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【掲載順はランダムです】
アメリカ人に日本語を教えています。これまで、動詞の活用まで到達したことはあったのですが、現在の生徒たちには形容詞について教えるところまで来ました。
「美しい」とか「新しい」とか語尾が“い”で終るものを[i] adjective、「優雅」とか「新鮮」など“な”を補って修飾するものを[na] adjectiveと分類するのが、外国人への教え方として常道のようです。
日本語を教えるということは日本語を勉強するということでもあります。「きれい」、「嫌い」、「有名」は“い”で終っても、これらは[na] adjectiveであることを初めて知りました。いえ、自分で使う時は正しく使っているのですが、この三つが特別視されているということを知らなかったのです。
色の表現でも、赤・青・白・黒などは名詞ですが、語尾に“い”を付ければ形容詞になります。茶や黄の場合はそのままでは形容詞にならず「茶色い」、「黄色い」と“色”を補ってからでなければ“い”を足せない。緑の場合は“色”を補ってさえ“い”を足しても正しい形容詞にならない。ここまでは自分で発見し驚いていたのですが、「なぜそうなのか?」はインターネットで調べてみるまで分りませんでした。普段何気なく使っている形容詞にも、奥の深い歴史があることを知らされました。
さて、形容詞に関する授業を一回済ませ、その経過をカミさんに話したら怪訝な顔をしています。「何のことを話しているのか分らない」という苛立ちさえ感じられます。私の話が一段落したところで、彼女が割り込んで来ました。「あなたは"adjective"の話をしてるの?」と云います。「そうだ」と答えると「"objective"に聞こえるわ」と云いました。
私は二音節目の“ジェ”にアクセントを置いて発音していたのです。"adjective"なら冒頭の“ア”にアクセントを置いて"apple"と同じように発音しなければいけなかったのでした。"objective"はニ音節目にアクセントがあり、「目的、客観的、目的格の」という意味で、「形容詞」とは関係なくなってしまうのです。私は脇の下に汗が滲む思いでした。生徒たちに90分間形容詞の話をしているつもりで、間違った発音をしていたのです。その90分を取り戻して消去したい思いですが、それは叶いません。ま、英語は私の母国語ではないし、刷り物に"adjective"と書いてあるので生徒たちは大目に見てくれたのでしょう。
私は慌てて「副詞」の発音も調べました。"adverb"も"adjective"と同じで第一音節にアクセントがあります。よーし、副詞の時は間違えないぞ!
(April 10, 2008)
私はインクジェットのカラー・プリンタも持っていますが、インクの値段が高いのでよほどカラーでなければいけない場合以外は使いません。普通はレーザープリンタを使っています。細長いカートリッジに詰まったトナー(黒色粉末)を熱転写で紙に印刷するプリンタです。白黒ですが、スピードはインクジェットより格段に早く、鮮明でもあります。
こちらの友人のJack(ジャック、78歳)に「トナーが切れてしまって、注文してるところだ」と話したのですが、「?」と私が何を云っているのか理解出来ない様子。「Laser printerに使うトナーだよ」と云っても通じません。仕方なく「t-o-n-e-r、トナー」と云うと、「ああ、あんたの話してるのは“トウナ”のことか!」とにっこりしました。
家に戻って『研究社 英和中辞典を引くと、「toner 【トウナ/タウナ】(複写機の)トナー」とありました。【トウナ/タウナ】は本来は発音記号ですが、ネットで発音記号は表示出来ないので、私がカタカナにしました。それにしても、この「トナー」というJaplish(和製英語)は誰が作ったのでしょう?最初から「トウナ」という言葉を広めてくれりゃいいのに、「トナー」などとローマ字読みを広めるなんて甚だ迷惑です。
"motel"に「モーテル」というJaplishを当てたのと同じくらい罪が重いと云わなければなりません。
