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[風俗・慣習]

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[・] First name

「英米人はお互いをファースト・ネームで呼び合う」というのはよく知られている事実ですが、会話に話し相手の名前をほとんど出さない日本人から見ると、実際には驚くべき頻度で使われています。

以下はTVのゴルフ中継の例。

Jim Nantz(CBSアンカーマン):「13番ホールのTiger Woodsを見てみましょう。Gary」
Gary McCord(13番あたりをカヴァーしているリポーター):「Thanks, Jim。10番570ヤード、パー5。Tigerは1番アイアンでティーショットをするところです」
(Tigerのショットが終り、画面は9番ホールに)
Gary:「では、9番に戻ります。Jim」と総合司会にマイクを返します。

連日、いいスコアで廻ったプロをTV局がインタヴューしますが、これも「Tom、おめでとう、もう一歩でコース・レコードでしたね」「ありがとう、David。コース・レコードのことは全く気にしてなかった」とか、ここでもファースト・ネームです。インタヴューする側がプロのフルネームを知ってるのは当然ですが、プロの方がリポーターのファースト・ネームをちゃんと覚えていて、即座に答えに交えるのが見事(?)です。

上のようなインタヴューでもファースト・ネームは数分の間に何回も使われますが、カミさん(Barbara)の電話などを聞いていても頻繁に相手の名前を交えます。日本人同士だと、二人で喋っている時に相手の名前は普通出しません。時には主語無しで話すくらいぼやかすのが好きな国民ですから、相手の名前を念押しするようなことはしないわけです。

Meridian Macintosh Users Group会員のBill Baldwin(退役軍人)の家を訪れて一時間ほどMacintosh関連のお喋りをしました。この間、私の方は全く彼のファースト・ネームを口にしませんでした。いざ辞去する段になったら、Billと奥さんが揃って玄関まで見送りに来たのです。こういうことはあまりなくて、旦那の客は旦那、奥さんの客は奥さんだけというのが普通です。異例の扱いにどぎまぎしてしまって、"See you later, Bob!"とか口走ってしまいました。彼等は「Bobって何だ?」と思ったでしょうね。ああ、恥ずかしい。やはり、頻繁に口にしていないとこういうことが起るわけです。

カミさんの日本人のお友達のお一人が絵ハガキを送ってくれました。読み出したBarbaraが「彼女(お友達)は私に腹を立てているのだろうか?」と云います。「どうして?」と聞いたら、「Mr and Mrs Takanoという書き出しになってるのよ。いつもはBarbaraと書いてくれるのに…」。「絵ハガキは書くスペースも限られているから、英文レターなどの見本にある一番短いのにしたんじゃないの?」と弁護しましたが、どうも納得出来ないようです。英米人にとっては、ファースト・ネームからファミリイ・ネームへの逆戻りは喧嘩をする時ぐらいのものなので(カミさんが私に喧嘩を売ってくる際は"Mr. Takano!"とか云います)、日本人が想像する以上のショックがあるようです。

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[・] 日本人の笑い

日本人の不可解な笑いは有名ですが、でも知らない欧米人も沢山います。そういう人にとっては、“不可解”などという悠長なものではなく“不愉快”、“無作法”とも映ります。これは問題です。

一番有名な「日本人の不可解な笑い」は、電車に向って走って来た男が間一髪でドアが閉まってしまった時に見せる笑いです。「やっぱり駄目だったか!そうじゃないかと思ってたんだ。乗れなくてもいいもんね」と、滑稽あるいは哀れに見えるであろう自分を自分自身で笑い、「大した問題じゃない」ということを周囲に伝える意味があると思います。

しかし、上の例は欧米人には理解不能でしょう。彼等は努力したこと(電車への突進)が成功出来なかったら大袈裟に口惜しがるか、電車に「クソクラエ!」というような台詞を投げることでしょう。

うちのカミさんは日本での生活も長かったのですが、彼女も時として不快な表情を見せることがあります。口論になった場合など、私は馬鹿げた理屈と思えることを云われると、つい笑いながら反駁するクセがあります。こういう場合、

"It is no laughing matter."(これは笑い事ではない)

…とか云われます。カミさんの母親Anita(アニタ)はアメリカ人と結婚したイギリス人で、東洋の国々など知らない老婦人ですから、カミさんに輪をかけて私の笑いに不愉快になることがあるようです。

たとえば、Anitaが食べ物の載っているお皿を膝から落としたというような場合。私は赤ん坊の粗相に対応するような「しょうがないなあ!」という意味と、「大したことではない」と云う意味を込めて笑顔を見せてしまいます。パーキンソン氏病で手足が不自由なAnitaは、人前でのこういう失態に神経過敏なので、"It is no laughing matter."と云います。私としては彼女を笑ったわけではないので、非常に気まずい思いをします。

日本人の笑いは中和剤だと思います。いい例が喧嘩の仲裁です。興奮している二人に割って入る仲裁人は、必ず「まあまあ!」と落ち着いた笑顔を見せます。仲裁人まで興奮してはいけないからで、その仲裁人に「笑い事ではない!」と怒る日本人はまずいません。失態、興奮、失望、驚愕、突発事、その他何でも、「人生における出来事はみなちっぽけなことなのですよ」と余裕で笑って見せて中和するのだと思います。しかし、目の前で怒っている欧米人にそんなことを説明するのも難しいので、いつも黙っています。その結果、やはり「日本人は笑うべきでない場面で笑う」という印象だけを残すようです。朗らかに笑うとき以外は注意が必要です。

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[・] Kiss

欧米では唇をチョンと触れるだけのKissは、只の親愛の情を表す仕草として、どんな場所でも見られます。人前だろうが何千人見ていようが、関係ありません。

羽田空港で国内線の旅に出るBarbaraと、上のようなKissをしていたら通りかかった男性が目を大きく見開き、咎めるような目付きで睨んで行ったのを覚えています。日本ではKissは密室か暗い公園のベンチで行われるものであって、見るとしても映画かTVの中、白昼に町中で見かけるものではないということを忘れていました。

アメリカでは食卓を挟んだ男女が、両側から顔を寄せてkissしたのを見たことがあります。場所も選ばないし、時間も選ばないという感じですね。

英米人と云っても千差万別ですが、女性の多くは親しみを表すために"hug"(抱擁)をします。挨拶ですので密着せず、軽い抱擁です。加えて頬っぺたにkissすることも多いのですが、相手がされたがっていれば若干顔をそむけますので、そちらの頬にkissします。向こうが積極的に迫って来る(?)場合はじっとして待っています。顔をあちこち動かすと、唇と唇のkissになってしまいます。

しかし、恋人や夫婦でなくても唇と唇のkissがあるのです。父と娘、母と息子も、チョコンという感じでkissしますし、非常に親しい友人同士(異性)などでも同じことが見られます。当然ですが、これらは唇を閉じた“ドライな”kissです。

あるTVドラマで、黒人の息子が病床の年老いた父親の唇にkissするシーンがありました。全部を観ていないのでよく分りませんが、不良の息子が改心したか、悪い父親を赦す意思を見せたのか、いずれにしても感動的なシーンだったようです。Barbaraに「父と息子のkissって、よくあるの?」と聞くと、「そう見られるものではない。黒人にはあるのかも知れない」と云っていました。ただし、男の子が幼児であれば、白人の父親も息子の唇にkissするのを見たことがあります。

以上、アメリカでショックを受けて目を丸くしないように…という老婆心です。

【追記】最近お目にかかった方が、上の文章を読んで、「今や、真っ昼間の東京の交差点などでKissしてる若い連中がいますよ。どっちかというと、ダサい感じの男女が多いけど」とおっしゃっていました。六年でそうも変るとは!もう浦島太郎になってしまったようです。

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[・] 曜日で考える

日本人は「では、20日にお会いしましょう」というような云い方に慣れています。英米人にそういう云い方をすると、"What day is it?"と曜日を聞いて来ることが多いものです。教会へ行く日曜日、水曜日などが、先ず基準にあり、学校や職場に行く"weekday"と金、土、日の"weekend"という区別もあるので、曜日についての感覚が鋭敏なのかも知れません。

私の町でMeridian Macintosh Users Group (MMUG)というコンピュータ・グループを組織したのですが、その初会合で毎月何曜日にミーティングを開くかを決めるのに結構時間がかかりました。前述のように、教会に行くのは月曜だけではなく水曜の夜にも行く人が多いのです。同じキリスト教でも宗派によっては土曜日の午前に礼拝があります。先ず、これらを避けなくてはなりません。月曜は、週の始めで仕事が溜っていることが多いので、忙しくて駄目。金曜から日曜日は家族サーヴィスで駄目。残るは火曜と木曜の夜で、出席者の多数の希望により第三火曜日の夜を選択した次第です。

ですから、20日が来週の水曜なら"next Wednesday"と云った方が直ぐ理解されます。今週の水曜なら"this (coming) Wednesday"。"this Wednesday"でも通じますが、正確を期す場合は"this coming Wednesday"あるいは"on Wednesday the 20th"と云います。ここで注意しないといけないのは、話している現時点が月曜であってもその週の水曜は"this Wednesday"であって"next Wednesday"ではないという点です。つい、これからやって来る水曜は"next"と云いたくなりますが、「今週」は全て"this"。

では、来たる日曜は「今週」に入るのか、「来週」でしょうか?正式には旧約聖書の「創世記」にあるように、神は六日間働いた後一日休息したことにちなんでいるので、日曜は週の最後の日です。しかし、カレンダーなどが日曜から始めているものが多いので、欧米人でも混乱があります。"Sunday the 20th"と云う方が間違いありません。

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[・] Old Black Joe

Barbaraと知り合った当時のことですが、フォスターの'Old Black Joe'(オールド・ブラック・ジョー)を知らないというので、歌って聞かせて教えたことがあります。

最近になってその件を思い出すと同時に、「南部の高名な作曲家が作った南部の歌を知らないというのは考えられない。Barbaraが私をかついだに違いない」という疑念が頭をもたげました。で、「本当に知らなかったのか?」と聞きましたら、「本当に知らなかった」とのこと。更に、「母親がイギリス人だから、うちは純粋の南部の家族とは云えない。だから教わらなかったのだろう」と云います。「日本人なら誰でも'Old Black Joe'を知ってるが、日本人一般も純粋の南部育ちじゃないよ」と応酬しました:-)。

で、私が所属しているMeridian Macintosh Users Groupのメンバーに電子メールでアンケートを発信しました。10数通の返事がありましたが、フォスターの他の曲は知っていても、'Old Black Joe'を知っていたのはたった一人でした。中・高年の知識人、教養人達がですよ。びっくりでしょう。当然ですよね。

ここからは私の推理です。Barbaraでさえ、白人用と黒人用のトイレの存在を覚えているくらいですから、公民権運動の結果黒人が平等に扱われるようになったのは、つい最近なのです。まだK.K.K.が存在しているような土壌でもありますし、Barbaraが学んだ当時の白人の学校で黒人奴隷をテーマにした歌など教えるわけがありません。「草競馬」、「金髪のジェニイ」など、明るいテーマか無難な歌詞のものだけが教えられたのでしょう。一昔前は黒人に関する一切が差別の対象であり、現在では奴隷制度は思い出したくない南部の恥部なので、いずれにしても'Old Black Joe'が歌われることは無かったということではないでしょうか。

何故日本の文部省がフォスターを選び、'Old Black Joe'も教える題材に含めたかは謎ですが、アメリカ人も知らない歌を大多数の日本人が知っていて歌えるというのは、相当可笑しいことですね。ドキュメンタリー番組にしてもいい位のネタです。

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[Se Ri Pak]

[・] Boyfriend

韓国のプロ・ゴルファーSe Ri Pak(朴セリ)は、アメリカの女子プロ・ツァーにデビューした直後、メジャー・トーナメントで二勝、女子プロ公式戦における18ホールの最少スコア(61)を記録するなど、世界がびっくりするほど大活躍(2001年現在の最少スコアは別人による59)。韓国大統領は「国が経済危機にさらされている最中、民衆に祖国への誇りと明るい期待をもたらしてくれた」として、Se Riを英雄扱い。アメリカのトーナメントでも韓国のTV局はSe Riだけをフォロー。大統領の招待で韓国に帰ると、マスコミから一般大衆まで、Se Riを片時も放っておきませんでした。

