Golf Tips Vol. 100

Harry Vardon(ハリィ・ヴァードン)の遺産・パッティング篇

Harry Vardon(ハリィ・ヴァードン、1870〜1937)の名は有名ですし、彼が“創始”したヴァードン・グリップは今なお世界中のゴルファーに用いられています。しかし、グリップ以外の彼のメソッドはあまり伝わっていません。多分、よほど熱心なインストラクターでもないと彼の本を読んだことはないのではないかと推察します。

[Vardon]

'The Complete Golfer'
by Harry Vardon (McClure Phillips, 1906)

私も上記の本を数年前に購入していたのですが、300頁近い大著である上に、含まれている写真を見ただけで現在のスウィングとの隔たりを感じ(クラブもボールも違うわけですし)、ずっと“積ん読”状態になっていました。しかし、最近の映画'The Greatest Game Ever Played'(2005)におけるHarry Vardonが好人物に描かれていたため、急に彼に関心を抱き、この本に手を伸ばす気になりました。この本の発行年度に御注目下さい。100年前なのですぞ。

Harry Vardonは"My grip is one of my own invention."(私のグリップは私自身が発明したものの一つだ)と云っているのですが、実はこれは事実ではないようです。同じグリップはJ.H. Taylor(J.H.テイラー)というプロが当時既に用いていて、スコットランドのアマチュアJohn E. Laidlay(ジョン・E・レイドレイ)が1889年に全英アマに優勝した時もこのグリップだったそうです(註参照)。Harry Vardonがプロになったのは1890年で彼が20歳の時でした。ですから、Harry Vardonはこのグリップの創始者というより、世界中に広めることに貢献した人と云うのが正しいようです。

【註】「ヴァードン・グリップはHarry Vardon以前からあった」という出典:'The Methods of Golf Masters' by Dick Aultman & Ken Bowden (The Lyons Press, 1975, $19.95)

グリップ問題はさておき、Harry Vardonの本には様々なtipがちりばめられています。最近のインストラクターがあたかも自分の意見のように盗用しているものもありました。やはり名人の叡智というものは歳月で錆び付くものではないんですね。

・パッティングはゴルフの中のもう一つ別なゲームである。【編者註:後にBen Hoganも同じことを云いました】

・「おれはパットが上手い」と思っているゴルファーはパットに成功するが、そう思えない人はグリーン上で常に貧弱なショーを展開する。

・パットが上手い人は何者をも恐れる必要がない。常に2パット(何回かは1パット)でホールアウトすることがほぼ確信出来るようになるまでは、誰しも偉大なゴルファーたり得ない。

・カップがあなたに近づいて来るということはあり得ない。だから、あなたの方がカップに届くようにストロークする決意をすべきだ。カップの向こう側の壁にボールが当たるような練習を繰り返すこと。

・old Tom Morris(オールド・トム・モリス、スコットランドの伝説的名人)は、彼のプロ生活の半ばで長期にわたってロング・パットをショートする傾向があった。彼の息子young Tom Morris(ヤング・トム・モリス、この人も名人)は父について「もしカップが常に1ヤード近かったら、父は偉大なパット名人となっただろう」と云ったものだ。

・かなり早いグリーンではパターのトゥ近くで打つのがベストである。

・グリーンの勾配がきつくパットするのが危険極まりないと思える場合、私はアイアンの使用をお勧めする。大方のゴルファーはグリーンではパター以外は使えないように思っているようだが、パターしか使ってはいけないという法律は存在しない。

(January 09, 2006)


Harry Vardon(ハリィ・ヴァードン)の遺産・様々なtip篇

ヴァードン・グリップで有名なHarry Vardon(ハリィ・ヴァードン、1870〜1937)の100年前の下記の本には、なかなかうがった意見がちりばめられています。

[Vardon]

'The Complete Golfer'
by Harry Vardon (McClure Phillips, 1906)

・バンカーから脱出出来ない人の傍に立って、彼に聞こえるように声を出して打数を勘定したりしてはいけない。もしその人があなたの頭にアイアンをぶちかましたとしても、それは罪に値しない殺人とみなされるだろう。そこでの出来事に気づかないふりをするのがスマートな身の処し方である。

・【マッチ・プレイについて】大方の敗れ去るマッチは、他のいかなる理由よりも序盤の失策が原因である。過去の“一世一代の”ホールと同じように最初のホールでポイントを得るべきだ。「最初のホールで勝とうとは思わない」という台詞をよく耳にするが、これは最も馬鹿げたものである。序盤で出来るだけ多く勝っておけば、終盤の逆境時の貯金として役立つ。

・どんな場合でも急いではいけない。逸る気持ちは精神力に影響し、あなたのプレイを台無しにする。

・新発明のゴルフ道具のサンプルが登場しても、すぐそれを購入しようという誘惑に負けないように。もちろん、有用な発明もないわけではないが、注文しに店に駆け出すのはやめ、ゴルフ界の信頼出来る筋が評価するまで少し待つのが賢明である。

・過去に素晴らしいプレイを可能にしてくれたクラブが、ある日以後全く期待に反するようになったとしたら、それをバッグから取り除き、一定期間完全に忘れることだ。時を経ずして、そのクラブが再度あなたのゴルフを完璧にしてくれるものだと予感出来る日がやって来るだろう。

