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[食事]

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         【掲載順はランダムです】



[・] eatをeatする?

アメリカ南部に関連するサイトを探していて、"Guide to Southern eats"という見出しがある日本のサイトに遭遇しました。"eat"って名詞もあったの?知りませんでした。辞書を調べると、長い長い動詞に関する記述の後に、短く「【名】[複数形で]《口語》(すぐ食べられる)食物:食事」という一行がありました。へーえ?しかし、私の感覚からすると、"food"に較べると"eats"という語感は、テーブルについてナイフとフォークで食べるというよりも、犬・猫のように皿に口をつけてばくばく喰うという感じで、ちょっといやしい気がします。

"eats"がどの程度一般的な言葉なのか、Googleで検索してみました。フレーズ検索を用い、「英語のみ」を指定し、"Guide to Southern eats"を試すと、これはゼロ件でした(英語圏で同名の文章は使われてないということ)。

"Guide to **** eats"という設定で、****の部分を考えられる限りの食べ物関連の形容詞、国の形容詞(Mexican, Chineseなど)に換えて検索してみました。引っ掛かったのは、僅かに"quick, local, ethnic, neighborhood, tasty, cheap"などでした。そして、これらの件数もゼロに近いごく僅かな数字でした。"eats"を"food"に換えて検索すると、数字はポーンと撥ね上がります。

《"Guide to **** eats (or food)"の検索結果》

****の置換語 "eats"の場合 "food"の場合
quick 3件 0件
neighborhood 3件 0件
local 4件 1,900件
ethnic 4件 143件
cheap 68件 6件

どうも、名詞としての"eats"は滅多に使われず、使われても手近の安食堂の食べ物に限定されるようです。もし私が翻訳するとすれば、"food"は「食べ物」、"eats"は「食いもの」がふさわしいように思われました。しかし、無理に"eats"を使う必要もないし、使わない方が無難でさえあるという調査結果でした。

ここまで書いたところで、当市の新聞に"We know great eats"という見出しの広告がでかでかと掲載されました。私は「えっ?ここまで書いた記事は没かい?」とショックを受けましたが、それはショッピング・モール内の"food court"が連名で出した広告でした。"food court"は、モールの中で多数のファーストフード店が沢山の椅子テーブルを取り囲んでいる一角のことです。外観はモダンですが、屋台が集まった広場というイメージ。つまり、"great eats"とは云うものの、ファーストフードと同じ出来合いの食べ物のことに過ぎません。アメリカには"diner(ダイナー)と呼ばれる「軽食堂」がありますが、"eats"はファーストフードとdinerの中間で出される食べ物と考えたらいいのでしょう。

(April 20, 2008)

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[・] ピーマンの話

ゴルフ・ファン以外にもよく知られているトーナメントにThe Masters Tournament(マスターズ)というのがあります。ジョージア州アトランタ郊外に位置するオーガスタという町で開催されます。

このトーナメントの名物の一つが「ピメント・チーズ・サンドイッチ」。三、四種類のチーズを混ぜ、それをパンに塗るのですが、その主役はピメント・チーズ。では、ピメントとは一体何か?と調べたら、オリーヴの漬け物に挟まっている赤いものがありますね。あれなんだそうです。元はと云えば「赤ピーマン」。

あるゴルフ雑誌に『ピメント・チーズ・サンドイッチの作り方』というのが載っていたので、私も作ってみました。食料品店に行くと、ピメント・チーズというのは何種類もあります。クリーム状になったものから、赤ピーマンの小さなかけらが入ったものまで。

ピーマンの英語名は"green pepper"か"bell pepper"です。確かに“鐘”のような格好ですから「ベル・ペパー」と云うのがぴったりです。「なぜ、日本ではピーマンと呼ぶのだろう?」と思いました。『広辞苑』を見ると「ピーマン【piment フランス】西洋とうがらし」とあります。フランス語で"ment"は「マン」と発音しますから、「ピーマン」はかなり原音に近い。「ピマン」ならもっと正確だったでしょう。何のことはない、ピメントはそのものずばりピーマンだったわけです。

ところでpimentはフランス語の綴りであって、英語では"pimento"と最後に"o"が加わり、その正しい発音は「ピメント」ではなく「プメントゥ」に近いようです(『研究社 リーダーズ英和』による)。"pimiento"とも呼ばれ、この場合は「プミェントゥ」です。『研究社 リーダーズ英和』には「スペイントウガラシ、ピミエント」となっていますが、pimentoの項に「=pimiento」となっていますので、単なる異音同義語、pimientoはラテン語からスペイン語になったというだけの違い。

