イギリスの若手プロLuke Donald(ルーク・ドナルド)の、トーナメント直前の練習法。なかなかユニークです。
'Scoring Machine' 「私は他のプロたちのように練習グリーンで練習を終了するのではなく、打ちっ放し練習場で終える。 様々なクラブによる練習を済ませてから、私はNo.16、No.17、No.18を想定してドライヴァーからアプローチ・ショットまで練習する。いずれもフェアウェイを視覚化し、ターゲットを設定し、プレショット・ルーティーンを実行する。次に、No.3、No.2、No.1の順で同じように練習する。 この方法だと私は自信を持ってNo.1ティーに向かうことが出来る。よく『No.4かNo.5になるまでエンジンがかからない』という愚痴を聞くが、私の場合はもうNo.3まで済ませているので問題ない。ラウンドを上り調子で終えることも重要だ。私は最後の三ホールを練習済みなので、迷うこともなく落ち着いてプレイ出来る。 この方法は私のメンタル面のコーチJim Fannin(ジム・ファニン)が考え出したもので、これによって私はラウンドの序盤と終盤を自信を持ってプレイ出来るようになった」 |
(December 11, 2005)
Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)がスウィング軌道の超簡単チェック法を教えてくれます。
'At the Range,' a part of 'Breaking 90 with Johnny Miller'
by Johnny Miller (Callaway Editions, 2003)
「ボールは無くてもよい。ターゲット(例えば練習場の旗竿)を定め、それにアドレスして普通にスウィングする。インパクトのかなり以前に視線をターゲットに移す【編者註:Annika(アニカ)やDuval(デュヴァル)のように】。フォローへと向かうクラブの動きが、ボケたイメージ(連続した残像)として視界を横切る筈だ。
スクウェアにスウィングした場合、クラブのボケたイメージはターゲットにダイレクトに重なる。スライスを打つ傾向がある人は、イメージはターゲットの左に見える(アウトサイド・インの軌道)。フックがちの人だと、イメージはターゲットの右に現れる(インサイド・アウトの軌道)。
もし何度やってもボケたイメージがターゲットに重ならない場合、練習ボールを打つのを止めて100ヤード先のピンを狙い、20回連続でターゲットにイメージが重なるよう素振りをする。その後に、ボールを打つ(もう、顔を上げてはいけない)。いい軌道のボールが得られる筈だ」
Johnny Millerは以上をBen Hogan(ベン・ホーガン)が有名にしたガラス板の比喩と同じ「スウィング・プレーンのチェック法」として紹介しています。しかし、この方法は身体に対するガラス板の角度(アップライトかフラットか)を教えてくれるわけではなく、ターゲットラインに対するガラス板の角度(左右のズレ)を教えてくれるだけです。ですから、ここでは「スウィング軌道のチェック法」という風に改めました。これだけでも助かりますが、やはり完璧なスウィング・プレーンのチェックとなるとヴィデオに撮ってみるしかないようです。
(December 15, 2005、改訂January 07, 2017)
中堅インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)によるサンド・ウェッジの選択。
'The Scrambler's Dozen'
by Mike McGetrick with Tom Ferrell (HarperCollins, 2000, $25.00)
「名手Gene Sarazen(ジーン・サラゼン)は、クラブを砂にめり込ませず浅く砂を取ると望ましい軌道で、しかもスピンがよくかかるボールが得られることを発見し、ピッチング・ウェッジ底部の縁を厚くした。
クラブヘッドが砂に突入した後、薄い縁のピッチング・ウェッジだと砂にめり込んでしまうのだが、Gene Sarazen発明の底部の厚い縁はヘッドを砂から弾き返してくれる。この厚い縁が“バウンス”と呼ばれるものだ。このGene Sarazenのクラブは以後サンド・ウェッジと呼ばれるようになり、今やこれを使わないゴルファーは皆無となった。
私は54〜56°のロフトで、6〜12°のバウンスのサンド・ウェッジを勧める。
もしあなたのホームコースの砂が軽くさらさらしたものであれば、バウンスの大きいものを選ぶべきだ。もし、砂の層が薄く、下に固い地面があるなら少ないバウンスを選ぶ。
覚えておくべきこと:フェース角度によって、サンドウェッジの特性が変えられる。フェースをオープンにするとバウンスが増すのである」
(December 15, 2005、増補June 02, 2015)
Greg Norman(グレッグ・ノーマン)によるプレッシャーに強くなる練習法。
'Instant Lessons'
