Golf Tips Vol. 34

ゴルフ笑言集

以下の笑言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。

「あなたがアドレスしている横で男がバーベキューをしていたら、そこは多分OB区域である」
Ernie Witham(アーニイ・ウィザム)

「ロスト・ボールを手っ取り早く探すには、隣りのホールでびっこを引きながら歩いている人に尋ねることだ」
Ernie Witham(アーニイ・ウィザム)

「野球選手が引退するとゴルフを始める。フットボール選手も引退してゴルフを始める。我々ゴルファーは引退して何をやったらいいの?」
George Archer(ジョージ・アーチャー)

「野球ではホームランを右翼フェンス、左翼フェンス、センター・フェンスのどこへ打ってもいい。誰も気にしない。ゴルフでは全て二塁ベースを越さなくてはならない」
Ken Harrelson(ケン・ハレルソン)

「ポロというゲームは、地震の最中にゴルフをやろうとするようなものだ」
Sylvester Stallone(シルヴェスター・スタローン)

「パターとの関係は結婚みたいなものだ。女房とパターのどっちかを選ばなきゃならないとしたら…そうね、女房が恋しくなるだろうね」
Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)

【British Open '98のプレス・センターで丸山がavailable(インタヴュー可能)だというアナウンスを聞いて】「何だって?マリファナがプレス・センターでavailable(吸い放題)だって?R&Aが変革を考えているのは知っているが、そりゃやり過ぎだろう」
匿名希望のカメラマン

「左利きというのは凄く有利だ。教え魔がしゃしゃり出て来ないから」
Bob Charles(ボブ・チャールス)

「もし神様がレフトハンド・ロー(最近流行のパッティング・グリップ)が正しいと思ったら、人間の左腕を長く造った筈だろ?」
Lee Trevino(リー・トレヴィノ)

「レッスン・プロがヘッドアップしちゃいけないと云う理由は、彼がプッと吹き出しそうになっているのを生徒に見せたくないからさ」
Fyllis Diller(フィリス・ディラー)

「90を切った日のことは忘れられない。クラブハウスでビールを何本か呑み、物凄く興奮していて、残り9ホールをプレイするのを忘れたんだ」
Bruce Lansky(ブルース・ランスキイ)

【ファイナル・ラウンドの前に、優勝するためにはどの位shoot(打つ、撃つ)しなきゃならないのかと聞かれて】「私以外の全員だね:-)」
Roger Maltbie(ロジャー・マルトビイ)

【彼の69歳の誕生日に】「これ迄で一番楽な69だ」
Ben Hogan(ベン・ホーガン)

「皆がBen Hoganは無口だと云うのが理解出来ない。彼はどのグリーンでも私に話しかけて来たよ、『あんたの方が遠い』ってね」
Jimmy Demaret(ジミイ・デマレ)

(January 04, 2000)


[stamp]切手のBobby Jones

アメリカのU.S. Postal Service(アメリカ合衆国郵便公社)は、切手のコレクターには悩みの種でしょう。「これでもか、これでもか」とあのテ、このテで攻めて来ます。漫画、映画スター、Jazzミュージシャン、作家、フットボールの監督、恐竜、昆虫、熱帯魚、ガラス工芸、昔の飛行機などなど。全部、シリーズになっています。

ここに掲載したのはBobby Jones(ボビイ・ジョーンズ)ですが、ゴルフのシリーズではなく、「20世紀を讃える」という年代別歴史切手シリーズです。1900年代15枚一組、1910年代15枚一組…という風になっていて、Bobby Jonesは1930年代の15枚の一つ。ですから、Bobby Jonesだけ購入するということは残念ながら出来ません。

こういう特別な切手には裏側(嘗める方)に説明が印刷されています。「1930年、アマチュアのBobby Jonesはゴルフのグランドスラムを達成した、最初にして唯一の人物となった。同じ年、彼は28歳で競技生活から引退した」と書かれています。

(January 15, 2000)


負け癖のついている方へ

'Sandbaggers Beware'
by Editors of 'Golf Tips' ('Golf Tips,' February 2000)

以下はUSGAが作成した、異例のスコアというものがいかに稀であるかを示すデータだそうです。

                       Handicap Ranges
0-5 6-12 13-21
Net Differential Odds Odds Odds
0 5:1 5:1 6:1
-1 10:1 10:1 10:1
-2 23:1 22:1 21:1
-3 57:1 51:1 43:1
-4 151:1 121:1 87:1
-5 379:1 276:1 174:1
-10 125,000:1 84,300:1 37,000:1

