身体はバランス良く直立する。

【練習法】

・スクウェア・スウィングの練習として、身体の前でフルコックして両手を水平まで上げ、そのまま右へ廻す。
・クラブを短く持って、クラブの先端がお腹につくようにする。クラブと全身がシンクロして廻るようにバックスウィング。

【その他】

・フェードはオープンスタンス。軌道を視覚化する。
・フックはクローズド・スタンス。軌道を視覚化する。

(April 08, 2000)


レフトハンド・ロー・パッティングの極意

LPGAのスターKarrie Webb(カリイ・ウェッブ)によるレフトハンド・ロー(=クロス・ハンデッド)グリップによるストローク法。

'Reversal Fortune'
by Karrie Webb with Peter Morrice ('Golf Magazine,' January 2000)

[Karrie's putting]

1999年の初め、Karrie Webb(カリイ・ウェッブ)はパッティングで悩んでいました。あるトーナメントでのプレーイング・パートナーはJuli Inkster(ジュリ・インクスター)で、御存知のようにJuliはLPGAで初期にレフトハンド・ロー・グリップを使い始めた人。

「OUTの9ホールで、アプローチ・ショットは常に私がJuliよりもピンに近かった。しかし、9ホール終わってみると、彼女が4〜5ストローク少なかった。私のパッティングが良くないのは明白だった」

こうして、Karrie Webbはレフトハンド・ローのパッティング習得に励み、1999年中に優勝五回、ベスト3に9回という快進撃を見せ、LPGAにおける賞金獲得額で女王の座を射止めました。望んだようなロールが得られない人や、方向性が悪い人にはお薦めだそうです。

「以下は、私に勝利をもたらしてくれたレフトハンド・ロー・グリップの詳細。

1) パットに入る前に、既に右手親指を真っ直ぐ下に向けて、グリップ・エンドを握っている。ラインにスクウェアにフェースをセットしたら左手を添え、左手の小指を右手の人指し指の上にひっかけるようにする("lefthand overlap grip"と呼ぶ)。左手親指も真っ直ぐ下を向く。

2) このグリップは両肩を水平に保つ助けともなる。左手が下になるから肩がターゲット方向に下がるかというと、ボールがターゲット方向にあるので、実際には全く水平になる。

3) 右手を殺すことによって、両肩が動きをコントロールすることになる。これがパターフェースをスクウェアに保ち、ラインに沿ってストロークする確実さを与えてくれる」

写真で見る限り、Karrie Webbは左腕、左手首、パターを一直線にし、ほぼ垂直に構えています。右手は添えているだけで、肘から大きく折れています。

横から見ると、ボールは目の真下ではなく、若干内側です。頭は身体の中心で、体重は均等に両脚にかかっているようです。両肩は水平で、そこから両手は垂直に下がっています。

どこにも脆さが見えない、非常に安定した構えです。

(April 17, 2000、改訂May 30, 2015)


20世紀における50の偉大なレッスン

右のカヴァーでどんな本が想像出来るでしょうか?渋い色の、古めかしいレイアウトからして、ほとんど文字主体、写真はあっても白黒という感じでしょう。

[50 Lessons]

ところが、中を開けてびっくり玉手箱。全ページにカラー写真かカラーのイラストが満載されています。ゴルファーの絵本という趣です。スウィング・コーチであり、プロ・プレイヤーでもあったJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ、英国)が50人の偉大なプロを選びました。2頁を使って、各プレイヤーのプロフィールを紹介し、次の2〜4頁でそのプロから学ぶべきポイントが解説されます。David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)の'Lessons from the Golf Greats'と似た構成ですが、スウィング解説主体のLeadbetterの本と異なり、John Jacobsの方はアプローチ、バンカー・ショット、パッティング、コース戦略まで網羅されています。

'50 Greatest Golf Lessons of the Century'
by John Jacobs with Steve Newell (HarperCollins, 2000, $25.00)

Ben Crenshow(ベン・クレンショー)の項の一部は次のようです。

「私(John Jacobs)が子供の頃は、腰が痛くなるまでパットの練習をした。今でも覚えているが、ラインにストレートにパターを引き、ストレートに打つということが目標だった。Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)とGary Player(ゲアリ・プレイヤー)を見た時、私は自分の方法が間違っていたことを悟った。彼等はインサイドに引き、スクウェアに打っていたのだ。Ben Crenshowのパッティングでは"in-to-square"の動きがもっと強調されている」

