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Gone With the Wind

『風と共に去りぬ』

[Poster]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1939
監督:Victor Fleming
地域:ジョージア州
出演:Clark Gable、Vivien Leigh、Leslie Howard、Olivia de Havillandほか
範疇:原作もの/ドラマ/ロマンス/南北戦争

私の評価 :☆☆1/2

【Part 1】

この「“南部もの”大全集」は、過去の記憶ではなく、全てヴィデオで再点検しながら書いています。その作業中、いつも心の中で重荷になっていたのはこの'Gone With the Wind'『風と共に去りぬ』でした。何しろ長い(3時間52分)、名作と評価が定まっている、今さら何を付け加えることが出来よう…という思いでした。しかし、「大全集」と謳うからにはこの映画を省くわけにもいきません。

時は南北戦争開戦前夜。所はジョージア州北部にあるTara(タラ)という名のプランテーション。Vivien Leigh(ヴィヴィアン・リィ)演ずる大地主O'Hara(オハラ)家の長女Scarlett(スカーレット)は、若い男性が群がるような美貌の持ち主。しかし、勝ち気で何でも自分の思い通りにしようという性格だった。Olivia De Havilland(オリヴィア・デ・ハヴィランド)演ずるMelanie(メラニー)が、自分が秘かに恋していたLeslie Howard(レスリー・ハワード)演ずるAshley(アシュリイ)と結婚すると聞いた時も、Ashleyに自分の愛を打ち明け、Ashleyを横取りしようとする。しかし、Melanieを深く愛しているAshleyの心は動かない。

二人は気付かなかったが、二人のやり取りを聞いていた人物がいた。Clark Gable(クラーク・ゲイブル)演ずるRhett Butler(レット・バトラー)だった。

同じ日に南北戦争の幕が切って落とされ、男達はみな南軍兵士として従軍することになる。AshleyがMelanieと別れのキスをしているのを見て、Ashleyを後悔させることだけを目的としてMelanieの弟の求婚に同意する。

しかし、Melanieの弟はすぐに戦病死し、Scarlettは寡婦となる。Rhett Butlerが彼女に求愛するが、Ashleyを恋する彼女は見向きもしない。一旦帰郷したAshleyはひ弱なMelanieの面倒を見てくれと頼んで、また戦地に赴く。

戦況が悪化し、ScarlettはMelanieと共にアトランタで看護婦として働くが、Scarlettには負傷した兵士たちや死に行く者の無惨さが耐えきれず、Taraに帰ろうとする。しかし、Melanieが産気づき、Ashleyとの約束があるため自分だけアトランタを離れるわけにいかなくなる。いよいよ北軍が進攻し、アトランタ中が炎に包まれる。Rhett Butlerが調達した馬車で、Scarlettと赤ん坊を産んだばかりのMelanieはTaraへと急ぐ。頼みの綱のTaraには、既に母は無く、食料も無く、狂いかけた父と忠実な黒人数人がいるだけだった。女主人となったScarlettは、Taraを復興して、Ashleyの帰りを待つ決意をする。

…と、これだけでも一編の映画ですが、ここまでは第一部で、まだまだ第二部が待っています。序曲、間奏曲、第二部への導入曲、後奏曲と、ほとんどオペラ並みの音楽まで付いた巨篇。

八部門のアカデミー賞を獲得。作品賞、主演女優賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、室内装置賞賞、編集賞など。監督賞はクレディットされたVictor Fleming(ヴィクター・フレミング)が受賞しましたが、実際には彼は全体の45%を担当しただけで、他に四人の監督と何人かの第二班監督が存在したそうです。脚本作成には何と18人も参加したとか(これもクレディットは一人)。助演女優賞は黒人奴隷の召使い女を演じたHattie McDaniel(ハティ・マクダニエル)が受賞。彼女は黒人として初の受賞でした。

三原色三つのネガの画像を一本のフィルムに転写するテクニカラー方式の初の長編としても有名です。テクニカラー社が特別賞を受賞しました。プロダクション・デザイナーが「色彩による劇的ムード」を讃えられて、やはり特別賞を受賞しています。朝焼け、夕焼けなどの美しいシーンが対象でしょう。マット合成や特撮も多用されています。

敗色濃いアトランタ。医師を探すScarlettが駅前広場に足を踏み入れます。カメラは歩む彼女をフォローします。傷病兵の群れの間を前進するScarlett。カメラは次第に後退し、さらにクレーンアップします。広場を埋め尽くす夥しい数の傷病兵達。このシーンにもマット合成が使われたのかどうか定かでありませんが、悲惨さが痛烈に伝わるワン・カットです。続く、炎上するアトランタの光景も素晴らしい。

もう一つ、Taraへ戻る途中のある夜、馬車を川に入れ、小さな橋の下に潜んで北軍をやり過ごす場面があります。雨まで降っています。これもScarlettの大胆不敵さ、必死の覚悟が表現された、印象的なシーンです。

(March 9, 2001)



【参照】『スカーレット/続・風と共に去りぬ』


Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。




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