'Golf Digest Woman'(December 1998)のインタヴューで、Se Riは「疲れているかって?イエス。時々私はスローダウンしたいと自分に語りかける。私はもうプレイしたくない。休む暇も、友人を作る時間も無い。でも、私はいまゴルフを捨てることは出来ない。No.1になれるのなら、人生の中の大半を諦めてもいい」と語っています。

彼女は英語があまり達者でないことで有名です。このインタビューでも"I want to have a boyfriend."と云っているのですが、英語の'boyfriend'、"girlfriend'はお茶を喫んだり、ダベったりする友達ではありません。日本流の“恋人”とも違います。旅行に行ったとしても一つの部屋、一つのベッドで寝起きする間柄の相手を、女性からすると'boyfriend'、男性からすると'girlfriend'と呼びます。うかつに"I have a lot of boyfriends."などと云うと、大変な誤解を招くことになります。異性の単なる仲良しの友達は"male friend"(女性が云う場合)、"female friend"(男性が云う場合)です。

ここでSe Riは"a boyfriend"と云っているので、「一杯男友達が欲しい」のではなく、「一人の男友達」なわけです。プラトニックな“恋人”を指しているのではないかと推測しますが、英米人にはそう解釈されないでしょう。ひょっとして本当に“一つのベッドで寝起きする男友達”が欲しいのでしょうか?彼女は、そこまで云うほどまだアメリカナイズされてはいないと思うのですが:-)。

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[・] おめでとう

「おめでとう」の一般的な表現は"Congratulations!"です。日本で出版された多くの書物で、花婿に"Congratulations!"はいいが、花嫁には使ってはいけないと書かれています。理由は、女性に「結婚出来て良かったね」というのは失礼だからだそうです。【註:『英文手紙の書き方』小川芳男、宇井董子共著、旺文社刊、『今日から話せる英会話』佐藤 喬、迫村純男共著、知的生き方文庫、三笠書房刊など】

しかし、イギリスのミステリ作家Dick Francisの'Second Wind'(1999)を読んでいたら、次のような一節がありました。

"I'm supposed to be marrying him, did you know?"
"Congraturations!"

文脈で自明ですが、ここでは女性に対して"Congratulations!"を使っています。また、最近観た古いアメリカ映画で、やはり女性に対して老婦人が"Congratulations!"と云っていました。昔も今も、相手の性によって「おめでとう」の表現を変えるというのは、どうも眉唾です。

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[・] 奢る

「今日は私に払わせて下さい」、「冗談じゃない。最初から私が払うつもりでした」、「いつもお世話になっていますので、この位は…」、「とんでもない、こちらこそ」、「一寸、あぶく銭が入ったところですし…」、「じゃあ、割り勘ということに…」、「いえ、任せて下さいって!」

このように請求書の奪い合いをするのは日本独特の光景です。欧米人に「今日は私の奢りです」と云って御覧なさい。「本当?」とか、「どうして?」とかいうリアクションはあるかも知れませんが(無い場合もある)、全く遠慮無く受け入れられます。日本のような押し問答はゼロです。奢りたいのはいい気分に浸りたいからだろうとか、あぶく銭が入ったからだろうと受け止め、深く詮索しません。

私がカミさんにくっついてこちらへ来て一年目のことです。カミさんは何か私宛の誕生日プレゼントとお祝いのカードを用意してくれましたが、彼女の両親は私の誕生日のことに全く言及しませんでした。当日になって、私が全員を(と云っても私以外の三人ですが)Red Lobsterでの夕食に招待することにしました。カミさんの両親は素直に食べて、素直に奢られて帰りました。「プレゼントも無しだったから、ここは我々が持つ」とかいう台詞が出て来るかと思ったら、全く無し。まあ、お誕生パーティなんてのは当人が催すようですから、当人が払って当たり前なのかも知れません。

アメリカでは、奢られた人が次に会った時に「この間はどうも…」などと云いません。絶対に…と云っていいほど、云いません。素直に奢られ、素直に忘れてしまうのです。日本風に「借りを作った」などとは考えません。ですから、欧米人に奢る際は見返りを期待してはいけません。

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[・] くしゃみ

なぜか、欧米ではくしゃみが死と関わりがあると考えるのだそうです。『アメリカ風俗・慣習・伝統事典』(タッド・トレジャ著、北星堂書店、1992)によれば、「ラテン語のanimaとは“魂”と“呼吸”の双方を意味し、くしゃみをすることは肉体から魂を奪い、命を追い出してしまうとされた」そうです。

その凶兆を打ち消すべく、近くにいる人は間髪を置かず"Bless you!"と云って上げなくてはいけません。云われた方は"Thank you!"と心遣いに感謝します。本当は"God bless you!"で、「あなたに神のお恵みがあらんことを!」という意味ですが、短く"Bless you!"と云います。

カミさんが日本で働いていた時、「職場のある日本婦人が必ず"God bless you!"と云うので、ムズムズしてしようがなかった」と云っていました。完全な形は大統領の演説、牧師の説教などの最後に"God bless you all!"という形で出て来るか、知人との永の別れを前に云う言葉です。「さよなら」の代わりに「左様ならばおいとまいたします」と完全に云うのに似て、フォーマル過ぎる感じなのでしょう。

ドイツ語の「お大事に」という意味の"Gesundheit!"(ゲズントハイト)も、英米で一寸気取った感じで使われる筈ですが、これは映画やTVでしか聞いたことがありません。

可笑しいのはアメリカに住む日本人ばかりいる時に出るくしゃみです。全員、上のような迷信は知っているので、喉元まで"Bless you!"が出るのですが、日本人同士では全く無意味なので噛み殺してしまいます。しかし、もう習慣になっているので、云わないのも何となく後ろめたい気もして、内心で葛藤があるのです:-)。

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[・] Mardi Gras

Mardi Gras(マルディ・グラ)はNew Orleansの名物です。リオのカーニヴァルと同時期開催で、起源も同じ。キリストが40日間断食したのに倣う四旬節というのがあり、その前にどんちゃん騒ぎをしようという趣向だそうです。その最終日がMardi Gras(フランス語“太った火曜日”)。New Orleansは長くフランスの領土だったので、色々フランス語が定着しています。

お祭りは約10日間。毎日別々のグループによるパレードが観られます。グループというのは、会社、団体、学校などを指し、リオのように地区別ではありません。それぞれテーマを設定し、それにそって山車を飾ります。山車をエスコートするのは海軍およびそのマーチングバンド、小学校から大学までのマーチングバンドとチアリーダーズ。山車には団体の人々が乗って、ビーズのネックレスやプラスティック・コイン、ぬいぐるみ、プラスティックのカップなどを放り投げます。

私が行ったのは1999年2月21日でMardi Grasの三日前でした。先ず観たのがIRISという婦人団体のパレード。20のマーチングバンド、20のチアリーダーズで計750人参加、27の山車。テーマは「愛は地球を巡る」だそうで、それぞれの山車がある国を象徴しています。日本のもありましたが、菅笠の農夫の首が何となく韓国風で違和感がありました。残念なのが山車の動力で、何とトラクターなのです。農民の祭りでもないわけだし、折角飾った山車をこんな飾り気のないマシーンに引かせるというのは、どういう発想なのでしょう。

で、非常に単純なパレードなのですね、これが。アメリカの祭りというと必ず軍が関係してくるのですが、港町だけあって海軍の軍人達が先頭を切って登場し、そのマーチングバンド、学校のチアリーダーズとそのマーチングバンド、やっと山車が来て色々放り投げて去り、学校のマーチングバンド、チアリーダーズ、次の山車、また海軍軍人、次の山車、チアリーダーズ、マーチングバンド…この繰り返し。何の変化もありません。リオのカーニヴァルのような踊りはありません。勿論ヘソ出しやトップレスもありません。整然とした行進が続くだけ。では興奮しないかというと、観客は山車から投げられるビーズのネックレスやプラスティック・コインを求めて叫び、手を振り、跳び、結構興奮しています。獲得したネックレスを何重にも首に巻き、誇らしげに歩いています。私も一杯キャッチして、順次カミさんの首にかけていったら「重くて首が痛い」と云うほどでした。

パレードを終えたバンドやチアリーダーの生徒達は、それぞれ靴を脱いで裸足でバスへ向かいます。「何マイル歩いたの?」と聞いたら、「四時間だ」とのこと。ゆっくりなので、距離より時間が問題なのですね。なお、日本なら学校の生徒は地区の催しには無料で参加ということになるのでしょうが、こっちでは学校にお金が落ちる仕掛けで雇われるのだそうです。ですから、同じバンドやチアリーダーズを連日見掛けるということもあるとか。

夜のパレードは見ものだというので、時間をつぶして待ちました。新聞の説明によれば「世界最大のパレード」というENDYMIONなるグループです。40のマーチングバンドとチアリーダーズで計5,000人参加、27の山車。一億ドル以上の経費。テーマは「伝記」で、世界各国の歴史上の人物(ベートーヴェン、パットン将軍、ディズニイなど)をあしらっています。夜間ということで、山車は電飾を施してあり、確かに昼間より綺麗。しかし、やることは全く同じなので、「世界最大」は行列が長いだけ。五つぐらいの山車を観ただけで切り上げました。

バーボン・ストリートというJazzを聞かせる飲食店、土産物店の通りは普通でも賑っていて通りにくい所ですが、この時は歩くのも困難でした。日本で云う「古い町並」なのですが、その町並の建物の二階、三階のヴェランダに土地の人々が通りを見下ろしてズラッと立っています。観光客が下から彼等にビーズのネックレスをせがみます。目立つことをしないとビーズは降って来ないので、女性だと胸、男性は下半身を露出させるのが最高のアピールだそうです。そこへ到達するまでに上と下でギャアギャアやりあうわけですが、これがバーボン・ストリート一帯至るところで行なわれているので、この喧噪は凄いものです。繰り返しですが、何故こうまでしてビーズ玉に執着するのか全く理解不能。なお、最終日のMardi Grasのバーボン・ストリートをCNNが放送していました。この日は「もう立錐の余地もない」という表現がぴったりの混雑だったようです。露出度も最高だったのでしょうが、TVでは見せてくれませんでした:-)。

[Mardi Gras]

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[・] Daylight Saving Time

Daylight Saving Timeは、日本の「夏時間」の感覚と異なり、4月の最初の日曜日深夜2時(正しくは月曜日)に始まり10月最終日曜日の深夜2時迄続きます。夏だけではありません。

1998年に西海岸で撮影の仕事をした時のこと。丁度10月末でDaylight Saving Time終了の日が挟まりました。寝る前に、さて時計を進めるんだったか、遅らせるんだったか分らなくなりました。「えっと、これから日が短くなるわけだから、一日を有効に使うためには時計を進めるんだろうな」と思いましたが、自信はありません。フロントに電話して聞いたところ、どうもそれで良さそうでした。

私の時計だけ変えても、撮影チーム全員の足並みが揃っていないといけません。ディレクターの部屋に電話し、「時計を一時間進めましたか?」と聞いたら、「フロントに聞いたら、一時間引きなさいって云ってましたよ」「エエッ?」まるで反対です。再度、フロントに聞きました。「引くの、足すの、どっち?」引くのだという結論。で、私も一時間引きました。

翌朝、予定の時刻に駐車場へ行きましたが、誰も来ません。ロビーに行って時計を見ると、予定時刻より一時間早い!昨夜、私はディレクターに電話する前に一時間進めていました。結論が出て一時間引きましたが、進めてあったのを戻しただけで、引いたことにはなっていなかったのです:-)。ドジ。

カミさんに聞いたところ、"Spring ahead, fall back"(春は時計を進め、秋は遅らせる)という記憶するのに便利なフレーズがあるのでした。

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[・] 金曜日

「13日の金曜日」は有名ですが、他の意味でも金曜日も特別なのです。

カミさんに「今日は外で食べようか」と提案しますと、「いいわね。あ!今日は金曜じゃないの!混んでるわよ、どこも」と云いいます。金曜は"date night"だからだそうです。狭い町のどこもかしこもデイトのカップルで混んでるわけではなく、やはり若者向けのレストランが混んでいるようです。日本でも金曜に混んだでしょうか?日本のデイトは土曜に多かったような気がしますが。

カミさんの話ですと、"TGIF Special"というのがあるとか。"TGIF"は"Thank Goodness It's Friday"の略で、一週間の労働が終って「やれやれ、やっと週末だ」という意味。バーやレストランのHappy hour(5〜7時位の早い時間帯)に、"TGIF Special"と称する、飲み物を安く飲めるサーヴィスがあるそうです。

