Golf Tips Vol. 79

ゴルフtipsについて

ある読者から次のようなメールを頂きました。

「ゴルフtipsはどれも最初のうちはとてもうまく行くのですが、何故かだんだん効果が薄れて来てしまいます。これだけ数多くのtipsがあるのにゴルフが完成しないのは、tipsには効果が薄れる理由が何かあるのではないでしょうか?」

これに対して私はこうお返事しました。

「おっしゃるようにtipsは効き目が薄れます。Tipsは絆創膏というか、赤チン、メンソレータム、アスピリンのたぐいであり、要するに本当に患部を治し健康にするものじゃないのです。本格的治療は医師(コーチ)にかかって処方薬を貰うしかありません。新規購入のドライヴァーの魔力は45日で薄れるそうですが、タダで手に入れたtipsの持続力はもっと短いのではないでしょうか?」

読者の中に、ちゃんとした本を一冊も読んでなくて、こうしたtipsだけ読み漁っておられる方がいるとしたら、そういう方に警告したいと思います。あなたは考え違いをしています。このサイトは全然体系的になっておりません。時には正反対のtipまで掲載しています。「トップで間(ま)をおけ」とか、「間をおくな」、「パットのバックとフォローは1:2」とか、「1:1」とか。つまり、一人のプロ(あるいはコーチ)が筋道立てて執筆した一冊の本とは違うのです。

まだ一冊も何も読んだことがない方は、是非どれかを購入し、最初から最後まで通読することをお薦めします。Ben Hogan(ベン・ホーガン)はやめて、あなたの好きなプロが書いたものか、そのプロのコーチが書いたものがいいと思います。TV観戦して、ご自分に似た体型の、ご自分の理想とされるスウィング(速い、あるいはイージー等)をするプロが最適です。

アドレスの仕方、ポスチャー、リズム、スウィングの考え方などは、その一冊をバイブルとして忠実に実行すべきだと思います。その本に欠けている部分、スランプに陥った時の緊急治療、ちょっとしたコツなど、その基本の一冊を補うものが当サイトに登場するtipsとお考え下さい。

一冊の本はディナー、tipsはポテトチップスのような“おつまみ”であるという喩えも成立します。おつまみだけで腹一杯にしても、栄養は蓄えられず、エネルギーも得られません。そのうち健康を損ないます。御注意下さい。

(March 04, 2004)


現実を認識する

スポーツ心理学者Dr. Fran Pirozzolo(フラン・ピロッツォーロ博士)による常識的ゴルフの勧め。

'The Mental Game Pocket Companion'
by Fran Pirozzolo with Russ Pate (HarperPerennial, 1996, $10.00)

「我々はものごとを認識する脳神経を僅かしか有していない。我々は自分自身をちゃんと見つめず、また我々のおかれた環境(現実そのもの)も見ないで、現実の認識をねじ曲げてしまう。

発展途上のゴルファーは、しばしば英雄的(=馬鹿げた)ショットを試みる。彼等の認識は現実にそぐわない。

偉大なゴルファーたちは、現実と非常にしっくりした関係にある。彼等は自分に可能なこと、可能でないことをわきまえている。例えば、210ヤードの池越えで6番アイアンを使うのは無理だということを知っている。彼等はそれまでに練習場やコースで実現出来なかったプレイをトライしたりしない」

(March 09, 2004、増補June 01, 2015)


レッスン代を無駄にしないために

'A lesson on Learning'
by Barry Goldstein ('Golf Tips,' April 2004)

「1) 駄目な生徒

・レッスンの一分前に駆け込む人(あるいは遅刻)…ストレッチングやウォームアップの時間がない
・すぐドライヴァーを抜き出す人
・教師に「グリップやスウィングは変更出来ない。変更は不快だから」と云う人
・教師の前では指示された通りやるが、一人になると勝手にやりたいようにやる人
・即効を望み、聞くよりは自分が話す時間が長い人

2) いい生徒

・早めに到着し、レッスンの前にウォームアップが終了している人
・レッスン前にウェッジ・ショットの練習を含め、バッグの中のクラブを一通り打ち終えている人
・教師と議論しようとせず、新しい課題を受け入れる姿勢を持つ人
・何か重要なことを教わったら、ちゃんとノートに書き留める人
・実験を厭わず、変更を嫌がらない人
・「それは出来ない」と云わない人
・レッスン後も与えられたドリルに精出す人
・不快な変更も長い目でみれば助けになることを悟っている人」

(March 12, 2004)


トスキ(?)のラウンド・レッスン

'Golf for Teachers and Their Students'
by Stanley L. Shapiro (Stanley L. Shapiro, 2002, $19.95)

「私はBob Toski(ボブ・トスキ)だと信じているが、以下の記事を読んだのはかなり前のことなので、主人公のコーチが100%彼であるかどうかは定かではない。

このコーチはアマチュアの生徒とのラウンド・レッスンに出ると、生徒のボールがフェアウェイを逸れた場合、必ずフェアウェイにボールを戻させた。ただし、ボール位置はボールがフェアウェイを外れた地点よりもずっと後方に戻させるのが常であった。