私は別にJackに通じなかったから「恥ずかしい」などと思っているわけではありません。英語として通じないような言葉を蔓延させている輩に腹を立てているのです。「トウナ」としなかったのなら「着色粉末」と日本語のままにしておいて欲しかったと思います。これなら罪はありません。
(January 20, 2008)
日本式カタカナで雑誌などが書いているセックス関連の人体部品の多くは英語ではありません。医学用語のほとんどはドイツ語がそのまま輸入されていたり、英語のスペルでもローマ字読みであったりで、そのままでは英米人には通じません。英語で通じる発音を記してみます。
肛門:anus アヌスではなく、「エイナス」
膣:vagina ヴァギナではなく「ヴァジャイナ」
陰茎:penis ペニスではなく「ピーニス」
精液:semen ザーメンではなく「シーメン」(spermスパームとも云う)
絶頂:acme アクメではなく「アクミ」
自慰:Onanie オナニーではなくmasturbation「マスターベイション」
クンニリングス:cunnilingus クンニリングスというより「カンニリングス」
肛門性交:anal sex アナル・セックスではなく「エイヌル・セックス」
バルトリン腺:Bartholin's gland 「バーサランズ・グランド」
カウパー腺:Cowper's gland 「カウパー」とも「クーパー」とも呼ばれる
処女膜:hymen ヒーメンではなく「ハイメン」
下記の本はセックスと排泄に関する言葉に関する情報を集めたものですが、以下のような非英語国民が間違え易い発音について注意を呼びかけています。
'Dangerous English' 2nd Edition
by Elizabeth Claire (Delta Systems, Co, Inc., 1990)
beach 海辺/ bitch 尻軽女
clap パチパチ【拍手の音】/ crap 糞
election 選挙/ erection 勃起
farther 父/ farter 屁をひる人
fog 霧/ fuck 性交
fork フォーク/ fuck 性交
piece 断片、個/ piss おしっこ
pushy 図々しい、押し付けがましい/ pussy 女性の陰部
ray 光線/ lay 性交
rude 無作法な/ lewd 淫らな
rust 錆び/ lust 欲望
shirt シャツ/ shit 糞
six 六/ sex セックス
third 三番目/ turd 糞
theses 論文【複数】/ feces 糞便
New York City/ New York shitty
Please sit down/ Please shit down(どうぞ、うんこして下さい)
University/ Univershitty
私はアメリカ人に日本語を教えていますが、「どうも失礼しました」の「失礼」の発音は、彼らにはとても難しいようです。"shitsurei"の"tsu"という発音が英語にないのですね。やけくそで、"shit-lay"はどうかと思ったら、これだと何とか「失礼」に聞こえました。しかし、上の語彙集で翻訳すると、"shit-lay"は「糞・性交」という非常に卑猥な言葉に変貌し、教える方も教わる方も落ち着きません。ちょっとまずいので"shitz-lay"にしました。あまり変わりませんかね:-)。
(January 20, 2008)
もう十数年前のことですが、ウィーンに一ヶ月ほど滞在し、ウィーン美術史美術館の絵画や工芸品の数々を撮影したことがあります。それらはハプスブルク家の王侯たちが集め、作らせたものなので、王族の歴史も重要な要素です。その中の一人の王がウィーン少年合唱団の創始者だったということで、合唱団も取材することになりました。
あいにくウィーン少年合唱団は海外公演に出掛けていて留守だそうでしたが、二軍(というか研修中の子供たち)でよければ来てくれとのこと。番組ではレコードに入っている一軍の合唱をかぶせてしまえば問題ないわけですから、二軍での撮影を申し込みました。二軍なのに出演料は高くて、一曲歌って貰うだけなのに確か30万円ほど取られた記憶があります。
