Golf Tips Vol. 101

練習ボールの弊害

'The golf guru'
by editors of 'Golf Digest' ( 'Golf Digest,' April 2006)

「練習場のボールというのは7番アイアンで100ヤードしか飛ばない。そう作られているのである。あなたは自分が7番アイアンで150ヤード飛ばせることを知っているので、力ずくで150ヤードを目指そうとし、しまいには背中や股関節の痛み、傷ついた自尊心などを引き摺って帰宅する。飼い犬を蹴飛ばし、奥さんと口喧嘩する。

翌日、まだむしゃくしゃしているあなたは職場で顧客を失うような電話応対をし、上司に悪態をついて馘になる。帰宅してまた奥さんと大喧嘩し、奥さんは犬と子供たちと車と、ありったけのお金を持って出て行ってしまう。あなたにはもう何も残されていない。それもこれも、全ては練習場へ行ったからいけないのだ。だから、まともなボールを打たせてくれる練習場以外では、ヤーデージ・マーカーを無視するのが賢明というものだ」

(March 09, 2006)


アイアンで確実に乗せる

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のスウィング・コンサルタントHank Haney(ハンク・ヘイニィ)のtip。

'Fix your game in a weekend'
by Hank Haney with Matthew Rudy ('Golf Digest,' October 2005)

「フェアウェイからは一つ大きいクラブを選ぶ。9番アイアンの距離だと思ったら8番アイアンで打つ。プロ・アマの催しで、プロたちはアマチュアのクラブ選択の間違いをうんざりするほど見ている。アマチュアは充分届くクラブを選ばない、絶対に。

ウォームアップする時、どのクラブならキャリーで(ランは含めない)150ヤード飛ばせるか確認する。これは日によって変わり得る。それを基に他のクラブの飛距離を塩梅する」

(March 12, 2006)


ボール・マークの修復

'Ask The Pro'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeal Publishing, 2002, $12.95)

「いいゴルファーがグリーンに上がって先ずやることはボール・マークの修復である。しかし、多くの人間はそれをしない。オンしたことに興奮し過ぎているか、ボール・マークによるダメージの深刻さを知らないのだ。

全米ゴルフ場管理者協会は、もしボール・マークが直ちに修復されれば回復には一日で済むが、一時間手つかずで放置された傷は回復までに15日かかると云っている。

あなたは自分のボール・マークを直すのは当然として、直そうとしない同伴者がいる時はそれも直し、大声で『○○君、キミのボール・マークも直しておいたよ』と告げるべきである」

(March 19, 2006)


心理学的パッティング

スポーツ心理学者Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)によるパッティングの考え方。

'The Golfer's Mind'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2004, $23,00)

「ゴルフが上手くなりたい人間は、パッティングに恋しなくてはいけない。グリーンに足を踏み入れる時は、パーティ会場に入る時のようにわくわくすべきである。『待ちに待ったパットの瞬間だ。見せ場を作ってやるぜ』と感じながらグリーンを歩くこと。ここに到達するまでの長いクラブによるショットは、パッティングの場面への単なる前奏曲に過ぎなかったのだ。

ターゲットを見つめ、目をボールに戻し、そのままバックストロークを開始する。この"see it and do it"(見たら実行する)メソッドにおいては、スピード(強さ)を心配する必要は無い。脳がグリーンの早さに調節してくれるのを信じればいいのだ。練習グリーンでは15分の練習で充分だ。脳に自然にその日の早さがインプットされる。『このグリーンは遅い(=重い)。強めにパットしなくちゃ』などと考えてはいけない。必要充分な時間だけ練習グリーンにいたら、後は脳に任せるのだ。

パッティングを機械的動作として考えてはいけない。パッティング・ストロークは目から心に入って来たイメージへのリアクションである。鍵となる原則はこうだ:《あなたがパッティングをコントロールすることを諦めた時、初めてあなたはパットをコントロール出来るようになる》。こう理解すると、ボールをソリッドに、スウィートスポットでストロークすることが可能になり、パッティングに上達出来る」

(March 28, 2006、増補June 02, 2015)


金熊の65打

1979年のプロ野球日本シリーズ第7戦、近鉄バファローズ対広島東洋カープの九回裏の江夏の投球をめぐるルポルタージュ『江夏の21球』を御存知でしょうか。1980年に山際淳司の短編として雑誌に発表され、1982年にはNHK特集として映像化、どちらも絶賛を浴びた作品です。一球毎の江夏の証言はもちろん、両軍の監督、選手たちの思惑・推理・決断などが綯い交ぜにされ、ドラマティックな大詰めへと向かって行くスリリングな構成。【参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/江夏の21球】

現在出ているゴルフ雑誌の4月号はどれもMasters(マスターズ)特集ですが、'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌のMasters 1986の回顧録は、優勝したJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の回想だけでなく、彼の家族、友人、他のトーナメント・リーダーたち、TV・雑誌の報道関係者などの証言を時系列で配置した興趣尽きない読み物で(細かい活字で10ページもあります)、さしずめ『金熊の65打』とでも呼びたい逸品です。

[Golden_Bear]

'Speaking of Miracles'
by Guy Yocom ('Golf Digest,' April 2006)