・重い昼食はゴルファーの鋭敏さを失わせ、目の働きに重大な影響を与える。ゴルファーの目というものは、四肢が疲れを感じるずっと以前に弱ってしまうものである。

・ある時、あるトーナメントを前に,私は短期間煙草を止めてみた。その結果は素晴らしいものだったと告白せねばならない。いつかまたこの実験を繰り返してみたい。

・ボールを見るという場合、ボールのてっぺんを指すのではない。クラブの底辺で打つのはボールのてっぺんではないからだ。初心者がトップする主な理由は、ボールのてっぺんを見ているからと云っていい。多くの場合、焦点はボールの右側の芝に合わせられるべきものだ。それがクラブのソールで芝を掃く動作に繋がる。ボールの横を見ることは、グリーンに近づけば近づくほど重要で、特に短いチッピングでは不可欠である。

・キャディの意見が間違っていると確信した場合、キャディの意見に従うべきではない。従ったとすると、及び腰で自信のないストロークとなり、満足出来る結果は先ず得られない。キャディがある状況下のベストと考える手段は、スクラッチ・プレイヤーがどうしたかという記憶によって形成されている場合が多い。しかし、あなたはスクラッチ・プレイヤーではない。

・「頭を動かすな」という格言はボールを打つ迄のことだ。インパクト後は頭は動くべきものである。フルショットの場合に、目が地面に釘付けになっていたのでは、正しいフォロースルーは出来ない。ボールを打ったら、目は可及的速やかに飛ぶボールの後を追うべきである。

(January 11, 2006)


ここ一番のパットでは舌を出せ

スポーツ心理学者Dr. Richard Coop(ディック・クープ博士)による風変わりなtip。

'Stick out your tongue to be Mr. Clutch on putts'
by Richard Coop ('Golf Magazine,' December 2005)

「Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)は、バスケットを強襲する際、舌を出していたことで有名である。これはゴルフにも通用する。重要なパットの時は舌を突き出すとよい。何故なら歯をきつく噛み合わせるのは緊張している証拠だからだ。舌を出し、噛み切らないようにしながらパットすれば、簡単に緊張を緩和出来る」

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)はフル・ショットでも舌を出しながらスウィングすることがあります。これは力み過ぎることを防止するためだそうです。

(January 13, 2006、改訂June 02, 2015)


ラインを読む場所と順番

'Ask the Top 100'
by David Wright ('Golf Magazine,' December 2005)

「数ヶ所からラインを読むのはいいことだが、順番を間違えてはいけない。

先ず,ボールの後ろから読む。ボールの真のスタート地点だからだ。次に、ラインに沿って勾配の低い方を歩きながら【註1】、カップの後ろに廻る。カップの周りでは、最後の数十センチでどのように曲がるかに集中して読む。ボールが勢いを失うにつれ、大きく曲がるということを忘れてはいけない。【註2】

カップの後ろから見た時に異なるブレイクが見えたとしても当惑することはない。多分、カップの周りには反対のブレイクがあるのかも知れない。その問題はボールの後ろに戻ってから調整することが出来る」

【註1】筆者は触れていませんが、ラインの中間辺りで勾配の度合いを読み取ることも重要です。勾配によってボールを打つ強さが決まり、それによって曲がり具合も変わるからです。

【註2】カップの切り口のどこが崩れているかも観察すべきでしょう。肉眼で傾斜が見えない場合でも、ボールはカップの口が崩れている方向に切れるものです。

(January 17, 2006)


脱力して飛ばす

坂田信弘氏がパッティングについてどう云っているか調べようと、『週刊朝日百科・Golf Lesson』をめくってみました(もう三年前の出版になるんですね)。氏はパットが得意でないのか、100あるレッスンのうち、たった一章しかパットに割いていません。がっかりしたものの、諦めきれずに他の記事を拾い読みしていて、とてもいいtipに巡り会いました。

「脱力する」
真鍋生一(『週刊朝日百科・Golf Lesson』、2003年7月6日号〜7月27日号)

インストラクター真鍋生一(まなべ・せいいち)氏は特製の機器を開発してプロとアマの体重移動を調べ、体重(重心)移動と飛距離・ボールの方向との関連を解明した方。驚くのは「プロは左右均等の体重でアドレスするが、アマは八割から九割が左足体重で構える」という発見です。「ボールが左にあるので、それに合わせようとするからだろう」とのこと。

先ず、体重を均等にかける。そうしておいて、腕を長く伸ばすようにバックスウィングすると、自然に体重は右足に移る。氏は「右腕を地面と平行になるまで上げるだけで、実は誰もが右足体重になるもの」と断言します。手にも重さがあり、その手の回転につれて頭(これも重い)も動くので、自然に体重が移るのだそうです。そうならないとすれば、アドレス時に体重のかけ方が均等でなかったことになります。

「スウィングの間の正しい体重移動の鍵は脱力にある」と真鍋氏は主張します。脱力するための一助として両手ともクラブはフィンガーで握るという方法が推奨されています。掌で握ると、クラブは軽く感じられる。フィンガーで握るとクラブの重みが感じられる。あまり強く握らず、クラブの重みを感じながらバックスウィングを開始するのが脱力のポイントだそうです。

「クラブを力任せに振るのではなく、反動と遠心力を利用して“クラブに振られる”方が、ヘッドも走り、飛距離も伸びる」とのこと。

インパクトで、プロは最低の人でも体重の八割は左足に乗っているのに反し、アマは五割か六割しか体重が左足に移っていないとか。「ダウンで一気に体重を“左足踵(かかと)の外側”に乗せるイメージを持つ」べきだそうです。「もたもたしているとインパクトの瞬間を通り過ぎてしまい、フィニッシュで左足体重になっても、もう手遅れ」。なあるほど。私などは“もたもた派”の典型のようです。ダウンで一気に左足体重にすれば手打ちも無くなるような気がします。“一気に手で打つ”のではなく、一気に体重移動である点が重要です。

(January 19, 2006)


恐るべきアイアン・プレイヤーになる方法

'Attack the flag'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' February 2006)