当市の映画の封切りがやはり金曜日です。これもデイトに誘ういい口実になるでしょう。当市のローカル新聞は、毎週一週間分のTVガイドと劇場映画の紹介を乗せた分厚い別冊を発行しますが、これも金曜日です。

もう一つ、多くのレストランは金曜日にシーフード・メニューを増やします。当市郊外のあるレストランは、金曜日はシーフード・バフェーだけになります。「バフェー」は日本の「ヴァイキング」のことで、均一料金食べ放題のシステムです。また学校の給食、病院の食事にも金曜日には魚料理が含まれます。金曜日と魚とどういう関係があるかですが、『ライトハウス和英』によれば「カトリック教徒の場合、金曜には魚を食べる人が多い。これはかつて教会で、金曜日には肉を食べてはならないという戒律があったから」とのこと。アメリカ南部にはカトリックは少ないのですが、それでも昔の伝統は生きているわけです。学校や病院では、宗教上の理由で食べられない人が出てはいけないので、金曜は魚料理を付けるのだそうです。

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[・] アメリカ式電話作法

日本の電話作法ですと「もしもし、わたくし高野と申しますが、○○さんいらっしゃいますでしょうか?」と先に名乗るのが礼儀とされていて、これに反するケースで不愉快な思いをしたことは(ほとんど)ありません。こちらでは、"Hello."と電話に出ると"Is Barbara there?"(Barbaraはいる?)と名乗りもしないし、私と面識がある人間ですら私に「こんちは」も云いません(ほとんど)。不愉快極まりないので、セールスマン相手のようにつっけんどんな応対をし、カミさんの連絡先(勤務先など)を知ってても教えません。向こうが伝言のために名乗った時、「ああ、あなたでしたか。それならお教えしますがBarbaraはどこそこにいます」と云います。私としては「最初から名乗れ!」と彼等を教育しているつもり:-)。

話したい目的の人と即刻話したいという合理性かも知れませんし、南部の無教養丸出し(これを指す'red-neck'という言葉があるのです)なのかも知れません。また、私と会ったことがあっても私の名前(Eijiは皆さん発音しにくいようです)が思い出せず、本当は「こんにちは、エイジ」を云いたいところだが素通りしちゃうのかも知れません。ただ、うちのカミさんも友人の家に電話する時は、似たようなことをやっているようです。

ある時電話に出ましたら、明らかに中年黒人女性の声で"Who's this?"と云います。自分は名乗りもしないで「誰ですか?」というわけです。で、こちらも"Who's this?"と云いました。向こうはへこたれる様子もなく、なおも"Who's this?"を繰り返します。私は黙って電話を切りました。こんなヒトと話す気にはなれません。

【参照】電話の英語

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[・] 名前

欧米の人々は知り合った人間の名前を覚えるのが得意です。名刺など交換しないのに、よく覚えています。名前から連想されるもの、場所などを連携づけて記憶するのだ、と云われていますが定かでありません。うちのカミさんは、アメリカ人のクセにほとんど名前を覚えられないクチで、私の方がまだ優秀です。

ビジネス以外では名刺の交換は行いませんから、初対面で名乗り合う時に覚えないといけません。よく聞こえなかった場合は、分ったフリをしないですぐ聞き直すべきです。なぜなら、サヨナラと云う時でも相手のfirst nameを付け加えた方がいいからです。

"I didn't catch your name."

もし、理解に苦しむような名前であったら、"Would you spell it out?"と、一文字ずつアルファベットで云って貰います。紙に書いて貰う場合は、"Would you write down your name on this paper?"などと云います。

007の主人公は、常に"Bond. James Bond."と名乗りますが、パーティなどでは、ホストあるいはホステスが「こちらはBill、こちらはEiji」という風にファースト・ネームでしか紹介しません。隣り合わせになって、自己紹介し合う時もファースト・ネームだけです。フルネームを云ったり、聞いたりするのは、その後に連絡し合う必要を認めた場合ぐらいでしょう。ですから、知り合いと云っても姓を知らないMikeだのBill、Georgeばかり増えて行くことになります:-)。後でそのうちの誰かに連絡を取りたくなっても、ファースト・ネームだけでは電話帳で調べるわけにもいかず困ってしまいます。

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[・] ハロウィーン

以下は、1995年に私がこちらで初体験したHalloween(ハロウィーン)のお話。

10月31日はカボチャのランターンを飾ったり、子供たちが魔女や魔法使いのような扮装で"Trick or treat!"(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!)と云って近所を廻ってお菓子を貰うHalloweenの日です。「万聖節の前夜祭」と訳されていますが、なぜ魔法使いと関係があるのか、起源は諸説紛々で定かではありません。

[Halloween]

当家ではカボチャは省略し、植木をトリミングした際に出た山のような木の枝で怪物を作り、玄関前に配置しました。口はリサイクル用のゴミを出すための容器、目はペンキの空き缶です。ここまでを私が作り、カミさんが牙と眉毛を追加。ついでにクリスマス用の豆電球で夜間も目立つようにしました。「ちょっと恥ずかしいわね」とか云っていたのですが、二週間ほどの間に郵便配達の人とか近所の人から「面白い!」と云われるようになり、すっかり自信を持ちました。一銭も使っていないというのも自慢の一つ。

さて、当の31日の夜です。あいにくの小雨模様で、これではカミさんが一杯買っておいたキャンディも無駄になりそうだったのですが…。六時を廻る頃に、一人の坊やが"Trick or treat!"とかぼそい声でやって来ました。遠くでつきそいのお母さんがニコニコ笑って見ています。カミさんは気前よくうんとこさキャンディを上げました。「この天気じゃ、もう来ないんじゃない?」とか云ってTVを見ていたら、来るわ来るわ。うじゃうじゃ来ます。何のことはない、父兄が車に子供を乗せて廻っているのです。シークレット・サーヴィスみたいに控えていて、ひとしきり廻ると子供を車に回収し、別の住宅街へ移動しているのです。これなら、小雨でも来ますわね。しかし、本来は不断許されていない夜間外出を子供達だけでするのが楽しくもありスリルだったでしょうに、いくら誘拐が恐いとか雨模様だからといって、親の車で廻るというのは邪道ですよね。

仮装は訪れて来る子供たちがするもので、迎えるこっちはする必要が無いのですが、つい芝居気を出してこっちが驚かすことにしました。カミさんの日本土産の“ひょっとこ”のお面にカウボーイ・ハット、下は純白のシーツという扮装です。出来損ないのKKKみたいなもの。玄関を引き揚げかける子供たちの前にヌーッと現われ「ワオー!」とかやったのですが、中には引きつけを起こしそうな表情になった子もいるほど、大成功(?)でした。

カミさんが憤懣やる方無い顔をしています。「Halloweenなんかどうでもいいような高校生までやって来て、お菓子を鷲掴みにするんだもん、もうキャンディが品切れになりそう。それに、黒人の子供達なんか何にも仮装しないで普段着のままじゃない。"Costume, then treat"(仮装してれば、お菓子を上げる)と云いたいワ」とカンカンです。本当にキャンディが底をつき、もはややって来る子供たちに謝らなければならない状態になりました。「お菓子を上げないわけだから、いたずらされてもしょうがないわけだけど、いたずらってどんなの?」とカミさんに聞いたら、「仮装も出来ないような、いまどきの子にいたずらの計画なんかあるもんですか」と、あくまでもプンプンです。最後は「御免!お菓子は品切れになりました」という貼紙を出し、家の中の電気を消して不在を装う始末。これは情けなかったですね。

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[・] 恐怖のハロウィーン

Halloween(ハロウィーン)については上の記事も参照して下さい。10月31日夕刻、子供達が化け物や魔女などの扮装をしてやって来て、"Trick or treat!"「お菓子くれなきゃ、いたずらするゾ!」と可愛く脅かし、家々からお菓子を貰って廻る行事です。

数年間は真面目につきあいました。しかし、扮装などして来ない子供が90%以上で、単なるお菓子集めに成り下がっているのにがっかり。大体、私の近所に子供は少ないので、大半は数ブロック先の黒人街の子供達です。彼等は金のかかった扮装は出来ないでしょうが、手製のお面だっていいのです。気持ちの問題です。私自身が子供の頃楽しんだ行事だったり、自分の子供がいるならばとことんつきあうでしょうが、単にお菓子を放出するだけというのは馬鹿馬鹿しい限りです。1998年はカミさんが不在の日だったため、「ごめん。ただいま、留守です」とポスターを貼って、町へ映画を観に行ってしまいました。

1999年もカミさんが連続夜勤の日に当たるため、最初からお菓子も準備せず、映画に行くことに決めていました。ところが10月30日(前夜)の夜8時頃、ドアがドンドン!とノックされ、開けると3歳〜5歳ぐらいの三人ほどの黒人の子供達がいて、"Trick or treat!"と云うのです。「エエッ!それは明日でしょうに」と云うと、"Today! Today!"という大人の声。お母さんらしき中年女性が後ろにいて、断固として云い放ったのでした。「明日だと思ったから、何も準備してないの。Sorry!」と帰って貰いました。

さあ、大変です。それが今日だとしたらこれから子供達が陸続とやって来る筈です。いちいち謝るなんて御免です。家中の電気を全部消して留守を装うことは出来ますが、それではコンピュータも使えず、本も読めないし、寝るには早過ぎます。外出するしかありません。大慌てでシャツを身につけ(後で見たらボタンをかけ違えていました)、靴を突っかけ、電気を消して、パニック状態で家を離脱。とりあえず映画館に向うことにしました。

しかし、町中静まり返っていて、どこにもうろついている子供達の姿など見えません。「こりゃあ、あの連中が勘違いしたに違いない」と思いました。記憶では、幼児達は6:30か7:00には来ました。彼等が全く来ないで、いきなり8:00が最初というのは不自然です。しかし、袋を持って歩いている子供達(これも黒人達)をもう一組見掛けました。「むむ、また分らなくなった」映画というのは、大体7:00開始が多いので、8:00過ぎではどれも中途半端。仕方なく、ショッピング・モールの本屋さんへ行きました。田舎ですが、本屋は11時頃まで開いているのです。そこの百科事典で"Halloween"を調べたら、ちゃんと「10月31日の夜」と書いてあります。あの"Today! Today!"と断言したオバハンも相当なもんです。それを信じて尻に帆を掛けたこちらも、相当お目出たい:-)。

本当のHalloweenの日は夕刻早々から逃げ出し、予定通り映画鑑賞を致しました。

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[・] Dixie

'Dixie'というのは南軍のテーマ・ソングとして映画などにも登場しますから、御存知の方が多いと思います。「宮さん、宮さん」みたいなものですが、もっと愛されている曲と云っていいでしょう。先日、TVで行進曲の作曲家スーザの伝記映画('Stars and Stripes Forever')をやっていまして、南部での演奏会で自作を一曲演奏するごとに'Dixie'を一回演奏するという繰り返しのプログラムを披露し、聴衆が大熱狂でこれを迎えるというシーンがありました。カミさんの親父さんによれば、学校で国歌のように教わった曲だそうです。南軍のテーマが南部の象徴となり、南部は"Land of Dixie"となったということだそうです。

音楽'Dixie'『ディキシー』を聞く

"Dixie"の語源としてはいくつかの説があり、定かではありません。その一つは南部と北部を分ける線としてMason-Dixson lineというのがあり、南部の人が自分側をDixieと呼び始めたというもの。一つはNew Orleansで流通していた紙幣に"Dix"とフランス語で書かれていたものから…という説。DixonあるいはDixieという親切な主人に仕えていた奴隷が、ある事情で他の土地で働くことになり、懐かしい主人を偲んで歌った唄から…とか、諸説があります。

