Golf Tips Vol. 87

金言集 Part 10

以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。

「練習は、どれだけ長い時間打ったかとか、何個のボールを打ったかで判断してはいけない。私にとって建設的な練習とは概ね20分間である」
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)

「私の練習は、時に30〜45分、時に6〜7時間かかる。私には時間を決めたり、ボールを500個打ったら終わりなどという考えはない」
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)

「登り坂にチップする場合はピンを抜く。下り坂では、強く打つ場合の停止装置としてピンを抜かない」
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)

「ゴルフとは、昨日の夢、今日の失望、明日への希望である」
Grantland Rice(グラントランド・ライス)

「バーディで走り廻って喜ぶのなら、ボギーではグリーンに突っ伏して泣くべきだと思う」
J. C. Snead(J・C・スニード)

「観衆が来てくれなければ、我々はただ木々とリスの前でプレイしているに過ぎない」
Fuzzy Zoeller(ファジィ・ゼラー)

「フェアウェイはもっと狭くすべきだ。誰もがラフからプレイしなければならなくなる。おれだけじゃなくて」
Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)

「あなたのベスト・ショットは素振りとOKされたパットである。ほかの一切はマスター出来ない」
Lord Robertson(ロード・ロバートスン)

「ゴルフは子育てのようなものだ。次はうまく行くだろうと思い続ける」
E. C. McKenzie(E・ C・マケンジー)

「ゴルフの習得はヴァイオリンの稽古に似ている。難しいだけでなく、周囲に迷惑をかける」
Hal Linden(ハル・リンデン)

「ゴルフ練習場は、ゴルファーが全てのいいショットを使い果たす場所である」
Henry Beard(ヘンリィ・ビアード)

「ゴルファーには、素晴らしいショットを長期保存する記憶力と、ひどいショットをすぐ忘れる短気的記憶力が必要である」
Gary McCord(ゲアリ・マコード)

(January 07, 2005)

続々々・池越えの秘訣

【註:ティー・ショットの話です。二打目、三打目には応用出来ません】

ドライヴァーで130ヤード飛ばす練習をしたことはありますか?150ヤードは?やってみると、こんな難しいものはありません。大体のショットは少なくとも180ヤードは飛んでしまいます。

池越えのティーに立つと、「とにかく池を越さねば…」と鼻息が荒くなってしまうものですが、では、その池の向こう岸は何ヤード先なのか?え?御存知ない?プロショップの誰かに聞くべきです。「No.5は白ティーからキャリーで130ヤード、No.12は白ティーからキャリーで150ヤード」などと教えてくれる筈です。これらは秘密でも何でもありませんし。

で、分ることは大抵が白ティーからキャリーで140ヤード前後なんですね。180とか200もあったら、並のゴルファーには越えられません。先ほどのドライヴァーで150ヤード打つ練習を思い出して下さい。150ヤード以内に打つのは至難の技なのです。池にハマる筈がないのです。

「よし、キャリーで150あればいいんだな?」と思うことです。「池を越そう」という大雑把で非科学的な決意は大振りを招きます。「キャリーで150」という思考は力みの無いスウィングに繋がり、250ヤード飛んでしまう可能性を秘めています。

(January 11, 2005)

グリーン上のマナー

日本人にとってエティケットというのは、「実践すれば品よく見えるだろうが、あえてやらなくてもいい」という風に捉えられていないでしょうか?では「マナー」はどうでしょう?マナーは行儀作法です。どのナイフとフォークで魚を食べるか、長老(お偉方)をどこに座らせるか、紹介の順序など…これらは知らないと恥であり、正しく実践しないと馬鹿にされます。ゴルフのエティケットもマナーと考えるべきですね。マナーを守らないと人格を疑われ、昇進に差し支え、人は遠のき、ビジネス・チャンスを失うという結果が待っています。

'Golf Etiquette'
by Barbara Puett and Jim Apfelbaum (St. Martin's Press, 1992)