生徒たちは彼らのラウンドを楽しみ、彼らのベスト・スコアを記録した。

彼らがルール違反を犯したのは間違いない。しかし、生徒たちが重要なことを学んだのも確かである。すなわち、飛ぶには飛んだがひどい場所に着地したボールよりも、短いがストレートなボールの方がずっと望ましいということを」

(March 12, 2004)


パー3の戦略

'Par-3 Planning'
by Editors of 'Golf Magazine' ( 'Golf Magazine,' March 2004)

「・必ずティーアップすること。どんなクラブを使う場合でも、ティーはクラブとボールのコンタクトを良くしてくれる。

・ディヴォットを中間目標として使う。ディヴォットからターゲットライン後方30cm〜1mにボールをティーアップし、クラブフェースをディヴォットとボールを結ぶラインに揃える。同じラインに身体の向きも合せる。これはグリーン上の旗に合せるよりも簡単で正確である。
【編者註:どうしても右に打ってしまいがちなパー4で、このtipを用いてフェアウェイのど真ん中に打つことが出来ました。遠くの目標に身体の向きを合せる場合、錯覚が影響し易いようです】

・ワンクラブ上を選択する。パー3ではティーとグリーンとの間に障害物がレイアウトされていることが多い。長めのクラブを使えば、スムーズでリラックスしたスウィングにより、トラブルを十分に越える距離が得られる。

・パー3のホールは通常グリーンが小さく、バンカーなどに囲まれているものだ。ピンを狙ったショットが失敗すると、大怪我につながり易い。グリーンの一番安全な、広い部分を狙おう。ミスショットが出たとしても、ワンオンに違いはなく、次はパットである…という結果が期待出来る」

(March 15, 2004、改訂June 01, 2015)


ゴルフ金言集 Part 8

以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。

「ゴルフ・スウィングはセックスのようなものだ。実行中に動きについて考えることなど出来ない」
Dave Hill(デイヴ・ヒル)

「時給いくらの仕事のようにスウィングせよ(=急いでも意味がない)」
Davis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)

「私のルールの一番目は『良い方向を伴わない飛距離は、全く飛ばない場合より悪い』というものだ」
Nancy Lopez(ナンスィ・ロペス)

「偉大なゴルファーにとっての試練とは、ひどいスタートをリカヴァーする能力を試されることだ」
P.G. Wodehouse(P.G. ウッドハウス、英国のユーモア作家)

「ダウンヒルであれ、アップヒルであれ、常にボールは高い方の足の近くに置くこと」
Jackie Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)

「水の中にあるボールを打とうという人に私が出来る最高の助言は、『止めろ』というものだ」
Tony Lema(トニィ・レマ)

「疑念はショットをミスするナンバー・ワンの原因である」
Davis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)

「遠くへ飛ばそうとしなければ、ボールは遠くに飛ぶ」
Sam Snead(サム・スニード)

「頭の中では、私はパットをミスしたことは一度もない」
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)

「賭けゴルフはパットを長くし、ティー・ショットを短くさせる」
Henry Beard(ヘンリィ・ビアード)

「ゴルフの最悪の日でも、職場の最良の日よりずっとマシだ」
Rik DeGunther(リック・デガンサー)

(March 30, 2004、改訂January 01, 2017)


Bruce Edwards(ブルース・エドワーズ)逝く

Tom Watson(トム・ワトスン)は大勢の記者団の前で「病気のくそったれ!バカヤロー!」と叫び、滝のような涙を流して拭こうともしませんでした。「よりによって、彼が一番好きなトーナメントの初日に亡くなるなんて…」

[Bruce]

Bruce Edwards(ブルース・エドワーズ)はTom WatsonのPGAツァーにおける39回の勝利と、チャンピオンズ・ツァーの6回の勝利のうち5回に貢献し、明るい人柄と面倒見の良さで“キャディの中のArnold Palmer(アーノルド・パーマー)”と呼ぶ人さえいる名キャディでした。いいキャディの条件は三つあり、"Show up, Keep up, Shut up"(始業時間に遅れない、遅れないでついて歩く、余計な口を叩かない)だそうですが、Bruce Edwardsは最後の条件を無視し、Tom Watsonの最悪の状態でも冗談を云い、打ち沈んでいるとTom Watsonにハッパをかけたそうです。

Tom Watsonは「Bruce Edwardsの具合が悪いことは知っていたが、こんなに早く進行するとは思っていなかった」と語っています。スタート前に友の死を知ったTom Watsonは、4オーヴァーの76というスコアで初日を終えました。

Bruce EdwardsがALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis、筋萎縮性側索硬化症)を病んでいると診断されたのは、去年の1月です。現在治療法がない難病で、身体のそこかしこが麻痺を起こし、食事も出来ず呼吸すら困難になって発症後5年ほどで死亡してしまうと云われています。しかし、Bruce Edwardsの場合、1年と4ヶ月という早さでした。しかも、まだ49歳という働き盛りでした。