南北戦争というのは、日本では英雄リンカーンが悪逆非道の南部プランテーション経営者を屈伏させた正義の闘いという風に教えていますし、現在のドイツがナチについて触れられたくないように、南部では南北戦争については禁句なんじゃないかと想像していました。ところが、"The south will rise again!"(南部は負けてなんかいないゾ)と思っている人がまだいるようで、"Dixie"と名が付いたものが沢山あります。"Dixie"というガソリン・スタンドのチェーン、"Winn-Dixie"というスーパーのチェーン、"Dixie"ボーリング場。町のレストランにおいてある砂糖は"Dixie Crystal"という銘柄です。これらの多くは南軍の旗印(赤地に、星をあしらった青いバッテン)を模したロゴを使っていますし、第一Mississippi州、Georgia州、Arkansas州の旗の一部は南軍の旗のイメージを残したものだったりします。南北戦争の始まりは逃亡奴隷の扱いをめぐって各州が対立し、南部諸州がアメリカ合衆国から脱退しようとしました。しかし、当時のアメリカ経済を支えていたのは南部の農作物だったので、南部に独立されては困る。それで南部を武力で抑え込もうしたのが南北戦争なのだそうです。南部には南部の理屈があり、リンカーンに匹敵する南部の英雄も一杯いたわけです。負けたからといって「間違っていた」、「恥ずかしい」というような心理には陥らず、「いずれはヤンキー(北部)をやっつけてやる」とまだ根に持っているらしいのは、敗戦国日本とは違うところです(あ、石原慎太郎なんてヒトもいましたね)。

ついでですが、南北戦争の死者総数は北軍36.4万人、南軍13.4万人の合計53万人だそうですが、これは第一次大戦の12万人、第二次大戦の41万人と比べても大変な数字です。ただの内戦ですからね。

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[・] 兄弟・姉妹

日本では「私の兄」、「私の妹」というように、兄弟・姉妹の中の長幼の序をハッキリさせます。しかし、英米では、たんに"My brother"や"My sister"であって、長幼の序を示しません。こちらが問い質せば"elder"、"older"、"younger"などを使ってハッキリさせてくれるでしょうが、普通は全く触れません。

ずっと前、カミさんのBarbaraが"My sister"と云って、Alison(アリスン)の写真を見せてくれた時は、テッキリBarbaraの妹だと思いました。"Your younger sister?"と云ったら、"No, she's my older sister."というのですが、信じられませんでした。Alisonは小柄で、いわば童顔という感じなのです。今や、近くで見れば年齢はハッキリ判りますが…:-)。

親子、長幼、老若、先輩後輩などにこだわり、座る位置、言葉遣いなどに非常に厳密なのは日本特有の文化です。勿論、英語でも"sir"や"ma'am"を付けて敬語を使う場合もありますが。御存知のように、欧米では子供が親をファースト・ネームで呼ぶぐらいですから、人格が備わってからの子供は親と対等なのです。まして兄弟、姉妹となれば長幼の区別は無視されます。

なお、姉(兄)を"big sister/ brother)"、妹(弟)を"little sister/ brother)"とも云います。末っ子は"baby sister/brother"とも云われます。

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[・] Bible belt

数年前のこと。私の町Meridianには大きな本屋は三軒しかありませんでした。一軒はキリスト教専門書店。スーパーにはハードカヴァー、ペーパーバック、雑誌がかなりの面積でおいてあるので、普通の人は本の専門店に行かなくても事足りてしまいます。Meridianに来て気が付いたのですが、二軒の一般書の本屋にはポルノ系の雑誌が全く見当たりません。'PLAYBOY'、'PENTHOUSE'さえありません。「検閲無しのを楽しみにしていたのに、何なんだ一体!」と思いました:-)。

ある本屋の主人と顔なじみになったので、「Mississippiは州の法律で'PLAYBOY'も置けないのか?」と聞いてみました。「いや、法律じゃない。実はうちも当初は置く予定だった。ところが開業前にある御婦人から電話がかかって来て、お宅は'PLAYBOY'は仕入れるのか?と聞くんだ。ええ、入れますよと答えたら、その後開業手続きがやたら難航してしまって…。彼女は熱心なクリスチャンで、うちが"PLAYBOY"を置くという知らせを教会の長老達に御注進し、店の認可に影響を与える偉いさんの反感を買ってしまったらしい。どうせ一部か二部売れるかどうかという'PLAYBOY'なので、じゃあ一切置かないという方針に変えたんだ」

大陸を縦・横断するような模様を描ける場合は「○○ベルト」と呼ぶようで、"Corn belt"(とうもろこし地帯)、"Wheat belt"(小麦地帯)とか松の木が多い地帯を"Pine Belt"と云ったりします。Mississippi州は"Pine Belt"の一部でもあり、熱心なキリスト教信者が多い"Bible belt"の一部でもあります。41,000人の人口のMeridianに150の教会がありますから、平均して270人に一つの教会があるわけで、道徳的センスも保守的な地域と云っていいでしょう。本屋におけるキリスト教関係書のコーナーも決して小さくありませんし、レコード屋では宗教音楽(キリスト教のニュー・ミュージックやゴスペル)が長い棚を一列占拠していて、地元紙'The Meridian Star'にも毎週「宗教」の頁というのがあるほどです。まあ、熱心なのは結構ですが、本屋に圧力をかけるというのは行き過ぎですよね。"Bible belt"は黒人の多い"Black belt"でもあります。この場合、柔道とは一切関係ありません:-)。

なお、その後の“調査”(?)で、大きい本屋ではカウンターの後ろに'PLAYBOY'、'PENTHOUSE'を隠していて、リクエストがあった場合のみ取り出すという方式であることが判りました。未成年には見せねえんだ(駄洒落:-))という姿勢は正しいとしても、ちと大袈裟ですね。

その後、ショッピング・モールにチェーンの大書店が出現し、主人と親しくなった小さな本屋はつぶれてしまいました。

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[・] 絨毯の上のShower

日本でカミさんと結婚する前のこと、彼女が'Stars & Stripes'(星条旗新聞社)に勤めていた時、「お友達の"room shower"に招ばれているから、一緒に行かない?」と云われました。同じ寮の中ですが、お友達がいい部屋に越したのでお祝いをするんだそうです。

なぜ、"shower"と云うかというと、本来は「プレゼントを雨のように降らせる」からだそうで。ただし、上の場合は部屋の主が飲み物や仕出し料理でもてなしてくれたと記憶しています。

"Baby shower"というと「安産を祈る集い」で、これは出産の前に企画され、出産を控えた人にプレゼントを上げるのだそうです。日本の“出産祝い”は赤ちゃんが生まれた後ですが、アメリカでは逆なんですね。

"Bridal shower"というのもあって、これは花嫁になる人にプレゼントを上げるパーティ。

なお、新築祝いのパーティは"housewarming"で"house shower"ではありません。"House shower"では新築なのに雨漏りがするみたいだからでしょうか:-)。

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[・] トラック

「アメリカ南部の各家庭では必ずトラックを一台持っている」と云うと、「エエーッ?ウッソー!」という反応が目に見えるようです。“必ず”という表現が大袈裟であることを除けば、実はホントなんです。女性だけの家では普通車しかないでしょう。私が“各家庭では必ず”と書いたのは、夫婦で二台以上車を持っている場合とお考え下さい。

夫婦のうち奥さんは普通車を乗り廻します。南部の旦那はトラックを乗り回します。トラックと云っても、土建屋が使う大型トラックではなく(当然です)、「ピックアップ・トラック」【下図参照】と呼ばれるものです。「ピックアップ・トラック」は“南部の象徴”とも云われます。家具を買って帰る、家の補修の材木を買いに行く、故障した芝刈り機を修理に出す、ゴルフ・カートを積む、ハンティングに出掛ける、釣りに出掛ける…さまざまな用途に使われます。DIY("Do It Yourself")で健気に働くという側面と、アウトドアのホビーを楽しむ側面と二つに分類されますが、これら二つを合わせると南部の男どものマッチョな面が見えて来るでしょう。「ピックアップ・トラック」は、実は“南部の男の象徴”なのです。

'Encyclopedia of Southern Culture' (Charles Reagan Wilson et. al, 1989) によれば「南部で売れる新車の半分はピックアップ・トラックである。これはステータス・シンボルでもある。ピックアップ・トラックを持っていない奴は馬の無いカウボーイみたいなもんだとも云われる」そうです。元もとは前半分は普通車で、後ろを平らにしただけの車でしたが、何でも大きいのが好まれる風潮もあって、どんどん大きくなっているそうです。

で、こちらではいちいち「ピックアップ・トラック」とは云いません。"Pickup"あるいは"truck"です。私の周辺では100% "truck"と云っています。「ピックアップ・トラック」を指す場合、"car"とも云いません。

教会やパーティに行く時は奥さんの普通車で出掛けます。やはり、トラックでは場違いと思うのでしょう。

[Pickup truck]

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[・] 航空便

日本の方からよくお手紙を頂戴します。そのうちいくつかには新東京国際空港郵便局の付箋が付いています。"This item is destined for your country. The sender made a mistake that its sender's address and addressee's one are written in reverse. It would be much appreciated if you could try to deliver it to the addressee. Thank you. TOKYO A.P." 「これは貴国宛の郵便物です。差出人は自分の住所と受取人の住所の順序を間違えて逆に書いています。受取人に届くよう御配慮願えれば幸甚です。多謝。新東京国際空港郵便局」 この付箋が右下に書かれた差出人住所を隠すように貼ってあり、更に赤鉛筆で左上の受取人住所の前にTO: と書き足してありました。これらはアメリカに到着した後、一度東京に戻され、付箋が付いてやっとこちらに届いたようです。消印から20日以上経っていました。普通は一週間から10日です。

こちらの郵便局は、封書でも葉書でも左上に書いてある住所はReturn address(配達不能の場合に戻される差出人の住所)、右下の住所が受取人の住所と判断します(下図)。この際、文字の大小は度外視されるようで、「大きく書いてある方が宛先に決まってるじゃねえか」という論理は通用しません。最近頂いたもので、付箋付きだったのには封書と絵葉書があります。絵葉書の場合、書くスペースが少ないので、宛先と差出人住所をまとめて右側に書かれたのでしょうが、これが混乱の因だったようです。絵葉書の場合、元来そう重要なことを書くものではありませんので(配達不能でも戻って来なくていい)、名前だけ本文末尾に記すのみで充分ではないでしょうか。

次は小荷物などの話題。本や雑誌は小さいので安く送れそうですが、実は重いためかなりの料金を取られます。こういうものは航空便ではなくSAL便というのが便利です。これは地面の上は日本でも海外でもトラック輸送ですが、海の上だけは飛行機を使うシステムです。航空便の2/3ぐらいの値段で、航空便が平均10日で着くとすれば、SAL便は16〜20日です。重い物、すぐには必要ない物は、やはり船便です。雑誌数冊を船便で送って貰ったことがあります。二ヶ月かかりましたが、乱暴に扱われた形跡はなく綺麗なままで届きました。

[Air mail]

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[・] 白人

「白人」を"White"とか"White people"と云うこともないではありませんが、"caucasian"が一般的です。「コーケイジャン」という発音は耳慣れないかも知れませんが、「コーカシア」とか「コーカサス」という地域は御存知の筈。それが語源で"Caucasoid race"(白色人種)を短くしたものだと思われます。"White"は"black"と対になっていますから、人種問題でもない話題で"white"を使うのはふさわしくありません。"Caucasian"なら誤解や摩擦を生じません。

"Pale face"という言葉もあります。これは北米インディアンから見た「白人」で、インディアンからすれば「不健康な青白い顔」に思えたからでしょう。

"White trash"という侮蔑的な表現もあります。「白人のクズ」ですね。浮浪者やペーパー・バッグ・レイディーも当然入りますが、学歴がありちゃんと働いてまずまずの生活をしていても"White trash"と呼ばれる場合があります。女性であれば、次から次へ男に惚れて子供を作っては捨てられる…というような、どうしようもない哀れな境遇。微罪で刑務所を出たり入ったりしている男なども"White trash"です。こちらには「人間のクズ」という表現は無いようです。

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[・] Hoop dream

こちらには端午の節句もひな祭りもないのですが、男の子がいる家は一目で判ります。フットボールよりもポピュラーではないかと思われるバスケット・ボールのゴールが目印。ポール、バックボード、網のセットが$160.00〜$230.00で買えます。近くの幼児でさえプラスチック製のセットを持っています。ゴールの練習だけなので、どこの家も片方だけ。うまくいけば花形選手になれちゃうので、白人も黒人も一生懸命です。輪っかは"hoop"なので、バスケットの一流選手になることを"hoop dream"と云います。勿論、バスケット・ボールは女の子の競技でもありますが、家で練習しているのをは大体男の子です。