1986年当時のJack Nicklausは自分の会社の不振もあり、ゴルフも絶不調でした。二年前に優勝したきりで、この年参加したトーナメント七回のうち三回は予選でカットされ、一回は途中で棄権、賞金ランキングは160位でした。

Jack Nicklausが開催地Augusta(オーガスタ)で借りた家には、彼の母親、姉夫婦、息子、叔父、叔母、友人たちが集いました。友人の一人はAtlanta(アトランタ)のスポーツ記者Tom McCollister(トム・マカリスター)が書いた「Jack Nicklausは昔の腕の冴えがなく、もうお仕舞い。46歳でMastersに勝った者はいない」という記事を冷蔵庫のドアに貼付けました。当然Jack Nicklausも読んだわけですが、別にそれを外そうとはしませんでした。

Jack Nicklausのキャディは長男Jackie(Jack Nicklaus Jr.、24歳)が務めました。全英オープンで父のキャディが身体を痛めた時、Jackieは14歳でピンチヒッターとなり、以後何回か父のキャディを経験していました。彼自身、北部アマ、南部アマのチャンピオンの称号を得ている優秀なゴルファーでした。

初日は74、二日目71で、三日目はトップのGreg Norman(グレッグ・ノーマン)の6アンダーから四打差の九位。二位にはSeve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)とBernhard Langer(ベルンハード・ランガー)の二人、六位には中島常幸の名がありました。最終日のJack Nicklausは最終組の五組前でスタート。

No.9(パー4)でリーダーボードを見やった叔父さんは、甥がトップから六打差であることを知り「思わしくないね」と云い、叔母さんと共に借家に戻って行きました。No.12でJack Nicklausがボギーにすると、一組の友人夫妻も空港へと去ってしまいました。

CBSのNo.13(パー5)担当解説者はKen Venturi(ケン・ヴェンチュリ、1964年U.S. Open優勝者)。彼は「Jack Nicklausは引退を考えるべきだ」と公言していたのですが、このホールのバーディを目撃して「この日のJack Nicklausは別人のようだった」と語っています。

この時点までに順位は目まぐるしく入れ替わり、Seve Ballesterosが7アンダーでトップ、Tom Kite(トム・カイト)が一打差で二位、Jack NicklausはGreg Norman他の二名と共に5アンダーで三位タイ。

No.15(パー5)が転機でした。3.7 mのイーグル・パットを沈めると、Jack Nicklausの目の隅にJackieが躍り上がるのが見えました。嵐のような拍手に送られながら次のティーへと向かいつつ、父は「あんなにジャンプ出来るんなら、ゴルフじゃなくてバスケットをやりゃよかったんだ」と息子に云いました。

Jack Nicklausの母親は心臓バイパス手術をしていて、しばらくMastersからは遠ざかっていたのですが、この年「もう一度見たい」と云ってやって来たのでした。彼女は目立たないように木の陰などから息子を見守るのが常でしたが、No.15の大観衆の拍手喝采以後、もう引っ込んでいるのをやめ、隣に立っている人を突ついて"That's my boy!"(あれは私の息子なのよ)と云うようになっていました。

No.16(パー3)。Jack Nicklausの5番アイアン・ショットがまだ空中にある時、Jackieが"Be the right club."(距離ぴったしであってくれ)と云うと、ボールを見送りもしないでティーを拾っていた父は、"It is."(ぴったしさ)と応じました。後にJack Nicklausは「あの台詞は、私が人生でたった一度口にした気取った云い方だった」と回想しています。ボールは「ホールインワンか!」という軌道を描き、1 m通過して止まりました。そのバーディ・パットを入れると、観衆の拍手と歓声はもの凄く、Jackieの鼓膜が破れそうなほどでした。その騒音は後方のリーダーSeve Ballesterosの神経を撹乱し、水難を引き起こして自滅させました。

No.17(パー4)。Jack Nicklausのバーディ・パットは3.7 m。ボールは斜面の頂上にあり、どっちに切れてもいいように見えました。Jackieが「やや右に切れるんじゃない?」と云うと、Jack Nicklausは「いや、小川(Rae's Creek)が左に引き戻すんだ」と否定し、実際に右へ転がり始めたボールは真っ直ぐ左に向かい、そして入ってしまいました。"Yes, sir!"(お見事!)という、このホールの中継アナVerne Lundquist(ヴァーン・ランドクゥイスト)の台詞は(実は彼のオリジナルではなかったものの)この時のJack Nicklausの勝利の象徴となりました。彼によれば、仮設放送小屋は大観衆の発する歓声で揺れんばかりだったそうです。

Jack Nicklausがトップに立ち、これ以後、ゴルフ・トーナメントとは思えない大混乱がAugustaを支配しました。ある女性はハイヒールで木に登ろうとし、アイスクリーム売りはワゴンを放り出してJack Nicklausについていってしまいました。あるスポーツ記者はどのホールを取材すべきか判断出来なくなり、馬鹿みたいにぐるぐる走り回っていました。

Jack Nicklausの姉はNo.18へと急勾配の斜面を走り出した後、「いけない!お母さんも一緒だった!」と気づき、振り返ると何と心臓の弱い母親までも「遅れじ」と懸命に走っているではありませんか。ゼイゼイ云ってもいず、疲れた風でもありません。これは驚くべきことでした。

