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  • league
  • 又貸し
  • league
  • 商売繁盛
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  • Be my guest.
  • Let's face it.
  • Thank you much.
  • 短縮語

         【掲載順はランダムです】



[・] トイレ

「お手洗い」というのは、いくら言葉を変えても時間が経つとその言葉に臭いが染み付いてしまうようです。また、排泄行為を含む言葉を発すると(例えば「便所に行って来ます」と云った場合)、言葉の臭いだけでなくその発話者が個室内でしゃがんでいる姿も視覚化させてしまうという弊害があります。そこで「便所」→「厠(かわや)」→「手水」→「洗面所」→「お手洗い」などと、排泄行為を連想させない間接的表現が選ばれるようになったのだと思います。仕舞いに「トイレ」と外来語まで動員されました。フランス語の"toilette"は「化粧台」、「洗面台」という意味で、これが英語に輸入された頃は洒落た言葉だったのでしょうが、もはや英語圏でも日本でも「トイレ」という言葉には臭気が漂っています。

英語圏の人々も同じ悩みを抱えているようです。実に多くの言葉があります。先ず『研究社 新和英中辞典』の言葉、そして後の方にそういう辞書にないがよく聞かれる表現を付記します。

lavatory これは日本で出版された本などによく出ていますが、私が実際にアメリカで見掛けたことはありません。

toilet これは"toilet paper"として耳に入ることはありますが、全く見掛けません。'Charmin'という大手トイレット・ペーパー・メーカーの12個入りの袋のどこにも"toilet"という文字はありません。"bathroom tissue"という言葉が一ヶ所で使われているだけ。話し言葉でも、toiletと云うと「便器」を指すと考えた方がよさそうです。

W.C. これも、この十年で聞いたことも見たこともありません。死語に近いようです。

john これは話し言葉で男性が使うのをたまに聞きますが、《卑語》に近い感じ。

bathroom アメリカの一般家庭のお手洗いを指すにはこの言葉が標準ですね。日本でもバス・トイレのユニットが普及して、やっと"bathroom"の語源が分る時代になったと思われますが、私のようにバス・トイレが離れていた昔の日本家屋に馴染んでいた者には、「何で『浴室』が『トイレ』を指すのだろう?」とずっと不思議でした。

latrine 『新和英中辞典』では「《軍隊・学校などの》」とあります。私は軍隊は知りませんが、アメリカ、カナダの大学のいくつかを取材した時、この言葉は全く見掛けませんでした。

men's/ ladies' room 話し言葉で出て来ることはあっても、こういう表記は見掛けません。普通、両方が隣り合っているか、近くに揃っているものなので、単独で表現する意味合いがないのだと思います。ドアに"Men"、"Ladies"とは書いてありますが。

rest room 一般家庭においては"bathroom"でいいのですが、会社やショッピング・モール、駅や空港などには浴室はありませんから"bathroom"は妙です。そこで"rest room"。これも標準です。

以上が『研究社 新和英中辞典』に載っていた言葉です。次の言葉は'Roget's International Thesaurus' 4th Editionに載っていたもの。

comfort station これは『研究社 リーダーズ英和』に「公衆便所」という訳語がありますから、家庭やビル内の設備に使う言葉ではないようです。

次は私の発見。

washroom これはカナダの大学やアメリカ北部の空港で見掛けました。そのものずばり「お手洗い」ですね。

powder room これは'Common American Phrases in Everyday Contexts'という本に載っていたもの。「化粧室」。その本の用例では男性も"Where is your powder room?"と云っていますから、男女両方が使っていいようです。その用例の男性はゲイではないと思います:-)。

(April 30, 2008)

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[・] もうお暇しなくては…

'Common American Phrases in Everyday Contexts'
by Richard A. Spears (National Textbook Company, 1992, $9.95)

この本はもう十年以上も前にカミさんからプレゼントされた本ですが、最初の10ページぐらい読んだだけで、ずっとほっぽらかしにしていました。今度、一念発起して最初から全部目を通してみました。「ああ、この文句はこういう意味だったのか!」と気づかされたものがいくつもありました。この本のいいところは、副題の"A Detailed Guide to Real-life Conversation and Small Talk"にあるように、短い会話例が付記されていることです。それによって、適切な場面や応答が分ります。

全体を通して驚いたのは、「もう帰らないと…」という表現の多彩さです。ベラボーに多い。ま、日本語でも「もう時間ですので…」、「そろそろ失礼します」、「もうお暇しなくては…」、「とんだ長居をしまして…」など沢山ありますが、英語も引けを取りません。

(I'd) better be going.
(I'd) better be off.
(I'd) better get moving.
(I'd) better get my horse. (Casual and folksy)
(I'd) better hit the road.
(I) have to be moving along.
(I) have to go now.
(I) have to move along.
(I) have to push off.
(I) have to run along.
(I) have to shove off.
(It's) time to move along.
(It's) time to push along.
(It's) time to push off.
(It's) time to run.
(It's) time to shove off.
(It's) time to split.
(I've) got to be shoving off.
(I've) got to be hit the road.
(I've) got to fly.
(I've) got to get moving.
(I've) got to go.
(I've) got to go home and get my beauty sleep.
(I've) got to hit the road.
(I've) got to push off.
(I've) got to run.
(I've) got to shove off.
(I've) got to split.
I hate to eat and run, but...
I'm gone.
I'm off. (Slang)
I'm outta (=out of) here. (Slang)
I must be off.
I must say good night.【夜の挨拶】
I really must go.
It's been. (Slang or familiar colloquial)【パーティや会合の際に、本来は"It's been lovely."などと云うべきところを極端に省いている】
It's time to go.
It's time to hit the road.
It's time we should be going.【パーティなどで、夫婦やカップルの一人が(片方への合図を兼ねて)ホストあるいは他の参加者に告げる台詞】
(My,) how time flies.(もうこんな時間?)
Thanks for a lovely/ nice evening.
Thanks for a lovely/ nice time.
Thank you for having me/ us.
Thank you for inviting me/ us.

