公開：1974
監督：Robert Aldrich
地域：ジョージア州
出演：Burt Reynolds、Eddie Albert、Ed Lauter、James Hampton、Michael Conradほか
範疇：コメディ／刑務所／フットボール

私の評価 ：☆☆

【Part 1】

ジョージア州。Burt Reynolds（バート・レイノルズ）はフットボールのスーパースターと騒がれた男だったが、今や金持ちの女に飼われている身分だった。しかし、人を種馬のように扱う女に腹を立て、彼女の家を飛び出る。「私の車に触らないで！」という制止も聞かず、最新のスポーツ・カーをぶっ飛ばす。女の連絡でパトカーが鈴なりになって追いかけて来る。Burt Reynoldsは車を波止場に沈めて逃げようとするが、時既に遅く逮捕されてしまう。

18ヶ月の重労働の刑となり、ジョージア州刑務所に送られる。看守長のEd Lauter（エド・ローター）は看守勢で編成したフットボール・チームのコーチ兼キャプテンだった。所長のEddie Albert（エディ・アルバート）は、この看守チームを全米セミ・プロ・トーナメントで優勝させたがっていた。所長はBurt Reynoldsにコーチを頼むが、「18ヶ月耐えて出て行くだけだ」と断られる。

所長Eddie Albertは新しいアイデアを思いついた。囚人チームを組織させ、Burt Reynoldsにクォーターバックを勤めさせ、看守チームの踏み台にするのだ。ある日、Burt Reynoldsが些細なことで看守長Ed Lauterを殴ったことから、所長 Eddie Albertはここぞとばかり「囚人チームのキャプテンにならなければ、暴力行為により刑期を五年延長だ」と脅す。

Burt ReynoldsとマネジャーJames Hampton（ジェイムズ・ハンプトン）は選手を集めて廻る。フットボール経験者は多い上に「看守を痛めつけることが出来る」と喜ぶ巨漢Richard Kiel（リチャード・キール）らが加わる。「ミーン・マシーン」と名付けられたチームは食事も特別待遇で重労働も免除され、練習に明け暮れる日々を送る。16mm映画を借りてフォーメーションの勉強、相手を殴るための固いバンデージを作る訓練、看守たちのX線写真を盗み出して身体的弱みを把握する講義などが展開する。

そして、一般市民を招いての公開試合が始まる。女装した黒人囚人達がチア・リーダーを勤める。序盤、看守チームは囚人チームを圧倒し、所長Eddie Albert を喜ばせる。しかし、囚人チームは次第に波に乗り、ついに看守チームを凌ぐスコアでハーフタイムとなるのだが…。

'Vera Cruz'『ヴェラクルス』(1954)、'Attack'『攻撃』(1956) 、'The Dirty Dozen'『特攻大作戦』(1967) など、数々の傑作を作ったRobert Aldrich（ロバート・アルドリッチ）だけあって、その緩急のテンポと見せ方のテクニックは素晴らしい。試合開始の辺りで、画面を分割して同時進行でいくつかのシーンを見せます。スローモーションを最後の最後まで使わないのも賢明です。

私は'Smokey and the Bandit'『トランザム7000』(1977)のようにヘラヘラ、ニタニタするBurt Reynoldsが嫌いで、彼の映画は普通敬遠します。しかし、ここでは'Deliverance'『脱出』(1972)のタフガイのイメージを引き摺っていて、驚くべきことに凄く真面目なのです。「（チームには）プライドと尊厳（dignity）が必要だ」などとまで云うのです。信じられます？彼は実際にカレッジ・フットボールのスターだったそうです。彼の他にも、何人も元プロや元カレッジのスター達が試合のシーンに出ているそうですが、どれがどれやら見分けがつきません。

看守長役のEd Lauterの好演も見逃せません。その尖った顔、鋭い目、タフな演技。最後にBurt Reynoldsに一目置くようになる男気を見せる儲け役です。

この映画のクレディット・ロールの最後の謝辞が凄い。「ジョージア州知事 Jimmy Carter（ジミィ・カーター）に感謝する」と出ます。そう、1976〜1980 年に大統領を勤めたJimmy Carterは1971〜1975年までジョージア州知事だったのです。続く謝辞は、「Reidsvilleのジョージア州刑務所の囚人一同に感謝する。彼等の協力なくしてこの映画は出来なかった」というもの。本当の囚人達を映画に出しちゃったようです。それも凄い。

(July 07, 2002)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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