前のホールのバーディにより、Jack Nicklausは無理をする必要がありませんでした。No.18(パー4)をパーで上がってもプレイオフという算段です。彼は3番ウッドで安全にフェアウェイをキープ。残り175ヤードを5番アイアン。それはカップまで12 mのロング・パットを残しました。しかし、幸いなことにJack Nicklausはそのグリーンの構造を知悉していました。何故なら、このグリーンの改造は彼の会社が担当したからです。さらに、週の初め、彼は同じラインのパットを充分練習済みでした。

Jack Nicklausのパー・パットが沈み、父子は抱き合って健闘を祝しました。解説のKen Venturiが隣りのアナウンサーを見やると、アナは感動の余り何も云えない状態でした。Ken Venturiが代わりに"Oh, beautiful."(麗しい光景です)と云いました。そう云う彼の頬にも幾筋もの涙が流れていました。

まだトーナメントは終わったわけではありません。スコア・カードを提出したJack Nicklausは、あるキャビンでTV画面を見つめました。残る候補はGreg NormanとTom Kite。やがて二人は共に自滅し、Jack Nicklausは練習場へ行く必要もなく優勝してしまいました。

グリーン・ジャケットを着用したJack Nicklausは、記者会見の場に赴くと開口一番「Tom McCollisterはどこだ?」と云いました。例の「Jack Nicklausはもうお仕舞い」と新聞に書いた男のことです。Tom McCollisterが遅れてやって来ると、Jack Nicklausは"Thanks, Tom."(ありがとう、トム)と云い、Tom McCollisterは"Glad I could help."(お手伝い出来て何より)と応じました。

Jack Nicklausは74-71-69-65で廻り、二位のTom KiteとGreg Normanに僅か一打差の勝利でした。Jack NicklausにとってThe Masters六度目の優勝、そして46年二ヶ月23日という最高齢のThe Masters優勝者の記録が生まれたのでした。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(April 04, 2006、改訂October 25, 2015)


あれはSeve(セヴェ)の優勝だった(続・「金熊の65打」)

46歳のJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が優勝した1986年のThe Masters(マスターズ)について、週刊誌'Golfweek'も特集を組んでいます。こちらは時系列ではなく、人物別の回想です。'Golf Digest'が逃した素晴らしい要素を発見しました。

'A Ringside seat'
by Allistair Tait ('Golfweel,' April 1, 2006)

最終日のJack Nicklausのパートナーは英国のプロSandy Lyle(サンディ・ライル)でした。そのSandy LyleのキャディはDave Musgrove(デイヴ・マスグローヴ)と云い、1979年と1985年の全英オープンに優勝した時のSeve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)のキャディを務めた人物。彼はJack Nicklausが優勝したのは最終日後半を30で廻ったからではなく、Jack NicklausがNo.16グリーンに立っていた瞬間が鍵だったのだそうです。

[Augusta]

「Jack NicklausとSandy Lyleは、どちらもNo.16(パー3)のピンから約1.2 mにつけていた。われわれの後ろの組のTom Watson(トム・ワトスン)と中島常幸はNo.15のグリーン上にいたが、Jack Nicklausのパットが終わるまで待っていた。

【編註】図を御覧下さい。緑色で白抜き数字はグリーンです。No.15とNo.16のグリーンは極めて近く、Jack Nicklausのパットが成功すれば拍手と歓声によって後続の組のパットが妨害されるのは目に見えていました。事実、ここでJack Nicklausがバーディを決めた後の拍手と歓声は大変なものだったそうです。No.14を終えた時点でSeve Ballesterosは二打差でTom Kite(トム・カイト)をリードしてトップに立っていました。彼は「No.16に到達するまでには、このトーナメントはおれのものになっているだろう」と予告していましたから、まさにその通りに進行しつつあったわけです。

「この状況は、No.15の丘の上からの二打目にスタンバイしていた後続のSeve BallesterosとTom Kiteも、Tom Watsonと中島常幸がホールアウトするまで待たなくてはならなかったということを意味していた。もしSeve Ballesterosが待つ必要がなかったら、彼は決めていた通り残り198ヤードを5番アイアンで強めに打ってグリーンに乗せたところだ。ところが、彼は待たなくてはならず、その間に考える時間を授かってしまった。その結果、Seve Ballesterosは4番アイアンをカット気味に打ってソフトに着地するショットを打つ方針に変更した。彼はそのショットを池に沈めてしまい、The Mastersを失ったのだ。No.15のフェアウェイで長いこと待つことがなかったら、Seve Ballesterosの優勝は間違いなかった」

このDave Musgroveの主張は、われわれの「…がなかったら」、「…さえしなければ」というのに近いものではあります。Seve Ballesterosがタラレバ券(アメリカではマリガン券)を買っておかなかったのが誤算だったという…:-)。ここでの教訓は、「思いつきでクラブを変えてはいけない」ということでしょう。コース戦略は初日でも最終日でも一貫して同じであるべきだと云われます(天候が同じなら)。Seve Ballesterosは勝利を確実にするため「ショートするよりオーヴァー目の方がいいだろう」と思って4番アイアンを選び、左足下がりのライでダフって低いボールにしてしまいました。天才的ゴルファーの珍しいミスでした。

Jack Nicklausの卓越した自己コントロール法を目の当たりに観察出来たSandy Lyleは、二年後のThe Mastersで同じキャディDave Musgroveと共に優勝しました。