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[・] 歯列矯正

欧米では歯並びの悪さは育ちの悪さ、あるいは貧しさとイクォールのように考えられています。八重歯は日本では笑窪(えくぼ)と同じように御愛敬ですが、こちらではドラキュラのように見られるとか。また、噛み癖などにより、歯に隙間が出来てどんどん広がる場合がありますが、これもみっともなく見えるようです。こういう場合、アメリカでは"orthodontist"(歯列矯正医)の厄介になります。

こちらの女子高校生には毎年「ジュニア・ミス」というコンクールがあります。成績や課外活動なども重要な要素なので容貌だけが採点の対象ではありませんが、容貌が大事であることは間違いありません(笑顔にいい歯並びは不可欠です)。こういうコンクールへの出場者がミス・ユニバースなどに出て行きます。そういう国ですから、女子の多くは永久歯になった頃に歯列矯正を行ないます。男子もやりますが、女子の比ではないと思われます。

ところで、若い時に歯列矯正が出来なかった女性は、30歳、40歳になってもやります。あるアメリカ人の家を訪ねましたら、出て来た奥さんの歯が黒っぽい。失礼だとは思いましたが、一瞬目を見開いて凝視してしまいました。彼女は40歳代半ばでした。最近では透明な材料で目立たずに矯正する方法もあるようです。

経費は歯の状態によって異なるそうなので一概には云えませんが、当地では保険の対象にはならずに$2,700(約30万)という例を聞きました。日本では120万円かかるという話を聞いています。アメリカでは歯列矯正はごく普通のことなので、特別な治療には入りません。歯や歯茎の治療と同じと考えられているので、それで高くないのでしょう。

普通、アメリカの健康保険には歯の治療は含まれていず、オプションになります。月々の掛け金が高くなるので、大抵の人は歯に関しては諦め、痛くなったら高いお金を出すことにします。アメリカに滞在する駐在員たちは、虫歯や歯茎の治療は日本へ帰ってする人が多いと聞きました。一ケ月ほどの予定で帰国し、親元などを現住所として国民健康保険に入り、歯も格安で治療出来る日本の健康保険の有難みに感謝しつつ戻って来るのだそうです。逆に、日本からアメリカへ来て格安の歯列矯正をして帰るというのも名案のように思えますが、歯列矯正には一年〜一年半もかかるのだそうで、長期滞在が必要になります。留学や駐在で来られる方が、歯列矯正も目的の一つにするのが正解かも知れません。

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[・] リサイクル

リサイクルの観念は国民性の違いではないかと思います。日本でも古本屋、古レコード屋などは昔からありますが、その他の品目のリサイクルというとすぐ頭に浮かんで来るものがありません。

アメリカですと、リサイクルの筆頭は"garage sale"(ガラージ・セール)です。もともとは車庫に店を広げて古い家具、電気器具、玩具、古本、古着、古靴などを売ったのが名前の謂れですが、"carport sale"、"yard sale"などと呼ぶ場合もあります。

"garage sale"を開く場合、地方新聞に三行広告を出し、家の近所の電柱にポスターを貼ります。商品に値札を貼り、お釣り用の小銭を沢山用意して当日を迎えます。"garage sale"のマニアがいて、彼等は予定時刻の一時間も早く現われ、いい出物を物色します。あちこちの"garage sale"をハシゴする人もいます。白人は骨董品などを探し、黒人は衣類を沢山仕入れて行きます。早朝が一番混む時刻で、この時間には最低二人〜三人の店番が必要です。10時くらいになると人の足はパッタリ止まります。

"garage sale"で売れ残った品は'Salvation Army'(救世軍)に電話して無料で取りに来て貰います。'Salvation Army'は自分の販売店で安く一般に提供します。'Salvation Army'も持って行かないものもありますが、それは貧困者専用の慈善施設に寄付することが出来ます。

つまり、台所のゴミなどを除きゴミとして捨てるものは無いのです。アメリカ人の目には日本のゴミ捨て場は宝の山に映ることでしょう。日本人は災害にでも遭わない限り、他人の古着など着ませんよね?

中古車の売買で日本と異なる点は、オーナーが自分で売るケースが多いことです。中古車販売会社に売ると買い叩かれますし、彼等がそれを高く売るのが我慢出来ません。オーナーが直接売るのは、買う方にとってもメリットがあります(勿論、具合の悪い車を売られる場合もありますが)。国土の狭い日本と違って、アメリカでは"For Sale"と書いた車を置くスペースがあります。自宅の前に置く、あるいはいくばくかの手数料を払ってガソリン・スタンドに置いて貰うことも出来ます。"For Sale"のポスターに電話番号を書いて、売れるまで走り廻っている車も珍しくありません。

ここには中古車を売るという行為を恥ずかしがる姿勢は微塵もありません。日本で「この車売ります」と書いて走っている車など想像出来ません。新車に買い換えたがっているのであって、別に金に困って売るのではないとしても、車を売ろうとしていることをあまり知られたがらないという心理はないでしょうか?この辺が、アメリカ人と大きく異なるところです。

公共図書館の利用というのも、日本人より積極的です。大衆的ベストセラーも揃えているので、「私は新刊を買ったことはない」という人が沢山います。新聞を取らずに、図書館に読みに来る人もいます。ヴィデオやDVDも無料ですし、オーディオ・テープも沢山あるので長距離ドライヴの前に借りる人が多いようです。数年に一度、図書館も整理のための"garage sale"を行ないます。

amazon.comでは古本も売っています。新刊本の売値の下に更に安い値段が出ていて、それを注文すると古本屋が直接送って来ます。amazon.comは仲介料だけ取っているようです。

日本にもあるようですが、eBayはリサイクルの最高の形ですね。世界中の人間が参加出来る「競り市」で、買うだけでなく売ることも出来ます。

コーラなどの空き缶を集めて売るとタバコ銭ぐらいにはなるというので、小型トラックの荷台に空き缶を一杯乗せて走っている老人もいます。レストランで食べ残しを箱に詰めて貰って帰るのもリサイクルです。

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[・] 裸足のアメリカ人

これは「風俗」というわけではないのですが「一般」の頁が量的に重いので、平均化するためにこっちにしました。

アメリカ人はすぐ裸足になりたがります。芝生の上、公園、浜辺、家の中。うちのカミさんなどはその典型で、一寸した庭仕事に裸足で出て行き、マットで足をこすっただけで家に入って来ます。猫より、少しマシという程度。そのぐらいですから、家の中でもたいていはスリッパだのサンダルなど履きません。私がコップやお皿などを割ると大変です。こちらはサンダルを履いているので無事ですが、彼女は怪我をしてしまいます。かなり綿密にお掃除しなくてはなりません。

アメリカ人は雨も平気です。傘なしで平然と歩いています。よほどの激しい雨でない限り、日本人のように軒から軒へ走ったりしません

これは異なる範疇でしょうが、彼らは果物や野菜の皮も平気で食べます。ミカンの袋、ピーナツの皮、リンゴの皮、ジャガイモの皮、みんな食べちゃいます。バナナの皮は食べません。オランウータンだってバナナの皮は剥きますからね。しかし、アメリカ人はバナナが好きです。オランウータンと暮らしたら奪い合いをするんではないかと思われます。

水もよく飲みます。一日に日本人の三倍ぐらい飲むんじゃないでしょうか。清涼飲料水やアイスティーなども含めれば五倍ぐらいになるかも知れません。

こう見てくると、なにやらアメリカ人ってのは動物的だなあと思いません?

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[・] It's a girl!

一軒家に住んでいた頃、芝刈りをしていたら隣家のAlan(アラン)がやって来て、黙って葉巻を差し出しました。何のことか分らず一瞬困惑したのですが、葉巻に"It's a girl."と書いてあるので、「あ、二番目の赤ちゃんが産まれたんだ!」と合点がいきました。葉巻は私宛で、カミさんには葉巻の格好をした巨大風船ガム。こちらでは誕生祝に葉巻を配る習慣なんだそうです。チェイン・スモーカーだった私まで禁煙するという喫煙家が住みにくい国なのに、随分時代遅れの風習だと思いました。

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[・] 祝日

ゴルフ場というのは、主に市民が休みの日に楽しむためのものです。土曜、日曜もクローズになりません。アメリカにも日本とほぼ同じ数の祝日がありますが、さて当地の市営ゴルフ場がクローズになるのは年に何日あるでしょうか?

独立記念日などはクローズになりそうなものですが、なりません。休みになるのはたった二日、Thanksgiving Day(11月の第四木曜日)とChristmas Day(12/25)だけです。日本ではChristmas Eve(12/24)がなぜか大騒ぎする日となっていますが、こちらでは12月に入るとすぐパーティ・シーズンとなり、12月24日にまとめてどんちゃん騒ぎがあるわけではありません。プレゼント交換も12月25日の朝に行ったりする家もあり、イヴの意味はそう重くないと云えそうです。12月25日はキリストの生誕を静かに祝う日なので、もう呑めや歌えはありません。元旦も休みにはなりません。

クリスマスも家族が集う日ですが、それは主に子供を喜ばせる日であり、実はThanksgiving Day(感謝祭)の方が一族再会の機会として重要で、日本で云えばお盆に当たるぐらいの意味を持っています。もともとは1,620年にメイフラワー号でアメリカに入植した人々が初の収穫に感謝した日で、七面鳥の料理や素朴な野菜料理を食べて、祖先の苦労を偲ぶのが普通です。自分の祖先ではなく、アメリカ人の祖先一般を偲ぶというのがお盆とは異なります。しかし、この日に合わせて遠くに住んでいる息子や娘が親元に帰って来ますので、交通網は他の祝日に輪をかけて悪化します。

アメリカン・インディアンやアメリカの黒人たちの祖先はメイフラワー号でやって来たわけではないので、本来の意味でのThanksgiving Dayとは無縁です。彼らは単に自分たちの祖先に感謝してるのでしょうね、きっと。

「日本にはThanksgiving Dayはないのか?」と冗談まじりに聞かれたことがあります。中国や朝鮮から入植した日本人の祖先は何にも感謝しなかったのでしょうかねえ?私は「日本には七面鳥がいないんでね」と答えることにしています:-)。

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[・] 返品

アメリカの店は返品に対して鷹揚です。大抵のスーパーやグロサリ・ストア(大規模食料品店)は、現物とレシートさえ揃っていれば無条件で新品と交換か返金に応じます。理由を聞いたりしません。こういう店のCustomer Service(顧客サーヴィス)というコーナーは、実は返品コーナーです。

衣料品なども店で試着したりせずまとめて一杯買って来て、気に入ったものだけ残しあとは返品…というようなことをする人もいます。返品天国ですね。

日本で無条件返品など出来るでしょうか?純粋に不良品であるか、店の方の手違いが明瞭な場合でもないと返品出来なかったような気がします。よく考えれば、返品までの一日であれ三日であれ店に現金が入り、多少でも銀行利子がつくわけですから、店にとって損はないわけです。返金したとしても利子は手元に残ります。

通信販売でも返品は簡単です。返品の可能性のある時はパッケージの中身を全部取っておきます。プチプチのような梱包材料から印刷物まで全て。通販の会社によっては返品用シールまで同梱しているところもあります。返品を決意したら、先ず通販の会社に電話します。向こうがReturn number(返品番号)というのを云いますので、それをメモし、返品のパッケージに入れる手紙に記します。このReturn numberが無いと、ブツだけ送っても処理して貰えないことになっています。

インターネット書店のamazon.comから本が送られて来たのですが、私が不在だったためアパートの管理人に預けて行きました。ところが夜中に豪雨があり、管理人室の床に置かれた本のパッケージは水浸し。amazon.comは普通防水パックして送ってくるのに、この時は何も無しだったため本は波打ってしまいました。amazon.comの場合はインターネットで返品の手続きをします。質問に答え、返金か交換かを選ぶと、返品用宛名シール(Return number付き)が印刷出来るようになっています。行き届いています。交換の本も迅速に届きました。

クリスマス・プレゼントは贈られる人に内緒で買うのが普通ですから、玩具、靴、衣類、バッグ、健康器具、その他、どれであれ当人が気に入らない可能性大です。となると、返品です。クリスマスの翌日はどの店のCustomer Serviceにも長蛇の列が出現します。

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[・] 家族自慢

アメリカに'Wheel of Fortune'(幸運の円盤)というTVのクイズ・ショーがあります。人気のある長寿番組です。通常、応募して選ばれた三人の回答者が登場します。問題はあるフレーズや単語、人名などで、ヒントのカテゴリイを頼りに一文字ずつ推理して行き正解に辿り着くというゲーム。1ターン毎に銘々$100とか$3,500とか色々書いてある大きな円盤を廻し、針のところで止まった額が一文字当てた時の賞金になります。