by Greg Norman with George Peper (Simon & Schuster, 1994, $15.00)
「私はパッティング技術を鍛えるためにショート・パットを練習するのでなく、神経を鍛えるために行う。
目標は25回連続してパットを成功させることだ。先ず、60cmから始める。これは想像するよりずっと難しい。数字が25に近づくにつれ、明白にテンションが高まる。特に、あなたが25回連続成功しなければ練習グリーンを立ち去らないと決意した場合には。
60cmに成功したら、次は1mに挑戦する。私の場合、続いて1.2mを行い、たまにだが1.5m、1.8mに進むこともある。これまでの経験で1.8mを25回連続成功させたのは、ほんの二、三回しかない。しかし、この練習法はテクニックと神経の双方に大きな自信をつけてくれること請け合いである」
以前、「パット練習法(若干クレージー篇)」tips_95.htmlという記事を書きました。2m離れて五個の小さいターゲットを12個のボールで倒す練習でした【右の写真】。これだと七回の失敗が許されるので、あまり緊張しません。で、ボールの数を五個に減らしています。一個で一つの的を倒さなくてはなりませんから、これは緊張します。一つ失敗すると、非常に口惜しい。全部成功すると、思わずガッツ・ポーズしちゃいます。これで本番のパッティングに近くなりました。
(December 21, 2005、改訂January 10, 2019)
「やっぱり木に当たったか」、「やっぱりオーヴァーしたか」、「やっぱりショートか」…こういうのを「やっぱり病」と云います。又の名を「死ななきゃ治らない病」。
「やっぱり」という以上、当人はそういう結果を予感していたわけです。100%失敗を予感したら、まさか誰も実行はしないでしょうが、素人が「たぶん大丈夫だろう」と打っちゃったという状況ですね。こういう状況では、《必ず悪い結果が実現する》という法則が成立するようです。「多分いいだろう」の裏には「ひょっとすると駄目かも知れない」がくっついているわけで、われわれはちゃんと悪い結果も予感しているんですね。そして、その悪い結果が起る確率は極めて高い。
私の経験で云うと、「こんな高い木の枝に当たるわけない」と打って何度木の枝に掴まったことか。実は当たり得ることを潜在意識は知ってるんですね。潜在意識は過去の経験を記憶していて、「多分当たりますよ」と脳に注意を喚起している。しかし、「このクラブでそっちへ打たなきゃパーが取れない」というような意思が「こんな高い木の枝に当たるわけない」と潜在意識を無理矢理ねじ伏せ、自殺行為へとひた走ることになるわけです。
後になって「やっぱり」がつくような決定は、失敗の可能性を予感していて実行したわけですから、確信犯と云えます。弁解の余地のない、完璧に「死ななきゃ治らない病」。どうせなら、「やっぱり無茶な冒険をしないでよかった」という「やっぱり」にしたいものです。
【参考】「えい、ままよ!を根絶せよ」(tips_121.html)
(December 23, 2005、増補May 24, 2015)
'Tiger Time'
by Dave Allen ('Golf Magazine,' September 2005)
「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のトーナメント直前の練習法。あるイヴェントで、彼は毎日判で押したようにスタート時間の75分前に練習グリーンに現われ、以下のような練習をした。
・練習グリーン(20分) 二個のボールで8の字を描くように動き廻る。全部で60パット。ほとんどはラグ・パットで、16個のボールを40フィート(約12m)以上から。最も短いパットは5〜6フィート(約1.5〜1.8m)の範囲。
・打ちっ放し(35分) 先ず短いピッチ・ショットで身体をほぐし、ウェッジのフル・ショットをいくつか。ショート・アイアン、ミドル・アイアン、フェアウェイ・ウッド、ドライヴァーに約5分ずつかける。次いで、ウェッジまで逆の順で練習。最後に、No.1で必要とされるクラブで一個ずつボールを打つ。
・練習場(5分) バンカー・ショットとラフからのピッチ・ショット。フロップ・ショットを二個、タイトなライから二個のチップ・ショットと二個のピッチ・ショット。
・練習グリーン(8分) 12フィート(約3.7m)からのパットを22回」
(December 25, 2005)
【註】現在当サイトでは、「握り方」をグリップ、「握る部分」を「ハンドル」と区別するようにしていますが、過去の記事の題名を修正すると数々のリンクも修正しなければならなくなり大変なので、そのままにしておきます。(January 07, 2017)