さて、その少年合唱団の撮影が決まった日のスタッフ打ち合わせでのこと。音声マンが「あかぺらですか?」とディレクターに尋ねました。「あかぺらです」とディレクター氏。私は初めて聞く“あかぺら”という言葉に首を捻りました。北海道に五年ほどいたので、「赤平(あかびら)」という町があることを思い出しましたが、ウィーンで赤平が関係して来る筈もありません。
「あかぺらって何です?」と私が聞くと、「伴奏無し」という意味だという返事が返って来ました。辞書を引くと"a'cappella"で、"ppe"にアクセントがあります。しかし、音声マンもディレクターもアクセントを付けずに平坦に云ったので、まるで日本語のように聞こえたのでした。ま、ちゃんとしたアクセントで外国語風に云われても、私には意味が分らなかったわけですが:-)。
"a'cappella"の語源はイタリア語の「教会のスタイルで」という意味で、音楽用語としては「(合唱曲が)無伴奏の」と定義されています。NHKでは地方局でも合唱コンクールなどの収録をしますから、ディレクターや音声マンは「あかぺら」という言葉を知っていて、知らないのはそんな番組に携わったことのない私だけだったのでした。音声マンからすれば、楽器が出てくればマイクを余計に立てなくてはならないので、伴奏の有無は重要だったわけです。しかし、どうせレコードの合唱をかぶせてしまうのですから、真面目にマイクを立てる必要もなかったのですが。
2006年、私の住むアメリカ南部の田舎町にウィーン少年合唱団がやって来て一晩の公演がありました。私が聴きに行ったかですって?冗談でしょう。こんな小さな町にドサ回りでやって来るなんて、二軍に決まってるじゃありませんか。
(October 10, 2007)
BMW(ビー・エム・ダブリュー)はドイツの高級車メーカーBayerische Motoren Werke AG(バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ・アーゲー)社の車。日本ではドイツ語読みで「ベーエムヴェー」(あるいはベーエムベー)と呼ぶ人もいますが、アメリカでそんな発音をしても通じません。
Chevrolet(シヴォレー)はGM(ゼネラル・モーターズ)の大衆乗用車。スイス出身のレーシングドライバー、ルイ・シヴォレーが創立に関わったことから、この名が付けられました。愛称はChevy(シェヴィ)。
Corvette(コーヴェット)はGMのスポーツカー。アメリカでの正式名称はChevrolet Corvette。
Dodge(ダッジ)は、米クライスラー社のブランド。「ドッジ・ボール」と同じスペルですが、「ダッジ」。
Fiat(フィーアト)はイタリア製の車。日本では「フィアット」と促音になっていますが、「フィー」と先ず伸ばし、後半を「アト」と軽く続けるのが英米では正しいようです。
Jaguar(ジャガー)は英国生まれの高級車ですが、現在は米フォード傘下となっています。正しい発音は「ジャグワー」もしくは「ジャギュア」。
Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)はドイツの高級乗用車ですが、英米での発音は「マーシーディス・ベンツ」。
Mustang(ムスタング)は、フォード社の車。Mustangは「スペイン人がメキシコ、テキサスなどに持ち込んで野生化した小型馬」のことで、「ムスタング」はローマ字読み。正しくは「マスタング」。
Nissanはアメリカでは「兄さん」あるいは「二、三」という風に発音されます。「にっさん」という促音としては発音されません。
Pontiac(ポンティアック)はGMの車で、アメリカ・インディアンの酋長の名前「ポニアック」(これが正しい発音)から来ています。
Porsche(ポルシェ)は、ドイツの自動車会社。英語では語尾の"e"を無視し「ポルシュ」と発音されています。
Subaruは「スバルー」と語尾を伸ばして強調されます。
Toyotaは「トヨダ」(次項「濁るT」参照)。
Honda、Mazda、Suzukiなどはそのままです。
(July 10, 2007)
自動車会社TOYOTAはアメリカでは「トヨダ」です。「ダ」は「ラ」に近い柔らかい「ダ」。同じように、ゴルフの女子プロ宮里 藍は「ミヤザド」で、この「ド」も「ロ」に近い柔らかい「ド」。アメリカでは、最後の音節のta-ti-tu-te-toは澄んだ音にはならないのでしょうか?