実はクイズの詳細ではなく、回答者達が番組の冒頭でする自己紹介のことをお伝えしたいのです。彼等が喋るのは住んでいる町、職業、家族構成などですが、この家族の説明にはびっくりさせられます。「美しい妻と二人の素晴らしい子供達と暮しています」、「素晴らしい夫と、三人の可愛い子供たちがいます」とか云うのです。実際に"beautiful wife"とか"wonderful husband"、"great kids"と云うんですよ。よく、欧米人は物事を照れもせず表現すると云われていますが、この場合日本人の感覚では“臆面もなく”と形容するのが相応しいようです。こういうのを連日聞かされていて、突如「私は妻と二人の娘と暮しています」と何の形容詞も付かない言葉を聞くと、その家の女性たちは相当ブスなのか、家庭に何か問題があるように聞こえるから不思議です:-)。しかし、日本人の「愚妻」とか「愚息」に較べれば、遥かにまともですが。

アメリカ人はお財布に家族の写真(特に子供や孫たち)を入れています。子供の話題にでもなろうものなら、嬉しそうに取り出して見せてくれます。中には、クレディット・カードを入れる折り畳み式ビニール・ケースに、アルバムのように写真を入れて持ち歩いている人もいます。あまり可愛くもない子供の写真を見せられると、褒め言葉に窮します。

映画やTVで御覧になったことがあると思いますが、アメリカ人のオフィスの机上には必ず額に入った家族の写真があります。あれは訪問者に対してではなく自分の方に向いていますから、自慢ではないのでしょう。朝晩顔を合わせる家族の写真を置いてどうしようというのでしょう?「この家族のために頑張らなくては」と自分に鞭打つのでしょうか?よく分りません。

この傾向は銀行の出納係の窓口、スーパーのレジ、ガソリン・スタンドのレジに至るまで、例外なく見られます。レジ係なんてパートタイマーであって、一人で独占するカウンターではありません。何人かの家族の写真が相乗りで貼ってあったりします。

外でこうですから、アメリカ人の家に行くと大変です。暖炉の周りとか廊下が画廊のようになっていて、息子や娘の赤ん坊の頃から大学卒業、そして結婚して生まれた孫たちの成長過程の写真がズラーっと並んでいます。話題に窮したら、写真に興味があるフリをすればOKです。その家の女主人が30分ぐらいかけて説明してくれるでしょう:-)。

私のこちらの友人で外科医のMike(マイク)ですが、時々電子メールに孫たちの写真や家族再会の記念写真などを添付して来ます。自慢であり、誇りなんでしょうなあ。私には受信に時間がかかるので迷惑なのですが、だからといって「もう写真は送って来ないで」とは云えません。折角築き上げた友情にヒビが入ってしまいますから。

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[・] トイレット・ペーパー攻撃

ときどき、家の周りの木々をトイレット・ペーパーで満艦飾にしている家を見掛けます。【下の写真参照】お別れのテープで結ばれている外国航路の船の出航風景みたいです。中学生、高校生がやる悪戯のようで、友達の家の周りでトイレット・ロールを高く放り投げて満艦飾にするわけです。夜中に数名で、声も出さずに放り投げるようです。

「トイレット・ペーパーは雨で溶けるから、そう質が悪くないじゃないか」確かに、スプレイ・ペイントで落書きされるよりはマシです。ただ、木の上の方で固まってしまった紙は、なかなか消えません。完全に無くなるまでには約二ヶ月位かかるようです。

この件に関し、地元紙'The Meridian Star'は「この"homecoming"(同窓会、帰郷)の時期はフットボール・シーズン開幕、パーティ、パレード、そしてトイレット・ペーパーの会社が十分ストックを容易すべき季節である」という枕で、数人とインタヴューした結果を報告しています。それによれば…、

Marsha Thomas(マーシャ・トーマス)はトイレット・ペーパーを庭中の木々に飾られて喜んでいます。これは彼女の息子Andrew(アンドルー)の同級生から、彼への挨拶なのだそうです。若者たちが密やかにやって来てトイレット・ペーパーを放り投げるのを、家族も密やかに見守ったそうです。彼等が去った後、月明かりに映えるトイレット・ペーパーは「美しかった」とさえ表現しています。

Andrew自身もトイレット・ペーパーを放り投げたことがある口で、「これは20ロール使った仕事だ」と経験者として語っています。「もし、やっているところを見つかったら、我々は喜んで掃除に来る」とのこと。母親Marshaは、「友人がその友人の家に対して行なうもので、それ以外は御法度。いい友人を持っていれば、素晴らしい芸術が見られる」と要約します。

Jonie Smith(ジョニイ・スミス)の家は女の子たちによるトイレット・ペーパーの“挨拶”を受けました。彼女の息子Jefferson(ジェファースン)がターゲットで、メール・ボックスにリボンのおまけつきだったそうです。彼女はトイレット・ペーパーの装飾を美しいとは思わなかったようで、すぐ掃除してしまいました(ホースの水の噴出で流してしまうのだそうです)。そしたら、二度目の襲撃を受けたそうです。"homecoming"の時期が終るまで、木々からトイレット・ペーパーを垂らしたままにしておくというのがルールなのだそうです。

勿論、こういう理解のある家ばかりではありません。二週間にわたる襲撃を受けた家は、下手人の家に苦情の電話を入れました。翌日、フットボール・チームの半分にあたる若者たちがやって来て、ホースで水をかけトイレット・ペーパーをもれなく取り除いて行ったそうです。私が尋ねた数人も、苦々しく「悪質な悪戯だ」と云っていました。

この行動に関する言葉としては、'Golf Digest'という雑誌に"T.P. raid"(トイレット・ペーパー奇襲)という表現がありました。

[T.P. raid]

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[・] 国歌

アメリカの国歌は凄い。いえ、メロディや歌詞が凄いのではなく、その歌われ方です。TVなどで御存知かも知れませんが、特に黒人歌手によって歌われると、とても国歌とは思えないものに変貌します。スローなテンポで朗々と、小節を利かせ、時に裏声を使ったりもします。

代表例は以下の頁にあるWhitney Houstonのヴァージョンで、これは過去のスーパーボウルの開会式で歌われたもの。

http://www.stormandbirdsey.com/Storm%20and%20Birdsey/Miscellaneous/AttackonAmericaSongs.htm

男性の黒人歌手のアメリカ国歌も聞いたことがありますが、それも感動的でした。日本も「君が代は是か非か」などと云っていないで、色んな歌手に「君が代」を自由に歌わせてみたらどうだったんでしょう。都はるみ、五木ひろし、森進一、北島三郎、さだまさし、八代亜紀、青江三奈、小林旭、高倉健等々(済みません、最近の歌手を知らないもので)。「決められたテンポでないといけない」などと云わず、歌手の独創性に委ねる。「不敬だ!」とか攻撃してはいけません。アメリカ流に自由奔放、溌剌に歌われたら、意外に「日本の国歌も悪くない」ということになるかも知れません。(これは天皇制に関する意見ではなく、純粋に音楽として「君が代」を考えた発想に過ぎませんので、お間違えなく)

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[・] 左利き

酒呑みの話ではなく、ぎっちょの話。欧米に左利きが多いのはよく知られた事実。「左利きは良くない」という風潮は全く無く、これに関しては親も「どうでもいい」という態度を取っていますから、当人も平気の平左。妙に右上がりの書き方になるのだけが弊害かと思っていましたが、隠れた事実がありました。

カミさんの姉Alison(アリスン)は左利きです。カミさんが「Alisonに右だ、左だと云っても通じないから駄目よ」と云うのです。「そんな馬鹿な。子供でさえ右と左は判るでしょうに」しかし、これは本当なのでした。Alisonに道を教える際には右・左を云っても無駄なのです。日本には「お箸を持つ方の手」という便利な言い回しがありますが、アメリカ人はフォークを持つ手をチェンジしちゃいますから、これは使えません。

ゴルフで数人の連中が後ろで見ている時にティー・ショットを打ちました。ボールの行方が見えなかったので、「どっちへ行きました?」と聞いたら、「最初の松の木の方向だ」と云う答え。松の木は右にも左にもあるので、"Right side?"(右側?)と尋ねました。"Yes." で、右へ歩いて行ったのですが、ボールは見当たりません。振り返ると、皆が一斉に左側を指さしています。何のことはない、右と左の判らない人物が答えたのでした。

Alisonが「左利き」について以下のような電子メールをくれました。

「合衆国では親達が子供達に右利きになるよう強制するのを止めました。強制すると吃りになり易いからです。友人にも左利きは沢山いますが、彼等は概して右利きよりスマート(賢明)であると思っています。なぜなら、左利きは右利きの世界で生きて行くために、適応能力に富んでいるから…という理由です。

実際には、私は書く時だけ左利きで、テニス、野球、ラケット・ボール、射撃などの際には右利きです。これは、誰も左手でのやり方を教えてくれなかったから。多分、これが右と左の区別がつかない理由じゃないかしら。

個人的には左利きはハンディキャップだと考えます。私は子供を持つ親に両手を使うことを教えるように勧めます。左手だけを使うのではなく」

Dyslexia(ディスレキシア:失読症、読書障害)という病気があります。文を後ろから読むという、妙な病気です。ある教会の活動の一環に、Dyslexia Clinicというのがあるほどですから、結構患者は多いようです。友人で外科医のMike(マイク)も若い頃これを患って、トレーニングで何とか克服したクチだそうです。

Mikeからの電子メール。「私も両手使いだ。野球のバットは左、投げるのは右、ゴルフ・クラブは右で振り、フットボールは左脚で蹴る、書くのは右で、食べるのはどちらでも可。Dyslexiaと左利きの関連は知らない。私はセンテンスの最後の言葉を先に読む。読書する場合、本のページを右上隅から左下隅にかけて走り読みする。水平にも読めるが、垂直に読む方が得意だ」

Internetには左利きのWebサイトもいくつかあります。あるQ&Aの頁(http://www.cs.ruu.nl/wais/html/na-dir/lefty-faq.html)には次のような項目が載っていました。

・“左利き”の定義によるが、少なくとも合衆国人口の30%は左利きである。
・鋏には右利き用と左利き用がある。
・左利きの有名人リスト(http://www.indiana.edu/~primate/left.html
・国際左利きデー:8月13日
・男性は女性の倍〜1.5倍左利きになりやすい(胎内にいる時の母体の影響)。
・なぜ左利きがサウスポーと呼ばれるか?
・左利き禁止のスポーツ
・なぜ女性と男性でボタンの配置が違うのか?これはヴィクトリア朝時代の紳士・淑女の習慣の名残だそうです。紳士の服は自分でボタンを嵌められるが、淑女は着付け係の手を借りなければならなかった。で、女性のボタンは着付け係が嵌め易い位置になった。

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[・] 「時は金」のはずなのに

数十年前、人を待たせて怒らせてしまい、以後時間には神経質になりました。その結果、待たせることも無くなりましたが、待つのも嫌いになりました。

アメリカなどはビジネス・ライクでお互いにお互いの時間を尊重しあう国のように思われがちですが、実はそうでもありません。自動車修理工場に予約の電話を入れたら、「人手不足なので、予約時間は云えない。直接来てくれ」と云われました。結局30分ほど待たされた後、作業を開始してくれましたが、どのくらい待たされるのか判らず、気が気ではありませんでした。

医院などでは予約したにもかかわらず待たされます。前の患者とのやりとり、助言などで長引くようですが、30分以上も待たされては予約の意味がないと思います。自分が医師の詳しい説明、助言を受けるのは大歓迎なのに、他人が同じ恩恵に浴するのを嫌うのは得手勝手ですが、しかし、医師の時間の観念も相当ズボラだと思います。

私は医院へ行く時は必ず本を持って行きます。ボケーっと待つのは苦痛ですし、備え付けの雑誌に手を出す気にはなれません。歯科医院ならまだしも、風邪その他の病原菌保持者が来院する医院では、滅多にものに触れない方がいい筈です。しかし、アメリカ人で本を持参している人というのは見たことがありません。汚れた雑誌をめくるか、宙をみつめてボーっとしています。辛抱強いのか、本など読まないのか、いずれにしても私には信じられません。

