Golf Tips Vol. 38

[Hal Sutton]Hal Sutton

The Players Championship 2000、そしてGreater Greensboro Open 2000と、一カ月に二度優勝とはHal Sutton(ハル・サットン)もやるもんですね。'Golf Digest'名物のインタヴュー、五月号はHal Suttonの登場で、絶妙のタイミングとなりました。このインタヴューは実際には今年の初めに行われたものですが、この中で"Tiger is good, but he can be beaten."(Tigerはいいゴルファーだが、しかし勝てない相手じゃないよ)と云っています。これはThe Players Championshipの三日目を終えた段階で記者団に語った台詞でもあります。犬の遠吠えかとも思わせましたが、彼は見事に実現させました。

Hal Suttonはルイジアナ州の石油会社一族の御曹司で、1982年に彗星のように登場して同年初優勝、翌年The Players Championship、PGA Championship(メイジャー)などの優勝を飾り、1980年代の花形プロとなりました。

'The Game for a Lifetime'
by Harvey Penick with Bud Shrake (Simon & Shuster, 1996, $10.00)

テキサス州に住むHarvey Penick(ハーヴェイ・ピーニック)のもとに、ルイジアナ州のHoward Sutton(ハワード・サットン)が電話して来ました。「16歳の息子Halは毎日8時間、ラウンドと練習を重ね、現在70台で廻っている。しかし、まだ一度もティーチング・プロについたことがない。見てやって貰えまいか?」と。

「彼等は自家用機で飛んで来た。Hal Suttonは可能性を秘めていた。私は彼に『7番アイアンをどのクラブよりも多く練習しなさい。ドライヴァーは一日四発練習すれば十分。ボールを打った後、右肘がターゲットを指すように。人々は、あなたのグリップを直せとか、スウィングがコンパクト過ぎるとか云うかも知れないが、絶対に耳を貸してはいけない。今のままで最高なのだから』とだけ云った。

その後Hal Suttonは全米アマに優勝し、プロ入りして数々優勝し、賞金ランキング一位にもなった。しかし数年経つと、彼の名前はスポーツ欄から消えてしまった。聞くところによると、彼は次から次とティーチング・プロを変えていたらしい」

'Golf Difest'でHal Sutton自身が述べているところによれば、「David Leadbetterに少し、Butch Harmonにも一寸、Gary Smithとはかなり長く、Jim McLeanにも。一時Jimmy Ballardに長くついたが、一向に改善されなかった。最近はFloyd HoganとJack Burkeが私を支えている。1984年にこの二人につかなかったのが残念だ」トップ・クラスのコーチ総嘗めですね。コーチをとっかえひっかえしていた1989〜1993年は、スランプの谷間だったようです。スランプが家庭生活から来たものだとは当人もハッキリ云っていませんが、彼は何度も結婚、離婚を繰り返していました。当時、"alimony"(別れた妻への扶養料)をもじって"Halimony"という言葉が囁かれていたそうです。彼が相当なプレイボーイであったことは、次の挿話から想像出来ます。

'A Good Walk Spoiled'
by John Feinstein (Little Brown and Company, 1996, $13.95)

「1994年の夏のある日の午後、若手プロDavid Toms(デイヴィッド・トムズ)の妻Sonya(ソニア)が、トーナメント会場のゴルフ・バッグ置き場で夫のバッグを探していた。彼女はHal Suttonと同じ、ルイジアナ州の出身だった。そして、とても魅力的な女性だった。

彼女は、Sampson(サンプスン)として知られているヴェテラン・キャディーと遭遇した。Sampsonは自己紹介の後、「あなたはDavid Tomsの奥さんじゃありませんか?」と聞いた。
「そうです」
「ルイジアナ州の出身、ですよね?」
「そうですけど?」
Sampsonは驚嘆の面持ちで首を振りながら云った、「一体全体、どうしてHal Sutton御大があなたを見過ごしたんだろう」

いずれにせよ、現在のHal Suttonはいい奥さんと子供たちと幸せに暮しており、それが復活の土台のようです。

このサイトでお目にかけているイラストの数々は、私が自分で描いているものです。その人の特徴が出ている写真を見つけては、それをお手本にイラスト化しているわけですが、Hal Suttonのスウィングの写真というのは見つかりません。現在のマスコミには彼は地味過ぎるようです。The Golf Channelでその週の優勝者の記録(Greens In Regulatonなど)を伝えるコーナーでは、よく駄洒落やふざけた表題をつけます。今週ですと、"Bring in Tiger!"(Tigerを連れて来い!)ですが、The Players Championshipの後は"All of a Sutton"(←"All of a sudden"=突然に)というものでした。Ryder Cup 1999の牽引車と呼ばれ、昨年からの好調にもかかわらず、彼の復調は当時まだ“認知”されていなかったわけです。

なお、下記URLでHal Suttonが語るスウィングTipのヴィデオが見られます。

http://www.broadcast.com/sports/golf/pgatour/swingadvisor/sutton/

先に引用した故Harvey Penickの記事はこう結ばれています。「現在、Hal Suttonが何歳か知らないが、まだ十分若いし、自分のスウィングを見つけてトーナメントでまた優勝するのは間違いない」これは1995年以前に書かれた記事ですから、Harvey Penickの先見の明が分ります。

(April 24, 2000)


集中への道

'Mind Under Par'
by David F. Wright, Ph. D (Behavior Change Media, 1997, $15.96)

1. ラウンド中はスコアを合計しない。

2. どのショットでもルーティーンから始める。

3. ターゲットに焦点を合わせる。

4. ラウンド中はメカニックスを分析しない。

5. 腹式呼吸をショットの前、中、後で行なう。

6. 静かな行動と注意深さを保つ。

7. 自分をサポート・強化する内面の語りかけをする。(「ポストショット・ルーティーン」参照)

8. 自分の欲するスウィングを感じ取り、それを実行する。

(April 24, 2000)


Gene Littler

外科医のMikeが、ずっと前にGene Littler(ジーン・リトラー)の練習を見た話をしてくれました。Gene Littlerは2番アイアンを手に、ボールを踏んづけてから、遥か遠くに立っているキャディ目がけて打ちました。キャディは一個、一個受け止めてはシャグ・バッグに入れるのですが、キャディは左右どちらかに一歩動くだけでボールをキャッチ出来たそうです。2番アイアン、それも踏んづけたライからで、たった一歩の半径の範囲に打っていたわけです。驚嘆しますね。

(May 08, 2000)





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