この本には1,700のフレーズや表現が収められているそうですが、以上の43表現は全体の2.5%でしかありません。そして、それも大別すれば go、move、push、run、shoveなどを主としたヴァリエーションとも云えるものですが、私は「もうお暇しなくては…」に43も表現があるというのに呆れました。多岐にわたる表現なので、一応知っていないと何を云われているのか分らずに戸惑うという事態もありそうです。

(March 30, 2008)

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[・] 猿が背中にござる時

ある老人が"When I monkey around with Photoshop..."という表現をした時、私は最初面くらいました。しかし、話の流れからすると「グラフィック・ソフトの'Photoshop'をいじくっていると」であることは明白でした。猿が好奇心で何でもひねくり回すことから来ているのでしょう。私もその昔自然番組撮影の最中に、16mmフィルムを一缶猿に盗まれたことがあります。撮影済みフィルムではなかったので、その猿を追いかけ回す必要はなかったのですが。あるソースによれば、"monkey around"には「遊び耄けて時間を費やす」という意味もあるそうです。

TVのゴルフ中継を観ていると、時々プロ・ゴルファーがインタヴューで"I have a monkey on my back..."と云うのにぶつかります。一般の英和辞書を見ると"have a monkey on one's back"は「《米俗》麻薬中毒になっている」とあります。「うっそーっ!」TVカメラの前で堂々と「私は麻薬中毒になっている」などというプロがいる筈はありません。プロゴルフ協会から除名されるのはもちろん、刑務所行きになるのは必定です。一般人でさえ、麻薬使用について公言したりしません。

『研究社 リーダーズ英和 第二版』で"have a monkey on one's back"は、「《俗》薬(やく)におぼれる; 《俗》ひどく困ったこと(悪い癖)がある」とあり、その後者がふさわしいようです。'A Dictionary of American Idioms'には"An unsolved or nagging problem"となっていて、これだと「難問、難題」となるべきところです。

つまり、"I have a monkey on my back..."と云ったプロ・ゴルファーは、彼の最近のスウィングに何か問題を抱えていて、まだ解決を見ていない状態であると説明していたのでした。

(February 20, 2008)

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[・] Break a leg!

アメリカには“ミス高校生”とも云うべき「ジュニア・ミス」というコンテストがあります。1920年代から別名の前身が開催され続けていましたが、1957年に正式に「アメリカ・ジュニア・ミス大会」となったものです。対象が高校生ですから、容姿を競うのでなく、彼女たちの日頃の活動(チア・リーダーとかスポーツ、生徒会活動、ヴォランティア活動の有無など)が先ず採点されます。その結果各カウンティ(郡)代表が選ばれ、州大会の舞台で意見発表能力、特技(ダンス、楽器演奏、歌唱、その他)や運動能力(ジャズ・ダンス風フィットネス課題曲による実技。かなり過酷)などがテストされます。ここで選ばれた州代表一名が全国大会に進出出来ます。州代表、全国代表には本人が希望する大学への奨学金(授業料、住居費、生活費を含む)が賞として授与されます。

私は2005年の州大会を見物しました。初日のチケット代は12ドル、二日目は16ドル、最終日は18ドルでした。この年だけの趣向か毎年そうなのか不明ですが、一人一人の特技披露の演目紹介は、開催地のホスト・ファミリィ宅に一緒に泊まっているルームメイトが舞台袖に立ってアナウンスします。その紹介の最後の殆どで聞かれたのが、”○○(名前)、break a leg!"というフレーズでした。仮に舞台中央のピアノの前で待機しているジュニア・ミス候補の一人の名前を"Kelly"としますと、"Kelly, break a leg!"と呼びかけて引っ込むわけです。

私はこの表現の意味を知りませんでした。ルームメイトとはいえライヴァル同士ですから、褒めるばかりでは芸が無いので、「(見事に演じられるとあたしが困るから)脚を折っちゃいな、Kelly!」と茶目っ気たっぷりの冗談を云っているのかと思いました。それにしては観客の誰も笑いません。また、出て来る紹介者のほとんどが同じ冗談を云うというのも解せません。

初日を観て家に戻った私は直ちに"break a leg"という表現を調べました。これは主に舞台俳優たちが舞台に出る共演者に用いる言葉で「成功を祈る」という意味なのだそうです。18〜19歳の彼女たちはライヴァルでもあるルームメイトに「頑張って!」とエールを送っていたのでした。その意味が解った二日目から、私は嘘でも(?)ライヴァルに「頑張って!」と呼びかける女の子たちのフェアな精神に、涙がこみ上げる思いをしたことでした。

では、なぜ「脚を折れ!」が「成功を祈る」になるのか?こういう時は『語源辞典』に限ります。私も一冊頼りになる本を持っています。"break a leg!"、ありました!見出しはあったのですが、その内容は「(語源について)確かなことは誰も云えない。私(編纂者)も満足出来る説明を見つけられない」ですと。頼りにならないじゃないの!金返せ!

Wikipedia英語版を見ると(http://en.wikipedia.org/wiki/Break_a_leg)、なんと十種類もの語源説が紹介されており、そのどれも正しいことが証明されていないそうです。その中の「伝統的語源説」という項を見ますと、「シェイクスピア時代の英国では、俳優にとって給料の他にカーテンコールで観客から投げ与えられる小銭も大事な収入の一つであった。観客の声援に感謝しながら脚を折ってお辞儀しつつ小銭を拾う。つまり、脚を折ることは舞台の成功・人気の証しだったので、『脚を折れ!』が『成功を祈る』になった」というもの。確かにこじつけ臭いですね。

ジュニア・ミス全国大会は資金難(メイジャーTV局が全国大会中継をやめたため、広告収入が得られなくなった)で、私が見物した年を最後に閉幕される予定でした。しかし、多数のジュニア・ミスOB(正しくはOG)たちの努力によって全国大会は今も継続されています。

(January 10, 2008)

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[・] 婉曲表現に御注意

カミさんがまだ私の英会話の先生だった頃、私が猿カニ合戦のお話のあらすじを話してあげたことがあります。私が「○○と□□は親しかったので…」のつもりで"They were intimate."と云ったところ、カミさんが「それは性的にということ?」と聞きました。お伽話に性的な要素が出て来るわけがありません。日本語で“インティメートな雰囲気”などという表現が通用していましたので、そこに性的な意味合いがあるなどとは思ってもみませんでした。