歯医者では診療台に座らせられても安心出来ません。そこでも30分ぐらい待たされます。私は診療台にも本を持って行き、医者が現れるまで離しません。

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[・] マナーあれこれ

女性や老人のためにドアを開けて待つのは紳士の勤めです。ある時本屋の入り口で、80歳代の老夫婦のためにドアを開けて待っていたら、"Thank you, sir."と感謝されました。さすが年齢で序列をつけない国だけあって、老人が若い衆に"sir"と云うんですね。

私にはシニアのゴルフ仲間が沢山いるのですが、60前の男に"John,"とか声をかけると"Yes, sir."(ハイ、何でしょう?)と応じられることがあります。日本人は若く見られるせいもあって、私は誰からも45歳ぐらいと思われています。ですから、この場合も彼らは年下の人間に丁寧に応えていることになります。

男性同士ならどっちから握手を求めても構いませんが、相手が女性の場合はその女性が手を差し出さない限り、握手を求めるのは無作法とみなされています。女性に決定権があるという前提なので、こちらから手を出すと“強要”していることになります。こちらの手を無視するのはかなりの決断が要りますから、女性は嫌々応じなくてはなりません。結果的に強要したことになるわけです。初対面の女性に手を出してはいけません(誤解されそうな文章だな)。

レストランに入る時、男性は帽子を取るのが原則です。ゴルフ界の長老Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)が「ゴルフ場のレストランで帽子を取らない輩が増えた」と憤っていましたので、アメリカでも礼儀知らずは多くなったようです。特に南部などでは帽子を取らないのが普通にも見えます。だからといって、彼らの真似をする必要はありません。「日本人は礼儀正しい」という評判を作りたいものです。

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[・] 警官に撃たれないために

パトカーがランプを点滅させてあなたの車に追尾して来たら、可及的速やかに車を路肩に寄せなくてはなりません。しかし、「郷に入れば郷に従え」で、ちゃんと手順があるようです。以下はカリフォーニアの現役警官が語るtips。

・安全なところに寄せる。もし、夜だったり付近に誰もいない場合は、ハザード・ランプを点灯するか、窓から手を出してついて来てくれと合図をし、最も近く、明るく、人のいる場所まで移動する。【註:これは警官から暴行を受けたりしないための予防措置でしょう】

・ガラス窓を下げる。

・警官の指示がない限り、車内に留まる。警官が近寄って来たら、両手はハンドルの上に置いておくこと。グローブ・ボックスや椅子の下、バッグなどに手を伸ばすと、武器を取ろうとしていると解釈されて撃たれることもある。

・警官の要求に応えて何かする場合も、あなたの行動を説明すること。例:「私の免許証は後部座席のバッグの中にある」等。

・警官と議論しようとしないこと。それは法廷で行うべきである。議論は衝突を招き、それは逮捕に繋がることもある。

from 'Geico Direct' Spring, 2003

ミシシッピ州のナンバーの私がアラバマ州の都会でパトカー二台に停止を命ぜられたことがあります。夜間、モテルから5分ほどのところのgas station(=ガソリン・スタンド)にビールを買いに行った時のことでした。gas stationを出たところで捕まりました。こちらはまだビールを呑む前だし、何も悪いことはしていないので平気でしたが、警官数人が懐中電灯で顔や座席を照らすので、非常に嫌な思いをしました。免許証を持って行ってコンピュータで照会していました。車の持ち主であることに間違いはなく、しかもずっと無違反なのでがっかりしたことでしょう。この場合、他州のナンバーということで狙い撃ちされたような気がします。警官は「あなたは無灯火で運転した。今後気をつけるように」と宣告しました。エンジンをかけて、スタートした時は無灯火だったかも知れませんが(覚えていない)、道路に出た時には点灯した筈なので、これは言いがかりです。要するに、不審な行動を取らないようにすることですね。

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[・] シニアの条件

私の住むLauderdale County(ローダーデイル郡)では毎年5月を"Older Americans Month"と称して各種のシニア向けイヴェントが催されます。「健康診断」から始まって、「キャットフィッシュ・ランチ」、「ボーリング・トーナメント」、「ゴルフ・トーナメント」、「ビリヤード・トーナメント」その他。カウンティ(郡)の住人で55歳あるいはそれ以上なら、全部無料で参加出来ます。

その「55歳あるいはそれ以上」ですが、どう表現するでしょう。日本人の直訳感覚だと"Older than 54"というような言葉が浮かびます。しかし、"Older Americans Month"のチラシには"55 and older"とありました。正式には"Free to all Lauderdale County residents 55 years of age and older"です。

「キャットフィッシュ・ランチ」に行ってみましたら、別に54歳以上であることを証明する必要もなく、老けて見えれば45歳でも入れそうです:-)。公園の一角にある講堂のような大きい施設に、800人ほどのシニアが集まっていました。一人一人にキャットフィッシュ(ナマズの切り身のフライでミシシッピは養殖の一大産地として有名)、コールスロー、ビーンズ、お菓子(デザート)などが載ったお皿と紙コップに入った飲み物が提供されます。さらに、入場した時に渡された福引き券のナンバーにより、レストラン無料飲食券とか、床屋の利用券などの賞品の授与式があります。病院や企業数社のドネーションによる催しなので、これらが全部タダ。

当市の映画館の入場料は成人は$7.00ですが、「55歳あるいはそれ以上」のシニアは$4.75です。この料金は子供料金、マチネー料金と同額です。窓口で免許証などを見せ年齢を証明し、署名する必要があります。映画館のシニアの条件(年齢)は州によって違うようで、テキサスのある都市では60歳以上となっていました。当市のパブリックのゴルフ場にはシニア割引があります。レストランの中には「70歳以上割引」というのもあります。シニアでバクバク食う人というのはいませんから、これは理にかなっています。大都市の博物館、美術館などにもシニア料金があります。

当市では大病院が半年に一度程度、シニア向け無料健康診断を行います。こちらの健康保険は病気と診断された後をカヴァーするものなので、健康診断には適用されません。ですから、この催しは貧富に関係なく喜ばれます。病院によっては直腸ガン検査、コレステロール検査なども実施してくれます。アメリカのシニアはかなり優遇されていると云っていいでしょう。

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[・] あなたも煙草が止められる

日本も東京その他で歩行中の喫煙が禁じられるなど、少しずつ変化が見られるようですが、多分まだ喫煙大国なのではないでしょうか?

数十年前は在来線は云うに及ばず、山手線や地下鉄の車内でさえ煙草が吸えましたし、映画館では煙草の煙を通してスクリーンを見ていたほどで、こういう国がそう簡単に変われるものでもないでしょう。

アメリカの大都市のほとんどは禁煙ポリシーが実施されていて、建物の中では喫煙出来ません。カリフォーニアのレストランでは、屋外の青空天井でも喫煙出来ません。

「大都市のほとんど」と云ったのは、南部へ来ると事情が異なるからです。ニュー・オーリンズなどでは(有名な高級ホテルは別として)中位のホテルには禁煙フロアなどというものがありません。全室喫煙可です。モテルでは「ノン・スモーキング」の部屋にも灰皿が置いてあったりします。日本人スモーカーには、南部は非常に住み心地がいいはずです。

レストランやホテルでは"Smoking or non smoking?"と聞かれます。吸わない場合は"Non smoking, please."と答えます。"No smoking"ではありません。

かくいう私もアメリカへ来たころは愛煙家でして、一日三パックは吸っていました。煙草の半分くらいで消してしまうので『もったいない』とよく云われました。まあ実質一箱半でしょうか。「健康のためによくない」と云われても止める気にはなりませんでした。「おれの命だ。どう使おうが勝手だ」と思っていました。若い頃は「どうせ、おれは50歳になったら肺癌で死ぬんだ」と覚悟していたほどです。

日本でも禁煙の風潮が始まると、取材先の会社の応接室などから灰皿が消え始めました。ニコチン中毒の私は、仕方なく携帯用灰皿を持ち歩き、「吸っていいですか?」と聞くと「駄目です」と云われるのを恐れ、聞きもしないで勝手に吸っていました。学校の教室の取材でも吸っていました。いま思うと、随分傍若無人、我が儘、得手勝手、恥知らずだったと思います。

煙によって、周りの人にも害を与えるという事実が明らかにされ、もう「おれの命だ」と開き直ることも出来なくなりました。しかし、まだ煙草を諦めることは出来ませんでした。

私が禁煙を思い立ったのは健康問題が理由ではありません。カミさんが勤めから戻って来て、「今日、『あなたは煙草を吸うのか?』と聞かれた。私の衣類にあなたの煙草の煙がしみついていたせいだ」と云ったのです。これには愕然としました。吸わないカミさんを喫煙家と誤解させるのはまずいと思いました。

その頃、「禁煙ガム」が処方箋なしで買えるようになり、大規模食料品店にも並び始めました。「禁煙ガム」にはいくつか種類があり、ニコチン含有量の多いもの、中くらい、少ないものなどに分れています。最初はニコチンの多いものを噛むと、血液中のニコチン量は変わらないので禁断症状が出ません。ガムによって、口の寂しさも軽減出来ます。数週間おきにニコチン量を減らして行きます。

私は普通のチューインガムも併用し、口がくたびれるほどでした。しかし、次第に口の寂しさは忘れられるようになりましたが、ニコチン・ガムを全廃することが出来ずに困りました。最後に、ニコチン・パッチというものを買って貼ってみました(ガムより安い)。これは口からではなく、肌からニコチンを吸収するものです。パッチを貼ったら効果はてきめんで、一箱使わないですっぱり禁煙出来ました。前部で禁煙までに半年かかったプロジェクトでした。

いまでも、他人の吸うパイプの煙などに魅力は感じますが、幸い喫煙に戻る誘惑には負けていません。アメリカの煙草の値段は物凄い勢いで上がっており、私は禁煙して本当に良かったと思っています。浮いたお金はゴルフに使っていますが、こちらのゴルフ料金は非常に安いので、多分一ヶ月の煙草代より安いでしょう。煙を吸ったり吐いたりして身体に悪影響を与えるためにお金を使うのと、太陽のもとで運動をするためにお金を使うのでは、大違いです。禁煙ガムと禁煙パッチ、お薦めします。

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[・] Jのつく名前

アメリカ人は名前にJがつくと非常に大事にします。'Sweet Smell of Success'『成功の甘き香り』 (1957) という映画で、Burt Lancaster(バート・ランカスター)が演じた主人公J.J. HunseckerはJ.J.と呼ばれる新聞の大物コラムニストで、その影響力を武器にしていました。古くはジャズ・トロンボーンの第一人者にJ.J. Johnson(J.J.ジョンスン)という人がいましたが、彼の名前は全てJで始まっています。J.J.と呼ばれる人物には何か「顔役」とか、「ボス」的意味合いがあるようです。

J.J.が最高のようですが、アメリカ人はJ一つでも大事にします。私のゴルフ仲間だけとっても、Jesse Burrrell Tutor(ジェシー・バレル・チューター)はJ.B.で、Jewel Wilson Raulins(ジュウル・ウィルスン・ローリンズ)はJ.W.です。ほかにもJ.D.とかJ.T.、E.J.など数え切れません。いずれの場合も、first nameとmiddle initial(ミドル・ネームの頭文字)の組み合わせであって、first nameとlast nameの組み合わせではありません。

'Catcher in the Rye'『ライ麦畑でつかまえて』の著者はJ.D. Salinger(Jerome David Salinger)。英国女性ですが、『ハリー・ポッター』シリーズの作者もJ.K. Rowling(Joanne Kathleen Rowling)でしたね。

しかし、アメリカ人、イギリス人の誰もがJを略すかというとそうとも云い切れません。私の友人Jack Rushingのミドル・ネームはPaulですが、彼はJackと呼ばれることを好みJ.P.とは呼ばれたがりません。Jack、John、James、Jimなどは沢山いるわけですが、そう云われれば略さずにJack、John、James、Jimと呼ぶべき人々も数多く存在します。

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[・] Teddy Bear

Theodore Roosevelt(セオドア・ルーズヴェルト、1858-1919)はアメリカの第26代大統領。最年少(42歳)で大統領になった人物としても有名で、サウス・ダコタ州のMt. Rushmore(ラシュモア山)に刻まれた四人の大統領の一人でもあります。

Theodoreの愛称はTeddy(テディ)です。アメリカの子供たちがベッドに入る時に抱えるのは"Teddy Bear"(テディ・ベア)ですが、その由来にはこの第26代大統領とミシシッピの黒人が関係しているのだそうです。