Ben Crenshowは自分のヴィデオでも上のようなストローク・パス(軌道)については言及していません。「インパクトでスクウェアにすること」と云っているだけです。

John Jacobsはスウィング・コーチでありプロでもありましたから、見る目は確かです。プロ当人も気づかず、本やヴィデオにも触れられていないポイントを指摘します。私が読みたかったのもこういう観察です。

(April 30, 2000)


パットの照準

あなたのパターにはターゲット・ラインに合わせる線が刻印されているでしょうか?あったとしても、それはアドレスした時、本当にターゲット・ラインにスクウェアになるでしょうか?以下の記事はあなたを不安にさせるでしょう。

'Secret to Becoming a Great Putter'
by Al Barkow ('Golf Illustrated,' September/October 1999)

「Freddie Haas Jr.(フレディ・ハース二世)は、アマチュア時代にByron Nelson(バイロン・ネルスン)の有名な連続優勝記録をストップさせ、後にプロに転向した人物。彼はクラブやパターの工夫、発明家としても知られていた。

彼は大抵のゴルファーがパター・ブレードをオープンにし、ターゲットの右を狙うことに気付いた。人々はスクウェアに構えた場合、フェースがクローズで左を狙っているように感じる。それで正しいのだが、そうは見えない。そこで我々はフェースをオープンにし、目にスクウェアに見えるように修正する。当然、これは右へ逸れる。この傾向を補正するために左を狙うようになり、次第に錯乱状態となる。

Haasの推測では、クローズに見える現象は身体と頭の位置との関連によるシャフトのアングルが作り出すものだった。アドレスで上方からパター・ブレードを見た場合、本当はスクウェアでもクローズに見える。

彼はパターに若干右を向いた線を刻印した。この“目を騙す”工夫によって、正しくセットしても左を狙っているとは感じなくなる。このパターを色んなプロが試したが、刻印された線がスクウェアでないと見破ったのはGene Littler(ジーン・リトラー)只一人だった。

【対策】

普通にホールを狙ってアドレスする。そのままパター・ブレードを保持しつつ、身体をボールの後ろに移動する。ブレードはターゲットの右を向いていないだろうか?だとしたら、その位置でブレードを正しくスクウェアに修正する。パターを動かさずに、アドレスに戻る。フェースがクローズに見えるのではないだろうか?

これへの対策は、慣れることしかない。そのまま打つ練習を繰り返し、実際に成功するパットの実績によって、左を向いているような不快感は消滅する。それどころか、このアドレスが正確なパットを送り出すことに驚くだろう。ボールはサイド・スピンではなく、真っ直ぐなオーヴァー・スピンで転がるようになる。

'Use Ball to Letter Roll'
by Ric Moore ('Senior Golfer,' September 1999)

ボールのロゴをターゲット・ラインに合わせるというTipはよく見ましたが、TitleistならTitleistという文字列をターゲットに向けるというものでした(文字列はターゲット・ラインに沿って横に流れる)。この場合、パター・フェースを文字と直角になるようにセットします。

Ric Moore(リック・ムーア)の方法は一寸変わっていて、Titleistという文字列をターゲット・ラインに直角(縦)に置くのです。後はパター・フェースを文字列に平行になるようにアドレスします。

仮想のターゲットに直角になるようにロゴをセットするというのは、一寸難しいような気もします。好き好きでしょうけれど。

[Ball with a line]

'Perfect A-line-ment'
by John Gerring ('Golf Magazine,' May 2000)

「ルールはグリーン上でボールをマークし、綺麗にし、リプレースすることを認めている。ルールはまた、ボールに印をつけることも認めている。これらを利用しないのは馬鹿だ」

というわけで、John Gerring(ジョン・ゲリング)が推奨するのは、マジック・マーカーでボールに直線の印をつけること。メーカーのロゴより長くする。この線は正しくアライメントをセットする助けとなる。おまけに、この線はティー・ショットにも役立つ。

【参考】「虎の照準」(tips_41.html)

(April 30, 2000、増補August 17, 2018)


レイト・ヒットの研究

練習場で100発ほど打ちました。80球ほどまでは、方向はいいものの距離がいまいちでした。「マジック・コック」にしてから結構距離が出るようになったのに、どうもおかしい。

ボールが無くなりかけた頃、「どうも手打ちになっているようだ」と感じました。そこでダウンで右肘が身体に密着するまで待つという試みをしたところ、方向、距離ともに満足出来るショットになりました。