辞書を全部調べたわけではないので大雑把ですが、英語では"ta"、"tu"、"to"で終わるものは少なく、"t"で終わるか、"te"で終わる単語が多い。
recent
impact
appetite
fortunate
これらはどれも澄んだ発音です。
"ta"、"tu"や"to"で終わるものもあるにはありますが、かなり少ない。
pasta「パスタ」元はイタリア語の"paste"(練り粉)
impromptu「即興的に」元はラテン語の'in promptu"
de facto「事実上の」元はラテン語
mosquito「蚊」元はスペイン語の「小さな蝿」
つまり、ほとんどは外来語なんですね。これらも澄んだ発音。
"duty"とか"dirty"となると、やや濁って来ます。
TOYATAもMiyazatoも外来語なのに、なぜ濁るのか?アメリカ人に聞けば"It's a good question!"と云うでしょう。「分らない」のです。
(March 20, 2007)
アメリカのTVアナウンサーが"champion"という言葉を「チェアンピオン」という風に発音したので、カミさんに「変な発音じゃない?」と聞いたら、「変じゃないわよ」という返事でした。
よく考えると"a"の発音というのは、われわれ日本人が馴染んだローマ字の"a"とは全く違うんですね。
angle(角度)「エァングル」
bat(野球のバット、蝙蝠)「ベァット」
cat(猫)「ケァット」
fat(肥満)「フェァット」
pass(通過する、追い越す) 「ペァス」
path(小道、進路)「ペァス」
mass(集団、大衆)「メァス」
math(数学)「メァス」
これらは発音記号ですと"e"のひっくり返ったのと"e"がくっついたものになるわけです。
問題はわれわれ日本人が"a"をローマ字風に「ア」と発音した場合、英米人には"u"だと判断されることです。"hat"(帽子、ヘァット)のつもりで「ハット」と云うと"hut"(小屋)の話をしていると思われます。"pan"(片手鍋、ペァン)のつもりなのに「パン」と発音すると"pun"(駄洒落)と解釈されます。
(December 30, 2006)
「えーと、どっちだったっけ?」と一寸迷うのに「発音」という語の発音とスペルがあります。
名詞:pronunciation「プロナンシエイシャン」
動詞:pronounce「プロナウンス」
真ん中が"nun"か"noun"かという違い。《動詞の場合に逆に"noun"(名詞)になっている》と覚えればいいようです。
(December 30, 2006)
英語は“明解”をモットーにして話されたり書かれたりします。時間(時制)、数、性、方向、場所、否定・肯定など、常にハッキリさせないと落ち着かないかのように文が構築されます。
それは同時に、言葉を曖昧に発音しないという傾向につながります。お持ちのCDやレコードなどで、本場の人が唄う英語の歌(ミュージカルが最適)を聞いてみて下さい。どんなに長く音を引っ張った後でも、ちゃんと語尾を付け加えている筈で、決して曖昧に終わらせたりしません。歌に限らず、映画の台詞なども同じです。
試しに映画"West Side Story"の"Tonight"を聴いてみましょう。この歌には"tonight"という言葉が13回出て来ますが、「トゥナイ」などと尻切れではなく、必ず最後に「ト」が付けられています。"tonight"の韻を踏んだ"bright"、"light"、"night"、"right"、"alright"なども出て来ますが、これらも必ず最後の「ト」はハッキリ発音されています。
もう一つ映画"Oklahoma!"に登場する"Oh, What a Beautiful Mornin'"を聴いてみましょう。ここで"morning"は"mornin'"と最初から省略されているので"g"は当然発音されません。しかし、代わりに語尾となった"n"はハッキリと発音され、「モーニン・ヌ」という風に唄われています。
私が日本で英語の研修を受けた時、ある“同級生”の中年男性は米人教師から上のような語尾の大切さを教わり、いたく感銘を受けたようでした。彼はスピーチの最後でよく使う云い廻し、"Thank you for your attention.”の最後を「アテンション・ヌ」とはっきり発音すべきだと悟り、参加者全員が五分ずつ喋る“卒業スピーチ”の最後をその発音で飾ろうと決意していました。彼のスピーチの内容は家族ぐるみで英語を喋る日を設けたという微笑ましい内容で、私が演壇に置いて録音したテープには彼の最後の「アテンション・ヌ」がちゃんと入っていました。しかし、実際には彼の話が終わった途端に盛大な拍手が起こり、「アテンション・ヌ」は教師たちや生徒一同の耳には届きませんでした。彼の唯一の目玉であり、担当米人教師への目配せだっただけに、彼はとても悔しそうでした。
なお、語尾をはっきり発音するというのは、アメリカでも東部・西海岸などの人々、特にアナウンサーや俳優、歌手、政治家、学者等に顕著なことであって、南部人を一緒に括ることは出来ません。南部の黒人英語は、"test"を"tes"と発音したりするほど“ものぐさ”なのですから。
(November 20, 2006)
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