(April 06, 2006)


騒音からの遁走

Sandy Lyle(サンディ・ライル)はNo.15でJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がイーグルを射止めた時のことを、こう述べています。「観衆のあんなどよめきは聞いたことがなかった。観衆は気が狂ったようだった。私の首の後ろの毛が逆立った」

Tom Kite(トム・カイト)は「No.13からNo.14に向かって観衆の中を歩いて行くと、騒音でツンボになろうかという具合だった」。

同じく1986年のThe Masters(マスターズ)を、現NBC-TVゴルフ中継解説者のGary Koch(ゲアリ・コウク)は次のように回想しています。

'Hurry up and hit'
by Alex Miceli ('Golfweek,' April 1, 2006)

Gary KochとBob Tway(ボブ・トウェイ)の二人は、最終日Jack Nicklausの組の前でラウンドしていました。Gary Kochは彼がNo.10とNo.11にいた時から、観衆の声の轟きに気がつき始めました。彼がNo.12のグリーンにいた時、大観衆がJack Nicklausのバーディに反応した大歓声は、何か飛んでもないことが起っていると思わせる前兆でした。

Gary Kochは云う、「何が起っているか、No.15で痛いほど実感出来た。われわれがNo.15のグリーンを出るや否や、当然Jack Nicklausはピン傍に寄せて来て、観衆は舞い上がった。私とBob Twayは顔を見合わせ、お互いに『早く脱出しよう!つんぼになるのは必定だ』と云った」

二人は慌てふためいてNo.16のティー・ショットをし、ほとんどジョギングの早さでグリーンに赴き、Jack Nicklausのイーグル・パットの前にパット出来ることを祈った。そうはならず、舞台はJack Nicklausが独占した。

「もちろん、」とGary Koch。「彼はそのパットを成功させ、その周辺に大噴火が起った。ここが洒落ているのは、No.15グリーンの右側にも左にも観客がいて、No.16の池の左とグリーンの後ろにも観客がいることだ。全ての人々はJack Nicklausを見ていた。われわれではなく。電気ショックを受けたような具合で、首の後ろの毛が立ったほどだ」

No.16をホールアウトしたGary KochとBob Twayは、またもJack Nicklausの大波から逃れようと急いだ。Jack Nicklausはホールインワンもどきのティー・ショットをし、「また気違い沙汰の騒ぎになった」。Gary KochとBob TwayはあたふたとNo.17をプレイし、No.18のティー・ショットをした。彼らがフェアウェイに向かう頃、Jack NicklausはNo.17でバーディを決めた。「その大歓声は、私がこれまで聞いた中で一、ニを争うほど大きなものだった」

(April 06, 2006)


リッキオのパットの法則

「リッキオの法則」はGIR(パーオン率)がスコアにどう関係するかを導き出したもので、《80を切るには18ホールのうち少なくとも八つのホールでパーオンしなければならない》というものでした。もしGIRが八つ以下で80を切れればショートゲームが上手いということを意味し、逆もまた真ということになります。

[Lou]

今回、「リッキオの法則」発見者Lucius Riccio, Ph.D.(ルシァス・リッキオ博士、写真)が、新たに「パットの法則」を発表しました。あくまでもGIR(「リッキオの法則」)が優先であり、この「パットの法則」は付帯的なものでしかないという説明がついています。

'What it takes to break 80'
by Lucius Riccio, Ph.D. ('Golf Digest,' May 2006)

「調査結果をまとめたものは以下のようになる。

Putts37363534333231302928
Score9591.68885.68379.67773.67167.6

つまり、常に80を切るゴルファーの1ラウンドの平均パット数は32である。ちなみに、PGAツァー・プレイヤーの平均パット数は28である。

GIRが8で、パット数が32であれば、それは80を切るパターンの定番と云える。GIRが低くても、ツァー・プレイヤーよりパットが上手ければ80を切れる。しかし、もしパットが並の腕前で、どのグリーンでも2パットするなら(計36)、GIRは11以上でなくてはならない。その関係を表にすると以下のようになる」

GIRs45678910111213
Putts26282930323334363738

【参照】「パーオン率がゴルフを決める」(リッキオの法則)

【おことわり】画像はhttp://cusp.nyu.edu/にリンクして表示させて頂いています。

(April 16, 2006)


リッキオのパットの法則を活かす

上の記事に続いてインストラクターShelby Futch(シェルビィ・ファッチ)が、GIRを伸ばす方法とパット上達の鍵を説明します。

「・GIRを伸ばす

1) クラブを短く持つ
 1インチ(約2.5 cm)クラブを短く持つと正確度を増すことが出来る。飛距離が若干落ちるだろうが、短く持つとインパクトでフェースをスクウェアにするのを容易にする。それが6番アイアンよりウェッジを真っ直ぐ打てる理由の一つだ。

2) 短くスウィングする
 アイアンを肩の高さより上に上げる理由は全く見当たらない。短いバックスウィングはおかしな位置にクラブを運ぶ可能性を減らし、ボールに向かって加速すべきだという感覚を与えてくれる。