Tom Watsonによれば、全米でALS患者は30,000人。これは製薬会社にAIDSや癌、心臓病のような商売っ気を起こさせる数字とは云えず、特効薬の開発など全く行われていなかったそうです。Bruce EdwardsとTom Watson、そしてPGAツァーにおけるもう一人のALS患者Jeff Julian(ジェフ・ジュリアン)と三人で、ALS研究資金を集める組織を作りました。Tom Watson自身がある賞金の全額100万円を寄付し、1988年に「世界ゴルフ・名誉の殿堂」入りした人々が300万円の寄付をするなど、研究資金は少しずつ増えて行きました。Tom Watsonは「必ず特効薬は見つかる。10年先か、15年先か分らない。Bruce Edwardsには間に合わなかったが、必ず発見出来る」と力強く云っています。

全米ゴルフ・ライター協会という記者や物書きの組織があり、病気や障害にもめげず現役として頑張っているプロを顕彰する「Ben Hogan賞」を毎年選定しています。御存知のようにBen Hogan(ベン・ホーガン)は交通事故による全身麻痺から立ち直った人です。2003年の受賞者は前述のALS患者Jeff Julianで、本年はBruce Edwardsが選ばれました。The Mastersの初日前夜の晩餐会でその表彰があり、Bruce Edwardsのお父さんが代理で賞を受け取りました。お父さんがBen Hogan賞を手にした後の翌朝6時26分、Bruce Edwardsは眠りながら静かに亡くなりました。

「彼の身体は失ったけれども、彼の魂を失うことはない」とTom Watsonは語っています。Bruce Edwardsは、Tom Watsonがミスすると長い呻き声を出すのが常でした。The Masters初日のNo.15において4番アイアンのショットをミスした時、Tom Watsonは確かにBruce Edwardsの呻き声を聞いたそうです。残念ながらTom Watsonは8オーヴァーで今年予選落ちしてしまいました。

【おことわり】画像はhttps://g.christianbook.comにリンクして表示させて頂いています。

(April 09, 2004、改訂January 06, 2017)


耳掛け式メトロノーム

以前に買ったSEIKOのメトロノームを失くしてしまいました。天の助けと云うのでしょう、そこへ株式会社・コルグ勤務の読者の方が「試供品を送るから使ってくれ」と、耳掛け式メトロノームを送って下さいました。KORGというのは電子ピアノ、シンセサイザーなど電子楽器などを主に手掛けている、世界的に有名な会社です。

[KORG]

製品名「イヤホン型ゴルフメトロノーム・マイピッチ X-944」は、写真の丸いスピーカー部分で耳の穴をふさぐようにし、下部のクリップで耳たぶを挟みます。クリップにバネはないので、耳たぶが痛くなるということはありませんし、何度スウィングしても外れるということもありません。

メイン・スウィッチを押すと、初めての場合はテンポ設定モードになります。40〜208拍(beat/minute、2ステップおきに設定可能)の間で必要とするテンポを選びます。

好きな拍子を設定し、もう一度メイン・スウィッチを押すと、今度は拍子の設定をするモードになります。二拍子〜七拍子の中から選べます。「何で七拍子?」と思われるでしょうが、元々はミュージシャンのために作られたものだからです。二拍子だと「ピン↑・ポン↓」、三拍子だと「ピン↑・ポン↓・ポン↓」という風な音になります。

ドラマーにも使用可能ということで、そのまま耳に当てるとかなり音が大きいです。私はスピーカーの外側にビニール・テープを何枚か重ねて貼りました。スピーカーの内側を塞げればいいのですが、サイズを小さく軽くするために(約6g)、中の機構はかなり複雑です。分解すると簡単には元に戻せませんので、御注意下さい。

一度設定した拍子とテンポは記憶され、再び電源をオンにした時に自動的に前の設定に復帰します。これは便利です。拍子やテンポを上げ下げするボタンが輪郭の一部にあるため、一寸触ってもテンポが変更されてしまいます。腫れ物に触るように扱う必要があります。これはちと不便です。

いくら小さいと云っても補聴器のように小さくはないので、トーナメント参加中に使うという違法行為は出来ません。

私の場合は二拍子で、50拍(50 beat/minute)を採用しています。何故50拍かと云うと、私の足運びがこの速度だからです。

(April 16, 2004)


パット用目線矯正器具

Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)はグリップに始まり、銅製ブレスレット、レーザー利用のスウィング・トレーナーなど、手広く宣伝を勤めてゼニを稼いでいます。'ProAim'(プロエイム)というパット用目線矯正器具もその一つ。

興味のある方はメーカーのウェブサイト(http://proaim.com/how.html)を御覧頂きたいと思いますが、TVの宣伝で見ると、これはヴァーチャルなんとかに使うような眼鏡の化け物のような形をしています。これを使うと、目の前に二本の横線と縦の線が一本現われます。縦線はパター・フェースをスクウェアに揃えるためのもので、横線はそれに沿ってストロークするガイドです。

見ていると、「これは凄い!これこそ究極のパッティング練習道具だ!」と思わされますが、よーく注意して利用者の感想を聞くと、これはストロークの練習には役に立たず、単に目線を矯正する道具であるということが察知出来ます。ある人物は「カップを見た後、私は首をオープンに曲げて戻してミスすることが分った」と云い、もう一人は「クローズにしていた」と云っています。