しかし、辞書を見ると「intimate:親密な、くつろげる、(男女が)肉体関係にある」などとなっていて、確かにこれは要注意の表現でした。

要注意ではありますが、それは日本人の場合だけでなくアメリカ人にとっても同じであるという実例を採集しました。'Sex, Lies, and Videotape'『セックスと嘘とビデオテープ』(1989)というアメリカ映画に次のようなやりとりが出て来たのです。男女が精神療法の是非について話し合っている場面。
男:"I formed my own theory that you should never take advice from someone who doesn't know you intimately."
女:"Well, I know my therapist intimately."
男:"You've had sex with your therapist?"
女:"No! No!"
"intimately"という言葉が、両者によって異なる意味で使われていて、女性が慌てる羽目になってしまいました。

英会話の授業で"They had relations."(彼らは関係があった)と云ったら、当時の先生だったカミさんが「それは性的に?」と問い返しました。私は「この先生はちと性的表現に神経過敏なんじゃないか?」と呆れました。

しかし、日本語でもあからさまに性的な表現をせず、「二人は“関係”してる」などと云います。"They had relations."がまさにこれで、「性的関係を持つ」になってしまうんですね。"They had good relationship."にすべきだったようです。"intimate"の場合も「懇(ねんご)ろな間柄だった」という表現とも取れます。

英会話の先生は生徒が紛らわしい表現をしないように…という配慮で聞き返してくれますが、単なる知り合いの場合は口には出さないであれこれ推測するに留まるでしょう。ひょっとすると、潔白な間柄の人々に“性的な”濡れ衣を着せてしまう恐れもあるわけです。辞書の一番目の訳語だけに目を走らせて、後を素っ飛ばしているとこういうことになるという実例でした。

(December 10, 2007)

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[・] お尻は一つか二つか、どっち?

現在私は別居してアパートで暮らしています。数年前、さして深刻とも云えない口喧嘩をした際、カミさんが「一人で暮したらどう?」と云ったので売り言葉に買い言葉で、家を出たのです。当時はカミさんの母親がナーシング・ホーム(完全看護の養老院)に入っていたので、母親の家に二人で住んでいました。云わばカミさんの家でもありますから、私が飛び出すほかはなかったのです。

しばらくは腹が立って、カミさんとも没交渉でしたが、最近はメールのやり取りをしたり会いに行ったり、一緒に食事もするようになっています。ある日のメールで私は、"A few years ago, you kicked my butts."と書きました。「数年前、あんたは私を蹴飛ばした=追い出した」という意味を込めたのです。すると、カミさんから「あなたには二つの"butt"はない。私が蹴飛ばしたのは一つである」と返事がありました。

私は「英語は数にうるさい言語で、二つに分かれているものは"pants"(ズボン)とか"glasses"(眼鏡)、"headphones"(ヘッドフォン)、"earrings"(イアリング)、"shoes"(靴)と必ず複数にするではないか?お尻だって二つある。なお、"butt"は"buttock"の短縮形で、ちゃんと"buttocks"という複数形もある。どうして"butt"だけ特別扱いするのか?」と聞きました。彼女の答えは「"You kicked my buttocks."はOKだが、"You kicked my butts."は駄目」というものでした。

やはり言葉の専門家に聞かねばなりません。で、元高校英語教師Diane(ダイアン)にカミさんとのやりとりを伝え、「説明して貰えますか?」と尋ねました。

「"Kicking butt"は慣用句で、誰かを徹底的に打ちのめすという意味で使われる。慣用句としては"butt"は常に単数。昔、悪いことをした子供が学校でお尻を三回ぶたれた頃のことを、"A rule stated that a child could receive three strikes of the paddle on his buttocks."と複数で云われ、これは正しい表現である。しかし、カジュアルな表現では"three strikes on his butt (which means both buttocks)"と単数になる。どうしてこうなるかは分らない」

私は'A Dictionary of American Idioms'や'Longman Dictionary of American English'などを見てみましたが、"kick somebody's butt"という慣用句は載っていませんでした。'Longman Dictionary of American English'には"buttock"の項に"either of the two fleshy parts on which a person sits: the left/ right buttock"とありますので、"buttock"の場合、お尻は二つあると認識されていることが分ります。『研究社 英和中辞典』でも「buttock:【通例複数形で】尻、臀部」となっています。

『研究社 リーダーズ英和辞典』の"ass"の項に、"kick somebody's ass (butt)"がありました。「人を蹴飛ばす、人を打ち負かす、びっくり仰天させる」などの意味が載っています。ここでも単数です。

試みに'Longman Dictionary of American English'の"ass"を見てみると、"[American English] informal for buttocks"とありました。つまり"ass"はもともと左右両方のお尻全体を指すことが分ります。"butt"についての同じような記述を探したのですが見つかりません。で、これは私の個人的解釈ですが、"butt"も"ass"同様左右両方のお尻全体を指す言葉になっているのではないでしょうか?もともと複数であれば、それに更に"s"を付けるのは“蛇足”ということになるわけです。

なお、Dianeは「あなたの挙げた例の中で"headphones"、"earrings"、"shoes"などは単数になり得る。片方を失くした場合、残りは単数だからだ。しかし、"pants、glasses、scissors"などは絶対に単数にならない」と説明してくれました。ズボンの片脚分、眼鏡の半分、鋏の半分だけ失くすということはあり得ないからでしょう。

(October 30, 2007)

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[・] 黒い目

私の姉妹サイト『アメリカ映画・南部もの大全集』のために'Ray'『Ray/レイ』(2004)という映画を観ました。1961年にジョージア州オーガスタで、黒人を差別する興行主に抗議するためミュージシャンRay Charles(レイ・チャールズ)がコンサートをボイコットするという事件が描かれていました。興行主は損害賠償請求訴訟に勝っただけでなく(これは当然)、Ray Charlesの存命中はジョージア州で演奏活動を認めないという判決まで勝ち得たことになっています。

オーガスタの町の地元紙'The Augusta Chronicle'がその映画の内容にショックを受け調査を開始しましたが、州の公文書にも、新聞のバックナンバーにもジョージア州がRay Charlesを永久追放したという事実は発見出来ませんでした。'The Augusta Chronicle'は何回かの新聞記事を特集しましたが、そのうちの一つは次のような見出しになっていました。