「素晴らしいティー・ショットを活かせずボギーにしてしまうことほど勿体ないものはない。ミドル・アイアンをピンの5 m以内につけられる恐るべきプレイヤーになるべきだ。

正確なアイアン・ショットは、パワフルに打つティー・ショットと異なり、急がず流れるような動きで実行されるべきものだ。そういうスウィングによってのみボールとのソリッドなコンタクトが得られ、グリーンに乗ってピン傍で止まるショットが得られる。

先ず両足を5 cmだけ離し、肩の高さから肩の高さまでゆったりと連続した素振りを行う。この姿勢では力一杯振れないので、クラブヘッドが次第に加速する感覚を実感出来る。

[waist_high]

ストレートなアイアン・ショットを打つには、身体の回転とクラブの回転をシンクロさせることが条件。伸び伸びとクラブを振った場合、クラブフェースは身体の回転と共にバックでオープンになり、フォローでクローズになる筈だ。これを体得するための練習として、腰の高さのトップ、腰の高さのフィニッシュをしてみる。どちらの場合もクラブのトゥは空を指していて、シャフトは身体の前でターゲット・ラインと平行になっていなくてはならない(右図)。それらが身体とクラブの回転がシンクロしている証明である」

シャフトがターゲット・ラインと平行になる図は、当サイトでは理想的バックスウィングの過程としてお馴染みのものです。昨年、The Golf ChannelでLPGAの新人Morgan Pressel(モーガン・プレッセル)の練習風景を見ていると、彼女のコーチのMartin Hall(マーティン・ホール)は、ダウンスウィングでもこの位置・形にクラブが下りて来るように彼女を指導していました。考えてみれば、バックとダウンで同じ軌道であるべきなのは当然です(ダウンでは右肘を身体に引きつけるのでプレーンはフラットになりますが、それとこれとは別な話)。

先日のラウンドで、私は自分でも惚れ惚れするようなセカンド・ショットを二度打てました。私は「絶対に手打ちはすまい」と決意し、下半身がリードするダウンスウィングになるように素振りを数回繰り返し、その感覚を再現するようにスウィングして、どちらも望んだような方向と距離が得られました。下半身が「主」となり、上半身(特に手と腕)が「従」となれば、自然に身体の回転とクラブの回転がシンクロするようです。

(January 23, 2006)


3種類のチップを使い分ける

'Turn three shots into two!'
by Chuck Winstead ('Golf Tips,' Feb./ Mar. 2006)

「並のアマチュアとシングルを分けるもの、あるいはPGAツァーのトップ(Tiger WoodsやVijay Singhなど)とその他大勢を分けるものは何か?グリーン周りからの三打を二打に変えるテクニックだ。以下に述べる三つのチッピングの方法を使い分けることが出来れば、あなたもスコアリング・マシーンになれる。

1) 高く上がって軟着陸するチップ・ショット

・TPO ピンがエッジに非常に近く、転がす余地が無い場合。
・危険度(失敗する可能性) 高い。
・ライ ラフでも問題ない。ボールが草で浮いていないと実施は困難。
・ボール位置 スタンスの中心よりターゲット寄り。
・肩の角度 右肩は左肩より下がる(これがロフトを増やす)。
・シャフトの角度 地面に垂直。

2) チップ&ラン

・TPO ピンがエッジから6 m前後の場合で、上の1よりは転がす余地がある場合。
・危険度 低い。
・ライ ボールが草で浮いていること。
・ボール位置 スタンスの中央よりターゲット寄り。
・肩の角度 水平。
・シャフトの角度 ややハンド・ファースト。

2) 転がし

・TPO ボールとピンの間にかなりグリーンが広がっている場合。
・危険度 きわめて低い。
・ライ 禿げた地面でもOK。
・ボール位置 スタンスの中央より後方。
・肩の角度 左肩を右肩より下げる(これがロフトを減らし、体重を左に移す)。
・シャフトの角度 ハンド・ファースト(これもロフトを減らし、体重を左に移す)」

この記事では肩の角度が非常に重要視されています。カップまでの距離が短い場合、深く考えもしないでロフトを増減してはいけないようです。なぜなら、ロフトの増減はそのままショットの距離に影響するからです。垂直から若干ターゲット方向にシャフトを傾け、両肩を水平にした時がそのクラブの真のロフトだそうなので、それを基準にクラブを寝せたり立てたりしてボールの軌道の高低(=距離)を調節します。

ボールを低目に打ちたい時は(チッピングに限らずロング・ショットでも)シャフトはターゲット方向に傾いだアドレスが必要。それが浅い角度のインパクトに繋がり、ボールの上昇を抑える。通常のチッピングのアドレスをして単にフォワード・プレスでシャフトを傾げると、様々なトラブルが出現するそうなので要注意。必ず左肩を右肩より下げることが肝要だそうです。

(January 25, 2006)


Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のアドレスの秘密

'Play Like Sergio Garcia'
by John Andrisani (G.P. Putnam's Sons, 2004, $23.95)

「Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)は、クラブのヒール近くにボールが位置するようにセットする。これはゴルフ・スクールでは教えない方法だが、私は彼の正確無比なショットの秘密の一つに違いないと確信している。

インストラクターPhil Ritson(フィル・リットスン)はSergio Garciaのこの構えに気づいた最初の人で、彼は私にこう語った、『ボールをクラブフェース中央でなくヒール近くに位置させるのは、実は道理にかなっている。左腰がダウンスウィングでターゲットに向かって開くと("left hip clears on the downswing")、クラブは僅かに身体に向かってスライドする。結論:ボール位置をヒール近くに構えれば、インパクトではスウィートスポットでボールを捉えられる。それこそ、誰もが望むことだ』」