目線がスクウェアであるかどうかは非常に重要です。私がフェードの稽古をしていた頃、全然ボールが曲がらないのは目線がスクウェアだったからでした。首を左に傾げて(右目を上にして)打つようになって、やっとフェードが打てるようになりました(ドローは首を右に傾げる)。つまり、ゴルファーは両目を結ぶ線に沿ってスウィングするものだという結論に達したのです。

パットの場合も全く同じだと考えるべきでしょう。カップを見た後、ボールに戻した時の目線がオープンならプッシュし易く、クローズならプルし易いと云えます。

では、$120.00出して、既に大金持ちのButch Harmonにまたまた金を貢ぐべきでしょうか?冗談じゃありません。たかが目線の矯正に過ぎないのです。$5.00だって出したくありません。というわけで、“ぼくらの発明工夫展出品作”というか、“模造品シリーズ”というか、とにかくタダで類似品を作ってみました:-)。

[AmaAim]

必要なものは眼鏡(眼鏡が必要ない人はサングラス)と針金一本。

・写真のように、針金の一端を眼鏡のつるに引っ掛け、眼鏡の前4cmぐらいのところに針金が出っ張るようにして、90度に曲げ、眼鏡のもう一方でまた曲げてつるに引っ掛けます。

・眼鏡を掛け、針金の線が両目の中心を結ぶ線に一致するように調整します。作業終了。超簡単。これを'AmaAim'(アマエイム)と名付けます:-)。

$120.00するものに較べると、針金の線はぼやけますが、でもちゃんと見えます。サングラス御利用の方は針金を白く塗れば完璧でしょう。

【御注意】「じゃあ、眼鏡に線を引けばいいじゃないか」とおっしゃるかも知れませんが、それは駄目です。目に近過ぎて線が完全にぼやけ、線として認識出来ないのです。

これを使った結果、私の場合はカップから目を戻した時にオープンな目線になり易いことが分りました。こういうものは手近なところにおき、時々チェックするのがよさそうです。

(April 20, 2004)


多分誰にも耐えられない練習法

'Be the Ball'
Edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrew McMeel publishing, 2000, $14.95)

この本は有名プロ、有名コーチ、大学のコーチなどに、様々な局面について語って貰った短い文章を集めたもの。なかなか面白い本です。次に紹介するのはカリフォーニア州のRancho Santa Fe Farmsというゴルフ場のヘッドコーチ、Glen Daugherty(グレン・ドハーティ)による一節。

「私が何万回も受けた質問は、『練習場のいいスウィングを、どうやったらNo.1ティーに持って行けるのか?』というものだ。練習場では一発失敗してもあと100個もボールがあるわけだから、あなたはリラックス出来る。リラックスした筋肉はスウィングにいい効果を及ぼす。何度も何度も打つうちには、ロボットのようなリズムが生まれる。これらはラウンドにおいては起り得ない現象である。

練習場での理想的な練習法は、五分おきにボールを一個打つというものだ。打ったら、五分待ち、次を打ったらまた五分待つ。同じクラブばかり使うのも良くない。ドライヴァーを打ち、五分待ち、7番アイアンを打って五分待つ。ウェッジを打って、それからドライヴァーに戻る。これは実戦さながらの方法であり、これに馴れればNo.1ティーでもリラックス出来るだろう」

私の現在のホームコースの練習ボールは$3.00で50個入っています。仮に上の方法で篭を空にしようとすると4時間かかります。4時間?!1ラウンドの所要時間に近い。

逆に計算してみましょう。上の方法だと10発打つだけで50分かかります。とてもラウンド前のウォーミングアップに使える方法ではありません。インターヴァルの5分間、何をしていたらいいのでしょう。俳句をひねる?クロスワード・パズル?詰め将棋?編み物?トルストイとかドストイェフスキーを読む?ご冗談を。女性同士ならいくらでもお喋り出来るでしょうが、男一人じゃどうにもなりません。苛々して発狂してしまいそうです。拷問から解放されたNo.1ティーでは、リラックス出来るどころか空振りするような恐れも…:-)。

(April 22, 2004)


ギャップ・ウェッジ人気

最近のLPGA Takefuji Classicで、Cristie Kerr(クリスティー・カー)と7ホールに及ぶプレイオフを行った韓国出身のSeol-An Jeon(全雪顔)ですが、No.18での100ヤードの距離に相応しいウェッジを持っておらず、オンコース・リポーターのKay Cockerill(ケイ・コックリル)から「Seol-An Jeonはギャップ・ウェッジが必要だ」と云われてしまいました。

[wedges]

'Closing the gap'
by E. Michael Johnson ('Golf World,' April 23, 2004)

「Seol-An Jeonは三本のウェッジをバッグに入れていた。しかし、48°と58°のウェッジの間を埋めるものが無かったのだ。ツァー・プロは、アマチュアに較べれば1/2スウィングや1/4スウィングにはずっと長けている。しかし、そうしたプロでさえ可能な限りフル・スウィングすることを好む。

この30年間でアイアンのロフトは大幅に小さくなり、今日のピッチング・ウェッジは1970年当時の9番アイアンに等しくなってしまった(編者註:『当社のクラブは飛ぶ』という錯覚を与えるための過当競争の結果です)。ところが、サンド・ウェッジだけは昔のまま56°のロフトである。つまり、サンド・ウェッジとピッチング・ウェッジの間には、無視出来ないギャップ(ほぼ2クラブのロフト差)が生じてしまった。