「中間クラブ対策」や「3x4システム応用篇」で紹介したグリップ位置表示のマーク(写真)ですが、一応USGAにお伺いを立ててみました。返事は「写真だけでは何とも云えない。USGAがクラブ・デザイナーや製造会社に公式にイエス、ノーを云うためには、現物を送って貰って検査する必要がある。グリップに凹み(ディンプル)を作らなくても、マークを付けることは可能だと思うが」ということでした。そして、現物見本に同封するための申請書が添付されていました(私は送る気はありませんが)。
要するにUSGAが気にしているのは、触って判るようなマークではないかどうかという点です。只単にマジックや修正ペンで印をつけるのなら問題ないが、グリップに突起や凹みを作るのはいけないと。
私は修正ペンで先ず白い点を描き、それが乾いてから色マジックで塗り分けています。目をつぶって触って判るようなものではないので問題ありませんが、数ヶ月経つと手擦れで色が薄れてしまうのが難点。しかし、合法的なマークの付け方は現在これ以外に考えつきません。
【参考】「中間クラブ対策」
(December 29, 2005、改訂January 24, 2017)
以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。
「ティーショットのミスはリカヴァリー出来る。パットのミスはリカヴァリー出来ない。それが、我々にパターを真っ二つにさせる理由である」
Jimmy Demaret(ジミィ・デマレ)
「なぜ、私が新しいパターを使ってるのかって?前のは浮かんで来なかったからさ」
Craig Stadler(クレイグ・スタッドラー)
「念願かなってやっとプレイ出来ることになったいいゴルフコースというのは、靴を履き替える時間も惜しいぐらいだ」
Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)
「ゴルフコースの悪口を云う人は、食事を御馳走になっておいて、去り際に主(あるじ)に向かって『ひどい食事だった』と云うようなものだ」
Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)
「多くのプロ同様、私もいいショットよりミス・ショットの方を生々しく記憶する傾向がある」
Ben Hogan(ベン・ホーガン)
「バンカーと池の違いは、交通事故と飛行機事故の違いに似ている。交通事故なら生き延びるチャンスがある」
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)
「ボールがガラガラ蛇から1クラブ以内に着地した場合、ボールを動かしてよい」
アリゾナ州のあるコースの立て札(そんなもん、動かせますかって…)
「野球で3,000本安打を打つのに17年かかった。ある日の午後、同じことを一日で達成した。ゴルフコースで」
Hank Aaron(ハンク・アーロン)
「これ(おっぱい)が無ければ、あと20ヤードは飛ばせるわね」
Babe Zaharias(ベイブ・ツァハリアス、写真)
「30mもあるパットは、ソファの反対側に座っている女の子に触ろうとするようなもんだね。彼女に届くかも知れないが、大した成果は得られない」
Charles Price(チャールズ・プライス)
「私の問題は考え過ぎる点。いいゴルフをするには馬鹿になりなさいって、いつも自分に云ってたわ」
Joanne Carner(ジョアン・カーナー)
「あんたはプレッシャーってものがどんなものか知らないだろうよ。5ドルの賭けゴルフを、所持金たったの2ドルでやってみるまでは」
Lee Trevino(リー・トレヴィノ、彼は若い時、本当に上のような賭けをしていた)
【おことわり】画像はhttps://i.pinimg.com/にリンクして表示させて頂いています。
(December 29, 2005)
'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)
古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。編著者Bill Kroen(ビル・クロエン)は精神療法士、児童心理学者として著作をものにするかたわら、ゴルフ・インストラクターとしても活躍し、Callawayのプロ・スタッフの一員ともなっています。
「プロのスウィングをヴィデオで見るといい影響が残る。最もいい方法はヴィデオの音を消し、スローモーションで見ることだ。プロのリズムとテンポがあなたの心に流れ込んで来る。ウォーミング・アップのスウィングをしながら、そのフィーリングを再現させる」
(January 11, 2006)
'Rip the driver, but swing your irons easy'
by Johnny Miller with Guy Yocom ('Golf Deigest,' February 2006)
「最近のドライヴァーは許容度が高いので、PGAツァー・プロたちはおまけの飛距離の可能性を求めて引っ叩く。たとえスウィート・スポットを外したとしても、それでも結構ストレートに長く飛ばせるし、ホットに打てればグリーンへショート・アイアンで打てるのは確実だ。