'Ray' gives state black eye

私は"black eye"って何だろうと思いました。「'Ray'(という映画)が州に"black eye"を与えた」?意味が解りません。いずれにせよ、記事の趣旨から云って映画を非難しているのは間違いないのですが、それにしても"black eye"が悪い意味になるものだろうか?黒い目(焦げ茶色?)を持つ日本人の一人として、気になりました。

辞書を引くと簡単に答が出ました。"black eye"は「(打たれて出来た)目の周りの黒い痣」だそうで、口語では「ひどい打撃、不名誉、悪評」という意味になるそうです。"give somebody a black eye"は「人を殴って目の周りに痣を作る」とあります。この意味の場合、単数である点が要注意です。

日本人の「黒い目」は"dark eyes"であって"black eyes"ではないんですね(こちらは複数)。ロシア民謡には『黒い目』というのと『黒い瞳の』という二曲があります。これは原題はどうなのでしょうか?"dark"か"black"か知りたいところです。

というわけで、上記の見出しは「'Ray'が州に手痛い打撃(=不名誉)を与えた」ということになります。件の新聞社は、ありもしない事件を捏造した脚本家と映画会社を非難し、ジョージア州オーガスタの町の名誉を回復しようと努めたのでした。

(September 30, 2007)

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[・] throughの諸相

"through"に「通る」、「を通して」、「端から端まで」などの意味があることは誰でも知っています。「試験にパスする」も「通る」の一種なので、"I'm through the exam."(試験に通った)という云い方も理解出来ます。

'Ladder 49'『炎のメモリー』(2004)という消防士の映画を観ていたら、"through"の表現がいくつか出て来ました。燃え盛るビルに突入した消防士たちが行く手を阻む鉄パイプを電動ノコギリで切断し、指令長に無線で報告します。 "We're through."(切断を終了した)

高所から落下し脚を痛めた消防士が、指令長から「レンガ壁を壊して隣室に移動し、救出を待て」と指示され、必死でレンガを外して通り抜け、報告します。 "I'm through the wall."(壁を通り抜けた)

『英語の冒険』正篇の「食事」の項で、ウェイトレス(ウェイター)の質問について書きました。
"Are you through?"(済みましたか?)
お皿が空なら済んだのは明白ですが、料理が載ったままだとまだ食べている最中なのか、お腹一杯で止めたのか分りませんから、ウェイトレスが聞くわけです。
答えは"Yes, I'm through."(済みました)あるいは"No, I'm not through."(="No, not yet.")です。

Connie Francis(コニィ・フランシス)の50年代のヒット曲'Lipstick On Your Collar'『カラーに口紅』の歌詞には、自分のではない口紅を襟に付けて来たボーイフレンドに怒って"You and I are through"(あたしたちの仲は終ったわ)と宣告する部分がありました。

'Thieves Like Us'『ボウイ&キーチ』(1974)という映画でも、恋人が怒って荷造りを始めると、男が"All right. You and me are through."(分った。おれたちの仲は終ったわけだ)と云います。

"I'm through with her."(彼女とは手を切った=別れた)と云う云い方もあります。

ところで、上のどの例も英文は現在形で、日本文は過去形なのです。面白いと思いません?

(August 30, 2007)

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[・] Too bad と Not too bad

"Too bad."あるいは"That's too bad!"と云えば語感からして「そりゃひどい!」という相槌だと思いますわね。表情や語調でそういう意味に取って貰える場合もあるでしょうが、辞書では"I'm sorry."と同じと出ていますから要注意です。"I'm sorry."も「お気の毒様」という突っ放した云い方になり得るわけで、"Too bad."も同じなのです。

私がカミさんの知人の訃報に接した時"Too bad."と云って「随分冷たいのね」と白い目で見られました。そういうつもりではなかったのです…。普通、「リンゴ、腐ってた」と云われたような時に応じるのが"Too bad."で、「困ったもんだね」、「仕方ないね」、「あれまあ」程度の表現のようです。相手が怪我をしたなどという時に、心を込めて同情の意を表する場合は"So bad!"なのだそうです。

今回Intenetで傍証を探そうと試みましたが、あまり見当たらず、一件「"Too bad."は"I'm sorry."と共に"I don't care."という意味でも使われる」というオンライン辞書(英語サイト)が見つかりました。これですと「どうでもいいよ」であり、極力好意的に解釈しても「ほう、そうかね」ぐらいの応答ということになります。

似たような表現に"Not too bad."というのがあります。TVのゴルフ中継などでプロのショットやパットが「上出来」とも云えず「ひどい!」と云う範疇でもない場合、解説者が"Not too bad."とよく云います。ひどい失敗ではないので、次打をうまく処理すれば問題ないというようなケースです。この文句を覚えたので、カミさんと話している時に使ったら、「それは真っ当な英語ではない」と指摘されました。しかし、大ネットワークTVの放送で使われている表現ですし、元高校英語教師Diane(ダイアン)に聞いても「別に変ではない」とのことでした。「良い」とは云えないが、「ひど過ぎる」とも云えない…という、日本の表現だと「まあまあですね」、「まずまずです」程度の語感でしょうか。

(August 10, 2007)

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[・] 『ネイティブの英語』

久し振りに下記の本を通読しました。忘れていたことが沢山あり、勉強になりました。

『ネイティブの英語 The Way I Say It』(C.A.エディントン著、安藤ちか子訳、1987年、The Japan Times刊、1,240円)

これは残念ながら絶版のようですが、Googleで検索すると古書サイトやオークションで入手可能なようです。見つけられたら、是非購入をお薦めします。

著者C.A. Edington(エディントン)女史はアメリカの高校で教鞭を取った後、来日して「札幌朝日カルチャー・センター」の英語専任講師になられました。その五年間に集めた日本人生徒の“不思議な”英語と、「私ならこう表現する」(The Way I Say It)という正解を、単語のABC順に並べたものです。

他に類書はあるものの、それらの多くはヨーロッパの生徒を教えた英米人教師による本であったり、日本人相手ではあるが教師も日本人だったりします。この『ネイティブの英語』はアメリカ人教師が日本人を教えた記録として貴重なものです。

印象的なところをざっと拾っても、以下のようにわれわれが間違え易いものがあります。

・「今日から三日後」
 "three days after"(誤)→"three days from now"(正)

・「恥ずかしい」
 a) 良心の呵責を感じるような失敗:"I'm ashamed."
 b) 人間なら誰でも冒すような失敗:"I'm embarrassed,"

・「信じる」
 a) 誰かの言葉を信じる:"I believe you."
 b) 形の無いものの存在を信じる:"I believe in God." "I believe in ghost."