LPGAの新星Aree Song(アリー・ソン)は、ここ数年Titleist Vokey 50°ウェッジを使っているが、グリーンを狙うショットばかりでなく、グリーン周りでも有効だと云う。『ギャップ・ウェッジはバンプ・アンド・ランでも、チップでも役に立つ。スピンが少ないので、サンド・ウェッジよりも転がる』と彼女は云っている。

ギャップ・ウェッジは普通50〜54°のロフトである。最近のPGAツァーのMCI Heritageトーナメントでは、ほぼ60%のプロがギャップ・ウェッジを使っていた。LPGAのLas Vegasの大会ではなんと88%のプロがギャップ・ウェッジを使用していた。

Cleveland Golf(クリーヴランド・ゴルフ)の担当者は『各ウェッジの間が6°刻みだと申し分ない』と云う。『1ラウンドで1回使うか使わないかの2番アイアンや3番アイアンを外し、5回以上必要なギャップ・ウェッジを追加すべきだ』 Seol-An Jeonの場合は、たった一度必要だったのだけれど。(編者註:たった一度であるが、ギャップ・ウェッジがなかったために負けてしまった)

'Straight Talk'
by Hank Johnson with Matthew Rudy ('Golf Digest,' May 2004)

「3本のウェッジを持つようにすべきだ。ピッチング・ウェッジは通常48°である。バンカーからグリーンを狙うには56〜58°のサンド・ウェッジが必要だ。もしサンド・ウェッジが58°なら、ピッチング・ウェッジとのギャップを埋める52°のウェッジが持つのが望ましい。もしサンド・ウェッジが56°なら、60°のロブ・ウェッジを持つのがいいだろう。それぞれによって、フェアウェイから何ヤード飛ばせるのか確認すること」

ちなみに私のクラブですが、以下のようになっています。

アイアン         ロフト		差

9番アイアン        43°
ピッチンッグ・ウェッジ  47°		4°
ギャップ・ウェッジ    52°		5°
サンド・ウェッジ     56°		4°
ロブ・ウェッジ      60°		4°

(April 26, 2004)


ブルース・エドワーズ物語

'Caddy for Life: The Bruce Edwards Story'
by John Feinstein (Little, Brown and Company, 2004, $25.95)

[Bruce]

"Caddy for Life"は『キャディ一代』、『生涯キャディ』、『終身キャディ』というような意味ですが、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に冒されつつも力尽きるまで働いたBruce Edwards(ブルース・エドワーズ)の場合、『死ぬまでキャディ』という感じです。

この本は彼の死の直後にでっち上げられたキワモノではありません。Bruce Edwardsは医師から「長くて三年、早くて一年」と死の宣告を受けた後、スポーツ・ライターのJohn Feinstein(ジョン・ファインスタイン)に「みんなが、Tom Watson(トム・ワトスン)と俺のツァー生活について本を出せと云ってる。俺もそうしたい。あんたが書いてくれればの話だが…」と頼みます。John Feinsteinは他のスポーツと共に'Open'(2003)、'The Majors'(1999)、'A Good Walk Spoiled'『苦悩の散歩道』(1995)など、PGAツァー・プロに関する感動的な実録を出版して多くの読者を魅了していました。Bruce Edwardsも「彼なら信頼出来る」と思っていたのです。

実はJohn Feinsteinが駆け出しの新聞記者で、ゴルフ界の西も東も分らない頃、見ず知らずの彼に気持ちよく色々教えてくれたのがBruce Edwardsだったそうです。それ以後、Bruce EdwardsはJohn Feinsteinにとって大事な情報源であると同時に、いい友人になりました。Bruce Edwardsが彼に頼んだのは当然でした。しかし、John Feinsteinは丁度一つの本を書き上げたばかりで、ずっと放っておいた奥さんと子供たちに「一緒に夏を過ごす」と約束してあったのです。ですから、「ブルース、悪いけど僕には出来ない。いいライターを紹介することは出来る」と答えました。Bruce Edwardsは「分った。気にするな」と云いました。John Feinsteinは突如気が変わり、「妻と話す。時間をくれ」と頼み、家に帰って奥さんに事情を話しました。死期が迫っているBruce Edwardsですから、今仕事にかからなければ間に合わないということもあり得ます。奥さんは理解しました。夫と過ごす夏の家庭生活を諦め、「やるべきだわ」と答えました。

この本は単なる闘病記ではありません。目立ちたがり屋でやんちゃな悪童時代から、キャディのアルバイトが大好きになり、高校卒業と同時にプロのキャディを目指したBruce Edwards、新人のTom Watsonとの偶然の出会い、二人が当時全盛のJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)に追いつき追い抜いた時期、Tom Watsonがスランプになりツァー参加数を激減させたため、数年間Greg Norman(グレッグ・ノーマン)のために働いた時期、Tom Watsonとのコンビを復活させ、Pebble BeachでのU.S. Open 1982で優勝した時のNo.17における"I told you so."の詳細、初めての結婚の失敗(最初の奥さんは彼の家に火をつけ全焼させた)、二度目の奥さんとなる女性との長い交際、再婚を決めた直後に発覚したALS、昨年のU.S. Open等におけるメディアとファンのサポート、友人たちやプロたちの励まし、そしてBruce Edwards最後のラウンドへ…と続く一代記です。