「・他人のパッティング・ラインを踏んではいけない。

【編者註】ショート・ゲーム専門のコーチDave Pelz(デイヴ・ペルツ)によれば、一旦踏まれた芝が起き上がるまでにはかなり時間がかかるので、一度ラインを踏まれてしまうとボールは凸凹道を転がることになってしまうそうです。人がしばらくじっと動かなかった場所の芝が復元されるまでには、約二時間半かかるとか。カップの反対側も要注意です。"through line"(スルー・ライン、競技者のパットがカップを通過した場合に返しのパットが想定されるライン)を踏んづけてしまうのもマナー違反です。2003年のU.S.女子オープンでMichelle Wie(ミシェル・ウィ、当時13歳)がヴェテランのプロからこの問題で怒られた一件により、スルー・ラインの重要性が一般に知られることとなりました。ピンを持つ場合もスルー・ラインを除けて立つのが望ましいわけです。

・グリーンに乗っていようがいまいが、遠い人からカップを攻撃する。つまり、乗ってはいるがピンから20m離れている人は、カップから10mのフェアウェイ(あるいはバンカー)にボールがある人より遠いので、先にプレイすることになる。【編者註:これはあまり知られていませんね】

・英語で"Gimme"(ギミー)、日本語で"OK"の尺度は、パター・ヘッドをカップに差し込んだ時にパター・シャフトの部分にボールが位置する場合。グリップにかかったら"OK"の範囲外である。事前に取り決めがない限り、同伴競技者が認めてくれた場合にのみ有効なので、勝手にボールを拾い上げてはいけない。省略したワン・ストロークをスコアに足すことを忘れないように。

・ボールマークを直すのは、フェアウェイでディヴォット・ホールを埋めるのに匹敵する重要なマナーである。ツールを用いる場合、凹んだ芝を持ち上げると芝の根が切断されてしまうので、周囲から凹みの中心に寄せるようにし、その後パター・ヘッドでとんとんと叩いて平らにならす。

・カップに最も近いプレイヤーがピンを持つ。風が強い時はバタバタとうるさいので、旗を丸めて持つ。パットされたら、直ちにピンを抜く。ボールが近づくまで待たない。抜くのに時間がかかることがあるので注意。ピンをグリーン上に横たえる場合、誰のパットも旗竿に当たらないような距離と方向を選ぶ(当たれば2ペナである)。

・誰かがパットする前に「これが入れば90が切れるぞ!」と云うとか、「それ、バーディ・パット?」と聞くのは、そのプレイヤーにプレッシャーを与えるので御法度。

・誰かのボールがパットの邪魔になるようなら、遠慮なくマークしてほしいと頼む。もし、あなたのボールが他の邪魔になるように思えたら、さっさと自発的にマークする。マークする段取りだが、先ずマークし、それからボールを拾い上げる。この順序を間違えるゴルファーが多い。

・あなたのマークが誰かのライン上にある場合、先ずマークし、プレイヤーの希望する側にパター・ヘッド一個分ずらし、そこにマークする。ブレイク(曲がり)が大きい時は、この手順を数回繰り返すことになる。

【編者註】1994、1995、1996年とTiger Woods(タイガー・ウッズ)が三連覇したU.S.アマは有名ですが、最後の年、ひょっとするとTigerは優勝出来なかったかも知れないのです。最終日のマッチ・プレイの対戦相手はSteve Scott(スティーヴ・スコット)でした。36ホールの試合の34ホール目を迎え、Tigerは2ダウン(残り3ホール)。このグリーンでTigerはSteveのライン上にあったマークをずらしたのを忘れて、そのままパットしようとしました。先にパットを成功させたSteveが振り返って、「マークを戻せ」と示唆。忘れたまま打つとTigerはこのホールの負けになるところでした。最終ホールでタイとなり、Tigerは二つ目のエクトラ・ホールで三連覇を達成出来ることになりました。Steve Scottのスポーツマン精神が讃えられるべき出来事でした。

・最初にパットを沈めた人が旗を持って、最後のプレイヤーがホール・アウトするのを待つ。

・カップ周辺は最も芝が傷つきやすい。注意してピンを差す。ちゃんとピンが垂直かどうか確認して次のホールに向かう」

(January 19, 2005)

パターの選び方

以下はBettinardi Golfという(主にBen Hogan Golfにパターを納品している)会社の社長と副社長によるアドヴァイス。

'Solving the Putter Puzzle'
by Laurie Lee Dovey ('Golf Illustrated,' Jan./ Feb., 2005)