実は'Golf Tips'のこの記事に付属する説明が非常に解り難く、何人もの人間に解釈を尋ねました。ゴルフ場のSuperintendent(管理者)も判らず、シングル・クラスの人間も判りませんでした。最後に、Superintendentの補佐を勤めている人物が確信を持って読み方を伝授してくれました。それをお伝えしますが、100%正しいかどうかは保証出来ません。

「あなたのハンデが15だとする。表のHandicap Rangesの最後の欄があなたのオッズに該当する。即ち、あなたが自分のハンデの1アンダー(ハンデ15のParは87なので、1アンダーは86)で廻れる確率は1/10ということになる。5アンダーで廻れる確率は1/174」

確かに、表を点検するとロー・ハンデキャッパーがアンダーで廻る確率は、ハイ・ハンデの人間より極めて低い。ハイ・ハンデの人間は急に飛躍することが可能…という事実を裏書きしています。

では、ハンデ15の人間が80を切る確率は…というと、79は8アンダーですから、表の174:1と37,000:1の間になります。以前にお伝えしたUSGAの見解(「1/1,000以下の確率」)と似た結果になります。同じソースなのかも知れませんが。

さて、この表の利用法です。賭ける場合、お互いのハンデで公平に(差し引きゼロにして)プレイ出来る建て前になっています。しかし、こちらがネットでパー・プレイなのに常に数ストローク差で同一人物に負ける場合、お互いのハンデは正しく無いということが云えます。三打差であなたを打ちのめした相手は(もし13-21の範疇なら)1/43の確率を打破したことになります。毎回それが続くということは考え難いことです。

(January 15, 2000)


超流動体の効果

ある読者の方からQuantum Golf日本語版の情報を頂きました。

[Quantum Golf]

イエンハーゲル著、山本光伸訳
『クォンタム・ゴルフ〜究極のゴルフ上達術』
C-CODE: 0075 ISBN: 4-393-36613-1
春秋社、初版発行1991年、第五刷1996年、1,600円

こちらの通信販売のAmazon.comですと、ペーパーバックなのでたったの$7.99($1.00=¥104として¥831)です。日本語になると倍になります。高いですねえ。

次のようなメールを頂戴しました。「'Quantum Golf'を買って五回ほど読み返しました。リズム、トップの間(ま)、フィニッシュの形を確立する上で大変勉強になりました。 本番に弱いせいか、これをやるようになってから、少し精神的に安定するようになりました」。別の方は「簡単に試せて効果があったのは"superfuild"です。正直言って "superfuild"というのは私には発音が難し過ぎるのですが(実際、口に出しては言えませんね)、テイクバックで息を吸い、トップからの切り返しからフォローで息を吐くというのはスウィング・テンポを一定に保ち、力みを無くすのに役立っています」とおっしゃっています。以下、その他の方々の御感想。

「実践して効果があった」
「私も以前からゆっくりスウィングすることに努めてきました。しかし"superfluid"と呪文を唱えるとミスします。ワぁーん ツゥーとやった方がうまく行きます。私は英語が出来ないのでワぁーんの方が身体が自然に動くみたいです」
「日本語版を買って読みました。メカニックにこだわると、スムーズなスイングが出来ないことが解りました」

昔催した「読者によるTipsベスト10」のトップを飾ったということから云っても、この本は立派な値打ちがあるようです。

さて、その"superfuild"についての補足説明。

'Perfect Health'
by Deepak Chopra, M.D. (Harmony Books, 1991, $14.00)

「超流動体(superfluidity)という言葉は、50年以上前の物理学的発見である'superfluid'と呼ばれる特殊な素材に由来する。例として液体ヘリウムを取ると、液体ヘリウムが絶対零度(-273゜C)に近づいた場合、それは容器の側面を這い上がる能力を獲得し、限りなく小さい穴を通り抜け、もしモーションを与えられれば永久運動を繰り返す。十分に低い温度の下で、ヘリウム原子はランダムな形態で動くのを止め、軍隊のパレードにおける行進のように整然となる」

【発音について】日本語には英語のような"R"の発音は無く、日本語のラリルレロは全部"L"の発音です。よって"superfruid"だったら発音しにくいのは解りますが、"superfluid"は"L"であり、「スーパー古井戸」でいいのです。井戸にも液体のイメージがあるので、ぴったりです。

【おことわり】画像はhttp://ecx.images-amazon.com/にリンクして表示させて頂いています。

(February 3, 2000、改訂May 29, 2015、追補January 08, 2016)