この本の正式出版日は本年4月6日で、Bruce Edwardsはその二日後に亡くなりました。彼が粗編集のこの本を読んだのかどうか、定かではありません。多分読めなかったでしょうし、奥さんが読んで聞かせたこともなかったのではないでしょうか。私ですら読んでいて涙で文字が見えなくなるほどですから、家族が声を出して読み通せるものではないでしょう。

泣けるのは、悲しいというより感動のためです。Tom WatsonとBruce Edwardsのコンビは人も羨むものでした。Tom Watsonは竹を割ったようなさっぱりした性格、Bruce Edwardsは真面目に働きつつも、死ぬまでユーモアを忘れない性格でした。絶対に遅刻せず、グリーン周りのあらゆるバウンスを調べて記憶し、グリーンの読みもTom Watsonが信頼する正確さだったそうです。クラブ選択については、Tom Watsonが自分の判断にせよBruce Edwardsの判断にせよ、決断したら自分の責任とするという姿勢を貫いたため、Bruce Edwardsは遠慮なく意見を延べることが出来ました。こうして、二人のプロはパートナー、友人、“兄弟”となって行きます。随所に出て来る二人のやりとりが素晴らしい。現在のキャディの地位を築き上げた功労者の一人はBruce Edwardsだとされ、ある人は「Bruce Edwardsはキャディ界のArnold Palmer(アーノルド・パーマー)だ!」と断言するほどです。

Bruce Edwardsは他のツァー・プロとも気さくに話をし、新米キャディなどの面倒もよく見ましたから、ゴルフ界の誰からも好かれました。同郷出身のキャディたちとの交歓も麗しいものでした。

この本にはあまり知られていないゴルフ界の事実がいくつも盛り込まれています。
・The Mastersは1983年まで同クラブ所属のキャディしか認めなかったので、Bruce Edwardsは観客と共にロープの外を歩きながらTom Watsonのラウンドを見るしかなかった。
・1970年代、全英オープンの賞金額は少なく、アメリカのプロにとって魅力的でなかった。当時、キャディは自分の航空運賃を出さなくてはならず、キャディにとっても全英オープンは博打だった。Tom Watsonが1975年に全英オープン参加を決めた時、Bruce Edwardsも行くことにしたが、パスポートも持っていないし、海外旅行も未経験だったので、直前に断念した。この年Tom Watsonが優勝し、以後Bruce Edwardsがいない時に限ってイギリスで勝利するというジンクスが生まれた。
・1980年以前、全英オープンは水曜から土曜にかけてトーナメントが開催された。
・1986年当時、Bruce Edwardsの給料は週$1,000、決勝ラウンドに進めたら賞金の5%、トップ10に入れたら7%、優勝したら10%だった。

作者のJohn Feinsteinは、印税の半分をBruce Edwardsの遺族とALS医療研究資金に寄付するそうです。この本の日本語版が出るように願っています。

【おことわり】画像はhttps://g.christianbook.comにリンクして表示させて頂いています。

(May 06, 2004)


[Lie]ライ角の重要性

私のホームコースである海軍航空訓練基地付属コースに、新しい管理者Jerry Morrison(ジェリィ・モリスン)が着任しました。Jerry Morrisonは海兵隊当時日本にも数年いたそうで、私にも非常に親しく声をかけてくれます。彼はインストラクターの組織であるPGAのメンバーでもあり、クラブ・フィッティングのプロでもあるそうです。彼にライ角について質問したところ、次のようなデモを見せてくれました。

2番アイアンのヘッド上にウェッジのヘッドが溶接されてたデモ用の道具があります。それぞれのフェースもライも同一になっています。どちらのフェースの真ん中にも穴が開けてあり、そこに長い鉄の棒がねじ込めるようになっています。


Jerryは鉄の棒をねじ込み、二つのヘッドが床にフラットに寝るようにセットします。フェースをターゲットにスクウェアにします。2番アイアンとウェッジにねじ込まれた棒も真っ直ぐターゲット・ラインに沿っています(上の写真参照)。そこでJerryはクラブのヒールを持ち上げると、2番アイアンのフェースに刺された棒の向きはそう変わりませんが、ウェッジに刺された棒はとんでもなく右の方を指しています。 「ええっ?!」[Lie2] Jerryはこちらの驚く顔を楽しそうに見ながら、「こういう風にヒールを浮かせばボールは右へ、トゥを浮かせば左へ行くんだ。ロフトの少ない2番アイアンでは影響は少ないが、ウェッジだと致命的だ」 私の友人のMike Reekie(マイク・リーキィ)は「おれは60°ウェッジを使うとすぐシャンクする」と嘆いていましたが、どうもシャンクではなくライ角の問題だったようです。

上のデモは皆さんの自宅で簡単に再現出来ます。御飯粒を練ってウェッジの中央につけ、そこにストローをくっつけます。ストローは半分位に切った方がいいと思います(全部だと重過ぎるので)。そのままフェースを目の前に上げ、写真のようにクラブ・フェースを水平にし、ストローが垂直になるようにします。それを床に置き、クラブに近く立ったり(ヒールが上がる)、遠くに立ったり(トゥが上がる)します。ストローが右を向いたり、左を向いたりします。これではターゲットにボールを届けるわけには行きません。