私は上の戦術に賛成だが、不幸にして彼らはアイアンにまで同じ方法を当てはめていて、これは大きな間違いである。
私がプレイしていた頃のトップ・プロたちは、最近のプロたちよりもG.I.R.(パーオン率)が高かったと確信している。われわれは許容度の低い旧型アイアンによってスウィート・スポットで打つため、よりコントロールされた正確なスウィングを心掛けた。
今日のアイアンは一般的に許容度は高いものの、あんな風に引っ叩いていいというものではない。誰でもワン・クラブ上げて少し楽に振れば、距離コントロールがよくなり、よりストレートなボールが打てるようになるだろう。アマチュアもワン・クラブ上げ(7番アイアンと思ったら6番アイアン)、コントロールされたイージーなスウィングをするべきだ」
(January 15, 2006)
'Don't Let Your Playing Partner Ruin Your Round'
by Roger Gunn ('Golf Illustrated,' Nov./ Dec. 2004)
「ただでさえゴルフは難しいのに、まともでない同伴者と一緒になったら、もうその日は絶望的である。しかし、次のような方法でしのげば最悪の事態は避けられるかも知れない。
・プレイの遅い人
毎ショット、後ろの組の息づかいが聞こえるような状況ほどひどいものはない。それがあなたの組の誰かのスロー・プレイのせいであれば、ひどさは十倍である。しかし、プレイヤー個々は自分の順番に適切な時間をかけて打つ権利を有している。もし、後ろの組をパスさせてあげることが不可能なら、その場合は悩まずに彼らを待たせる決断をするしかない。それで彼らが死ぬわけではない。くよくよせず、彼らが腕組みして待っていても、気楽にプレイした方がよい。ひょっとしてプレイの遅い人というのがあなたであれば、みんなのために早くプレイしてほしいものだ。
・お喋りな人
お喋りな人に『静かにしてくれ』と云ってとげとげしい雰囲気を作り出したい人はいない。しかし、その人が絶え間なく話し続けるとしても、あなたの興味がある話題に誘導することは可能である。不動産とか株などの有益な情報が聞けるかも知れない。どうせ喋りまくられるわけだから、何か得るものがあった方がマシである。
・いけ好かない人
多分、これは上の二つが組合わさった人物かも知れない。あるいは、ただの愛想の悪い人物かも知れない。これに対処するには、その人物に滑稽なイメージを付け加えることだ。例えば、彼がミッキィ・マウスの耳を持って歩いているとか、彼に尻尾があってよろけがちであるとか。もっといいのは、彼の身長が1mしかないと想像するテだ。ユーモアはいいゴルフをする土台となる」
(January 17, 2006)
インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)によるパワー増強法。
'The ultimate warm-up'
by Mike McGetrick with Matthew Rudy ('Golf Digest,' December 2005)
「スタート前に時間があるなら、ドライヴァーにタオルを結びつけ、10〜20回の素振りをするとよい。
これは先ず、その重さによってウォームアップに最適である。さらに、タオルの抵抗が腕の力でなく身体を使って振り抜くことを強制する。
この方法はLPGAツァー・プロのJuli Inkster(ジュリ・インクスター)やMeg Mallon(メグ・マロン)らが、ツァーで毎週行なっている練習法である」
タオルはドーナッツ型錘(おもり)を使うよりも“抵抗”がある分よさそうです。ただし、短いタオルでは効果がなく、プロのキャディが用いるような長いタオルでなくてはなりません。この方法は盛大に埃が立ちますので要注意。
(January 21, 2006、改訂June 02, 2015)
'Play Like Sergio Garcia'
by John Andrisani (G.P. Putnam's Sons, 2004, $23.95)
著者John Andrisani(ジョン・アンドリサニ)はゴルフ・ライターとして様々なトップ・プロや一流コーチの本の共著者となっていますが、同時に、歴史を作ったプロのスウィング・テクニックの“秘密”を自分の観察やヴィデオ視聴に基づく分析によって明らかにする試みを続けています。'The Bobby Jones Way'、'The Hogan Way'、'The Nicklaus Way'、'The Tiger Woods Way'等々。いずれもタイトルとなっている当人の協力は得ず、著者個人の分析をまとめたものです。彼自身シングルの腕前で、コースレコードを作ったこともあり、ゴルフ・ライター協会主催のトーナメントで優勝したこともあるとか。彼がわれわれダッファーのために書いた助言。