(January 29, 2006)


続・Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のアドレスの秘密

東京都稲城市にお住まいの森さんから、「Sergio Garciaのアドレスの秘密」(1/29掲載)に関して次のような興味深いメールを頂戴しました。森さんのお許しを得て紹介させて頂きます。

日本にもガルシアと同じようにヒール寄りでセットアップをするプロがいます。田島創志氏(http://www1.odn.ne.jp/soushi.lovely.k/)です。

2004年のことですが、日本シリーズに出場した全選手のショットを見たいと思い、パー3ホールに陣取っていた際に気が付いたものです。他にはその様な選手がいなかったので印象に残り、その後自分でも試したところ、7番アイアンより上のクラブを用いる場合、ボールをフェースの真中ではなくシャフトに近い方でセットアップすると、ロングアイアンほどきちんと当たり感じの良いボールが飛んで行くことが分りました。

そこで田島氏に当該セットアップの理由をメールにて問い合わせました(田島氏はヒール寄りというより、正確にはシャフト前にボールを置いています)。「シャフトでセットするのは癖ですね。理由はないですよ。自分の感じる真中がそこなのです」…との実にシンプルなお答えが返って来ました。小生としては前述の通りロングアイアンの精度が格段に上がったこともあり、スウィング上の秘密があると期待していましたので、拍子抜けすると同時に、もしかしたら企業秘密の入り口かとほくそ笑んだ記憶が蘇ります。

田島プロには堀尾研仁さん(http://www5d.biglobe.ne.jp/~kenhorio/)というティーチング・プロが付いていることを知り、堀尾さんにも質問を送らせて頂き、以下のような御回答を得ることが出来ました。

「ネックよりで構えた場合、ボールの芯とクラブの芯を結んだ直線はやや目標の左を向く形になります。つまりややアウトサイドインのカット軌道が必要となるわけです。プロの場合、通常フックを嫌がりますから、インサイドアウト軌道になることを防ぐために、この様な構えになることが考えられます。

しかしアマチュアの方の場合、反対のケースも考えられます。アウトサイドインのカット打ちの癖のある方の場合、センターに構えるとどうしてもトゥよりでヒットしてしまうことになります。ネックで構えてスイングすることで、クラブのセンターでヒット出来て良いショットが出るのです。

以上の二つのケースが考えられます。御自分はどちらのケースなのか、チェックされると良いと思います。いずれにせよ、あまり複雑に考え過ぎないことが大切です」

ネック寄りでセットアップした時に感じが良いボールが出るのは間違いありませんでしたが、《フェース中央で構える》という常識も無視出来ず、試行錯誤を繰り返していました。今回のフィル・リットスン氏のコメントを拝見し、やはり企業秘密だったのだと実感しました。これからは“ガルシア・セットアップ”と命名し、自信を持って続けて行きたいと思います。

(February 02, 2006)


究極のトップの間(ま)

'The Methods of Golf's Masters'
by Dick Aultman & Ken Bowden (The Lyons Press, 1975, $19.95)

Cary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ)は、U.S. Open二回、Mastersに一回、生涯に34回のツァー優勝を達成したプロ。

「彼のスウィングで有名だったのは"Middlecoff Pause"(“ミドルコフのトップの間”)だった。普通、トップでクラブの動きが止まる間があったとしても、身体のどこか(手、膝など)は動いているものだ。しかし、Cary Middlecoffは完全にトップで停止してしまうのだ。彼の短いバックスウィングと、真っ直ぐになりがちな右脚は、クラブの方向転換に異常なまでの時間を要したのだ。

Cary Middlecoffは彼の後年の本でこう書いている。『パワーを生むため、腰にリードされたスムーズなダウンスウィングを行なうには、ダウンスウィングの開始以前が重要な部分だ。私の全盛期にやっていたバックスウィングでクラブを止める方法は、常に有利な点があった。それはよくないスウィングをスタート段階で修正する時間を与えてくれた。これを他のゴルファーに勧めるつもりはないが、私には役に立った』」

(January 29, 2006)


3パットの原因

古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。

'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)

「10mとか12mのパットの際に考えるべきことは、ボールを“カップに近づける”ということだ。ラインを決めたら、頭を切り替えて正しい距離を打つことに全神経を集中する。3パットの原因の多くは距離である、方向ではない」

われわれだってプロのように10mのパットをねじ込みたい。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のようにガッツ・ポーズしたい。で、正しいラインに乗せるべく、方向にばかり集中してしまいます。カップの右10cmとか、左5cmとか。その挙げ句、1mもショートしてしまう。“カップの右10cm”などお笑い種です。もし、距離が合っていれば、間違って(!)カップに転げ込むチャンスもあるでしょうが、1mも違っては転げ込むことは絶対にありません(大地震でもあれば別)。われわれの腕前では、間違って転げ込むチャンスに期待し、距離優先でパットするのが賢明のようです。

【参照】「3パットの回避」

(January 31, 2006)


フィニッシュでは右肩をターゲットに向けろ

'Swing thoughts that really work'
by Brady Riggs with Mike Chawasky ('Golf Tips,' February/ March, 2006)

「ボールを“打つ”人のフィニッシュは、パワーがインパクト直後で減速するため、完全なフィニッシュ体勢は得られない。右肩と右腰はボールがあった地点を向いて留まり、おへそはターゲットを向いている。もっと悪い場合は身体が後方に反っている。これらはパワーレスの貧弱なインパクトを迎えたことを示す証拠である。

振り抜く人のフィニッシュは違う。全てのパワーがボールに伝わり、その余勢が最後まで身体を回転させるため、右肩はターゲットを指していて、おへそはターゲット・ラインの遥か左を指している。