正しいライ角のクラブを手に入れることの重要性は、こういうことだったのですね。


(May 08, 2004)


過保護は子供(ショット)を駄目にする

国宝級の家宝の花瓶を洗うとします。壊したくない、壊したくない…という意識が先行し、おかげで足はもつれ、手は強張り、グワシャーン!結果として花瓶を落してしまう。え?そんな花瓶なんて無い?じゃあ、冷蔵庫にある最後の一個の卵を取り出す時はどうでしょう?これを壊したら、もう朝食で食うおかずは無い。壊しちゃ駄目、絶対駄目。すると、普段強張ったことなどない手が強張り、ペシャ!哀れ、卵は床に滑り落ちる。

私がピン傍に寄せようとする時、落としどころを定め、そこへ運ぶテイクアウェイの度合いを推定しながら、ピシッと打てるように素振りをします。「バーディで前のホールのボギーをチャラにしよう」とか、「ライヴァルの寄せた内側につけてやろう」とか邪念が入ると、上の作業にかかかる時間が増えます。結果はダフってチョロが相場。この場面でも「このショットを大事にしよう」として身体が強張り、花瓶や卵の惨事と同じことになってしまうわけです。

人間の場合も、初めての赤ん坊だと「理想的な子供に育てよう!」と意気込んで、育児書片手に入念な育て方をし、結果としてひ弱で依頼心の強い長男・長女を作り上げてしまう。子育てに慣れた…というか、子育てに厭きた頃に生まれた次男・次女は、伸び伸びと大らかに育つ傾向があります。

Harvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)の名言の一つに"Don't steer."というのがあります。"steer"は「(車の)ハンドル」の英語が"steering wheel"であることから解るように、「舵を取る」という言葉です。ゴルフ・スウィングで舵を取ろうとすると、どうしてもフェース角度を操ろうとして手首が強張ります。「右へ行かせたくない」として手首が強張れば、プッシュしてボールは右へ出ます。「左へ行かせたくない」として手首が強張れば、プルとなってボールは左へ消えます。あくまでもアドレスしたフェース角度に戻すのがスウィングなので、柔軟な身体で自然に振り抜くべきなのですね。"Don't steer."(舵を取るな)です。

結論:ショットを過剰に大事にしないこと。次男・次女を育てるように、ほとんど野放しにすればいい子(ショット)が育つ。

参考:「舵をとるな」

(May 10, 2004)


Ben Hogan(ベン・ホーガン)の練習・2

以下は、過去にThe Masters(マスターズ)のウェブサイトに掲載されていたBen Hoganインタヴューの一部です。ウェブサイトの衣替えにより、この記事はもう削除されてしまったようです。

[Hogan]

「1987年のインタヴューで、Ben Hoganは過去、現在、未来について語った。【編者註:以下は練習の部分のみ】

Q: プロのCary Middlecoff(ケアリ・ミドルコフ)が、かつてこう云っていました。全盛時代のあなたは、続けて20球ぐらい打つとボールを拾わせ、全く急がなかったと。

A: 私は一本のクラブがうまく打てるようになるまで続ける。うまく打てるようになったら、別のクラブに替える。もし、どれか一本のクラブがうまく打てなかったら、バッグの全てのクラブで打ち、正しい打ち方が出来るまでやる。9番アイアンから始め、セットの全てを使う。ドライヴァーは最後の最後だ。コースによっては長時間練習しなければならないショットがある。

Q: 例えば?

A: プロがミスするとすれば、それはロング・アイアンだ。ロング・アイアンを高い軌道で上げ、グリーンを捉えたらすぐボールを止めなくてはならないホールがある。私がプレイしたどのコースにも三つか四つ、そうした難しいホールがあった。これらをうまく処理出来れば、後は並みのショットばかりだ。

Q: ラウンド前のウォーミングアップでは全てのクラブを練習しますか?

A: そう出来るようにコースに到着する。そしてパットの練習も行う。早めのティー・タイムでも三時間前には起床する。

Q: ラウンド前にはどのくらい練習するのですか?

A: 好調ならそれほど時間をかけない。不調なら、時間が許す限り練習する。

Q: 最近のセオリーでは、ラウンド前にはスウィングを心配するより、身体をリラックスさせよと云われています。しかし、あなたのは真剣な練習だったようですね。

A: 私はただ単にボールを打ったりしなかった。木を狙って打つ場合は木を打つ。それがコースでやることなのだから、標的を絞って狙うべきだ。

Q: 一球毎に標的を決めて打つわけですか?

A: その通り。単に美容体操をやってNo.1ティーに行くわけにはいかんだろ?

(May 20, 2004)


ハイブリッド・クラブ

'Hybrid theory'
by Mike Stachura ('Golf Digest,' May 2004)

「ハイブリッド・クラブは本当に使えるのか?