・「美味しい」
 a) 普通に美味しい:"It's really good."
 b) 信じられないほど美味しい:"Delicious."(これは“究極の味”に取っておくべきだそうです)

・「手作り」
 a) 服や飾り物:"handmade"
 b) お菓子や料理:"homemade"

・「希望」
 a) 恐らく実現しないようなこと:"wish"
 b) まだ可能性のあること:"hope"

・"popular" 「人気のある」
 "common" 「一般的な、ありふれた」"Suzuki is a common name in Japan."

・"souvenir":自分の思い出のために持ち帰る品物
 "gift":お土産

・"sunburn":皮膚が赤くなり触ると痛い症状
 "suntan":時間をかけて焼いた小麦色の肌

なお、この邦訳書名は出版社のセンスで付けられたものだと確信します。著者が付けたタイトルは'The Way I Say It'でしかなく、"native"という表現は全くありません。「英語を母国語とする人」を指す英語は"native speakers of English"であり(著者も英文の「はしがき」でそう書いています)、アメリカで単に"native"と云うと「アメリカ・インディアン」を指していると誤解される恐れがあります。

(July 10, 2007)

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[・] I don't care.

ある日一人でゴルフしていましたら、やはり一人で廻っている顔見知りの男性Gary(ゲアリ、60数歳)に追いつきました。彼の前の組が遅いようですが彼をパスさせてくれず、仕方なく一定の距離が空くまで待っているようです。私も先へ進めない以上、Garyと私が一緒に廻るのが時間的にも精神的にもいいようです。

私はGaryに"Can I play with you?"と尋ねました。顔見知りだし、こういう状況下なら黙っていても一緒に廻ることになるのですが、一応聞いたのです。

"I don't care." これが彼の答えでした。

"Of course! I love to play with you."(一緒にプレイ出来ればもちろん嬉しいよ)とか、"You bet. I'm glad to have a buddy."(もちろん。仲間が出来てありがたい)などという返事が返って来るかと思いきや、"I don't care."(どうでもいいよ)ですと。呆れました。

この一件を、オクラホマ州出身で長くアラバマ州に住んでいる友人Mike Reekie(マイク・リーキィ、元大学教授、65歳)に話しました。彼は「エイジ、彼の言葉を悪く解釈しちゃいけない。彼は"Yes."と云ったんだ。確かに、もっと愛想のいい返事もあるわけだが、"I don't care."も失礼な云い方ではない」と説明してくれました。

例えば、「お昼、ハンバーガーにする?スパゲティにする?」と聞かれた場合に"I don't care."と云えば、「どっちでもいい」という答えになります。しかし、上のゴルフの一件のような場合の"I don't care."は「構わんよ」、つまり"Yes."と解釈すべきなんだそうです。

「そういう"I don't care."の用法は南部の特徴なの?」とMikeに聞きましたら、「別に南部に限ったことではない」とのことでした。私は南部の"redneck"の、人を馬鹿にした表現と勘違いしてGaryに内心腹を立てていました。聞いてみるものですね。

(June 10, 2007)

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[・] アメリカ人も知らないアメリカ英語

『日本人が知らないアメリカ英語』(ジャパン タイムズ社)という本があります。もう絶版ですが、日本のamazon.comでは中古書として売られています。久し振りに手に取ってみたのですが、スラングでもないのに知らない言葉が沢山ありました。ここ十年のアメリカ暮らしの中で、ほとんど読んだことも聞いたこともない言葉ばかり。「さすが、言葉の世界は奥が深いなあ」と思いました。

続いて、こうも思いました。「待てよ?これらは著者たち(日本人女性講師とアメリカ人女性講師)が選りすぐった非常に稀な表現で、日本人が知らないのも当然、ひょっとしたらアメリカ人も知らないのではないだろうか?」そうだったら面白いと思いました。

私が日本語を教えている二人の青年で試すことにしました。「言葉の意味が解らない場合は正直に云ってほしい。テストではないので、知ってるふりはしないように。意味が説明出来るか類語を知っている場合にだけ挙手すること」こう前置きして単語を読み上げ始めました。「例文を知りたい」というリクエストがある時は、それを読みました。

この本は三部に分かれています。1) 日本人が安心して使える日常表現、2) ちょっと注意して使うこなれた表現、3) 知っていればより便利な表現…などです。私は(2)の部分の言葉を最初から順に読んでみました。著者たちによれば、「ここには“要注意”の表現を集めてある。なぜ要注意かというと、かなりこなれた、しかもアメリカ的表現だから」だそうです。

25歳の青年にとってはほとんど聞いたことがある言葉で、意味も80%は正解でした。しかし、20歳の青年は「聞いたこともない」というのが大半で、意味も大半解りませんでした。どういう言葉かと云いますと、cheeky, crosspatch, devil-may-care, dither, dressing-down, elbow grease, finagle, fish story, flak, floor, gumption, hellion, hightail, jiffy, kibitz, miff...などです。「"floor"なら知ってる!」という方もおられるでしょうが、「床」という名詞ではなく、ここでは「(人を)閉口させる」という動詞で、英和辞書でも最後の最後になって出て来る定義です。

20歳の青年が「いつ出版された本?」と聞くので、奥付を点検しました。1991年でした。彼はやっぱりという顔で「古い言葉ばっかしだよ」と云います。二人は「70年代?60年代かな?」と話し合っています。「そんなに古いの?」と聞くと、「もうほとんど使わない」とのこと。

著者紹介を読むと、日本人講師はアメリカのいくつかの大学に留学し、1965年に日本に戻り、日本の大学で博士課程を修了後某私立大学の講師となったとあります。つまり、この方が留学中に英語のデータを収集したのは主に1965年以前で、青年たちの指摘とぴったり符合します。また共著者の米人講師もアメリカのカレッジを卒業後、直ちに日本にやって来て日本の大学を卒業し、日本のあちこちの高校、大学で講師を勤めたそうです。つまり、二人とも1970年頃から1991年にこの本を出版するまでの期間アメリカで生活しておらず、26年も前の知識・経験で本を書いていたわけです。もちろん、英語の新聞・雑誌などで新知識は随時仕入れていたことでしょうが、本の基礎データはかなり古い体験に基づくものだったわけです。