「英語版Wikipedia」によれば、イギリスではこれを単に"pepper"と呼び、元英連邦であったオーストラリア、インド、マレーシア、ニュージーランドでは"capsicum"(ケァプシカム)と呼ぶそうです。他のヨーロッパ諸国では"paprika"(語源はpepper)と呼ぶということです。英語のpaprika(パプリカ)はピーマンから作られた粉末スパイスとのこと(知らなかった)。

なお、ピーマンはヴィタミンCが豊富で、green pepper(緑色のピーマン)は同量のオレンジやレモン等の二倍、red pepper(赤色のピーマン)は三倍も多いそうです(知らなかった。汗)。「これからはred pepperだ!」と思いましたが、値段がベラボーに高い。ヴィタミンの量が三倍なら値段も三倍。毎日食べるにはちょっと贅沢ですね。

(March 01, 2008)

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[・] ビュッフェとバッフェ

日本では新幹線が「ビュッフェ」という名称を有名にしてしまったので、「立ち食い」を英語で「バッフェ」と呼ぶのを聞くと面食らいます。アメリカで「ビュッフェ」と云うと、フランスの画家Bernard Buffet(ベルナール・ビュッフェ)のことを云っているのだと思われます(相手に教養があれば…ですけど)。【スペルは全部同じ】

ホテルの朝食やパーティなどで食べ物が沢山並んでいて、どれでも好きな物を好きなだけ食べられるスタイルが「バッフェ」で、お皿に食べ物をとったら、立食パーティでない限りテーブルに持って行き、座って食べることが出来ます(最近は、立って食べるという語源は必須要件ではなくなっています)。日本ではこれを「バイキング」と呼んでいます。英語では「バッフェ」か"smorgasbord"です。どちらも意味は同じ。

レストラン全体が食べ放題の店もあり(特に中華が多い)、そういう店は"buffet-style restaurant"と呼ばれ、こういうところの謳い文句は"all-you-can-eat"です。均一料金で食べ放題ですから、お腹の空いている時や常時お腹の空いている人(?)には最適です。このテのレストランではその場で食べることが前提なので、"doggie bag"に残りを詰めて持ち帰るということは出来ません。別料金で、お土産として「お持ち帰り用容器」に食べ物を詰め込むことになります。

January 30, 2008)

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[・] 皮むき器

初めて米国産皮むき器(写真上)を見た時、私は呆れました。その貧弱なデザインもさることながら、包丁も使えずそのような器具に頼らざるを得ないアメリカ人の不器用さに呆れたのです。試しに使ってみましたが、くるくる廻る刃先が扱いにくくもどかしい思いでうんざりしました。

あるアメリカ映画を観ていました。二人の兵隊が不品行の罰としてジャガイモの皮むきを命ぜられます。二人はべちゃくちゃ喋りながら例の皮むき器を扱います。私は彼らの手つきを見ていてびっくりしました。二人とも、皮むき器を往復させているのです。包丁のように一方に剥いて行くのではなく、ジャガイモを撫でるように行ったり来たりさせ、その度に双方向に皮が剥けるのです。

私は米国産皮むき器を包丁のように扱って、「こりゃ駄目だ」と断定していたのでした。包丁の代わりではなく、全く別物なのです。私は映画の兵隊のように手首を急速に往復させながら皮を剥いてみました。「いいじゃない、これ!」目から鱗が取れました。

刃先が薄いだけに、包丁のように深く抉り過ぎるということもなく、均一に皮が剥けます。これは、セロリの筋取りにはしごく重宝な機能です。皮むきという用途でなく、牛蒡や人参を「ささがき」にする時にも便利です。私は「ちゃんこ鍋」をする際には、この皮むき器で牛蒡、人参、大根などをささがきにします。均一な薄さで、スピーディに処理出来ます。

馬鹿にしていた米国産調理道具ですが、これは逸品であると断言します。現在、私は一寸豪華版の皮むき器(写真下)を使っています。これは道具をゆったり持つことが出来、使い心地も満点です。

(December 20, 2007)