「パター選びの四つのステップ:
1) アドレスした時に自信が湧いて来るような、見た目の良さ。
2) 十分なスウィング・ウェイト。これが軽いとふわふわしてコントロール出来ない。パターを短く持つパッティング方式だとスウィング・ウェイトは1インチにつき6〜8ポイント減少する。もし、パターの長さを35インチから33インチにカットすると、スウィング・ウェイトの凄い変化を実感することだろう。
3) ストローク法による違い。
4) デザインによる特徴の違い。ロフト、ライ、オフセット、ヒール=トゥ・バランストなど。

・OdysseyのTwo-Ball、Scotty CameronのFutura、BettinardiのBig Ben、PingのCraz-E、NikeのOZなどの大胆なデザインのパターは、どれも重心をパター・フェースから後方に遠ざけるように設計されている。これはフォロースルーを改善する。大抵のアマチュアはインパクトで減速したり、ストロークを止めてしまったりする。その結果、ボールはラインを逸れるかショートしてしまう。重心をフェースから遠ざけると、正しい加速とクラブヘッド・スピードが生まれ、ボールをラインに乗せ続けられる。

・あなたがストレートなバックストローク、ストレートなフォワード・ストロークというメソッドでパッティングするタイプなら、フェース・バランスト・パターが必要だ。フェース・バランスト・パターは、指一本か二本でヘッドに近いシャフトの一点で支えた場合、フェースが地面と平行になるものだ。【写真のAとC】

[Putter_check]

・ヒールにシャフトがあるパターは大抵ヒール=トゥ・バランスト・パターである。このタイプを指で支えると、トゥが地面を指す。【写真のB】 この重心配置はオープン→クローズという半円を描くストロークをする人に適している。

・オフセットは両手をボールの前に出せるので、手首でコックしたりせずにボールを早く転がすオーヴァー・スピンを作り出せる。ボールをスタンス前方に置く人は、一般的に(後方に置く人より)オフセットを必要とする。

・パター・メーカーはごく一般的なゴルファーのためにパターを製造する。その結果、ロフトは4°、ライは71°が主流である。

・ブレード型のパターが好きな人でも、もしアライメントによるミスで悩んでいるなら、マレット型を数ラウンド試してみるべきだ」

(January 21, 2005)

続・パターのからくり

「パターのからくり」を補足する情報です。

'The Illusion of the Puttershaft'
by Tom F. Stickney II ('Golf Illustrated,' Jan./ Feb., 2005)

「あなたがパットのアドレスをした時、パターは地面に垂直になっているように見えるだろうが、鏡を一目見れば判るように、パターはやや後ろに傾いでいる。

これはパター・メーカーがシャフトをヘッドの後方になる角度で装着しているからだ。【編者註:フォワード・プレスして丁度垂直になるように設計されている】その角度はメーカーによってまちまちである。【編者註:その角度をパターに表示して販売しているメーカーは皆無。これは改善されるべきである】 この事実を認識しないゴルファーは、両手をヘッド後方に位置させてアドレスしてしまい、インパクトに至るまで両手・両腕がパターをリードするパッティングを実施出来ない。

これの対策としては、あなたのズボンの(ベルト・バックルからターゲットに向かって)最初のベルト通しまでフォワード・プレスするとよい。大概の場合、これによってパターの角度が改善される筈だ」

ベリィ・パターの場合はどうするか?「Dave Pelzのベリィ・パター」でDave Pelz(デイヴ・ペルツ)はグリップ・エンドを左脇腹に付けています。これならフォワード・プレスした形となり、両手・両腕がヘッドに先行する体勢を準備出来るわけです。

【参考】
「パターのからくり」
「Dave Pelzのベリィ・パター」

(January 21, 2005)

バイロン卿の垂訓

Byron Nelson(バイロン・ネルスン)は貴族の生まれでも何でもないのですが、名前の類似と誰もが彼を“ジェントルマン”と形容することから、英国詩人になぞらえて"Lord" Byron(バイロン卿)と呼ばれます。彼とBen Hogan(ベン・ホーガン)、Sam Snead(サム・スニード)らは1912年に数ヶ月違いで生まれ、お互いに競いあいながらゴルフの黄金時代を築き上げました。Byron Nelsonは1945年にツァー11連勝(年間18勝)という偉業を達成しましたが、翌年に6勝した後綺麗さっぱり引退してしまいました。「私の夢は牧場主になることで、ゴルフはそのための唯一の手段だった。トーナメントに出る度に、少しずつ夢を具体化させた。先ず土地を確保しなければならなかった。次は柵を巡らす必要があった。それから家だ。そして、将来にわたって心配しないでいいだけの金が必要だった。それらが私がトーナメントに勝つことの意味だったのだ」