3) グリーン中央を狙う
 GIRが8なら80を切れると保証されているのだから、グリーンのどこであろうと乗せればいいのだ。ピン傍につけるなどという見栄を捨て、グリーンの真ん中をターゲットにすべし。プッシュしようが、プルしようが、フェードだろうが、一寸ミスしてもそれでもオンすることが期待出来る。

・パット数を減らす

1) ショートとアマ・サイドへのミスを冒すな
 われわれのゴルフ・スクールのデータでは、80%のパットがショートし、カップの低い方(アマ・サイド)にミスしている。これを防ぐにはもっとブレイクを多めに見積もり、もっと強めにストロークすることだ。カップを通り過ぎるにしても、転げ込む可能性を秘めているからだ。

2) ラインに合わせよ
 ボールに直線を描き、それを狙い目(ブレイキング・ポイント)に合わせること。そのラインに沿ってストロークする。

3) ミスの傾向を知れ
 アマチュアは「おれは右へ行きがちだ」とか「ショートしがち」という台詞を口にする。傾向を知らないよりは知っている方がいい。ミスの傾向を記録し、それを除去すればなおさらいい」

(April 16, 2006)


練習の要点

'A Woman's Own Golf Book'
by Barbara Puett and Jim Apfelbaum (St. Martin's Press, 1999, $21.95)

「ラウンド前の練習では、先ず3番ウッドか5番ウッドで30ヤード先へのチップ・ショットを行う。バックスウィングは短く、ダウンスウィングで加速し、ボールの下の草を掃くこと。ボールが上がらなくても心配しないこと。チップ・ショットのようにスウィングし、次第に長さを増して行く。最後には自信を持って打てるようになる。

No.1ティーでの不安を解消するには、地面にティーを刺し、それをクラブで掃くようになぎ倒すのが良い」

(April 23, 2006)


ターゲットに集中する

スポーツ心理学者Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)による集中の極。

'The Golfer's Mind'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2004, $23,00)

「ターゲットに集中することは、ボールの方向を格段に良くする。ターゲットに集中すればするほど、あなたの本能と潜在意識はそのターゲットに向かう努力をする。それは、まるで熱線追尾型ミサイルが熱源(ターゲット)にまっしぐらに向かうのに似ている。

ターゲットを選択したら、ボールがひとりでにそこへ向かうようにすること。ボールを誘導しようとしたりしてはいけない。伸び伸びと自信を持ってスウィングすること」

LPGAツァーのPaula Creamer(ポーラ・クリーマー)、Michelle Wie(ミシェル・ウィ)、Natalie Gulbis(ナタリィ・ガルビス)、Morgan Pressel(モーガン・プレッセル)などのスウィングを見ていると、彼女たちはボールの飛ぶ方向など全く気にしないで、ひたすら大きい(大振りというのではなく、精一杯伸び伸びと)スウィングをしているように見えます。人によってはプッシュしたかに見え、あるいはプルしたようにも見えますが、実際にはボールは遥か彼方のフェアウェイのど真ん中に飛んでいます。つまり、彼女たちはボールを誘導しようなどと思わず、自信をもって伸び伸びとしたスウィングをしているだけということになります。彼女たちには“恐れ”というものが感じられません。練習場や練習ラウンドでの成果を信じ切り、ひたすらピン目掛けてアタックします。私はそこにこのゲームの根源を見る気がします。ターゲットにボールを運ぶ喜び。スコットランドの羊飼いたちもその喜びにハマっていたのでしょう。

(May 04, 2006、増補June 02, 2015)


ドイツの会員制と料金体系

ベルリンにお住まいのファンゼロー理香さんからメールを頂きました。ドイツでプレイするには資格審査という関門があることは伺っておりましたが、まだそれだけでもプレイは出来ないようです。ファンゼロー理香さんによれば中々厳格なシステムですが、ちゃんと格安で経済的な道も残されており、世界的に進んでいる面もあるようです。なお、コースの長さはメートル表記で頂いたのですが、お許しを得てヤードに換算させて頂きました。

4月30日の「貧乏ゴルファーの算術」を拝読して、アメリカと欧州とではどちらがゴルファーにとって安上がりになるのだろうと思い、ちょっと調べて見ました。

[Germany]

ドイツでゴルフをプレーするには、どこかのクラブに所属していないと、原則、どのコースでもプレーすることはできません。グリーンフィーを払ってもです。そこで、まずクラブのメンバーになる必要性が生じてきます。クラブは海外のゴルフクラブでもOKなようです。ドイツ国内のクラブに入会すると、ドイツゴルフ協会から毎年、自分の名前とハンディキャップが記入されたクラブ会員証が発行されます。

ドイツでは、クラブの正規会員となれば、ワンシーズンに2,000回ゴルフしようが、1回ゴルフしようが、出費は同じです。日本のように会員であっても、プレーをするたびにグリーンフィーを払ったりしません。クラブの会員システムは、クラブや地域によってやや差異はあるものの、主に次の4つがあげられます。(注:以下、1 Euro = 143.182 JPYの為替レートで計算で100円単位は四捨五入)