『右肩をターゲットに向けろ』と考えるべきである。このイメージがインパクトを越えた地点まで振り抜くことを可能にしてくれる」

云われてみれば、私は自分の右肩がフィニッシュでどこを指しているのか、定かでありませんでした。確かに、Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)をはじめ、プロたちのほとんどはそのようなフィニッシュを迎えています。しかも、彼女の場合力んだ様子は全くなく、非常に軽い感じのスウィングなのに身体がフルに捩じれるようなフィニッシュです。これこそ身体のバネを有効に活かしたスウィングと云えるのでしょう。

Ernie Els(アーニィ・エルス)は「バックスウィングのトップでターゲットに背中を向けろ」と云いました。これは左肩を充分廻すことを意味します。そして今度は「フィニッシュでは右肩をターゲットに向けろ」です。これで《バックとフィニッシュ双方で両肩はフルに廻さなければいけない》という公式が完成したわけです。

私のコースのパー4の一つは343ヤードのドッグレッグで、3番ウッドでさえ曲がり角を突き抜けてしまいます。5番ウッドか4番アイアンが適当。それも目一杯打つと正面の林に入りかねないので、力まずに打たなくてはなりません。数週間前、私はここでシャンクしてOBになってしまいました。「力まぬように」と思ったまではいいのですが、バックで左肩を充分に廻していなかったのです。力まない場合でも、肩はちゃんと廻さなくてはいけない。どこかズルしたスウィングはトラブルへの最短距離なんですね。「ターゲットに背中を向けろ」を忘れた罰は重く、後味も最悪でした。

「フィニッシュでは右肩をターゲットに向けろ」は、誰しも飛距離に繋がるメソッドだと考えるでしょうが、実はそれだけではなく、方向性も抜群に良くなります。「フェアウェイが狭いホールの第一打」tips_96.html の骨子であるインサイド←→インサイドのスウィングが自然に達成出来るからでしょう。アイアンでは飛ばそうと思うのではなく(アイアンはそういうクラブではない訳だし)、身体の捻転をほどきながらスムーズに振り抜こうとするのがいいようです。Annika Sorenstamをお手本に。

バックで左肩を廻してターゲットに背中を向け、フィニッシュでは右肩をターゲットに向ける、すなわち左肩と右肩の対称的アクションが正確なショットを約束してくれるものと考えましょう。

【参考】
「Ernie Elsのショルダー・ターン」
「フェアウェイが狭いホールの第一打」

(February 05, 2006)


緊張する距離のパッティング

Luke Donald(ルーク・ドナルド)は、PGAの記録によると6フィート(1.8 m)以内のパット605回のうち582回(96.2%)を成功させたそうです。彼が語る「緊張に打ち克つパッティング」。

'How to make more pressure putts'
by Luke Donald ('Golf Magazine,' February 2006)

「6フィート(約1.8 m)以内のパットは、どんなものでも緊張せざるを得ない。なぜなら、それらは入れて当然の距離であり、もし失敗すると打撃は大きく、以後のプレイに悪影響を与えかねないからだ。

・頭を動かすな
 頭が壁にくっついていて動かせず、両腕だけが前後に動かせるというイメージでパットする。こうするとパターはラインにスクウェアに動き、スウィートスポットでパット出来る。

・盲目になれ
 入って当然の距離だと、どうしても早く結果を見たくなり、パッティングが荒っぽくなってしまう。私は練習ではヴァイザーを深く下ろしてカップを見えなくしてしまう。左目をつぶってもいい。結果を知ることは出来ないのだから、いいパットをすることに専念出来る。

・攻撃的であれ
 カップを18インチ(約46 cm)オーヴァーするつもりの強さでストロークする。このように打たれたパットは傾斜やブレイクに影響されず、真っすぐカップに向かう」

(February 16, 2006)


折れた左肘への福音

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)による「左肘は曲がってもよい」という意見。

'Let your left arm bend'
by Jim McLean ('Golf Digest,' February 2006)

「『バックスウィングでは左肘を真っ直ぐに伸ばせ』というのは、最も一般的な誤解の一つだ。実際のところ、大抵のツァー・プロは左肘を幾分か曲げており、真っすぐ伸ばさなくてはいけないという理論は完全に間違っている。

肘に若干の緩みがあるソフトな左腕は、腕と身体が一体化したスウィングを作り出す。それが左肩のフル回転を促し、インパクトに向かって振りほどかれるパワーを準備する。

対照的に、左腕を真っ直ぐに伸ばし続けようとする人のスウィングは、バックスウィングで両腕が身体から遊離し、身体との一体感を失わせてしまう。こうなると両腕が主導的になってしまい、肩の回転が阻害されてしまう結果、絶対にパワフルなトップは形成出来ない。柔軟な左腕がテンションをコントロールし、急速なヘッド・スピードを生むのである」

(February 07, 2006、改訂June 02, 2015)


ボールを打つな

ゴルフはボールを打ったり転がしたりする遊びです。「ボールを打たなくちゃ始まらないじゃないか!」その通り。しかし、ボールを打っちゃいけないのです。打つのではなく、振り抜くのです。

われわれは、アドレスした通りの位置にヘッドが戻って来るかどうか自信がない。だから、正確にボールに当てようと最大限集中します。これは野球で云えばバントですね。バットをボールに正確に当てる。そこでスウィングが完結する。振り抜かない。コントロールはされているが距離は出ない。われわれもボールに当てようとする限り、バントと同じことをしているわけです。

'Swing thoughts that really work'
by Brady Riggs with Mike Chawasky ('Golf Tips,' February/ March, 2006)