視覚化のガイドライン

'The Mental Edge'
by Kenneth Baum with Richard Trubo (The Berkley Publishing Group, 1999, $11.16)

「視覚化は練習が必要であり、最初は難しくても諦めてはいけない。

先ずゴルフ・ボールを入念にチェックした後、目を閉じてそれを思い浮かべる。ボールから得られる感覚(形態、色艶、感触など)を脳に力強く送る。次第にイメージを拡大し、練習場で飛行するボール、ピッチングで飛行するボール、さらにフェアウェイを飛行するボールを思い浮かべる。そのスタートから着地まで。

視覚化は上の空でやってはいけない。これはトレーニングの不可欠な要素にするべきだ。以下は、視覚化のガイドラインである。

・始める前に、本当に達成したいことを知ること。視覚化では、自分が目標を達成したかのように想像すること。

・イメージを個人的、肯定的、詳細かつ現在形に保つこと。

・あらゆる情緒と感覚を経験すること。

・無理強いしないこと。視覚化の鍛錬はすべきだが、本番で実行する脳と身体に任せることを忘れないように。

・即効力を期待しないこと。朝晩、一回ずつ視覚化の練習をする。しばらくの辛抱で、必ず技術は向上する。

・視覚化によって肉体的トレーニングの不足を補おうなどと考えないこと。視覚化と練習ボールを打つことは、どちらも欠かせないものだ。

・ラウンドやコンペの前に、視覚化のおさらいをする。成し遂げたいものを前もって視ておく。

(February 9, 2000)


第一打を成功させる

スポーツ心理学者Dr. Tom Dorsel(トム・ドーセル博士)のその日の最初の一打を成功させるコツ。

'The Complete Golfer'
by Tom Dorsel, Ph.D. (Allyn and Bacon, 1996, $19.00)

「最初の一打は、その日一日のドライヴァーとの付き合いを決定する重要なものである。プレイ前の練習でも、その最初の一打に焦点を合わせる。無造作に目標を選ぶのではなく、No.1を想定した目標を選んで練習する。他のクラブの練習が終っても、再度No.1に合わせたドライヴァー・ショットを数分間練習する。最良の方法は、ドライヴァーで150ヤード打つという方法だ。理想的な軌道は必要だが、距離を限定する。このイーズィなスウィングが、かなり遠くへ飛ぶことにびっくりするだろう。

No.1に向うまでに、数分間努力してスウィング・キイ(遵守事項)か素晴らしいショットのイメージに集中すること。

No.1ティーに立つと、『とにかく、どこか前方のフェアウェイかショート・ラフ』というような曖昧模糊な目標でヒットしがちになる。ぼんやり宙を見るのではなく、グリーンを狙う場合にピンを目標にするように、もっと地点を特定すること。

ワッグルしながら、スウィング・キイを思い浮かべる。慌てて打ち急がないこと。とはいえ、失敗を予期するような雑念が浮かび上がる前に打ち終ること」

(February 18, 2000)


Weの話

'The Game for a Lifetime'
by Harvey Penick with Bud Shrake (Simon & Schuster, 1996, $10.00)

インストラクターHarvey Penick(ハーヴィ・ピーニック)は謙虚のかたまりのような人で、一時間のスピーチの間"I"(私)という言葉を一度も使わなかったこともあるそうです。ただし、これはとても難しいことなので、彼は"We"を使おうかと考えたそうです。「そんな時、私はたまたまMark Twain(マーク・トウェイン)の文章を読んだ。それによれば、『"I"の代わりに"We"を使っていい人物は以下の三つのどれかである。一番目、国の大統領か州の知事。二番目、編集者。三番目、身体にさなだ虫を飼っている人』これを読んで、私は"We"を諦め、"I"に戻ることにした」

(February 21, 2000)


ゾクゾクする話

'The Majors'(ザ・メイジャーズ)の著者による、ゴルフの大著一巻目で、長期ベストセラーとなっているものです。私がアメリカに来る前の出来事なので、ほとんど知らないことばかり。'The Majors'は自分がTVで詳細を見聞きしたトーナメントの話ばかりでした。不思議ですが、TVで見ていたことの裏側を知る方が格段に面白いのです。どちらの本にもゾクゾクする話は出て来るのですが、'A Good Walk Spoiled'はやや物足りない感じです。

[spoiled]

'A Good Walk Spoiled'
by John Feinstein (Little Brown Company, 1995, $13.95)