それを2007年現在で読むとすると、何と42年前の“新語”、“流行語”ということになります。こりゃ古いですわな。こんな言葉を持ち出せば、「洒落にもならん」、「時代錯誤」、「親父ギャグ?」と云われても仕方がありません。

完全に“アメリカ人も知らないアメリカ英語”とはなりませんでしたが、「アメリカの現代青年が知らないアメリカ英語」ではありました。これから英語本を買おうとする時は、著者がいつ頃留学したのか調べるべきですね。文法などは問題ないでしょうが、新語・口語とかイディオム、表現などに関する本であれば、“昔の”留学生が書いたものは避ける方が賢明です。

(April 30, 2007)

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[・] アメリカの丑三つ時は朝なの?

英語の"midnight"は午前零時で、これは真夜中。イギリスの冒険小説に'Midnight Plus One'(邦題『深夜プラス・ワン』)というのがありますが、午前零時を一分でも過ぎたらどうなるのでしょう?英米では「朝」なんですね。

"I woke up in the middle of the night."(深夜に目覚めた)とは云えますが、"I woke up at one o'clock at night."(夜の一時に目覚めた)とは云えません。"I woke up at one o'clock in the morning."でなくてはなりません("I woke up at one a.m."なら問題ありませんが)。

日本人の感覚からすれば、午前四時ぐらいまでは“夜明け前”で、文字通り“夜”なのです。夜だからこそ「草木も眠る丑三つ時」なのであって、“朝”だとなると草木もおちおち眠ってられないじゃないですか:-)。「丑三つ」は午前二時〜二時半に相当するので、まさに日本人にとっての深夜です。

英米人がなぜ午前零時を境に「朝」とするのか定かではありません。けったいな話ですが、英語を喋ろうとする限り彼らの流儀に従わなくてはなりません。困ったものです。

(April 10, 2007)

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[・] 便利な口語表現小物集

一項を立てるほどのものではない“小物”を集めてみました。

・take a look

 「ちょっと見てくれます?」と云いたい時の表現。写真や雑誌を差し出して"Please take a look."とか、「私のウェブサイトを見て下さい」と云う時に"Take a look at my web page, please."という風に使えます。

・come over

 「じゃ、すぐ伺います」という場合、"I'll come over (to your office) ASAP."という風に使います。日本人には、ここで"over"を付けるという感覚は普通ないですよね?この"over"には、何やらA点からB点にぴょんと“飛んで行く”ニュアンスがあります。

・Long time no see.

 これは"pidgin English"(華僑たちのブロークンに近い英語)をからかう言葉として流布したものでしたが、いまや“市民権”を得て生粋のアメリカ人も使っています。「お久しぶり!」です。

・Good to see you.

 久し振りに出会った場合の単純な喜びで、上の"Long time no see. "よりはまともな表現です。こう云われたら"Good to see you, too."で受けます。"Nice to meet you."は初めて出会った場合の言葉で、二回目からは"see"でなくてはなりません。なお、手紙や電子メールで「じきにお会いしたいものです」と云う場合は"Hope to see you soon."です。

・Where have you been?

 しょっちゅう会っていた人と数ヶ月も会わないと、Where have you been?(どこへ行ってたの?)と聞かれます。ヴァケーションか精神病院か刑務所か、どこへ行っていたのかと詰問している感じですが、実際には質問というより「随分お見限りだったねえ」と多少抗議の意を含めながら再会を喜んでいる表現。冗談で「刑務所へ行ってた」と答えたい誘惑にかられますが、本気にされて云い触らされると困るので試していません。

・Sayonara.

 これは通じます。便利です:-)

・No rush.

 「急がなくていいよ」と云う時の台詞。何か物を貸した時に「慌てて返さなくていいからね」とか、相手が「約束の時間に遅れそうなんだけど」と電話して来た場合に、「急ぐ必要はないよ」と云って上げる言葉。

・Take your time.

 "No rush."には、本当は相手に常識的に行動して貰いたいという前提があります。貸した物はちゃんと常識的な期限で返して貰いたいし、「急ぐ必要はない」とは云いつつも頑張って急いで貰いたいのが本音です。"rush"は“突っ走る”、“突進する”ですから、「突進してくれなくてもいいけど、走っては貰いたい」わけです。そこへいくと"Take your time."は「どうぞ、ごゆっくり」ですから、相手のペースに任せる表現。泊まりに来たお客がお風呂に入る前とか、食べるのが遅くて恐縮している人などに云う場面が相応しい。出発時間を過ぎてるのに鏡台の前を離れようとしない奥さんにこの台詞を云う旦那はいないでしょうけどね。

・Depends.

 「明日、ひま?」と聞かれて、"Depends."と云えば「芝刈りの手伝いならお断りだけど、ピクニックなら行くよ」というように、“事と次第によるね”という表現。「明日、ゴルフに行かないか?」と誘われて"Depends."なら、一緒にプレイするメンバー次第だとか、どこそこのコースなら嫌だとか、妻が許してくれれば…など、条件付きで行ってもいいし、行かないかも知れないというケース。

・No offence, but...

 相手が気を損ねるかも知れないことを云う場合、「個人攻撃ではないからね」、「あなたを侮辱しようというわけじゃないよ」と、前もって断る表現。相手の母国や支持政党、宗教法人などのスキャンダルに言及するとか、相手の出身校のフットボール・チームが負けた理由を分析する場合とか…。北極にもペンギンがいると思い込んでる無知な人に真実を説明する場合などには、わざわざこの表現を使わなくてもいいでしょう:-)

・Just between you and me. OK?

「他言無用」、「絶対秘密だからね」と念を押して、何か相談するなり、その場にいない人の悪口を云う:-)

・No way!

 「飛んでもない!」と何かを拒否・拒絶したり、認めたがらない表現。それが本心かどうかはシチュエーション次第。カラオケで「歌いなさい!」と勧めても"No way!"を繰り返していた人が、いざ歌い出したら結構うまかったなどという場合もあります。この場合は照れですね。

・After you.