「アマの最悪の"swing thought"(スウィング・キイ)は"hit at the ball"(ボール目掛けて打つこと)だ。ボール目掛けて打とうとすると、手が先行するダウンスウィングになる。『身体が先ず動き、クラブと両腕は二番目に動く』という正しい順番が御破算になってしまう。

ボール目掛けて打つ動きは、インパクトからフィニッシュへと振り抜く正しい動きの代わりに、ボールの場所で停止しスウィングを終えてしまう結果を招く。

達人たちはボールを目標にしない。彼らはボールの数十センチ先の地点を振り抜くことを考える。そうすることによって、クラブのスピードがインパクト後に最速となるような感覚を得る。ボール目掛けて打つ間違いを根絶する最善の方法は、腕と手そしてクラブなどを、身体の回転によって引っ張り、インパクト・ゾーンを通過してフィニッシュまで振り抜くように専念することだ」

Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)などはインパクト前からターゲットを向いてしまい、ボールなど見ていません。われわれも「ヘッドは必ず元の場所に戻る」と信じ、「ボールに当てよう」という意識を捨てるべきでしょう。前回空振りをしたのはいつです?遥か昔で覚えてないでしょう。「ボールに当てよう」なんて集中しなくても空振りなど起らないのです。もうバントはやめて、ホームランを狙いましょう。

(February 09, 2006)


肩の動きに集中する

このところ書いている肩の動きは、別の言葉で云えば《バックで左肩を右足の真上まで動かし、フォローで右肩を左足の真上まで運ぶ》とも云えます。理想的にはフィニッシュではお臍がターゲットのずっと左を指すべきだそうですから、右肩が左足の上に届くだけでは不足ですが。

本日はお金を使わないでいい広場へ練習に行きました。10ヤードと20ヤードのチップ・ショットがメインですが、チップ・ショットの練習は腰がくたびれます。で、適当にアイアンの練習を交えました。8番、7番、6番。どれも下半身でクラブを引っ張るようなダウンスウィングで、《バックで左肩を右足の真上まで動かし、フォローで右肩を左足の真上まで運ぶ》を実行すると、目標に正確に飛んで行きます。

肩の動きに集中することが手や腕の暴走を防いでくれることに気づきます。下半身主導のダウンスウィングであっても、手首で弾くようなアクションを交えると、ボールはたちまち右や左にバラけて行きます。

プロですとアンダーで廻らないと勝てませんので、精一杯の距離も必要でしょう。しかし、「80を切るゴルフ」の場合はボールが真っ直ぐ飛べば楽勝の筈です。力む必要はないんですね。真っ直ぐ飛ばすためには、手首を殺す(こね廻さない)ことが肝要であると悟りました。これはショートゲームでも必要なことなので、実はゴルフ全般に通用する秘訣と云えるようです。

(February 09, 2006)


続・ロング・ドライヴ・チャンプの秘密

Sean Fister(ショーン・フィスター)は、ロング・ドライヴ・トーナメントのトップ・クラスに混じると比較的背も低く力持ちでもなさそうに見えますが、腕の力、指の力は凄いのだそうです。しかし、彼が三度もロング・ドライヴ・チャンピオンとなり、"The Beast"(けだもの)というあだ名で恐れられている秘密は、そういう力業によってではないのでした。

'My shot'
by Sean "The Beast" Fister ('Golf Digest,' March, 2006)

「七年分の'Golf Digest'誌を台所のテーブルに積み上げ、一冊ずつチェックしながら飛距離を伸ばすためのtipを片っ端から書き抜いていった。全部終えるまでには結構時間がかかり、397個のtipがノートに集まった。似たものを省いてから、相反する要素(スタンス、グリップ圧、手首のコック等々)や全ての矛盾点をテストし、ボールをぶっ飛ばすことが出来たtipだけを黒い手帖に転記した。それを私は“バイブル”と呼び、どこへ行く時にも持ち歩いている。

ボールを遠くへ飛ばす秘訣はごまんとあるが、誰にでも完全に、決定的に役立つことが保証出来るのはたった一つだ。《肩をより遠くへ廻し、スウィングの間中クラブのグリップエンドを胸骨から出来るだけ遠くへ離し続ける》ことだ。これを実行するには練習と努力が必要だ。しかし、二週間も頑張ればドライヴァーで20ヤードは間違いなく伸びる。

最も役立つヒントは偶然に得られた。あるCATVで、ノーヒットを達成したピッチャーの試合を再放送していた。彼のボールは滅茶苦茶速かった。私は彼が投球の前に毎回右手・右手首をくねくねさせ、ぶらぶらさせ、回転させることに気づいた。彼は右手に潤滑油を施し、出来るだけリラックスさせようと努めていたんだ。それが私に光明を与えてくれた。翌朝の練習では肩、腕、手を可能な限りリラックスさせ、インパクト前後で速くクラブを振ることだけ考えた。大して時間もかからずに、自己新記録となるロング・ドライヴをいくつも達成出来た。それはストレートでもあった。私の身体が滑らかでリラックスしていたら、かなり手強い競争相手だと思うよ」

【参照】「ロング・ドライヴ・チャンプの秘密」

(February 12, 2006)


[Sergio]Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)の引っ張るゴルフ

'Play Like Sergio Garcia'
by John Andrisani (G.P. Putnam's Sons, 2004, $23.95)

「Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)のスウィングがトップに到達すると、彼は左膝をターゲット方向に引く。この時に離ればなれになった両脚の形は、Sam Snead(サム・スニード)の“しゃがみ込み”に似ている。この両脚はダウンスウィングにおけるテコの作用を作り出し、ボールに向かう理想的なパワーを生む。

