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Walk on the Wild Side

『荒野を歩け』


[Poster]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1962
監督:Edward Dmytryk
地域:ルイジアナ州ニューオーリンズ
出演:Laurence Harvey、Capucine、Jane Fonda、Anne Baxter、Barbara Stanwyckほか
範疇:原作もの/純情な青年と娼婦のロマンス/高級売春サロン/ドラマ

私の評価 :☆1/2

【Part 1】

1930年代のテキサス。Laurence Harvey(ローレンス・ハーヴェイ)はヒッチハイクでニューオーリンズを目指している。日が暮れて、路傍の大きな土管の一つで寝ようとすると先客がいた。やはりニューオーリンズへ行こうとしている小娘Jane Fonda(ジェイン・フォンダ)だった。彼女は彼の財布を狙ったりする油断のならない娘だったが、Laurence Harveyが鷹揚に許すのでJane Fondaは彼が好きになる。

大きなトラックの荷台に便乗させて貰った時、Jane FondaがモーションをかけるがLaurence Harveyは拒否する。彼は三年前に事情があって別れた恋人をニューオーリンズに探しに行くところなのだ。寡黙だった男が、恋人との出会いをロマンチックに話すのでJane Fondaは嫉妬する。

[the South]

二人はニューオーリンズ郊外のカフェに入る。メキシコ系の女主人Anne Baxter(アンバクスター)が一人でやっている店だった。食事を済ませた時、Jane Fondaは仮病を使って女主人の寝室に寝せて貰い、金目のものを盗む。店を出てから、Jane Fondaが女主人のロザリオを盗んだことを発見したLaurence Harveyは、Jane Fondaと別れてAnne Baxterにロザリオを返しに行く。

Laurence Harveyの旅の目的を知ったAnne Baxterは「新聞に尋ね人の広告を出しなさい。連絡先はここにして、当分うちで働きなさい」と勧める。

ニューオーリンズの高級売春サロンの経営者Barbara Stanwyck(バーバラ・スタンウィック)は新聞広告を見て、それが店でナンバーワンの美女Capucine(キャプシーヌ)のことだと悟るが、当人には伝えない。

Capucineはニューヨークの美術学校に通っていたのだが、芽が出ずクサっていた時にBarbara Stanwyckに拾われてニューオーリンズに来たのだった。三年も“楽な”商売をしているうちに、もう抜け出す元気は消え失せていた。

Laurence Harveyに電話があり、Capucineの情報が入る。彼はすぐ告げられた住所に飛んで行く。Capucineは自分が娼婦に落ちぶれた身であることを告白しようとするが、あまりにも純真なLaurence Harveyの態度に打たれて云い出せない。サロン経営者Barbara Stanwyckは売れっ子のCapucineを失うことを恐れ、二人の中を裂こうとする。

Laurence HarveyはCapucineに結婚を申し込む。Capucineは真実の姿を見せて、彼にショックを与える。Laurence Harveyの恋が実らなかったことを知ったカフェの女主人Anne Baxterは、彼に自分の愛を打ち明ける。その頃、Barbara StanwyckはJane Fondaを刑務所から助け出して店に出そうとしていた。彼女はJane Fondaを材料にLaurence Harveyを未成年誘拐ならびに強姦容疑でたれ込むという悪計をめぐらせる…。

御覧のように、これは邦題の『荒野を歩け』などという冒険ものでもなく、allcinema ONLINEがこの映画のジャンルを位置づけている「西部劇」などでもありません。純然たるメロドラマです。

しかもAnne BaxterもJane Fondaもアカデミー賞受賞者ですし(Anne Baxterは1947年助演女優賞、Jane Fondaは1972年と1979年の主演女優賞)、Barbara Stanwyckも一枚看板で主演を張っていた大女優です。凄い顔ぶれです。

Jane Fondaは出番は少ないですが、印象に残る悪ガキぶりと、最後にはLaurence Harveyを助ける儲け役を演じています。この映画は白黒なのですが、白黒で見ると彼女の顔は父親にそっくりです。

Barbara Stanwyckは女盛りを過ぎたきつい女経営者を堂々と演じています。貫禄です。

Anne Baxterはメキシコ訛りで話す気のいいカフェの女主人を、愛らしく演じて同情を誘います。

Capucineは気位が高く我がままな役なので、あまり共感を呼びません。

売春サロンの用心棒を演じるRichard Rust(リチャード・ラスト)が、渋くハンサムで非情な男を好演しています。彼が出て来ると画面が締まります。

IMDbのデータによれば、チョイ役でLee Marvin(リー・マーヴィン)が出ていることになっていますが、DVDにそんなシーンはありませんでした。

この映画はタイトル・デザイナーSaul Bass(ソウル・バス)の29本目の作品で、'West Side Story' 『ウェストサイド物語』(1961)の翌年の仕事でもあります。もうアニメも厭きたということか、この映画では土管の暗闇から黒猫が出て来て、歩くところを横からとか真上からとか、足元だけとか、白猫との闘争とかを織り交ぜ、全て実写で処理しています。本編に入ると人間が土管に入るので、ちゃんと内容とマッチさせているわけです。

白黒の撮影・画面構成は格調高く、水準以上です。Elmer Bernstein(エルマー・バーンスタイン)作曲のジャズィーな音楽と主題歌'Walk on the Wild Side'も聞き物です。

(January 09, 2007)



Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。




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