 「お先にどうぞ」建物の中などを案内される場合、廊下を横に並んで歩くと他の人々の邪魔になりますから、一列になるしかありません。案内してくれる人が先頭に立つのが正しいあり方なので"After you."「ついて行きます」、「どうぞ、お先へ」。

・Please let me know.

 これはよく聞かれますし、自分でもよく使います。相手のスケジュールを聞く時とか、感想を求める時、何かの結果を教えて貰う時など。「お知らせ下さい」、「お教え下さい」という感じ。電子メールでも会話でもよく出ます。

・Sounds good!

 「今度コンサートの只券貰えるから、一緒に行かない?」などと云われた時に「いいねえ!」と応じる時に"Sounds good!"。"Sound"に"s"が付くのは冒頭の"It"が省略されているから。何かプランを持ちかけられたり、万事順調の報告を受けた場合にも使えます。"Sounds odd."なら「妙な話だ」。見せられたものに満足の意を表したり、相手の仕事ぶり(作品やペンキ塗り、料理の見映えなど)を賞賛する際は"Looks good."、お料理のいい匂いは"Smells good!"で、味を誉める時は"Tastes good."です。

(March 10, 2007)

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[・] eveningとは何時から何時までか?

知人のJim(ジム)の家で物を受け取ることになりました。Jimは「一週間休みなので、取りに来れるかどうか家に電話してくれ。休みではあるが"evening"には職場で行なわれる催しに参加する予定だ」とメールして来ました。私はJimに電話し、翌日の午後4時に受け取りに行くことになりました。

当日の3時半頃、私はJimに再度電話し予定通り訪ねていいかどうか確認しました。OKとのことで、4時丁度にはJimの家に到着しました。しかし、家は閉まっていて誰もいません。ドアに私あてのメッセージもありません。「急病にでもなったのか?」と心配したりしながら、30分ほど待っていましたが、諦めて帰って来ました。

午後6時過ぎ、Jimから電話があり、「"evening"には職場にいると云ったではないか。渡す場所は職場だったのだ」とのこと。私の英語の理解力を疑問に思われてしまいました。

私の脳には「この人が職場に行くのは"evening"である」と刷り込まれていたのです。午後4時なら家にいて当然だと思っていました。『研究社 英和中辞典』で"evening"を引くと「日没から就寝時まで」とあります。これが私の考える"evening"です。大体「イヴニング・ドレス」なんて日が暮れてから着るものじゃありませんか、普通は。LDOCEを見ると、"evening"は”the end of the day and early part of the night, between sunset or the end of the day's work and bedtime"で、ほぼ『中辞典』と同じです。

ところで、私の住むアメリカ南部は夏ですと午後8時でも明るいのです。カナダやイギリスなどは9時でも明るかったと思います。これだと「日没から就寝時まで」という定義の"evening"の時間はベラボーに短いことになります。妙です。

『リーダーズ英和辞典』を見てぶったまげました。「夕暮れ、晩【日没から就寝時まで】」と、これはお馴染みの定義なのですが、その後に「【米南部・英方言】午後【正午から日没まで】」とあるのです。つまり、アメリカ南部の"evening"は「午後」であり、当然午後4時も含まれているというわけです。しかし、こちらに住む人々数人に聞いたところ、彼らが考える"evening"は「午後」ではありませんでした。一人は「勤務が終ってから寝るまで」、一人は「午後6時から8時半まで。それ以降は"night"を使う」とのことでした。

Wikipedia(http://en.wikipedia.org/wiki/Evening)を見ると、次のように記されていました。

In the rural American South, "evening" ["e'enin"] is often used to describe the entire late afternoon, especially when the main meal of the day, dinner, is taken in the early afternoon; then "e'enin" is anytime after dinner.(南部の田舎における"evening"["e'enin"と発音]は、しばしば午後遅い時間帯全体を指して使われる。特に、その日のメインの食事であるディナーが午後早くに摂られた場合、そのディナーの後の時間帯はおしなべて"e'enin"となる)

この“事件”で学んだことは、「約束の時間と場所は必ず復唱する」というものです。時間は"evening"などという人によって定義が異なる曖昧な言葉でなく、数字で確認すること(「午後1時から6時の間ですね?」とか)。勝手に思い込んではいけないのです。

(February 10, 2007)、追補(June 26, 2007)

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[・] 敬語の初歩

"please"の役割が以下のようなものであることは、誰でも知っています。

"Fill this form."(この書式に記入して)
"Fill this form, please."(この書式に記入して 下さい)

これには次のようなヴァリエーションがあります。
"Open your mouth."(口を開けて)
"Open your mouth for me."(口を開けて 下さい)
この例は医師や看護婦(特に歯科系統)が頻繁に使います。

上の表現はいずれも命令形に何かを付け足して、敬語に変換している例です。では、元の文が命令形でない場合はどうか?簡単な例が返事です。

"Yes."(そう)
"Yes, sir."(そう です)
"Yes, ma'am."(そう です)

"No."(違う)
"No, sir."(違い ます)
"No, ma'am."(違い ます)

つまり、"sir"や"ma'am"はセールスマンや店員がお客に云うだけのものではないんですね。実は私も誤解していました。「平等で対等な関係なんだから、何も"sir"をつける必要はあるまい」と。しかし、上で見たように、"Yes."や"No."はそのまま裸で投げ出すと、非常にブッキラボーであることが分ります。表情で和らげることは可能でしょうが、それにも限界があります。

アメリカの裁判で裁判長に答える場合、
"Yes, your honor." (最も相応しい表現。裁判長が男性でも女性でも可)
"Yes, sir."(裁判長が男性のとき)
"Yes, ma'am."(裁判長が女性のとき)
…のどれかが必須です。単に"Yes."あるいは"No."だけで答えると、裁判長の心証を害し"You should respect your judge."(判事に敬意を払うように)と注意されたりします。裁判長が偉いというのではなく、国会議員が国民の何%かの代表ゆえ敬意を払うべき存在であるように、判事も選挙で選ばれるので市民の代表であるということでしょう。

アメリカの軍隊映画を観ていると、憎たらしい上官に対して下級兵士が"Yes,"と答え、1秒ほど間を空けてから"sir."を付け足すというシーンに時々ぶつかります。これは明らかに「そう」と不敬な表現をしておいて渋々「です」を付け足してお咎めを回避しているわけです。上官はその1秒の間で、明白にメッセージを受け取り、相手をギロリと睨むことになります。

日本語も「それを取って」に「下さい」を付けるか付けないか、「そう」に「です」を付けるか付けないかで丁寧な云い方かどうかが変わります。英語も同じなんですね。つい"Yes."あるいは"No."だけで答えていることに気づいたら、自分は結構偉そうな態度で応答してるんだと思う必要があるようです。この場合、相手が顧客であるとか組織やビジネスで上位にいるとか、年上であるとかは一切関係ありません。日本語で「そうです」と云うのが正しい状況なら、"Yes."や"No."だけでは不十分だと考えるべきでしょう。

(January 10, 2007)

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[・] なぜクリスマスだけ"Merry"なのか?