(1)入会金と年会費を支払うシステム

去年私が所属していたクラブは、18ホールのコース(6,835ヤード、 Par 72)と9ホールのコースがあり、26歳以上の成人であれば、520 Euro(74,000円)の入会金と年会費1,500 Euro(215,000円)を支払います。今年はクラブ創立15周年を記念して、入会金を廃止し、一年目は大出血サービスの699 Euro(100,000円)、2年目からは160 Euro(23,000円)を月賦で10回払うようになっています。 ベルリン市内から車で1時間以内に行けるゴルフ場は10以上あります。クラブ間の競争が激しくなり、メンバーを集めるのに必死なのでしょう。ちなみにクラブのランクは中の上で、バリバリのスポーツマンが多く、体育会系の雰囲気です。

(2)株(会員権)を買って年会費を支払うシステム

今私が所属するクラブは、18ホールの北コース(6,845ヤード、Par73)と南コース(7,093ヤード、Par72)があり、南コースはRobert Trent Jones Jr.設計、ドイツで三本の指に入るコースです。一人につき、株を一株 17,742 Euro(2,540,000円)を購入し、年会費 1,620 Euro (231,000円)を支払います。「カップル」で入会すると、年会費が割引され二人で2,950 Euro(424,000円)になります。ドイツでは子供が生まれても、ウン十年一緒に住んでいても結婚しないカップルが少なくありません。もちろん同性愛者のカップルも割引されます。株は売買できますので、クラブが潰れない限りは資産になり、買値よりも高く売れれば、利益が生じます。もちろん逆もしかりですが。家庭の事情や健康上の理由でゴルフができないときは、株をそのまま保有し、プレーする権利だけを他の人に無料・有料で貸し出しすることもできます。ちなみに上記のクラブと比べると、上品なソーシャルクラブという雰囲気です。

以上二つのクラブの年会費は23万円。確かにまとまったお金ではありますが、休暇を1回減らせば、支払い可能な金額ではないでしょうか。一年間の健康維持・ストレス解消費、毎日の余暇費、ソーシャルクラブ費と考えれば、そんなに高い投資ではありません。ドイツでは「ゴルフは年金者のスポーツ」とされています。年金者であれば、毎日ゴルフができます。毎日プレーして23万円なんて、日本のゴルファーが聞いたら信じられない話でしょう。

おまけに子供がいれば、これはとってもお得な投資です。日本のゴルファーから見れば、タダ同然の値段で週二回(各三時間)、クラブプロが指導するグループレッスンを受けることができるのです。本当に羨ましい限りです。下は現在所属するクラブの子供の年会費の表ですが、どこのクラブも同じくらいです。

・クラブメンバーの子供の場合

年齢  入会金   年会費  
14歳まで なし 75 Euro(11,000円)
15歳から18歳まで 310 Euro(44,000円) 310 Euro(44,000円)
19歳から25歳まで 1,450 Euro(207,000円) 530 Euro(76,000円)

親がクラブメンバーでない子供の場合、料金は20ユーロほど高くなります。
ハンディキャップが+0.4、またはハンディキャップ-5以下の若者はめずらしくありません。

(3)インターネットのバーチャル・ゴルフクラブVcG(Vereinigung clubfreier Golfspieler)に入会する

VcG はドイツゴルフ協会の子会社です。入会金はなしで、年会費は220 Euro(32,000円)ですが、毎回グリーンフィーを支払って、プレーすることになります。あまり頻繁にプレーしない人、いつも同じコースではなくて、いろいろ違ったコースでプレーしたい人には理想的なシステムかもしれません。特にドイツではシーズンが3月下旬〜10月下旬と短いので、それぞれのライフスタイルにあったシステムを選んでいるようです。

(4)その他

倹約で有名なドイツ人ですが、ものすごいド田舎のゴルフ場とは呼べないところのクラブに所属する方法もあります。年会費はVcGよりも安くなり、コンペのときに所属クラブの欄に「VcG」と書くよりかは見栄え(?)がいいのです。

あとは、リゾート地のゴルフクラブの会員になり、年〇回までは無料、それ以上はメンバー特別料金を支払うようなシステムもあります。もちろん、ほとんどのゴルフクラブで「一年のお試し特別価格」があります。いきなり正規メンバーにならずに、一年間試すのです。大抵は、正規会員の年会費よりかは高く設定されています。

ちなみにドイツではプルカートが主流なので、カート費は生じません。ゴルフカート(車)は、「カートに乗る必要がある」という医者の診断書をクラブに提示しなければ、乗ることができません。ドイツ南部のアップダウンが激しいゴルフ場ではカートが許されているようですが。

最後に一つ重要なことを。残念ながらゴルフの費用は接待費として税金控除の対象にはなりません。こちらの医者や企業家に日本の話をすると、皆さん非常に羨ましがっています。

【参考】 「ドイツのゴルフ」(tips_53.html)

【おことわり】画像はhttp://www.golfpunkhq.com/にリンクして表示させて頂いています。

(May 14, 2006)


Eye-hand coordination(アイ=ハンド・コーディネーション)

「睨(ねめ)付ける」という記事を書いたことがあります。それは主にロングショットを念頭に置いたものでした。

「静かな凝視でパットする 」では「上手なゴルファーはカップの一部(例えば縁の芝の一本)をターゲットとして選び出す」というtipを紹介しました。

「睨(ねめ)付ける」方はフェアウェイのヤードマーカーの右とか、バンカーの左とか、木々の影など結構広範な部分を凝視するわけです。しかし、後者の「カップに垂れ下がる芝の一本」というのはかなり小さな目標です。例えて云えば、針に糸を通す時、針の穴に瞳を凝らすのに似ています。針の穴を凝視する視神経の情報によって、脳は糸を持つ手に「もっと上、いやもう少し右」などと命令を下し、手の神経系+筋肉が針の穴を目指して微細な動作を繰り広げます。"eye-hand coordination"(アイ=ハンド・コーディネーション、目と手の協調)の極と云えるでしょう。つまり、「視る」ことが次の動作のベースなのです。