ダウンで右肘が先に下りるのは、いわゆる“レイト・ヒット”です。「マジック・コック」でフルにコックした上にレイト・ヒットするわけですから、能力の最大限を発揮している筈です(スウィング・スピードは別。私のスウィング・スピードはかなり遅いと思う)。インストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ、英国)がレイト・ヒットに言及している箇所がありました。

'50 Greatest Golf Lessons of the Century'
by John Jacobs with Steve Newell (HarperCollins, 2000, $17.50)

「神話的な“レイト・ヒット”に囚われてはいけない。これは過大に強調されている。私の見解だがアマチュアの90%はアンコックが遅過ぎる。ダウン・スウィングの過程でコックされた時間が長過ぎて、ボールの後ろで適切なスピードでリリースすることを不可能にしている。“遅いヒット”ではなく、正しいタイミングでフリーにヒットすべきだ」

'Will Sergio's swing hold up?'
by Jim McLean with Ed Weathers ('Golf Digest,' November 1999)

スウィング・コーチのJim McLean(ジム・マクレイン)が「過度のレイト・ヒットは危険である」と警鐘を鳴らしています。前月号のSergio Garcia(セルジオ・ガルシア)の分解写真で彼の凄まじいまでのレイト・ヒットが評判になり、その悪影響を恐れたためのようです。

「若い優秀なゴルファー達に共通する問題点がある。過度のレイト・ヒットと過度にインサイドからのスウィングで、この二つが一緒に見られることも少なくない。

[Late hit]

遅過ぎるヒッティングは、スウィングの底辺近くで両手がクラブヘッドよりずっと先行しているため、インパクトでクラブフェースをスクウェアにすべく手首を返さなくてはならない。この問題を抱えている人は、正確さを失いボールをコントロール出来なくなる。

TVで見たSergio Garciaのティー・ショットは右に、左にとブレていた。彼のスウィングは危険な状態と紙一重である」

確かに最近のSergio Garciaはパッとしません。キャディをコロコロと変えていますが、そんなことより自分のスウィングを見直す時期のようです。このままでは、今秋予定されているTigerとの“決闘”はケチョンケチョンに叩きのめされるだけでしょう。

Jim McLeanの記事に、SergioとJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)との比較が出ています。両手の位置が腰の辺りの瞬間が選ばれていて、Jack Nicklausの方は既にアンコックが始まっていると指摘されています。この方が遥かに正確性で優るというのが、Jim McLeanの結論です。

以上を踏まえて私のスウィングを再点検してみますと、とても“レイト・ヒット”などとは云えないことが判明しました。私の場合、良くてA(赤線)、悪くてC(緑線)であり、努力したとしても大半はB(青線)程度なのです。私はまだまだ能力の最大限を発揮しておらず、飛距離を増大する余地は一杯残っていることが証明されたわけです。Sergio Garciaとの差はほぼ90゜もありますので、過度になる心配は全くありません:-)。 二人とも、左腕の向こうに身体に引きつけられた右肘が見えていますが、私の右肘はここ迄下がっていません。この辺の修行が必要なようです。

なお、Jim McLeanによれば、レイト・ヒットは飛距離が不足気味のスライサーにはお薦めだそうです。

(May 05, 2000)


インパクトの研究

'Will Sergio's swing hold up?'
by Jim McLean with Ed Weathers ('Golf Digest,' November 1999)

スウィング・コーチのJim McLean(ジム・マクレイン)が「Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のレイト・ヒットは危険である」と指摘した記事の後半です。

Jim McLeanが同僚と一緒に研究した結果、現代のゴルファーでドライヴァーの名手と呼べるのは、順にJack Nicklaus、Greg Norman、Ben Hogan、Byron Nelson、Sam Snead、Nick Price、Tiger Woods、Bruce Lietzke、Calvan Peete、Hal Suttonだそうです。

[Impact]

「インパクトにおいてこれら名手には三つの共通項がある。

・正面から見たとき、クラブシャフトは垂直である。ターゲット方向に傾(かし)いでいない。
・クラブシャフトは両腕と肩が作る三角形の中を指している。
・両手は極端にボールを通過していない。

Sergio Garciaの場合、両手はボール位置を遥かに通り越し、クラブシャフトは両手と肩が形成する三角形の外を指しているし、両手は太股を通過している。これらは危険の兆候である」