[Byron]

'The Little Black Book'
by Byron Nelson ('The Summit Publishing Group,' 1995, $20.00)

この'The Little Black Book'という本の存在は数年前から知っていたのですが、そのタイトルがHarvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)の'Little Red Book'の後追い(あるいは頂き)に思えたのと、私がByron Nelsonのことをよく知らなかったことなどが相俟って、全然読む気がしませんでした。

実は'The Little Black Book'というのは、Byron Nelsonが1935年から1947年にかけて、ツァーにおけるスコアや獲得賞金額などを記録していたノートで、この本の半分はそのノートのコピー写真なのです(手書き文字は私にはほとんど読解不能)。序文はHarvey Penickが書いています。残りの頁の1/5ほどはByron Nelsonと交遊があった男女プロたちの回想談。ですから、全175頁の本ですが当人が執筆した原稿はほんの僅かです。余談ですが、この本は小型ながら黒い布装で疑似背革装、おまけに黒い布で覆われた箱入りに金箔押し題字という豪華本です。

U.S. Open優勝者で、最近ABC-TVの解説を降板したKen Venturi(ケン・ヴェンチュリ)の話が面白い。最近ではTom Watson(トム・ワトスン)がByron Nelsonからスウィングを見て貰っていますが、以前はKen Venturiが弟子だったようです。Ken Venturiがスター・プレイヤーになってから、Byron Nelsonと二人は各地で公開ラウンドをして廻りました。Ken VenturiはByron NelsonがNo.1のティーで必ず「ここのコース・レコードはいくつ?誰の記録?」と聞くのに気づきました。何度もそれを経験した後、Ken VenturiはついにそのわけをByron Nelsonに尋ねました。すると、「Ken、必ず聞くべきなんだよ。もし記録保持者がそこのクラブ・プロなら、われわれはその記録を破るべきじゃない。彼はずっとそこで生活するんだし、われわれは訪問者に過ぎないんだから」そして、Ken Venturiはこう云っています、「われわれは数え切れないほどコース・レコードを破るチャンスがあったが、そうはしなかった」

以下はバイロン卿が小出しにした蘊蓄。

「雨の中では大振りしないこと。いつもよりクラブを短く持ち、いつもよりしっかりと打つ。一つ大きいクラブを使う。ボールが飛んでいる間中雨に打たれるということを忘れなさんな。雨が激しければボールも激しく雨に打たれ、ボールのスピードは落ち、ボールは地面に落とされようとする。適切に対処しなければいけない。

ラフからのショットは、クラブ選択が最も大切。ボールを素早く上げられ、草から脱出出来るクラブを選ぶ。ロフトの多いクラブ、例えば7番ウッドか5番ウッドがいい。肝心なのは、ボールをフェアウェイに戻すことだ。ラフではボールに接触した後、クラブをぐいっと引かねばならない。言葉を換えれば、ボールめがけて打ち下ろしたら、クラブは直ちに上げること。【編者註:Vの字のスウィングをしろという意味と解釈します】インパクト後、ボールを目で追ってはいけない。ボールがちゃんとラフを離れるかどうか見守ること。

私のゴルフは退屈だと云われた。Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のようにハザードからバーディを達成したり、下位から65でトップに躍り出るなどという派手なゴルフではなかった。フェアウェイからグリーンへ、フェアウェイからグリーンへ。常に真っ直ぐ、常に安全。その上で、出来る限りバーディを目指す、それが私のゴルフだった。

砲兵隊の将校が賛嘆したほど、私の距離の感覚は素晴らしかった。当時はヤーデージブックなどというものはなく、キャディに頼るのでもなく、自分の目だけが頼りだった。私の距離測定ルールの一つは、池越えの場合、われわれは池の自分に近い方の半分しか見ていないというものだ。また、バンカー越えであれば、バンカーの向こうの縁しか見ていず、バンカーの奥行きを足すことと、バンカーの向こうの縁からグリーンエッジまでの距離も計算に入れるのを忘れがちになるということだ」