Happy New Year!
Happy Easter!(復活祭)
Happy Fourth of July!(独立記念日)
Happy Thanksgiving!(感謝祭)

祝日、行事(母の日やハロウィーンなど)、あるいは誕生日などのお祝いの言葉は全て"Happy"で始めますが、唯一クリスマスだけ"Merry"で始めます。どうして、これだけ特別扱いなのか不思議でした。

LDOCEを見ると"Merry Christmas!=Have a happy time at Christmas!"とあり、どっちでも良さそうな気配です。

これだけが宗教起源の祝日だからだろうか?とか、何か深い仔細があるのでは?と、この謎解きに取り組もうとしたところ、http://en.wikipedia.org/wiki/Merry_Christmas で一気に解決してしまいました。

クリスマスを祝う習慣は四世紀から始まったそうですが、"Merry Christmas!"という表現は17世紀から使われた記録があるとのこと。19世紀になって"Happy Christmas!"の勢いが強くなり、いまだに英国とアイルランドではこの方が一般的だそうです。

しかし、アメリカでは"Merry Christmas!"が圧倒的に優勢で、Clement Moorという詩人の"A Visit from St. Nicholas"という1823年に作られた詩の最後の行、"Happy Christmas to all, and to all a good night"という部分は、その後のアメリカの多くの版で"Merry Christmas to all"に勝手に書き換えられているほどだそうです。

英国とアイルランドでは"Happy"だとすれば、英語としては結局どちらでも間違いではないようです。なぜアメリカでだけ"Merry"なのかは依然謎ですが、Wikipediaにも載っていないということは、多分詳細不明なのでしょう。

ユダヤ人はChristmasではなく"Hanukkah"(ハヌカ)ですが、彼らは英語では"Happy Hanukkah!"と云います。スペイン語の"Feliz Navidad!"(フェリス・ナヴィダ)は、歌のヒットにより世界中でポピュラーな表現になっています。この"feliz"は「幸せな」という意味だそうですから、英国、アイルランドの"Happy"組に入ります。イタリア語ではBuon Natale!(ブオン・ナターレ)「良いクリスマスを!」で中立ですが、フランス語では"Joyeux Noel!"「楽しいクリスマスを!」、ドイツ語でも"Frohe Weihnachten!"は「喜ばしい(楽しい)クリスマスを!」だそうなので、"Merry"組としてアメリカと同盟関係を築いています。

なお、"Merry Christmas and a Happy New Year!"と対になる時は"Happy New Year"に"a"が付くものの、単独の場合は"a"をつけてはいけないそうです。年賀状では要注意ですね。

(December 10, 2006)

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[・] 山口百恵に騙されないで

山口百恵の“引退ソング”として阿木燿子の作詞、宇崎竜堂の作曲で作られた『さよならの向こう側』。実際にはこの歌は彼女の最後のシングルではありませんが、ラスト・コンサートの最後の曲はこれでした。詩もメロディも、ただの歌として考えれば大したことはないのですが、山口百恵の「白鳥の歌」だと思うと感慨深いものがあります。

この歌は一番は恋人に別れを告げる風の「あなたの口づけ」、「あなたのぬくもり」を忘れないという表現なのですが、二番になると「あなたの呼びかけ」、「あなたの喝采」を忘れないと、一転して山口百恵ファンへの告別となります。まあ、そういう構成の無理も気になるのですが、ここではこの曲の中の英語について触れたいと思います。

"Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love"

ここまでは問題ありません。しかし、最後の

"Thank you for your everything"

こういう表現を私は聞いたことがありません。普通は"Thank you for everything."と"your"無しです。「色々ありがとう」ですから、「あなたの色々をありがとう」とはならないのだと思います。

しかし、ひょっとすると"Thank you for your everything"とも云うのか?と、例によってGoogleで検索してみました。文の前後を引用符で括らないとthankとかyouやeverythingなども検索してしまうので、完全に"Thank you for your everything"(引用符付き)で検索しないといけません。

普通に検索すると、引っ掛かるのはほとんど日本のサイトばかり。それも山口百恵のこの唄に関連するページでした。これが502件。"your"無しだと55,600件と桁外れに増大します。

しかし、私は日本のサイトの英文を信用しませんので、Googleのオプションで「英語サイトのみ検索」を選びました。すると、"your"付きはたった143件ですが(日本語の検索結果よりかなり少ない)、"your"無しだと何と890,000件というベラボーな違いとなります。つまり、"your"付きはたったの0.016%に過ぎないのです。これは「無い」に等しく、乱暴に決めつければ英語として間違いであるか、百歩譲っても非常に稀な表現ということになります。

この表現について元高校英語教師Diane(ダイアン)に尋ねました。彼女は言下に「"Thank you for your everything"という表現は無い」と断言しましたが、私が歌の由来と"Thank you for your kindness"や"Thank you for your tenderness"などの後にこのフレーズが続くと説明しますと、「そのコンテキストなら、どの行にも"your"を入れたいという気持ちは解るし、間違いではない」と態度を変更しました。ただし、「そのコンテキストを離れて、日常会話として"Thank you for your everything"と云うのは間違いである」そうです。

私が心配なのは、この歌を聞いた日本の青年男女が阿木燿子の歌詞を覚えてしまい、留学先や駐在先で"Thank you for YOUR everything"を繰り返しているのではないかということです。流行歌の影響は恐ろしいものですからね。

(November 20, 2006)

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