Golf Digest系列のリサーチ会社がロボットのテストを行った。彼らは先ず、ロング・アイアンをうまく打てないスウィングをロボットに実行させ、次いでそのままロボットにハイブリッド・アイアンを打たせた。高い軌道と全般的にいい結果が得られた。

あるクラブ・デザイナーはこう云う。重心がかなり背面寄りなので、発射角度が高くなる。スウィング・スピードが普通か、やや遅めの人ならある程度遠くに飛ぶだろう。ランは少なくなる。ゆっくり振るゴルファーやちゃんとスウィート・スポットで打てない人には理想的だ。プロには無用のものである。

Golf Digestは12のグループによるテストを行った。参加者のハンデは7〜37。彼らに3番アイアン、4番アイアン、5番アイアンを打って貰い、それに対応するハイブリッド・アイアンをTour Edge Bazooka JMax Comboのセットから選んで打って貰った。参加者も少なく、クラブも一種類なので、試験的調査という範疇。

しかし、ハイブリッド・アイアンは対応するアイアンより遠くへ飛んだ。一般的にハイブリッド・アイアンは対応するアイアンより8フィート(2.4m)もターゲット・ラインに近い(左右にぶれない)。

もし、あなたがロング・アイアンをちゃんと打てないなら、それらは農機具と一緒に納屋にしまって、あなたが使いこなせる道具を見つけるべきだ。

【テスト結果】


クラブ 平均飛距離
(ヤード)
ターゲット・ライン
から逸れた距離
3番アイアン
156.5
5.7
3ハイブリッド
159.1
2.8
4番アイアン
149.5
7.3
4ハイブリッド
151.4
3.5
5番アイアン
138.9
4.3
5ハイブリッド
143.4
3.2

[Iron_wood]

実はこの記事を読む前に、私もハイブリッド・クラブを購入していたのです。Nike CPR アイアンウッドの21°というもの(右の写真)。CPRとは、Clubs for Prevention(防止、予防)and Recovery(回復)のそれぞれの頭文字を取ったシリーズだそうです。私は、メーカーの「3番アイアンと4番アイアンの代替品」という謳い文句を信じて21°を買ったのですが、いざ使ってみると飛び過ぎました。5番ウッドより飛ぶのは間違いありません。これでは4番アイアンを家に置いて行くわけには行かず、代りに5番ウッドを外すことになりました。目論見が外れてがっかり。ただし、上の記事のようにかなり真っ直ぐ飛ぶのは間違いありません。私の場合、180〜200ヤードでピンを狙う時に頼りになります。

宣伝文句には「寄せにも使用出来る」とあるのですが、チッパーとして使ってみるとそのスプリング効果が強過ぎ、とてもグリーン周りで使える代物ではありません(ホンの一寸触ってもグリーン・オーヴァーしてしまう)。チッパーというより、ティー・ショットをラフや林に入れてしまい、そこから脱出する場合や、木の下をくぐって100ヤード転がすというような時に威力を発揮します。

(May 23, 2004)


[Undercover_Golf]隠密トレーニング

'Undercover Golf'
by Joe Borgenicht with R.D. Robinson (Quirk Books, 2004, $10.95)

プラット・ホームで素振りをするとか、電車の吊革でグリップを強くするなどは、誰しもが経験あることでしょう。この本'Undercover Golf'(秘密のゴルフ)は、様々な局面で人知れずゴルフの練習を可能にする方法を教えてくれます。

・車を運転中にグリップを鍛える
 赤信号で停止した際、左手の中指、薬指、小指をハンドルに引っ掛ける。親指と人差し指を一緒に絞ってハンドルに添える。1分間続け、緩めてから再度繰り返す。

・散歩中に距離感を養う
 遠くの木やベンチなどをターゲットと想定し、そのターゲットと着地点までの距離を推測する。歩数を数えながら着地点へ向かい、推測が合っていたかどうかを確認する。この方法によって、距離の測定はお手のものとなるであろう。

・レストランで膝のトレーニングをする
 料理が来るまでの間、テーブルクロスの下で両手で拳を作って揃え、それを両膝で押す。これは膝の正しい圧力を養成する。やや上体を屈める体勢となるため、食事の相手はあなたが真剣に話しに聞き入っていると錯覚して、気分を良くする。

・電話しながらバックスウィングの練習
 受話器を取り上げ、アドレスする体勢で立つ(背は真っ直ぐ、膝は軽く曲げる)。受話器を持ったまま肩を廻す。あたかもオフィスの誰かを探すか、何か物を探すふりをする。オフィスのゴシップを話題にすれば、この練習は誰に聞かれても問題無い。

・お子さんやお孫さんと遊びながら重力に慣れ親しむ
 アドレスの体勢を取り、向かい合った幼児の両脇の下に両手を当て(両肘は絞って脇の下に当てる)、何度か幼児を上げ下ろしし、幼児の体重に慣れる。幼児を真っ直ぐ持ち上げ、両手を伸ばす。幼児をコンパクトなトップまで廻し、次にフォローの位置まで廻す。足元をしっかりさせ、自分の身体を円の中心に据える。「ほれほれーっ!」とか「そーれーっ!」など楽しい掛け声をかければ、誰もあなたがゴルフの練習をしているとは思わない。【編者註】他人のお子さんを利用すると、警察を呼ばれる恐れがあります。

(May 25, 2004)


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