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[・] イカの話

イカの話はイカにまつわるイカにも南部の田舎らしさをイカんなく発揮したものですが、イカに下らなくてもおイカりになられるのはイカがかと思う次第でありまする。

珍しく大根が手に入りました。大根とイカは相性が良く、お互いに味を引き立てます。スーパーWalmartでは解凍したイカを量り売りしていたことを思い出して行ってみました。ありません。ある大規模食料品店(grocery storeと呼ばれる、日本のスーパーに近い店)では小イカの冷凍パックを売っていたことがあります。見に行ったのですが、もう置いていません。町にある大規模食料品店を全部廻りました。無し。最後に行った店の魚・肉売り場の女性(55歳ぐらい)は"squid"という言葉すら知りませんでした。「それは魚なの?」と云うので、「タコは八本足、イカは十本足」と説明しましたが、やはり知らないようでした。

私の日本語教室の生徒の一人はお寿司が好きなのですが、一緒に行って私がいくら「このイカは新鮮だ。おいしい」と云っても食べようとしません。イカの実態を知らず、クラゲかなんかと間違えているのではないか?と思いました。聞くと「イカを食べないわけではない」と云い、イカの形も知っていました。ただし、彼が食べるのは「フライド・カラマリ」という小イカの唐揚げでした。

私のカミさんがイカを食べないのは"It's chewy."(簡単に噛みこなせない)という理由です。新鮮なイカはシャキシャキしていて、簡単に噛めます。古いイカしか食べたことがないんですね。

ふっと小さい鮮魚店がこの町に二軒あることを思い出し、出掛けました。イカは無し。一軒のオーナーの老婦人は「私は30年店をやってるけど、この30年で『イカはあるか?』と聞いたのは、あなたが初めてだ』と云っていました。この店については後日談があります。

翌日、再度この店に出直し、特別に取り寄せて貰うことが可能かどうか聞きに行きました。老婦人はいなくて、その旦那が「どの位の量が欲しいんだ。次の水曜日にニューオーリンズで仕入れて来てやる」と云いますので、一番小さいパックを頼みました。さらに翌日、私が健康診断を受けたところ「血圧も高くコレステロール値も高い」と宣告されてしまいました。イカやエビはコレステロール値が高いことで有名です。またまた例の魚屋に行きました。老人はいなくて、今度は老婦人だけ。「あたしは特別注文は受けない主義なの。客が文句云うのが嫌いだから。うちの旦ツクはお小遣いが欲しかったのかどうか知らないけど、あなたの注文を受けてしまった。あたしは一切関係ないから、夫と話しなさい」と剣もホロロでしたが、私が注文をキャンセルしたいのだと知ると、急に笑みを浮かべて私の注文票をびりびりと破きました。凄い夫婦もあったものです。

(November 20, 2007)

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[・] ビールの値段

Budweiser(バドワイザー)というアメリカのビールがあります。小さめの缶ビール(12 FL OZ = 35 cc = 355 ml = 0.35 liters)を24本詰めた箱が約$16.00です。夏に安く、秋口以降高くなるような印象です。日本の350mlの缶ビールは230円だそうですので比較してみました。

アメリカのは24本入り$16.00を24で割りますと67セントですから、現在の為替レート$1.00=115円では77円で、ほぼ1/3ということになります。

日本のビールの値段というのは一定していた筈ですので、こちらの変動する価格は不思議でした。平均して安い値段をつけているギャス・ステーション(ガソリン・スタンド)へ行って聞いてみました。黒人女性のレジ係が「私らが値段を決めてるんじゃなくて、ビール会社が値段を変えるんだわよ」と云います。じゃあ、ということで、当市全体をカヴァーしているBudweiserの倉庫兼配送所へ行きました。「我々の卸値はいつも一定だ。販売する食料品店とかギャス・ステーションが勝手に値段を決めるんだ。独立記念日とかクリスマスとかには安くしてるね。時には卸値に近い値段で売ったりしてる時もある」「客寄せの目玉ですね」「そう、その通り」

それで分りました。夏に安く、冬に高いわけではないのです。販売店の業績を伸ばしたい時に安くなるわけです。そうなると、あちこち駆けずり廻って一番安いところを探すべきでしょうか?う〜ん、たった$1.00程度の差なんで、そこまでしなくても…という気もするし、ビール一缶に相当する差額だと思えば「それは大きい!」とも思いますね:-)。

アメリカのガソリン価格は最近高騰していますが、それでも意味も無く値上げすると州司法長官から注意を受けたりします。ですから、諸物価の中では比較的低めに抑えられているようです。車社会なので、車が使えないほど高騰すると国の経済にも影響しますのでね。