【編註】書名はMark Twain(マーク・トウェイン)の言葉"Golf is a good walk spoiled."から来ています。訳すのが難しいのですが、「ゴルフってのは、いい散歩を台無しにする遊びだ」というような意味です。

「Tom Lehman(トム・レーマン)がMasters優勝に二回連続で挫折した時、ツァー仲間のRobert Wrenn(ロバート・レン)は、こう云った、『三位一回、二位一回。主催者は少なくとも彼にグリーンのシャツぐらいは上げるべきだよ』と。

1991年のthe Masters(マスターズ)二日目、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)とTom Watson(トム・ワトスン)がペアでプレイした。Watsonは68で廻り、トーナメントをリードしていた。二人がNo.18のフェアウェイを歩き始めると、大観衆は総立ちになって拍手。いつも早足のWatsonは、グリーン近くでNicklausを待つために立ち止まった。
Nicklausは停止し、「あんたが先だ」と云った。
「一緒に行くんですよ」
「トーナメント・リーダーはあんただよ」
「あなたはJack Nicklausなんですから」
二人はしばしそこに佇み、笑いあい、お互いに相手を押し出そうとした。結局、二人は一緒にグリーンへと歩を進めた。(原注:この話であなたがゾクゾクしなかったら、多分ゴルフはあなた向きのスポーツではないかも知れない)

1994年のTurnberryにおける全英オープン最終日、トーナメント・リーダーNick Price(ニック・プライス)は最終ホールの二打目をグリーンど真ん中にオンさせた。Priceの身体中をゾクゾクする感じが駆け巡っていた。この勝利の行進をどれだけ待ち望んだことだろう。British OpenのNo.18で、2パットしても優勝なのだ。彼は何か云おうとしてキャディの"Squeeky" Medlen(スクウィーキイ・メドレン)に顔を向けたが、Medlenの姿が見えない。Medlenは、Nick Price一人がこの晴舞台の主役であるべきだと考え、ずっと後方に下がって歩いていたのだった。『とんでもない!』 PriceはMedlenに向かって手招きした。『来いよ、スクウィーク』とPriceは云った。『一緒にこの瞬間を楽しもうじゃないか。こういうチャンスがもう一回あるかどうか、誰にも分らないんだから』 というわけで、二人は一緒にグリーンへと歩いて行ったのだった」

幸い、この年のPGA選手権でもPriceが優勝し、二人揃っての勝利の行進は続いたのでした。残念ながら、"Squeeky" Medlenは数年前に病死しました。TVのゴルフ中継で、フェアウェイを歩くプロを移動撮影することがよくあります。プロ達は「お母ちゃん、見てる?」とか云うのが常ですが、Priceの場合は「"Squeeky"、これが終わったら病院に会いに行くよ。待っててくれ」と云っていました。最後まで病院通いで"Squeeky"を慰め、病没後の最初の勝利を"Squeeky, this is for YOU."と捧げました。

「1995年、Mastersの直前にNew Orleans(ニューオーリンズ)で開催されたFreeport-MacDermott Classic(フリーポート=マクダーモット・クラシック)。これに優勝するのがMastersに招待される最後のチャンスとあって、結構多くの有名プロが参加する。前年不調だったDavis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)もMastersが目的で参加していた。

丁度その頃、Harvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)は90歳で死の床にあり、愛弟子Tom Kite(トム・カイト)がつききりで看病していた。Davis Love IIIの父でありコーチのDavis Love Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)がHarvey Penickと親しかったため、Davis Loveは少年の頃から、ちょくちょくHarveyにスウィングを見て貰っていた。Davis Loveが優勝を決めた時、Tom Kiteは直ちに病床のHarvey Penickにニュースを伝えた。『Davisが優勝しましたよ!Mastersに出られるんです!』Harveyは言葉を発することが出来ないほど弱っていたが、両手を上げて拍手する仕草をした。彼はこの一時間後に亡くなった。

Harvey Penick逝去の報は、Tom Kiteから兄弟弟子Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)に即刻伝えられた。彼はFreeport-MacDermott Classicの前年度優勝者だったため、New Orleansにいた。Ben Crenshawは悲しい知らせをDavis Love IIIに伝えた。
Davis:『折角優勝したのに、幸福感が失せてしまう』
Ben:『そんな風に考えちゃいけない。君はHarveyに最後の喜びを上げたんじゃないか』
Tom KiteとBen Crenshawは棺(ひつぎ)を担う中心人物に予定されていた。Davis Love IIIも葬儀に出たがった。Ben Crenshawは『Augustaで早めに練習する方が大事だ。Harveyだって、君がMastersに準備OKであることを望む筈だ。来ちゃいけない』と説得した。Davisはその意見に従った。