黒人奴隷Holt Collier(ホルト・コリアー)は射撃の名人でした。南北戦争で、主人に従って北軍のキャンプの雑用係をしていましたが、そのライフルとピストルの腕前で兵士に抜擢されました。南北戦争後は、希望して西部に赴き騎兵隊の一人として活躍しました。

除隊後、テキサスでしばらくカウボーイとして過ごしてから、Holt Collierはミシシッピのデルタ地帯に住み、ここで熊狩りの名人として有名になりました。ハンティングが大好きなTheodore Rooseveltがやって来た時、ガイドとして雇われたのは当然Holt Collierでした。

[Bear]

Theodore Rooseveltは「最初の一発を撃つのはオレだ」と云い張りました。Holt Collierは大統領を物見台に待たせ、そこへ犬達と熊を追い込みました。しかし、忍耐強くない大統領は待ち切れずにキャンプに戻ってしまっていました。困ったHolt Collier、熊を投げ縄で捕らえて縛り上げ、大統領を呼びにやりました。やって来たTheodore Rooseveltは、「縛られている熊を撃つ気はない」と宣言。たまたまキャンプにいた、三人の新聞記者がこれを報道し、いつしか政治漫画家たちはTheodore Rooseveltのネタに仔熊を描くようになりました。

いつの世も商魂逞しい人達がいるもので、大統領にあやかって数社が熊の縫いぐるみを売り出しました。その中の一社のTeddy Bearが好評で、同社は莫大な利益を上げたそうです。

Theodore RooseveltはHolt Collierをアフリカの動物狩りに誘ったそうですが、Holt Collierはミシシッピ・デルタから離れようとせず、90歳でこの世を去りました。

現在、ミシシッピ州にもまだ熊はいるそうですが、かなり減ってしまったそうです。

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[・] Love

[Love]

右上の図はカミさんBarbaraの姉Alison(アリスン)から貰ったカードの末尾です。
"Love    Sister-in-law
Alison"
…と書いてあります(ぎっちょの字なので読みにくい)。元仕事仲間だったイギリスのJenny(ジェニィ)からも"Love  Jenny"と書いたカードを貰います。いずれも"Love"と書いてあるのですが、これは日本流の色恋とは全く別物です。妻の姉さんに恋されているわけでも、元仕事仲間から恋されているわけでもありません。

カミさんに聞くと、「要するに、"Yours truly."などのフォーマルな結びを避けたいだけ。しかし、ビジネスでは絶対書かないし、全部の友達に書くわけではない」とのこと。“通り一遍の付き合いではなく、かなり打ち解けた場合”に使うそうです。

[XO]

なお、恋人、夫婦の段階になると、"Love"ではなく"X○X○X○"という記号が登場します。"X"は"Kiss"を表し、"○"は"Hug"(抱擁)を表します。「抱き合ってキス、抱き合ってキス」の繰り返しを意味しているわけです。右下の図は私のカミさんBarbaraからのもので、 "I love you!
XOXOXO
Barb"
…となっています。

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[・] 宗教音楽

…と云っても、グレゴリオ聖歌や『マタイ受難曲』などの話ではありません。ポップス、あるいはソフト・ロック、カントリーなどのスタイルを取った宗教音楽です。

ドライヴ中、受信状態のいい局を探してダイヤルを捻りますわね?「お、いい曲だ。懐メロかな、最近のヒット曲かな?」と聴いていると、神を賛美したり、Jesus(イエス)への愛を歌い上げるものだったりします。こういうのを一日中流す専門のラジオ局もあるのです。

当市のCDの店に行きますと、「宗教音楽」のコーナーは他のジャンルに引けを取らない面積を占めています。「ロック」には敵いませんが、「ジャズ」よりも長く、一列全部を占領しています。

私の知り合いの一人(白人老年男性)はコンピュータをCDプレイヤー代わりにしているのですが、挿入されているのはいつもポップス風の宗教音楽です。教会へ行くだけでなく、普段もこういう音楽によって心を浄化しているようです。

黒人主体の教会で歌われるゴスペル・ミュージックも、今はロック風のアレンジが多くなっていて、Mahalia Jackson(マハリア・ジャクスン)のように朗々と歌い上げるスタイルは、もう流行らないみたいです(私はMahalia Jacksonが好きですが)。

日本にお経専門のラジオ曲はないでしょうし、日常般若心経のCDを聴くという人も知りません。しかし、そういう感じのことがアメリカには溢れているのです。

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[・] 小切手

アメリカの銀行には預金通帳というものがありません。毎月一カ月分の出納の記録と残高をプリントした紙("bank statement")が送られてくるだけです。以前は小切手を振り出した後、相手の人あるいはお店が現金化すると、銀行経由で現物が戻って来ました。最近は現物ではなく小切手の縮小コピーになって届きます。

あ、ここで話していますのは"checking account"(小切手口座)のことで、これは日本の普通預金にあたり、利子も最低です。定期預金にあたるのは"savings account"です。私は定期預金に入れるほどの収入がありませんので、これについてはよく知りません。これの利率も大したことはないようですが、クレディット・カードを新設する時などは、この"savings account"の額が大事な要素になるようです。

預金通帳ですと数カ月、あるいは数年の記録がすぐチェック出来ますが、"bank statement"では結構分厚いファイルになってしまうので、チェックも大変です。

几帳面な人は小切手を振り出す時に、日付と相手、金額、小切手番号を小型の出納簿に記入します。食料品店のレジの前でこれをやるのは大抵女性で、後で待っている人間としてはイライラします。レジ係も後ろの客もボケーッとして目のやり場に困ります。

カミさんは一ヶ月ごとにまとめて"bank statement"に表示された記録と小切手の写し(カーボン・コピイ)を照合し、預金残高を記入しています。私も数年間はそうやっていたのですが、意味もなく馬鹿馬鹿しいので止めてしまいました。

アメリカでは(大抵の国はどこもそうでしょうが)判子というものがありません。全てサインです。他人が振り出した小切手を現金化する際には、小切手の裏にサインしなければなりません。顔見知りの窓口でないと、身分証明(運転免許証)を提示させられます。

面白いのは、貰った小切手を何年も現金化しないと、相手にとってその金額はずーっと“負債”のまま残っていることです。例えば、私がAさんから900万ドルの小切手を受け取り十年間現金化しなかったとします(無茶苦茶な額ですが、例ですので)。その間にAさんは落魄し、ついに小切手口座に899万ドルしか預金が無くなってしまった。899万ドルは結構な額なので、Aさんは安心している。そこへ私が900万ドルの小切手を現金化しようとすると、Aさんは不渡りを出したことになり一気に信用を無くします。(一枚の小切手に900万ドルと書けるのかどうか、やったことがないので知りません)

「クレディット・カードで全て済む国なら、小切手は要らないんじゃないの?」という疑問がおありでしょうが、郵便での送金には小切手は欠かせません。銀行の自動引き落としを信用せず、いまだに小切手を送って支払う人もいます。小切手には相手の名前を記入しますので、当人であることが証明されないと現金化出来ません。郵便から小切手を抜き取っても現金化出来ないわけですから、泥棒の心配無しに郵送出来るわけです。

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[・] 宅配便

私がアメリカに来て混乱したのはUPSとUSPSの違いでした。どっちも「合衆国郵便事業」の略に思えたのです。

UPS=United Parcel Service
USPS=United States Postal Service

前者は宅配専門の民間企業で、後者は政府が運営する郵便事業です。USPSの小包は安いのですが、8日〜20日という大雑把な日数のどこかで届きます。UPSは3日か4日ですから、いつ来るのか不安がる必要がありません。UPSは原則として"tracking"が出来ます。インターネットでUPSのサイトに行き、発送主がくれたtracking numberを入力すると、荷物がいまアメリカのどこにいるのか分ります。時々刻々、荷物が自分に近づいて来るのを見るのは楽しいものです。最近はUSPSも"tracking"サーヴィスを始めましたが、そのためには多分発送する時に余分のお金を払うのだと思います。

UPSに類するものは数種あって、FedEx(フェデックス)が最も有名です。高いですが、信頼出来る宅配会社です。映画'Cast Away'『キャスト・アウェイ』(2000)でTom Hanks(トム・ハンクス)が勤めていたのはFedExでした。他に、Airborne Expressというのもあります。アメリカの宅配便は(広い国にもかかわらず)驚くほど早いです。

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[・] ハロウィーンの奇襲

2004年10月30日(土曜日)、ある日本婦人とお喋りしていました。私が「明日はハロウィーンなので、映画館へ“避難”するつもりだ」と云うと、「あなた、ハロウィーンは今日よ」と云われました。「だって、ハロウィーンは毎年10月末日でしょう?」と云うと、「今年は10月末日が日曜と重なるので、この町を含む郡一帯は今日ハロウィーンにしたんだって。ラジオで云ってたそうよ。時間も5時から10時までだって」

ラジオなんか聞いてませんよ。新聞にも何も書いてありませんでした。ひゃー、危ない、危ない。この御婦人も、何人かの知人と夕方から買い物に出掛けて、家を留守にする作戦とのことでした。

その後、子供連れの黒人女性二人に出会ったので、彼らに確認しました。父兄には子供を経由して学校から通知があるだろうと考えたのです。「本当は明日だけど、今年は今日になった」との答え。間違いありません。日曜の夜にも教会の礼拝がありますから、それとかち合わないようにという配慮でしょう。さすが、バイブル・ベルト。急遽予定を変更し、映画鑑賞を一日早め、観たくもない映画を二本も観ることになりました。しかし、この日に日本婦人と話さなかったら大変なことになるところでした。

一夜明けて、心配が出て来ました。ラジオを聞いてない連中もいるのではないか。TVでは全国の通常の日程に合わせてホラー映画ばかりやってますから、「あ!今日はハロウィーンだ!」と10月31日(日曜日)にやって来る連中がいないとも限りません。かと云って、そんな心配のために又もや映画館に行くのも馬鹿げています。誰か来たら、堂々と「ハロウィーンはもう終わったよ。ラジオ聞いてないの?」と云ってやることにしました。学校の通知とラジオの情報は徹底していたようで、誰一人ドアを叩く者はいませんでした。やれやれ。ハロウィーンは恐いです。

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[・] 医院の予約

普通、アポイントメントというのは正確な時間に訪問したり訪問されたりするものです。ところが、アメリカの医院のアポイントメントは呆れるほどいい加減です。

普通のクリニックで30分から40分は待たされます。「私なんて妊娠中の気分が悪い時に一時間も待たされたことがある」と元高校英語教師のDiane(ダイアン)。「四人ぐらい待ってる人に、一人一人聞いたのよ。あなたのアポイントメントは?って。そしたらみんな同じ時間だった。ダブルブッキングどころじゃないの。頭に来たわ」医院の側からすれば、患者が勝手に姿を見せなくてもキャンセル料を取れるわけでもないので、ダブルブッキングは普通なのでしょう。しかし、四人も同じ時刻というのはひどいですね。

私が具合が悪い時に行くクリニックは、医師が親切に色々説明してくれるのです。私の診察が40分遅れなのに、その遅れを取り戻そうという意思は見られません。非常にリラックスしています。私への詳細な説明は有り難いのですが、私はまだ待っている他の患者が気になって仕方がありません。多分、朝からこうやって患者に対応するのでどんどん遅くなるのでしょう。待つ方の身になって考えてはいないのです。

歯の清掃に通っている歯科医院でひどい経験をしました。朝一番で予約して技工士にやって貰うと、清掃は30分ぐらいで終わってしまう。「ドクターが点検しますから、待ってて下さい」と云われて、そのまま待つこと30分。窓の外に車が到着し、ドクターが下りて来ます。ドクターは9時からしか勤務しないのに、患者を8時から呼んで待たせているわけです。私も私で性懲りも無くその次も8時丁度の予約をしました。ところが、8時丁度なのに玄関が閉まっています。その日はたまたまColumbus Dayという祝日でお役所や銀行などは休みになる日でした。私は歯科医院の受付がその祝日に気がつかなかったのだと解釈しました。ところが、後日ドクターの奥さんと電話で話したところ、「その日は休みじゃなかった。うちは8時15分に開けるんだ」とのこと。それなのに、8時00分に患者を呼んでいたのです。呆れ果ててものも云えません。もう、この医院へ行くのは止めました。

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