(September 20, 2007)

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[・] 食虫人種

カミさんの菜園でオクラが一杯育った時のこと。南部名物の一つ「フライド・オクラ」を作ろうと、料理の本を研究しました。必要なものはコーンミール(とうもろこしを碾いた粉)だけ。1センチ巾に切ったオクラにコーンミールをまぶして揚げればいいのだそうです。早速コーンミールを買いに行きました。

一回目の調理は油の温度が適切でなく、やや焦げてしまいました。数日後に二回目にトライしようとした時、コーンミールの紙袋を開けたカミさんが「虫がいる!」と云いました。見分けるのが難しい位に小さいのですが、確かに表面で何匹かモゾモゾ動いています。「コーンミールはすぐに虫が付くの。このテの虫はどんな小さな隙間からでも入って来る」のだそうです。仕方無く、新しいコーンミールを買いに行きました。「すぐに虫が付く」のならプラスティック・ケースで売ればいいのに、どれも紙袋入りです。私は買ってすぐファスナー付きビニール袋に入れましたが、アメリカ人は虫も食べるのでしょうか?

グロサリ・ストア(大規模食料品店)で、当家の猫に箱入りの固形の餌を買って来ました。箱を開けたところ、中から数匹の蛾が飛び立ちました。びっくりしましたねえ。箱の中には幼虫なのか、別の虫なのか、何かが何匹かうごめいています。当然、食料品店に出向きお金を返して貰いました。管理が悪いわけでしょうから、他の箱に取り換えてもどうせ虫入りに決まっています。他の店に行って買いました。こちらは大丈夫でした。ところで、箱から出て来た蛾は、食べ物がありそうに見えない室内で奇跡的に繁殖を続けていたらしく、いくら殺しても後を絶たず、長い間悩まされました。

こちらのカリフォーニア米は、大小のサイズがありますが、私は9キロ入りの袋をいつも買っています。ある時、車で40分ほどのアジア系食品店に行ってその袋を購入して来ました。帰宅して開けたら、蛾が飛び出して来ました。店に電話すると『持って来て下さい」と云うので、また40分走ることになりました(二回で計160分)。お金を返して貰ったのは当然ですが、160分時間を無駄にしたことに対する詫びは言葉だけでした。この店はその後潰れました。

私は、軽い朝食が望ましい体調の時はコーンフロスト(コーンフレークの甘いやつ)を食べます。コーンフロストは湿気るとまずいので密封したいのですが、袋に簡易ファスナーが付いていません。私はゴミ袋などを縛る針金で口を閉じていました。ある時、コーンフロストを食べ始めてから、「仕舞いの方のせいか、焦げた粉が多いなあ」と思いました。黒い、細い粒が混じっているのです。あらかた食べ終わる頃、「ひょっとして虫じゃないだろうな!?」とルーペで覗きますと、これが全部虫でした。げええっ!

以上のどの例も日本では起らなかった現象です。気が付かなかっただけなのか、アメリカは虫の天国なのか?いずれにしても、こちらではファスナー付きビニール袋が必須のようです。

(August 10, 2007)

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[・] アメリカの寿司

他のエスニック料理に較べれば、やはり寿司の値段は高い方ですが、それでも日本よりは安いです。寿司屋でも日系の店は高く、中国人や韓国人、ヴィエトナム人などが経営している店は安いようです。日系の店にはアメリカでも「時価」という寿司職人の胸三寸で請求される灰色のカテゴリーがあるのですが、他では"Market price"というのは普通ありません。明朗会計です。日本の回転寿しも明朗会計ですが、あれはまだアメリカでは広まっていません。

日系の店以外ではネタは豊富とは云えません。ウナギと称していても穴子だったりしますし、トロやウニ、イクラがない店もあります。冷凍技術が発達したせいか、ネタの新鮮さはどこも優秀です。寿司飯の炊き方が下手な店では、ちょっと固過ぎたりします。海苔がしけている寿司屋もあります。日系の店でさえ海苔がしけていて、噛み切れないことがありました。日本だったら、こういう店は潰れるでしょう。