芝の一本を二秒か三秒凝視すると、脳に距離感が伝わります。それによって肩・腕・手の神経は過去の経験に基づき、適切な幅の動作を実行します。これも"eye-hand coordination"です。もし、漫然とカップを見ただけだと、「えっと、この程度かなあ?」みたいな距離感しか脳に伝わりません。バーディへの期待に興奮していたり、3パットの予感に恐れ戦いていたりしている場合、目はカップに向いていても実際にはどこにも焦点があっていないということもあり得ます。これでは脳から筋肉への指令も「距離がハッキリしないから、適当にパットしとけや」となるでしょう。やはり「ターゲットを絞って瞳を凝らす」必要があるわけです。

【参考】
「睨(ねめ)付ける」
「静かな凝視でパットする」

(May 16, 2006、増補June 02, 2015)


飛距離か正確さか

'Power or precision; which is better?'
by Roger Gunn ('Golf Illustrated,' May/ June 2006)

「PGAツァーでは、飛ばないと云われるプロでさえ300ヤードを越えるような飛距離を出している。それを観るのは楽しい。しかし、それをアマチュアのあなたも出来ると思ったら間違いだ。あなたがホームラン王のバッティングを真似出来ないのと全く同じことだからだ。

あなたに出来ることは次のようなことだ。第一打の後、グリーンに到達出来る正しいクラブを選び、あなたの通常の快適なスウィングをする。

パワフルなプロのゴルフは、あなたにショート・アイアンまでパワフルに打たなくては…などという悪影響を及ぼしている。カップに近く着地すれば、それがウェッジだろうが8番アイアンだろうが問題ではない。ゴルフは狙った場所にボールを運ぶゲームであり、力を見せびらかすゲームではないからだ。

あなたが快適な(力まない)スウィングで8番アイアンを125ヤード打てるなら、充分80を切れる可能性がある。7番アイアンで145ヤード打てるなら、スクラッチ・ゴルファーになれる資格を備えている。ドライヴァーをキャリーで235ヤード打てるなら、クラブ・チャンピオンになれないのが不思議なくらいだ。あなたは上のどれかに該当しませんか?

あなたの各クラブを快適に(力まずに)打った時に、キャリーでどれだけ飛ぶか調べなさい。これは練習場ではなくコースで、しかも暖かく無風に近い日に実施すべきである。グリーンに乗ったとしてもランは無視し、ピッチマーク(着地した地点)までの距離を測る。じきに、自分の快適なスウィングがボールといい接触をした時、驚くほど一定の距離に到達することに気づく筈だ。この段階で、各クラブの飛距離をメモし、ラウンドの最中に参照する。

友人があなたより短いクラブを選んだとしても、それに惑わされてはならない。自分の飛距離メモに忠実にクラブを選び、その友人があなたに負けて19番ホールで一杯奢ってくれるのを期待すべきである」

(June 06, 2006)


Jim McLeanの名前について [3 clubs]

人名の発音にうるさい私がJim McLean(ジム・マクレイン)と表記しているのに疑問を持たれた方もおありでしょう。綴りからすると当然「マクリーン」と思われますが、The Golf Channel(ザ・ゴルフ・チャネル)のアナウンサーも"McLane"のように「マクレイン」と呼び、出演するJim McLean当人も「私はジム・マクレイン」と自己紹介しています(彼のDVDでもそうです)。

調べると、名前としてはMcleanもMcLaneも、McLain、McLeenも全部同じ一族なので、どう発音してもいいようです。しかし正確を期すため、この度Jim McLean Golf Schoolに質問のメールを出しました。返事は"Jim pronounces his last name as McLane, just like you heard on television."(当人は、あなたがTVで聞いたように、マクレインと発音します)とのことでした。彼を「マクリーン」と呼ぶのは真の業界通ではない人ということになります。


(June 15, 2006)


二つのボックス

スウェーデン出身のメンタル・コーチPia Nilsson(ピア・ニルソン)は、Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)に「全てのホールをバーディで廻る」という'Vision54'を植え付けた女性。彼女がアメリカ人女性インストラクターLynn Marriott(リン・マリオット)と組んで'GOLF54'というゴルフ・スクールをアリゾナ州に開設しました。二人の共著の最初に出て来るアイデアが、「二つのボックス」という概念です。

[Pia]

'Every shot must have a purpose'
by Pia Nilsson and Lynn Marriott with Ron Sirak (Gotham Books, 2005, $22.50)

ティー・グラウンドにボールをセットしたら、ボールの周りにバッター・ボックスのような領域を視覚化します。そのターゲット・ライン後方にも同じ大きさのボックスを視覚化します。この後者を"THINK BOX"(思考ボックス)と呼び、前者を"PLAY BOX"(実行ボックス)と呼びます。二つのボックスの間に線があると想定し、それを"DECISION LINE"(決断ライン)と呼びます。