私の場合、上の三条件は満たしています。ただ、「逆もまた真」ではなく、三条件を満たしたからと云って“名手”ではありません:-)。

レイト・ヒットとインパクトの研究をしている間に、副産物がありました。チキン・ウィングと云うほどではないのですが、インパクトで左肘が完全に伸び切っていないことを発見したのです。まだショットに自信が無く、ボールを腕でコントロールしようとしているのは明らかです。“マジック・コック”のメリットは左肘が折れないバック・スウィングなのですから、自分のスウィングを信じ、伸び伸びとしたインパクトでなくてはいけません。この反省に基づき、ハンマー投げの選手のように左腕を伸ばすインパクトを心がけるようにしました。これに、David Duval(デイヴィッド・デュヴァル)のように、ターゲットの遥か左を指す肩、首に絡みつく両腕のフィニッシュが加われば申し分ありません。

私にとっては「マジック・コック」、「ダウンで右肘を引きつける」、「左腕を伸ばしたインパクト」と、三つも課題が出来てしまいました。これらを一つ一つ考えているとスウィングのテンポが一定にならず、非常にまずい結果になります。しかし、三つを完全実行出来ると信じられないほど距離が伸びます。私の7番アイアンは通常130ヤード(ラン込み)なのですが、150ヤード(同左)へポコンポコン飛びました。追い風参考記録としても私としては嬉しい進歩です。ただ、全部のクラブで適切な飛距離にならないといけませんので、実戦ですぐにいい結果は期待出来そうもありません。

(May 08, 2000)


ボールは内向性である

インストラクターJohn Jacobs(ジョン・ジェイコブズ、英国)によるボール位置に関する警告。

'50 Greatest Golf Lessons of the Century'
by John Jacobs with Steve Newell (HarperCollins, 2000, $17.50)

「Bobby Jones(ボビイ・ジョーンズ)に欠点があるとすれば、それはいつの間にかボールがじわじわとスタンス後方へ後退する傾向だった。彼のコーチStuart Maiden(スチュアート・メイデン)は『ミスター・ジョーンズ、ボールをスタンスの前の方へお願いします。もっと、もっと前ですよん』とか云ったそうだ。優しく、おだてるように云わなければならなかったのは、Bobby Jonesにとってスタンスの後方にボールがある方が快適に思えたからだ。我々誰しもボールがスタンスの中央にあると打ち易いと感じる。しかし、中央にあるボールはストレートには打てない。ボールが中央にあると、プッシュかフックが相場である。“快適が常に正しいわけではない”という例の一つである。

ボールがスタンスの遥か後方だと、クラブヘッドはインサイド→アウトサイドの過程でインパクトを迎え、どのショットも右へ出て行く。遥か前方の場合、クラブヘッドはアウトサイド→インサイドの過程でインパクトを迎えるので、ボールは左へ出て行く」

ボールが内向性であるということは、私にも経験があります。1998年に旅烏のKelly(ケリイ)とプレイした時、「ドライヴァーはアッパーに打つもんだ」と云われ、「そうやってるよ」と答えたら、「あんたのボールはスタンスのほぼ真ん中だよ。あれじゃアッパーに打てない」と指摘されたのです。見て貰いながらボール位置を修正したところ、私の目には左爪先のまん前に見えるところが実際には踵の先に当たるようでした。

プレショット・ルーティーンの一つとして、私はボールの後ろに両足を揃えて立ち、先ず左足を開いてボールが左踵前方になるようにし、ついで右足を開いていました。これなら完璧の筈でしたが…。

目はスタンスの中心にありますから、そこから見るボールはスタンスの外側にあるような錯覚を与えます。困るのは、この件では鏡が役に立たないことです。鏡も身体の中心にある目から見た映像ですから、実際の位置は誰かに見て貰わなければなりません。

ほぼ一年、爪先の前方というボール位置で通し、これについては一件落着だと思っていました。ところが、昨年暮れにデジタル・キャムコーダーを購入し、早速裏庭でスウィングを撮ってみたところ、またまたボールが内側に入っていたのです。真正面から撮影したので疑問の余地はありません。Bobby Jonesと同じ病気にかかっていたわけです。だからと云って全然自慢になりませんが:-)。

(May 11, 2000、改訂May 30, 2015)


ボールは内向性である・証言篇

以前「ドミニカ共和国のゴルフ」という記事をお寄せ頂いたプエルトリコ(カリブ海)在住のけいさんから、次のようなボール・ポジションに関するリポートが届きました。

May 11の「ボールは内向性である」を拝見しました。

最近数ヶ月、ひっかけに悩まされ、肝心な所でOB、池ポチャがあって、90も偶にしか切れずに大いに悩んでいました。

もともと、ボールを中に置く「くせ」がありますが、この記事を読んで、土曜日の早朝、ラウンド前に、クラブを並べてチェックしたら、左足踵前どころか、真ん中より後ろのボール位置になっていました。早速、左足前に直して、凄い違和感と戦いながら数10球のドライバーを打ったら、ひっかけなんか一度も出ず、驚くばかりのストレートボールの連続。