確かに、池の前に立つと我々の目から遠近感が失われ、実際よりもグリーンが近く見えます。これはコース・デザイナーが我々に仕掛けた視覚的トリックでもあります。また、池の向こうのグリーンは、自然に砲台となっているわけですから、ラン込みのクラブの飛距離では届きません。キャリーでなければならないわけです。ヤーデージ・マーカーの距離に1クラブ足すというような調整が必要になります。

【参照】「牧場が買えるゴルフ」

(January 24, 2005)

[Lie] ライ角と弾道

'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)

「ライ角が正しければ、クラブはアドレスした時からインパクトまで写真Bのように、地面に対してフラットになる筈である。

もし、クラブが過度にアップライトで、写真Aのようにトゥが地面から浮く場合は(この過ちは非常に多い)、インパクトでヒールが地面に接触するためクラブフェースをクローズにする。結果は引っ掛けか左へのゴロとなる。

クラブがあまりにもフラットで、写真Cのようにヒールが浮く場合、インパクト時にクラブフェースはオープンとなり、弱々しく右に出るショットとなる。

あなたのクラブのライ角をプロにチェックして貰い、調整することは、いいショットを達成するための最良の投資である」

【参考】「ライ角の重要性」

(January 24, 2005)

汝自身を知れ

'Practice Smart'
by Dave Collins ('Golf Illustrated,' Jan./ Feb., 2005)

「私が中級クラスのゴルファーたちを教えている時、距離のコントロールという話題になった。私は彼ら一人一人にサンド・ウェッジとピッチング・ウェッジの平均飛距離を尋ね、名前と数字をメモした。

彼らに10個ずつボールを渡し、サンド・ウェッジを打って貰った。一人打ち終わる毎に、私はバラけたボール群の中心まで歩測し、飛距離を記録した。

一人でも正確に打てた人がいると思いますか?全然!平均すると、彼らは自分が申告した飛距離より12ヤードも短い距離しか打てなかった。ピッチング・ウェッジでも結果は同じ。

実はこういうことは毎年繰り返される現象なのだ。多くのゴルファーは、腕前の如何を問わず、自分がアイアンでどれだけ飛ばせるか理解していない。ツァー・プレイヤーだけが自分の飛距離を正確に掴んでいるだけで、残りは似たり寄ったりだ。

私は生徒たちのクラブ・シャフトに自分の飛距離を記した紙をテープで止めるように指示した。これはルール違反ではないし、彼らがクラブ選択を正しく行える良い方法である」

(January 28, 2005)

ライ角の調整

隣のアラバマ州とは云え車で片道40分のところなので、クラブ修理業のWayne(ウェイン)の家に行って来ました。彼はいくつかのクラブメーカー協会から公認されているプロです。PGAプロのJerry(ジェリィ)など、コース所属のインストラクターがゴルファーのスウィングをチェックし、「◯度アップライトに」とか「◯度フラットに」という処方箋を付けて彼に頼み、Wayneはその通り調整するのが普通だそうです。私はJerryのレッスンを受けているわけではなく、彼が私の5番アイアン使用時のインパクト・シールを見て「2度フラットにすべきだ」と云っただけですから、処方箋はありません。私としては実際にWayneの前で打って見せて正しく調整して貰いたいと思いました。

Wayneは電話で「修理には一週間かかる」と云っていたので、相当大変な作業なのだろうと想像していました。ホーゼルを熱したりするので時間がかかるのかとか、熱でグラファイト・シャフトが痛まないのだろうかなどとも心配していました。飛んでもない。作業は至って簡単で原始的で、あっと云う間に終り、シャフトには全然手を触れませんでした。「一週間」というのは、次回当市のゴルフ場に修理クラブの集配に訪れるまでの期間に過ぎないのでした。

先ず、クラブのソールにマスキング・テープ(ペンキ塗りの際に塗料がハミ出るのを防ぐテープ)を貼り、硬質ゴムのマットの上で紙をくちゃくちゃに丸めたもの(ボールの代わり)を打ちます。テープについた擦過傷をチェックします。ソールの真ん中でマットと接触していればいいのですが、トゥかヒール近くだとライ角が合っていないことになります。

何本かのクラブを試打した後、Wayneは全部のアイアンのライ角を調べました。どれも業界の基準値を上回っています。少なくて0.5度、4番アイアンなどは2.5度も基準を上回っていました。4番アイアンの方向と飛距離がいまいちだった原因が解ったような気がします。取りあえず、全部を基準値に戻すことにしました。これでラウンドしてみて、まだ問題があれば無料で調整してくれるとのこと。