[2_boxes]

「思考ボックス」においては、風・湿度・地形・レイアウト・ライ・作戦・軌道・体調など全てを勘案して、クラブ選択の是非やターゲットの設定に思考を凝らします。そして、「これでよし!」となったら「決断ライン」を越えて「実行ボックス」に移動します。いったん「決断ライン」を越えたら一切の思考活動を停止し、自分の持てるベストのスウィングを実行することに集中します。

つまり、「実行ボックス」に移ってからも「本当にこのクラブで良かったろうか?」とか、「念のため強めに打とう」、「もっと左を狙うべきだろう」などと考えてはいけないのです。それらは「決断ライン」を越える前に結論を出しておくべき事柄です。「実行ボックス」では「思考ボックス」で出した結論通りにショットします。自分の決断に自信を持ち、結果を心配してはいけません。

「でしゃばりコーチをブロックする」では「自己」を二つに分けていました。自分自身のコーチである「自己1」と、ショットを実行する「自己2」です。著者Timothy Gallwey(ティモシィ・ゴールウェイ)はショットの邪魔をする「自己1」の介入を遮断するため、スウィング中ハミングするとか、"da-da-da"と唱えるなど色々な方法を考え出しました。

「分析的思考」を司るのは左脳で、自分をコーチしようとする「自己1」も左脳による作用です。「実行」は右脳による感覚的・運動的作用です。二つの本の内容の目指すところは同じで、《ショットを実行する際には何も考えない》ということです。

二つのボックスを「左脳ボックス」と「右脳ボックス」と呼ぶことも出来るし、「将軍ボックス」と「兵隊ボックス」と呼ぶことも出来ます。兵隊は下された命令に従うものであり、勝手に作戦を変更してはいけないからです。同様に「社長ボックス」と「社員ボックス」と呼ぶことも可能です。奥さんの尻に敷かれている御夫婦なら、「山の神ボックス」(がみがみと指図する)と「亭主ボックス」(奥さんの云いなりになる)と考えてもいいでしょう:-)。

著者たちはこうも云っています。「ショットに自信がないと、ボールをフェアウェイにガイドするようなスウィングをしがちになる。これはトラブルの因である。『実行ボックス』に入ったらターゲットにのみ意識を集中すべきである」

この「二つのボックス」メソッドを身につけるには、練習場の自分のスペースに紐を一本置き、それを「決断ライン」とする方法があります。慣れれば、紐なしでも「実行ボックス」へ決然と移動出来るようになるでしょう。

【参照】
・「決断を変えるな」(tips_132.html)
・「左右の脳を使い分ける」(tips_57.html)
・「Timothy Gallweyのでしゃばりコーチをブロックする」(tips_03.html)

【おことわり】出版物の画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(June 25, 2006、増補December 04, 2015)


1ダースの道具tips

'Golf Digest'7月号の'101 Secrets to great golf'(偉大なゴルフへの秘密101)という特集はなかなか面白い。「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のサインの貰い方」、「上司とゴルフする方法」、「Christie Kerr(クリスティ・カー)の27キロ痩せる法」、「Laura Diaz(ローラ・ディアス)の妊娠中にプレイする方法」、「破産しないでスコットランドでプレイする方法」、「Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)の時差ぼけ予防法」、「Greg Norman(グレッグ・ノーマン)のワイン賞味法」、「エイジ・シュートを達成する方法」などが満載されています。以上のようなテーマに御興味のある方は洋書店に直行して下さい。

'Frank's equipment secrets'
by Frank Thomas and editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' July 2006)

Frank Thomas(フランク・トーマス)は長くUSGAでゴルフ・クラブやボールのテスト・認可に携わって来た人。現在は雑誌やTGCで活躍中。

・ロブ・ウェッジをバッグに入れる前には、長時間の練習が必要である。
・多くのゴルファーのサンド・ウェッジはバウンスが少ない。
・3番アイアンと4番アイアンを捨て、ハイブリッドに置き換えるべし。
・10 cmものラフからのショットではグルーヴ(フェースの溝)は何の役にも立たない。
・フェース・バランストのマレット型パター(指先で釣り合いを取った時、フェース全体が空を向くもの)は、パッティングのミスを救ってくれる。
・ギャップ・ウェッジはグリーン周辺における成功に不可欠のクラブである。
・二つのドライヴァーを携行するなら、異なるロフトのものにせよ(フック・フェースやスライス・フェースでなく)。
・RシャフトにすべきかSTIFFにすべきか迷ったら、Rを選ぶべし。
・クラブヘッド・スピードが秒速36〜40 mで、ボールの発射角度が14°、スピン・レートが3000+ rpmの場合に、最も遠くへ飛ぶ。
・ドライヴァーのスウィート・スポットの一寸上で打つのが、縦のギア効果を利用し、スピンを少なく、高い軌道を得る方法である。
・秒速4.5 mの向かい風は、秒速4.5 mの追い風の30%のドライヴァーの飛距離を減らしてしまう。
・150ヤード離れて10°高くなっているグリーンに打つ場合、約175ヤード(2クラブ分足す)として打つべきである。

(June 29, 2006)


前頁 ← | → 次頁



 Copyright ©  1998-2018   高野英二  (Studio BE)
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.