コースでも違和感と戦いつつ実践してみると、ドローもひっかけもなし。今までの悩みが嘘のように、ボールは高く上がる、スコアーも軽く90を切る等、感激です。但し、いつもと違って、どうしても目標より右に球が出る(というか、戻って来ない)ので、ラフで苦労しましたが。

こんな、ど素人でも(寧ろ、ど素人だからこそか)ボールの位置で大きく変わるものですね。ボールの位置が変わる(多分数個分)だけで、悩みが本当に嘘の様になくなりました。

感謝の意を込めて・・・・・けい@カリブ

(May 16, 2000)


レイト・ヒットの研究・解明篇

大型鏡の前でレイト・ヒットの練習をしました。とりあえずは「レイト・ヒットの研究」のイラストのJack Nicklaus(ジャック・二クラス)の角度が目標。

単に右肘を身体に引きつけても、全然レイト・ヒットらしくなりません。左肩がターゲット方向に戻る動きを始めると、アンコックも同時に始まってしまうからです。よく「グリップ・エンドをボールに向かって振り下ろす」とか云われますが、これも役に立ちません。「グリップ・エンドをボールに向かって振り下ろし」ても、左肩が戻ってしまうことを抑制しないと、結果は同じなのです。

私にはダウン・スウィング初期の左肩の位置がポイントに思えました。プロ達の左肩の位置はどうだったろうか?もし、左肩がまだボールを指している位置であれば、答えは只一つ。右肘は漠然と身体の右へ引きつけるのでなく、身体の右傍の背中寄りに引きつけられなくてはならない。こうすると、クラブの角度がかなりプロ的になります。

プロ達の分解写真を見ると、ダウン・スウィングの開始で左肩がボールを指している人は沢山いました。ここ迄は正しいようです。右肘が背中寄りに引きつけられるかどうかですが、中々ダウン・スウィング開始の時点を捉えた写真が見つかりません。唯一、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィングを正面、飛行線後方から、真上、真後ろ…と、しかもそれぞれ16齣ずつあるという大サーヴィスの分解写真がありました。残念ながら、これでもよく解りませんでした。Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)は明らかに背中寄りに引きつけているようですが、彼のは極端なのであまり参考にしない方がいいようです。

[Fred's elbow]

体格の割りには飛ばし屋と云われたFred Couples(フレッド・カプルズ)を研究してみることにしました。'Fred Couples on Tempo'というヴィデオが材料です。これも正面、飛行線後方から、真上からといろいろに撮影されていますが、高速度シャッターを使っていないので、かなりブレていて判りにくいものでした。

しかし、これ迄語られたことがなかったレイト・ヒットの秘密が解明出来ました。私はFred Couplesのズボンのポケットに注目したのです。彼の右肘がポケットを越えるかどうか。アニメを御覧下さい。細部は放っておいて、肘(赤)とポケット(青)の位置関係だけに目を凝らして下さい。Fred Couplesの右肘はインパクト直前までポケットを越えていません。私が「右肘は身体の右傍の背中寄りに引きつけられなくてはならない」とした推論は正しかったのです。これがクラブの角度を垂直に近く保持する秘密です。

ただ、問題はこれが「レイト・ヒットの研究」でJim McLean(ジム・マクレイン)が指摘した「過度にインサイドからのスウィング」になりそうなことです。練習してみた結果では、確かにプルやプル・フックが出ますが、全部そうなるわけではありません。ストレートが圧倒的に多い。これは練習次第で解決出来るのではないかと思われます。

[Five golfers]

上図は各人のダウンスウィングの手の位置が近いところを選びました。驚いたことに、私はGreg Norman(グレッグ・ノーマン)と似た角度であり、二人揃ってTiger(タイガー)よりレイト・ヒットになっています:-)。まあ、偶然かウン千分の1秒の差のフレームの違いでしょうが。

しかし、私が真似出来るのはここまでです。この後プロ達によるインパクトで伸ばされた両腕、しっかりと安定した両脚、残された頭…等は、真似の出来ないパワフルさです(当然ですが)。

私のスタンスは狭過ぎるようなので、これを広げるのも課題になりました。

(May 14, 2000)


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