[Lie_repair]

さてその調整ですが、写真左のような英国製の道具にクラブをセットします。フェースに接する分度器風の部分で角度が分ります。穴の開いた太い棒をホーゼルに差し、それを腕の力で曲げる。「これでどうかな?」という感じで分度器で角度をチェックし、望んだ角度になるまでホーゼルを微妙に曲げたり伸ばしたり。原始的でしょう?Wayneは今年の「PGAマーチャンダイズ・ショー」から帰って来たばかりで、もっと近代的なツールが出ていたと云っていました。「でも、高いんだ」そうです。

どんなクラブでも上のように曲げられるかというと、そうではないそうです。"forged"(鍛造)は柔らかいので4度ぐらいは曲げられるが、"cast"(鋳造)は硬いので2度ぐらいまで。製品によっては上の道具では曲げられない場合もあるとか。Wayneの自慢は「これまで一度もホーゼルを折ったことはない」というもの。折られちゃ困りますが、確かに繊細な力加減で曲げないと折れることもありそうです。

私は新品のクラブを買ったのに、どうして基準値でなかったのか?Wayneに云わせると、新品でも±1度は許容誤差とされているそうです。また、鍛造のクラブ・ヘッドは柔らかいので、地面と接触するうちにどんどんライ角が変わる。「だから、一年に一回はチェックする必要がある」と云っていました。

アイアンでフックかプル、スライスかプッシュ、そういう傾向がある人はライ角を調べた方がよいとのことです。自分でチェックする方法として次のような方法を教わりました。床の上で普通にアドレスし、誰かにクラブのソールの下に名刺(のような紙)をトゥ側から挿入して貰う。もし、名刺の先端がクラブの真ん中でストップすれば、そのクラブのライ角は合格。どんどんヒール側に進めるようだとアップライト過ぎるそうです。ディヴォットを見て、トゥ側かヒール側、どちらの方が深く抉れているかチェックするという方法もあります。

「あんたのハンデは?」とWayne。
「15前後です。12ぐらいになりたいのに、足踏み状態なんです」
「この調整でなれるよ」
「そう願いたいもんですね」

Wayneの請求金額は10本の調整で$35.00。一本、$3.50。これで上達出来るなら安い!私の友人Jack(ジャック)と話したら「$35.00とは20年以上前の値段だ!」と驚いていました。(日本では一本500〜600円はするようです)なお、Jackが購入したPINGアイアン・セットは、メーカーが無料でライ角を直してくれたものの、数ヶ月後には元に戻ってしまったそうです。やはり、適当な間を置いてライ角をチェックする必要があるわけです。

(February 02, 2005)

[Frequency] 振動数

昨日、今日とアイアンのテストをしました。ショート・アイアンをスウィート・スポットでヒットする確率は増えました。しかし、「二打目の研究」に書いたように、私の目下の問題はミドル・アイアン(4番、5番、6番)です。これらによるショットがグリーンに乗らないのが問題です。

八個ずつのボールを打ったインパクト・シールを見ると、ショート・アイアンやウェッジはスウィート・スポット下部でヒットしているのですが(写真上)、ミドル・アイアンはトゥからヒールにかけてフェース全面で満遍なく打っていて、ライ角を上げるべきか下げるべきか判断出来ないほどでした(写真下)。

PGAプロ兼クラブ・フィッターであるJerry(ジェリィ)にインパクト・シールを見せたところ、「ショート・アイアンやウェッジはライ角調整の効果が出ている。しかし、ミドル・アイアンはフェース全面のあちこちで打っている。これはライ角の問題ではなくシャフトのfrequency(振動数)の問題である。アイアンセットの全体でシャフトの振動数が一定でないからだ」と云いました。Jerryはいわゆるレギュラー・フレックスとかシニア・フレックスなどという表示を信用せず、もっと細かくシャフトの性能を定義出来る“振動数”を持ち出して来たわけです。

Jerryは「来週、私が用意する様々な振動数のシャフトを試すのはどうか?」と云い、私はその申し出を受けることにしました。ライ角の調整は安かったのですが、もしアイアンのシャフトを全面入れ替えとなると大変です。ライ角の調整だけでいいボールが打てるようになるという望みは消え、何やら大事になって来ました。私は単純に経費が恐い。