「あなたがもっと上達したいとか現在のハンデを減らしたいというのであれば、ラウンド数を減らして練習に時間を使い、練習場でボールを打つ前の準備運動も真剣に実行すべきである。
本気でスコアカードから数ストローク減らそうと思うなら、身体を鍛え柔軟性を得るべく運動を続けなければならない。また、コース戦略やメンタル面の研究もおろそかにしてはいけない。ラウンドが終わったら、静かにその日のプレイを分析し、自分のスウィングの弱点や研鑽すべき目標を見定める。ラウンド終了後の練習で、ラウンド中のミス(例えばスウェイや手打ち)を直すために時間を費やすように。もしその時間が取れないなら、少なくとも自分の過ちをメモしておくこと。それを次回練習場に行った時の課題とする」
(January 27, 2006)
私たちはTVのトーナメント中継やThe Golf Channelを観ながら、プロたちのスウィングから何かを学ぼうとします。しかし、ブラウン管を見ているだけでは誤解することが沢山あります。 ・先ず、プロの二打目、三打目のショットがプロの後方から撮られる時、ピンまでの距離がベラボーに遠く見えます。そこへアナウンサーが「ピッチングウェッジです」などと云うものだから、「ひえーっ!この距離をピッチング・ウェッジ?!」とたまげてしまいます。実はカメラマンはプロの数メートル後ろにいて、プロの全身をフレームに入れるため、ズームレンズをワイド側一杯に引いているわけです。ワイドレンズは遠景を遥か遠くに見せますから、実は見た目ほどの距離はないのです。 ・同じようにプロの後方からのショットで、ボールが画面右に消えて行き、まるでプロがプッシュかシャンクを打ったように見えることがよくあります。ところが本人は平然としており、アナウンサーも騒がない。ボールは真っすぐ飛んでいるからです。別に凄いフックが打たれたわけではありません。カメラマンがプロの真後ろ(ターゲット・ライン後方)に立ってなくて、その少し右にずれてカメラを構えているとボールは右へ出たように見えます。これもカメラのいたずらです。 ・一番誤解を生むのは、プロたちのダウンスウィングでしょう。どう見ても手・腕で打っているようにしか見えない。スロー・モーションでさえ手・腕の動きの方が目立つので、「おれと同じだ」などと思ってしまう。しかし、本当はトップに到達するや否や、プロは体重を左に移し、下半身先行のダウンスウィングをしている筈なのです。われわれと同じ手打ちをしてるようじゃ、先ずQスクール(ツァー参加資格テスト)さえ合格出来ません。われわれの目には下半身主導のダウンスウィングが見えないのです。速過ぎるせいもあるし、われわれに眼力が無いせいでもあります。見えないものは真似出来ず、真似出来るのは見えたと誤解した手打ち風のスウィング。というわけで、われわれの手打ちは納まらないのです。 |
(January 31, 2006)
'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)
古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。
「トーナメントに参加した時に注意すべきこと。フェアウェイやグリーンの露はカジュアル・ウォーターではない。それを救済してくれるルールはなく、もしグリーンでライン上の露を払ったらペナルティの対象となり得る。ルールに不案内な場合は、ボールがあるがままにプレイすること」
グリーン上ではラインにタッチしてはいけないというルールがあります。バンカー・ショットで巻き上げられた砂はタオルなどで払っていいようですが、朝露や雨の後の湿り気には触れられないようです。
(February 02, 2006)
以前、「ゴルフは正反対にスピンするゲームである。左方向に振れば、ボールは右へ行く。右方向へ振れば、ボールは左に行く。ボールに向かって打ち下ろせば、ボールは上がる。ボールを打ち上げようとすると、ボールは上がらない」という記事(『ゴルフの真理』)を紹介しました。
僭越ながら私が発見した“正反対の真理”も付け加えたいと思います。
《ロング・ゲームでは方向が大事である。ショート・ゲームでは距離が大事である》
ドライヴァーやフェアウェイ・ウッドなどロング・ゲームは、そもそもは距離を必要とするショットですが、距離が出ても林やラフに入れたら余計な一打が必要になります。極端に云えば20ヤード短くてもフェアウェイに打つ方が安全です。フェアウェイからなら次打でグリーンに乗せてパーのチャンスがありますが、林やラフからでは3オンも危ないし、アンプレイアブルのリスクもあります。
ショート・ゲームは本来はピン傍やカップインを狙うべきものですが、結果にこだわり過ぎるとヘッドアップしたり、身体が強ばってチョロしたりしがちです。アプローチなら2パット圏内に寄せればいい、パットならOK圏内に寄せればいいという、方向よりも距離重視の姿勢でリラックスすべきだと思います。
つまり、ボールのスピンのみならず、距離と方向どちらが大事かというポイントも常識と正反対なのです。