Sergio Garciaの左膝の動きはまた、身体の左サイド全体が主導的となる連鎖反応をスタートさせる。左サイドがダウンスウィングの間クラブを引っ張り続ける。同時に右手首と右手は、その反対側(ターゲット・ライン後方)へとクラブを引く(図の左参照)。【編者註:この最後の動きが彼の凄まじいレイト・アンコックの秘密】

物理の時間で教わったように、物体(ここではクラブ)を引く動きは押す動きよりもずっと効率がいい。このシンプルな法則が、Sergio Garciaの右サイド主導のバックスウィング(これも引く動き)と左サイド主導のダウンスウィング(これまた引く動き)が、現在最も効果的なスウィングである理由を明らかにしている」

(February 14, 2006)


二度コックするな

私の友人Jack(ジャック)が、ダウンロードしたいくつかのヴィデオを見せてくれました。それはTom Tomasello G.S.E.D.(トム・トマセロ、故人)というインストラクターがスウィングの基本要素について説明するというものでした。G.S.E.D.という肩書きは"Golf Stroke Engineer Doctorate”の略だそうで、Homer Kelley(ホーマー・ケリィ)著の'The Golfing Machine'という本の趣旨を完全に理解し、それを教えることが出来る人だけに与えられる称号だそうです。

[waist_high]

そのヴィデオの一本でTom Tomaselloがコックについて説明します。簡単に云うと、「バックスウィングで右図の状態になった時、既にコックは完成している。トップまでに更に手首を曲げるのはコックのし過ぎであり、スライスやプルなど様々な弊害を招く因である」というもの。ただし、そこで腕の動きが完全に終わるわけではなく、この後は右肘が90°に折られつつトップを形成します。

これは三つのポイントによって私を納得させてくれました。一つは、バックスウィングで右図の形を通過することが正しいと支持されたこと。

二点目は、右図の形がフルにコックされた形であるという事実。最初は驚きましたが、この形を崩さずに胸の前に持って来ると手首はちゃんと90°になっていますから、確かにフルにコックされています。

もう一点は次のような経緯。先日アイアンの練習をしていた時、私は左肩を右足の上になるように努力していました。いいボールが連続したので「なぜだろう?」と考えました。それは左肩の移動に集中していたため、意図的にコックするなどという動きが皆無で、まさにTom Tomaselloが云うように、図の形を取った後手首には何の変化も起さなかったからだったようです。もちろんこれだけでいいボールが出る訳ではなく、この後ちゃんと下半身のリードによるダウンスウィングが続かなければなりません。しかし、下半身主導のダウンスウィングをしたところで、トップでコックをし過ぎていればミスが起りやすい(私の場合プル・フック)。

というわけで、Tom Tomaselloのこのレクチャーは私に自信をつけさせてくれるものでした。

彼のヴィデオは http://www.lynnblakegolf.com/ のGalleryに納められていますが、ダウンロードするには氏名とメールアドレスを登録し、このサイトのForumのメンバーにならなければなりません(無料)。ヴィデオの長さはそれぞれ五分程度と結構長いです。

(February 19, 2006)、追加(February 23, 2006)


Tom Tomaselloのヴィデオ('Chapter_3_TT_Hands.wmv')を見直しました。「二度コックするな」に若干追加します。彼はバックスウィングの「腰の高さの段階でコックは終わる」と云っているのですが、「そこから先は右肘を折る」と云っています。大切なのは「右肘を90°に折るだけであって、さらに右手首をコックするのではない」ということです。「多くのゴルファーは、右肘だけでなく手首まで動かすから左手首が左右どちらかに折れ、スライスを初めとするクレイジーなショットが出るのだ」そうです。

(February 23, 2006)


肩を廻したフリは駄目よ

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィング・コンサルタントHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のtip。

'Fix your game in a weekend'
by Hank Haney with Matthew Rudy ('Golf Digest,' October 2005)

「ドライヴァー・ショットを堅実に打つには、バックスウィングが重要である。バックスウィングで身体をフル・ターンさせなければ、堅実なショットなど出来るわけがない。左足に体重を乗せたまま手だけ持ち上げるような誤魔化しは止め、体重を右足の踵に移動させること。この体勢なら、ティー・ショットを遥か彼方へ発射することが可能になる」

(February 19, 2006)


[cock] これがコックだ!

インストラクターTom Tomasello G.S.E.D.(トム・トマセロ)のヴィデオで感銘を受けた部分、第二弾。

Tom Tomaselloのコックに関する説明は非常にシンプル。先ず右手ですが、写真上の状態から下のように甲側へ反り返す。左手は掌を地面に向けて伏せる。この形で両方の手を組み合わせてクラブを握ったものがコックだそうです。

「二度コックするな」の復習になりますが、Tom Tomaselloによればこの状態でコックは完成しているので、これ以上のコックは無用(というか、百害あって一利無し)なのです。


[Magic_cock]

上の方法が珍奇な方法でないことは、下の写真でも解ります。これは「Joe Danteのマジック・コック」(tips_35.html)を実行したところです。こちらでは「左手のナックルは二つだけ見えるように」とされています。Tom Tomaselloのメソッドだと三つか四つになりそうです。しかし、「マジックコック」はアドレスしたままでコックするのに対し、Tom Tomaselloのコックはバックスウィングで腰の高さまで上げた状態ですから、見え方も違って当然です。どの程度左手を伏せるかは練習によって判断すべきでしょう。


(February 21, 2006)


ピヴォットの基本

インストラクターTom Tomasello G.S.E.D.(トム・トマセロ)のヴィデオ紹介、第三弾。

「先ず、ポスチャーの基本。左足は12°ターゲット方向に開く。これがフォロースルーを容易にする。右足は短いショットではスクウェア、ドライヴァーなどでは5°右に開くと捻転し易い。