(February 04, 2005)

The Golfing Machine(ゴルフィング・マシン)

“幻の名著”というのがありますが、そういうのは大体絶版になっている本で、かなり高価に売り買いされるものでしょう。ところが、25年前に出版され六版も重ねて50,000冊売れ、現在でもamazon.comから定価で購入出来るのに、ゴルフ雑誌も無視し、インストラクターたちも黙殺しているため、ほとんど世に知られていない“名著”があります。

[TGM]

“名著”とわざわざ引用符で括っているのは、私もまだ読み終えていないので、本当に名著かどうか分らないからです。第二次大戦中の1941年、ボーイング社のチーフ・エンジニアだったHomer Kelley(ホーマー・ケリィ)は、ゴルフを始めて一年で70台で廻れるようになってしまいました。もっと難しいゲームだと聞いていたので、彼はどうして自分が上手く打てるのか解明しようとし、一週間をそのプロジェクトにあてることにしました。プロジェクトが完了したのは何と28年後でした。彼は研究成果を'The Golfing Machine'と題して出版しました。

'The Golfing Machine'
by Homer Kelley (Star System Press, 1982, $19.95)

Homer Kelleyはこの本の前書きに「この本はダッファーのバイブル、ゴルフ狂のカタログ、ツァー・プレイヤーのハンドブック、インストラクターの教科書として、ダッファーからプロまでの人々に捧ぐ」と書いています。ですから、本来は誰にでも読める本の筈です。ところがどっこい。筋金入りの航空技術者が書いた本なので、これは幾何学と物理学を基本とする大論文なのです。「技術屋の書いたものが読みにくいのは承知だ。電気器具などの取り扱い説明書で慣れてる」ですって?甘い、甘い。想像を絶する難解さなのです。私の友人Jack(ジャック、77歳)は1983年にこの本を購入し、10年の間に紙が手ずれで真っ黒になるほど読んだが、まだ理解したとは云い切れないと云っています。しかし、彼はこれが名著であると断言し、大分前に私に貸してくれました。私はところどころ目を通しましたが、何のことやらちんぷんかんぷんで、黙って返却しました。

昨年、新しいマネージャー兼PGAプロとして私のホームコースに着任したJerry(ジェリィ)は、「私のバイブルは'The Golfing Machine'である」と断言し、「もし本の内容について質問があればいつでも話そう」と云いました。彼のハンデは以前は+3ぐらいだったそうです。Jackも、今でもアンダーで廻ったりするシングル級ですが、昔はこの地域のアマチュア・トーナメントでは名を知られた常連だったそうです。私の知己の中で二人の人間(それもゴルフの上手い人々)が口を揃えて名著であると云うのにはびっくり。で、amazon.comから本を購入しました。しかし、やはり読み出せぬままに一年という歳月が流れました(比較的短い歳月)。

この'The Golfing Machine'は有名プロやインストラクターの本のように「ああせい、こうせい」と指導する内容ではありません。Tips本でもない。ユーモアのかけらもない。この本はスウィングの要素をこと細かく分析し、どういう時にどうなるかということを解説したもので、“ゴルフの解剖学”とでも呼ぶべき書物です。それがどのように自分のスウィングに役立つのか不明ですが、取りあえず二人の推薦者の踏み跡を辿って読んでみることにしました。先ず、Jackのオリエンテーションを受けました。彼は「グリップの章を読み、次にコックの章へと進むことを勧める」と云っていました。

実は、この本について語り合うというフォーラムまであるのです。http://www.thegolfingmachine.com/ 一冊の本のために章別に分科会があるという、世にも珍しい例です。いかに難解であるかが推察出来るでしょう。

Homer Kelleyは最初の出版後も研究を継続し、都合40年も努力を重ねました。彼は1983年にジョージア州のPGAプロ(インストラクター)たちの集まりで、スピーチをしている最中に亡くなりました。“ゴルフの解剖学”の研究に半生を捧げた人物にふさわしい最期です。現在、彼の遺稿や図を含めた第七版の出版計画が進行中とのこと。「一週間のプロジェクト」の筈が、こんな壮大なスケールに変貌したのです。

さて問題は、私が今回この本を読み通せるかどうかです。報告は10年後かも知れません。

【参考】「続・The Golfing Machine(ゴルフィング・マシン)」(tips_131.html)