日系の店ですと寿司のサイズは日本の標準ですが、他では異常に御飯が少ないことがあります。欧米の食卓マナーでは一旦口に運んだものを噛みちぎってまた皿に戻すということをしませんから、御婦人たちが一口で頬張れ、なおかつ口を開けないであぐあぐと咀嚼出来るサイズにしたということかも知れません。ただし、「ケチって御飯を少なくしたわけではない」と弁明するためか、具(御飯の上に乗っている刺身)は標準サイズだったりします。御飯の上に納まり切れず、垂れ下がってしまいます。こういう店の寿司は、御飯の上にワサビが塗ってないことが多いようです。自分で具をめくって塗らなくてはなりません。アメリカ人は、刺身を食べるようにワサビを溶いた醤油に具を付け、また御飯の上に戻してから食べています。

そういう小さい握りを提供する店では、巻き物も細いのが普通です。鉄火と云っても、マグロは鉛筆の太さもありません。一度、ミズーリ州のJoplin(ジョプリン)という田舎町の寿司屋に入ったら、小指の先ほどもあるマグロが入った充分な太さの鉄火が出て来て感激したことがあります。中国人の女性寿司職人でしたが、なかなかいい寿司を食べさせてくれました。

日系であると他のアジア系であるとを問わず、アメリカの寿司屋は味噌汁をつけて来ます。洋食のスープという感じで、食前に運ばれて来ます。大体は味噌の量が少なく、薄味です。

私の住む町に中華バッフェの店があるのですが、ここに中国人の寿司職人がいて昼も夜もせっせと寿司コーナーを埋め尽くしてくれます。「銀座で一年修業した」と自慢しています。中華料理と寿司を両方好きなだけ食べられて、ランチ・タイム$7.5ドル、夕食$10.00です。ここでは味噌汁は出ませんので、中華のスープを飲むことになります。寿司はカリフォーニア巻きやそのヴァリエーションが多いのですが、握りはマグロ、穴子、エビ、イカ、タイなどがあります。ここで初めて知ったのがサケ(鮭)の美味しさです。トロに近い舌触りなので、トロだと思って食べるようにしています。これは自宅でも時々作ります。

私のアメリカ人の友人は上の中華バッフェの寿司の大ファンです。何しろ、安い。いくらでも食える。彼を他の町の寿司屋(アメリカ人経営)へ連れて行ったところ、値段の高さと量の少なさにぶったまげていました。彼は「中華バッフェが一番だ。あの店があって、おれはとても幸せだ」と云っています。日本人経営の寿司屋へ行ったら、もっと値段が高いので気絶するでしょう。

最近、大・中のグロサリ・ストアが寿司の折り詰めを売り出しました。Walmart(ウォルマート)のは冷凍ですが、他の店のは冷蔵食品。その値段が呆れます。1パック$7.00もするのです。中身はカリフォーニア巻きだのかまぼこの蟹を入れたような子供騙し。上の中華バッフェに行けば同じような料金で食べ放題なんですから、こんなものを買うのは馬鹿げています。

アメリカの寿司職人の多くは中国人のようです。店主とすれば、似たような顔だからお客には日本人に見えるだろうという姑息な策かも知れません。日本人よりは安く雇えるというメリットも大きいでしょう。しかし、アメリカ人の目はごまかせても、私の目には中国人、韓国人、ヴィエトナム人などは見当がつけられますし、第一彼らの言葉ですぐ分ります。

日本人の職人がやっているところは値段が高いのが普通です。まあ、ネタも本格的に色々揃えようとすれば高くもなるでしょう。日本人の職人さんたちは寡黙な人もいるし、日本と同様に客を小馬鹿にしたようなぞんざいな物言いをする人もいます。アメリカ人に"broken English"でぞんざいに云うわけです。私は、こういう職人の何割が正規の許可を得て働いているのか、時々訝ります。

アパート住まいの私が、カリフォーニアの日本食品通販店に生ものを注文した時のこと。ゴルフから帰ると、向かいのアパートの御婦人が「エイジ、小包が届いてるわよ。“冷凍もの”だそうだから冷やしといた」と云います。私は彼女の配慮に感謝し、御礼をしようと思いました。「寿司を作って御馳走しよう!」多分、生魚は食べないだろうから、カンピョウ巻きとカッパ巻きがいいのじゃないか?彼女は当時20代の娘と暮らしていて、隣家の障害者の男性の食事の面倒も見ていました。で、私は以上の三人が充分たべられる量のお寿司を作って届けました。一時間も経って、私が「お寿司はどうでした?」と聞くと、"We can't eat it. They are too foreign!"(私たちには食べられない。あまりにも見慣れないものなので)と、お皿には寿司がほとんど(99%)手つかずで残っていました。