葬儀の四日後、Mastersの優勝はBen CrenshawかDavis Love IIIのどちらかに絞られていた。一生の恩師Harvey Penickの死に誰よりも痛みを感じていたBen Crenshawは、No.16、No.17とバーディを連取し、Davis Loveとの均衡を破ってMasters二回目の優勝を遂げた。最後の2フィートのパットを入れた時、彼はガックリと膝を折り、涙が溢れ出る顔を両手で覆った。Davis Love IIIはこのシーンを記者会見の席上、TVモニタで見ていた。後に彼は云った、『あんなに大勢の記者がいなければ、私も泣きたかった…』」

著者のJohn Feinstein(ジョン・ファインスタイン)は、ゴルフのテクニックについて書くことをしません。勿論、プロ達のスウィングやパッティングの好不調や、トーナメントでは競争相手の筈のプロ達が、虚心に教え合う様などは描写します。しかし、彼個人のスウィング理論などは持ち出しません。唯一の例外は、以下の箇所です。

「毎年何百万ドルものお金がゴルフ・レッスンに費やされ、何百万語もの文章がスウィングについて書かれている。しかし、ゴルフにはたった二つの基本があるだけだ。グリップとスタンスである。もし、あなたがひどいグリップとひどいスタンスでプレイしているとすれば、あなたが上手にプレイ出来るチャンスは非常に少ない」

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(February 23, 2000、改訂May 29, 2015)


座骨神経痛

単なる筋肉痛かと思っていた私の左大腿後部と下腿後部の痛みは、数日安静にしていても消えませんでした。横になっていてさえ痛むようになってしまったので、一週間目になって友人で外科医のMike(マイク)の診察を頼みました。彼は整体療法の医師でもあるので、こういう症状には最適です。「膝の下を叩いた時の腱反射や、足の各部に力をこめるテストは正常なので、椎間板ヘルニアではない。Fred Couples(フレッド・カプルズ)と同じ、座骨神経痛である」という診断でした。

'Fred Couples'
by Kathlene Bissell (Contemporary Books, 1999, $23.95)

「Fred Couples(フレッド・カプルズ)は三つのトラブルを持っていた。先ず、椎間板ヘルニア。第二に、プロ・ゴルファーとして衰え始めたこと。Doral C. C. で仙腸関節周辺の筋肉と神経組織を痛めたこと」とありますので、私より重いようです。仙腸関節とは、背骨の下端が腰骨の中に納まる辺りの関節です。

椎間板ヘルニアの原因は、骨と骨を繋いでいる椎間板の髄核というゼリー状の物質がなんらかの原因で飛び出してしまうというもの。足の各部に力が入れられなくなったり、ひどい場合には足指が麻痺したりするそうです。

座骨神経は人体で最も太く、長さも1m以上あるという珍しい神経で、腰椎下部から大腿後部を経て下腿の前・後ろへと伸びているそうです。私の痛みは「大腿後部および下腿後部」ですから、そっくり当てはまります。Mikeによれば、私のは神経が椎間板に挟まれているのではないかとのこと。ヒート・パッドで十分温めてからカイロプラクティック風療法をして貰い、コーチゾンの注射で仕上げ。家でもヒート・パッドを使い、筋肉をリラックスさせる薬を服むことになりました。以上とストレッチングを併用することにより、挟まれている神経を元に戻そうという作戦のようです。

今後のリハビリ、および再発防止ですが、これが前に紹介した「腰痛体操」と全く同じなのです。やはり、この体操をさぼってはいけなかったのでした。

Mikeの「脚を伸ばしたまま、上半身を屈めてはいけない。しゃがむのも避けるように」という注意に、「それじゃあキャディを雇わなくちゃならない」と云ったら、「あんたも典型的なゴルファーだね。医者の注意を全然聞こうとしない」と笑っていました。彼の高齢の親父さんは、最近ついに寝たきりになってしまったようですが、それまでは病院(手術)→ゴルフ場→病院(手術)→ゴルフ場ということを繰り返した不死鳥のような存在でした。Mikeもゴルファーですから、ゴルファーの気持ちはよく分っているわけです。

折角マジックコックが花開きかけたところなので、この中断は非常に残念です。肩の先端が痛んだ時にもコーチゾンの注射をして貰い、あの時はすぐに効果がありました。今回も期待したいところですが、少なくともあと一週間は養生しなければならないでしょう。

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