(February 16, 2006)
'Copy Olazabal's "turn and shift"'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' December 2005)
「新しいスウィング・キイ、特に体重移動に関するものが身体に定着するまでには、かなりの時間を必要とする。いい練習法はクラブを用いず、腕だけでスウィングすることだ。この方法は、新しい動きがどのように働くかを感じ取る助けとなってくれる。
出来るだけリラックスし、アドレスでは両腕をだらんと下げる。体重移動を感じ取りながらスウィングし、右爪先が地面を指すようにフィニッシュする。これを20回繰り返す。あなたは新しいスウィングのどの部分にプレッシャー・ポイントがあるか理解し始めるだろう。
クラブを手にした時、上の練習の動きをコピーする」
(February 05, 2006)
クラブ二本をまとめて持つ、よくある素振りとは違います。古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。
'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)
「練習や本番前のウォームアップの際に、リズムとバランスを構築する素振り法。一方の手に9番アイアン、もう一方に8番アイアンを持って振る。体重の移動がスウィングをサポートするように感じること」
(February 07, 2006)
'Groaners
The editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' March, 2006)
「・妻の場合
女性ゴルファーが風向きを知るために草を投げ上げ、方向を吟味し、何度もワッグルを繰り返していた。同伴者はしびれを切らして云った。
『いい加減に打ったらどうなの?』
『ごめんなさい』と最初の婦人が云った。『でも、私の夫がクラブハウスのバルコニーからこっちを見てるの。完璧なショットを打ちたいのよ』
『あらそう』と友人が云った。『だけど、彼を狙ってもそこからじゃ届かないわよ』
・夫の場合
男がゴルフ仲間に彼の妻が亡くなった次第を説明していた。
『ひどい話なんだ』と彼は涙ながらに云った。『おれは車庫の中でスウィングの練習をしていた。彼女が来たのに気づかず、彼女の頭を引っ叩いてしまったんだ』
『お気の毒に』一人が云った。
『おれたちで出来ることがあったら云ってくれ』もう一人が云った。
『ただの好奇心からなんだが、』と三人目が云った。『何番のクラブを使ったんだい?』」
(をいをい、真似しちゃ駄目よ)
(February 12, 2006)
'Before you play,' a part of 'Breaking 90 with Johnny Miller'
by Johnny Miller (Callaway Editions, 2003)
「ロング・アイアンはロフトが少ないので、ロフトの多いクラブのようにボールがフェースを這い上がらず、あなたのスウィングが作るサイドスピンの影響を受け易い(簡単にスライスしたりフックしたりする)。ウェッジや9番アイアンだと、ボールはロフトの多いフェースを這い上がる量が多いので、サイドスピンは少ない。
近年、シャフトが軽くなり、ヘッドの許容度が上がるにつれ、クラブメーカーはアイアンのロフトを減らし始めた。最近の7番アイアンは1973年の6番アイアンか5番アイアンのロフトとなっている」
'Why equipment doesn't matter,' a part of 'Breaking 90 with Johnny Miller'
by Frank Hannigan (Callaway Editions, 2003)
「1997年のゴルフ道具の卸売りは2兆7,490億円だった。これは野球、ソフトボール、ボウリング、フットボール、アイスホッケー、サッカー、そしてテニスなど全部をまとめた額の二倍の数字である。
ゴルファーが新しいクラブ・セットに惚れ込んでいる間は、クラブが自分に役立っているという誤解に基づき、以前になくいいスウィングをする」
(February 21, 2006)
Sam Snead(サム・スニード)の証言。
'The Game I Love'
by Sam Snead with Fran Pirozzolo (Ballantine Books, 1997, $18.95)
「トーナメントの最中、私はBen Hogan(ベン・ホーガン)がスウィングするところを絶対に見なかった。彼のテンポは非常に速かった。私は結構若い頃から、自分のテンポと違うスウィングは見ちゃいけないということを学んでいた」
(February 23, 2006)
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