私はお寿司を持って帰って、むしゃむしゃ食べながら「へん!何が"too foreign."だ。生魚が入ってるわけでもあるまいし。折角初体験させてやろうと思ったのに。見慣れないものが嫌ならハンバーガーばかり食ってろ。バカな連中だ」と怒っていました。後に彼女の娘が「エイジ。あなた春巻きは出来ない?」と云いました。「出来るよ」と云いましたが、当然持って行きません。私は義理を果たしたし、春巻きならスーパーでも冷凍で売っていますし、どこの中華料理店のメニューにもあります。日本人の私が何も中華料理を作る必要はないのです。

(May 30, 2007)

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[・] SPAM

最近私はSPAMが好きになりました。いえいえ、迷惑メールじゃありません。迷惑メールは大嫌い。食べ物です。

以前から缶詰食品にSPAMという製品があることは知っていました。しかし、その名称が迷惑メールと一緒なので、うさんくさい気がして手を出す気になれませんでした。当市に住む日本婦人の一人から「便利よ。もし、脂っこいと思うようならSPAM Liteというのもある」と勧められまして、とりあえず缶ではなくスライス一枚だけのSPAMを買って食べてみました。美味しかった。ハムのような外見・質感で、コンビーフのような味。

[SPAM]

アメリカ人たちとSPAMについて話していたら、「あれはコンビーフだよ」と云う人間がいました。それほどコンビーフっぽい味なのですが、実は豚肉を原料とするハムに香辛料を混ぜたものと鶏肉が主であって、牛は一切入っていません。普通のSPAMは脂っこく、かなり塩っぱいものでした。次にSPAM Liteを食べてみたら、これの方が私に向いた味でした。そのままサンドイッチに挟んでもよし、お菜のない時はフライパンでちょいと炒めて食べるもよしで便利です。

なぜ、この食べ物がSPAMと命名されたかというと、"SPiced hAM"(香辛料入りハム)の大文字の部分だけ取ったのだそうで。

SPAMが誕生して、2007年で70周年だそうです。私が知らなかっただけで、とてつもなく長い歴史を持った食べ物だったわけです。詳しい説明は http://ja.wikipedia.org/wiki/SPAM を御覧頂きたいと思いますが、第二次大戦中、前線の米軍兵士は来る日も来る日もSPAMばかり食べさせられたとか。イギリスのTV番組'Monty Python'がそういう状況をからかったエピソードによって、「呆れるほどの繰り返し」がSPAMと呼ばれるようになり、ひいては嫌気がさす洪水のような迷惑メールもSPAMと呼ばれるようになったのだそうです。SPAMの缶詰を製造・販売する会社は、自社製品は"SPAM"と大文字で、迷惑メールは"spam"と小文字で表記するように主張し、世界の慣行もそうなっているようです。コンピュータ雑誌'Macworld'も"anti-spam software"という表記をしています。「缶詰のSPAMをボイコットするソフトウェア」ではなく「spam撃退ソフトウェア」という意味になります。

今度SPAMを食べるようになって調べてみるまで、迷惑メールの"spam"が実は缶詰から派生した言葉だったとは知りませんでした。

(April 30, 2007)

【追記】その後、第二次大戦や朝鮮戦争に従軍したアメリカ人男性数人と話しましたが、誰一人「SPAMにはうんざりした」という人間はいず、皆「SPAMは大好きだ」と云っています。日本人が戦中・戦後初期の食べ物(例えばすいとんとか、スケトウダラ)を嫌うのと正反対です。戦勝国と敗戦国の違いでしょうか?引き続き、調査を続けます。

(May 13, 2007)

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[・] 揚げ物の色

日本の料理用語には味のあるものが多いようです。「茹でこぼす」とか「隠し包丁」とか。見慣れない言葉は必死でGoogleしないと解読出来ません。「炒りつける」などという言葉は、ただ「炒める」のと違う断固たる響きがあります。

英語の料理用語は概ね即物的で、理解に苦しむようなものは見掛けません。そんな中で私が気に入ったのは揚げ物の色の表現です。

私の日本の友人で料理の得意な男性は、カツやフライの揚げ方について独特の表現を使います。彼は「美味しそうな揚げ物の色になるまで揚げる」と云うのです。これは、われわれ誰しもが、とんかつ屋さんやレストランで出て来る美味しい揚げ物の色を知っているという事実に立脚しています。その見慣れた色になるまで待っていればいいわけで、何分揚げるなどいう以上に正確な表現と云わねばなりません。