(February 11, 2005、追補January 12, 2017)


ゴルフ冗句集・3

'Looking for Laughs in All the Wrong Places'
by Turk Pipkin ('Golf Digest,' March 2005)

「妻が夫に尋ねた。『もし私が死んだら、あなた再婚してこのベッドを新婦と使うかしら?』
『かもね』と夫が答えた。
『私の車は?あれも上げる?』妻が聞く。
『多分』と夫。
『私のゴルフ・クラブも彼女に上げるの?』と妻。
『ノー』
『どうして?』と妻。
『彼女は左利きなんだ』


私の対戦相手は『一回のフリースローを許してくれるなら、一打のハンデを上げてもよい』と云った。それはとてもいい申し出に思えた。われわれがグリーンに到達するまでは…。そこで彼は私のボールを拾い上げ、池に向かって放り投げたのだ。


ラビ(ユダヤ教の導師)と司祭(キリスト教)がラウンドしていたが、それは9ホールに三時間もかかる遅いペースだった。二人はクラブハウスに文句を云いに行った。
『済みません』とレッスン・プロが云った、『でも、あなた方の前のフォーサムは盲人であることに気づきませんでした?』
『おお、お許し下さい』と司祭が云った、『神のお恵みを』
で、ラビが云った、『彼らは夜間にプレイ出来ないのかね?』」

(February 26, 2005)


[Choking] 中間クラブ対策

最近、クラブの中間の距離で悩むことが少なくなりました。去年不発に終わった「3クラブ・トーナメント」(好みの三本のクラブで参加する競技)のために準備したことが、今でも役に立っているのです。

私は「3クラブ・トーナメント」ではドライヴァー、ロブウェッジ、そして21°のアイアン・ウッド(ハイブリッド)の三本を使うことに決めていました。21°は3番アイアン相当のロフトで、私の場合180〜190ヤード前後飛びます(ロフトは同じでもハイブリッド・クラブは反撥力があるためランが多く、アイアンよりは飛距離が増します)。「3クラブ・トーナメント」では、このクラブにフェアウェイウッドとしてだけでなく、ロング〜ミドル・アイアンの役も勤めて貰うつもりでした。で、《1インチ(2.5cm)短く持つと1クラブ短いものに相当する》という公式に基づき、既存の左手親指のグリップ位置(写真下方の∧の部分)から2.5cm間隔で五つの目盛りを付けました。

先ず2.5cm間隔で目印を付け、錐(キリ)や帳綴じなどの尖ったものでそこを何度も突っつきます。その部分へ速乾性の修正液を埋め込みます。現在、その作業をしてから数ヶ月経ちますが、まだ目盛りは健在で消えていません。こんな原始的方法もまんざら捨てたものではないのです。

先日、Par 5の急な打ち上げの三打目、私はハイブリッドに追加した1番目と2番目の目盛りの中間でグリップし、グリーンにうまく乗せることが出来ました。14本のクラブを携行出来る普通のラウンドでは、四つ目以降の目盛りは必要ではありません。ただ、ハイブリッドとアイアンの飛距離域が重なる場合、どっちを選ぶかは嬉しい悩みです。ハイブリッドは滅多に曲がりませんから真っ直ぐ打てる場合はハイブリッド、意図的に曲げたい時はアイアンという感じになっています。

上の方式をサンドウェッジにも応用してみました。私の場合、PWが100ヤード、ギャップウェッジが90ヤード、サンドウェッジが80ヤードです。ロブウェッジは強振すればするほど高く上がるだけで、距離は伸びませんから、80ヤードからロブウェッジまでの距離はサンドウェッジでこなさなくてはなりません。で、サンドウェッジのグリップにも目盛りを二つ付け、70ヤード、60ヤードを正確にカヴァー出来るようにしました。

目分量で短く握ってもいいのですが、ちゃんと目盛りがある方が安心です。その目盛りの半分(1.25cm)などという要素が加わると、目分量ではいい加減になって来ます。また、スウィングを小さくするよりも、シャフトを短く握ってフル・スウィングする方がわれわれ素人には簡単で間違いがありません。

(February 28, 2005)


【御注意】グリップにマークをつける場合、「グリップのマーク」(tips_99.html)を必ず御一読下さい。

(December 29, 2005)


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