顎を上げ(=胸にくっつけない)、膝を真っ直ぐにしたまま、腰の間接から身体を前に折る。その後で、膝をほんの少し緩める(膝が爪先に重なって見える程度)。この状態で両腕を垂らすと、リラックスしたスウィングが可能になる。

【参考】「腰の関節とはどこか?」

スウィングで最も重要なポイントは“ピヴォット”(回転)であるが、それはバランスを維持した上で行なわれなければならない。そのためのセットアップから始めよう。

グリップの右手が下になり、右肘を折ってアドレスする以上、上体は右に傾(かし)がざるを得ない。頭は自然に右足の上に来る。“ビハインド・ザ・ボール”のこの構えはそのままインパクトの体勢でもある。

バックスウィングの開始は右腰を時計回りに引くことだ。右膝をゆったりさせ、可能な限り腰を回転させる。【編者註:Tom Tomaselloは「腰を◯°、肩を◯°などと云わず、“可能な限り廻す”と云っていることに注意】それにつれて肩も廻る。この動きはキャッチボールの動作と何ら変わらない。

クラブは腰の高さでターゲットラインと平行になり、肩の高さでグリップエンドがボールを指す。

ダウンスウィングでは先ず左腰と両腕の前腕部でクラブを引き下げる。右腕を精一杯伸ばしてインパクトからフォローへと向かう。この時、頭はボールを追ってターゲット方向に動くべきである。“ビハインド・ザ・ボール”のまま頭を残していては、全てのパワーがボールに伝わらず、フル回転のフィニッシュとならない。体重を左足に乗せ、顔・胸・腰・膝の全てがターゲットを向くのが正しいフィニッシュである」

Tom Tomaselloは'The Golfing Machine'の信奉者の間ではHarvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)のように尊敬されているそうです。何よりも彼のシンプルで説得力のあるメソッドはHarvey Penickに似ています。私が彼の理論を紹介するのはひとえにそのシンプルさゆえです。何十年もゴルフをしていて進歩が見られない私などには、シンプルであるに越したことはありません。

なお、ここで紹介しているヴィデオは、オーストラリアのインストラクターたちに招かれて講演した際に撮影されたものです。それだけTom Tomaselloが世界的に認められていた証しと云えましょう。

【参照】「The Golfing Machine」


(February 23, 2006、改訂June 02, 2015)


ロングパットをOK圏内に寄せる

'The long lag putt that leaves an easy tap-in'
by Laird Small ('Golf Magazine,' November 2005)

30mから9mぐらいのパットの打ち方。

「ラウンド前、練習グリーンで右手だけで別々のカップ目掛けてパットし、その距離感を記憶する。腕はパターヘッドの重みに敵わないことに注意。前腕部は多少回転し、パワーを加えるために手首の屈伸もなされるべきである。この方法を実戦で使用することも出来る。

パッティング・ラインの中で、重力が優勢となってボールをカップへ誘導する最も位置的に高いポイントを見定める。カップは度外視し、そのポイントにパターフェースを合わせる。

『OKだ』と云われた後のリラックスした気持ちを思い出し、その気分でパターヘッドが赴くままにパットする。距離感がぴったりな結果が得られて驚くだろう」


(February 26, 2006)


左腕を殺せ

インストラクターTom Tomasello G.S.E.D.(トム・トマセロ)のヴィデオ紹介、第四弾。

Tom Tomaselloの説明:「左肩と左前腕部に筋肉の緊張があると、インパクト以後両腕の自然な動きが阻害され、ブロック・ショットとなって右へボールを押し出す結果となる。これはかなりの頻度で見られるミスである」

ここでTom Tomaselloはデモンストレーションを見せます。一本のロープの輪っかになった方を左腕を通して左肩にかけ、反対側はクラブに巻き付けて右手一本で握ります(左腕はダランと下がったままで、ロープが左腕の代わり)。

バックスウィングを開始すると、右腕がロープを引っ張るので左肩も引かれて動きます。ダウンスウィングでも右腕はロープを引っ張るように動きます(ターゲット後方への動き)。右腕を精一杯伸ばし、ロープもピンと張ってインパクトを迎えた後、ロープは急激に弛(たる)み、右腕はフィニッシュへと向かいます(左腕はダランと下がっている)。

「このデモンストレーションが示唆しているように、インパクトは右腕主導で行なわれるべきものだ。右利きが右腕を使わないのは馬鹿げている。インパクトで左腕が主導権を握ると、両手が自然に返らずブロック現象が起って、ボールは高く右へ出て行く」

Tom Tomaselloはわれわれにもやってみることを勧めます。ロープもクラブも無しで結構。リラックスさせた左手首を右手で上から掴み、それをロープのように引っ張り上げます。左手を緊張させては駄目で、右手を緩めると左手がぽとんと落ちるようでないといけません。

「つまり左手はゴルフスウィングでは何もしない。単にクラブを握っているだけである。握るだけであって、握りしめてもいけない。

インパクトでは精一杯右腕を伸ばす。そのままターゲットに向かってクラブにぐーんと引っ張られるように伸ばし続ける。これが距離を出す秘訣である」

最近でこそ私は「インサイド←→インサイド」のスウィング(およびストローク)に目覚めたものの、かなり長年月「出来るだけ長くターゲット・ライン上を振り抜く」べきだと思い込んでいました。これは「インサイド←→インサイド」の動きに較べれば実は不自然で無理のあるスウィングでした。「インサイド・アウト」が過度になるとプッシュになったりフックになったりします。どちらも緊張した左手が引き起こすミスです。団扇(うちわ)で横に扇ぐように、全てを右手に任せるのが自然だという気がしています。

(February 28, 2006、改訂June 02, 2015)


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