しかし、英米ではそういう曖昧な表現は通用しないようです。英米人にとって「美味しそうな揚げ物の色」は"golden brown"なのです。「黄金色に近い茶色」ですね。この色になるまで揚げろという表現が一般的に使われます。たかがカツやフライでも、"golden brown"という華麗な響きの衣に包まれると、とても豪華な食べ物のように思えて来ます。

(March 10, 2007)

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[・] アメリカのビフテキ

アメリカは牛肉の大産地ですが、やはり牛肉の値段は他の肉に較べて高い。以前、日本では外国産の牛肉は堅くて不味いと云われ、赤ワインに漬けてから料理した方がよいとされていました。部位を選べば、アメリカの牛肉も結構柔らかくて、ワインに漬けたりしなくても美味しいものがあります。

[Beef_Cut_US]

日本でビフテキと云うとサーロインかテンダーロインが代表的ですが、こちらのは種類も多く迷ってしまいます。「トップ・サーロイン」というのはサーロインより上等なんだろうか?と思ったら、「トップ」というのは部位の名前であって、質を表す形容詞ではありませんでした:-)。トップ・サーロインは日本では「内もも」と呼ばれていることから分るように、運動量が多い部位なので低脂肪で肌理(きめ)も粗く煮過ぎると堅くなる部位です。柔らかさで云うと"Tender Loin"(テンダーロイン)とか"Filet Mignon"(フィレ・ミニョン)と呼ばれる部分が最高で、一頭の牛から多く取れないせいもあって値段も高い。しかし、豚のフィレ・カツを想像して頂ければ解るように、脂っ気がなく、味気もない肉です。私はフィレ・カツよりはロース・カツを好む方なので、ビフテキの場合も"Ribeye"(リブアイ)などやや脂肪が混じっている部分が好きです。ここは薄切りにすれば霜降り風すき焼きの肉にもなります。

なお、レストランや肉屋によっては Filet Mignon(フィレ・ミニョン)、Chateaubriand(シャトーブリアン)、Tournedos(トゥルネードー)、Medallion(メダイヨン)、Filet de Bœuf(フィレ・ド・ブフ)など色々に呼ばれているようですが、どれも同じテンダーロインです。

日米の牛肉部位対照表を作ることにしました。どこが柔らかく、どこが堅いとか、すき焼きや朝鮮焼き肉に向いた部位を調べるためです。その結果驚くべきことが分りました。アメリカのウェブサイトの牛肉部位図解も、日本のものも、一つ一つ違うのです。最も困惑したのは、日米で「サーロイン」と呼ばれる部位が異なること。アメリカの"Short Loin"(ショート・ロイン)を日本の多くのウェブサイトでは「サーロイン」と呼んでおり、アメリカの「サーロイン」の部位は日本では「ランプ」と呼ばれていることです。つまり日米でそれぞれの部位がひっくり返っているのです。その「ランプ」も図解によってはアメリカでは"Round"と呼ばれているお尻の肉を含む場合すらあります。"Round"は低脂肪ではあるものの肌理(きめ)も粗く、やや堅めのところですから、「サーロイン」と一緒にはなりません。【上図のShort Loin(緑色)とRound(空色)に挟まれた部位は、上からサーロイン、テンダーロイン、トップ・サーロイン、ボトム・サーロインとなっています】 [Beef_Cut_J]

私の住む町にもビフテキの美味しいレストランはあるのですが、やはりメニューの中で一番高い部類です。目の玉が飛び出るほどではありませんが、毎月一回行ける値段でもありません(私はここ数年行っていない)。この店も"Ribeye"が美味しい。カミさんの姉さんが「New Orleans(ニューオーリンズ)に世界一美味しいビフテキの店がある」と云うので行ったことがありますが、不味くはないものの、私の町のレストランとそう変わらない感じでした。付け合わせの玉ねぎの味が素晴らしかったことを覚えているだけ。

私はスーパーのWalmart(ウォルマート)へ朝11:00〜12:00頃に行った時は、牛肉コーナーで黄色いシールが貼られたパックを探します。割引値段の目玉商品の印です。"Ribeye"は人気があるので黄色シールのパックは中々買えません。先日買ったものは特別厚切りの553 gの重さで、正札$9.24のところを$4.92でした。ほぼ半額!私のお腹にはそれでも大き過ぎるので、半分に切って二回楽しみます。250〜300円でビフテキが食べられるわけです。これは最高です。

買って来てすぐ食べるのは愚の骨頂です。肉に幾分か黒ずんだ部分が出るまで寝かせます。日本の肉屋さんで聞いて御覧なさい、「食べごろのビフテキ肉ありますか?」って。するとウインドウに並んでいる肉ではなく、別なところから晒しに巻いた肉が出て来ます。肉屋さんも“通”のために、寝かせたものを用意して待っているのです。「今日食べごろなのはテンダーロインしかないですね」と云われることもあります。

私は叩いた後の肉には塩をまんべんなく振っていました。バターの塩味だけでは満足出来なかったのです。胡椒は軽く振りますが、レストランのテーブルに並べてあるようなBBQソースなど使いません。そう云えば、私の友人の一人は塩・胡椒すらかけず、肉そのもの味を賞味すると云っていました。ある時、Walmartの精肉担当者にその話をしたら、「それは正解だ」と云い、ステーキ肉のパックの成分表を見せてくれました。「ほら、塩分110g 19%と書いてあるだろ?防腐剤として最初から入れてあるのさ。だから、これに塩をかけたらかけ過ぎだよ」とのこと。以来、私も塩を振るのは止めました。

レストランで「スープがいいですか、サラダにしますか?」と聞かれたら、ステーキを食べる時は迷わずサラダにすべきです。食べた肉は体内で燃焼してリン酸や硫酸などの酸性物質となるそうですが、それを中和するアルカリ性の無機質が必要。ところが野菜を食べないと酸がうまく処理出来なくなり、身体に負担がかかるのだそうです。

【図はhttp://www.jewishrecipes.org/recipes/meat/beef/beef-images/beef-cuts-L.gif と http://www.sanuki-beef.com/image/bui/ushi.gif にリンクして表示させて頂いています。当サイトが作成したイラストではありません】

(February 10, 2007)

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[・] 新・食卓のマナー

'What Not to Do in Polite Company!'
by Linda J. Beam (Sweetwater Press, 2005, $7.95)

『英語の冒険』正篇の【その他】篇(「べからず集」)で紹介した'What Not to Say!'という本の姉妹篇。アラバマ州の書店チェーンが発行しているローカル本です。

「今さらテーブル・マナーなんて」とも思います。しかし、「お付き合いのべからず集」というタイトルの小さな本にわざわざ書かれていることは、多分アメリカの一般人もやりがちなマナー違反と考えていいでしょう。常識として知られていることを除き、日本人が欧米で冒しそうな過ちだけピックアップしてみました。

・食べ始める前に料理を全部一口大に切ったりしないこと。一口分ずつカットして食べる。
・食べ物の筋や軟骨などをナプキンに吐き出さないこと。その食べ物に使った道具(スプーンあるいはフォークなど)を使って、皿の縁に乗せ、出来れば他の食べ物(ジャガイモの皮とか何か)で覆う。
・食事中に席を立ってはいけない。どうしてもどこかに行かなくてはならない時は、周囲に詫びてから席を立つ。
・食卓に肘や個人的持ち物を乗せないこと。
・公衆の面前で楊枝を使わないこと(食後にお手洗いで使う)。
・食卓に寄りかかったり、椅子に反っくり返ったりしないこと。
・あなたが招かれた食事で"doggy bag"(ドギー・バッグ)を頼んだりしないこと。フォーマルな食事でなく、くだけた状況下でなら構わない。
・あなたが招かれたレストランの食事で、サーヴィスに対して不平を云ってはいけない。
・手の届かない塩や胡椒を取って貰う時は、必ず"Please"をつけ、"Thank you."と云うこと。
・塩か胡椒、どちらかを頼まれても、その両方をセットで渡すように。
・もし、食事中にゲップ、シャックリ、その他の不幸に見舞われたら、"Excuse me."と誰にともなく呟くこと。
・食べている最中はナイフとフォークを、それぞれをお皿の左右の端にXの形になるように置く。料理を食べ終わったら、ナイフとフォークの先端が自分から遠くなるようにして両方をお皿の上に並べる。食事が終わったらナプキンをお皿の脇に置くが、これは食卓の全ての人が食べ終わった時まで待たなくてはならない。

(November 10, 2007)

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