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Fried Green Tomatoes

『フライド・グリーン・トマト』

[Poster]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1991
監督:Jon Avnet
出演:Kathy Bates、Mary Stuart Masterson、Mary-Louise Parker、Jessica Tandyほか
範疇:原作もの/ドラマ

私の評価 :☆☆1/2

【Part 1】

Kathy Bates(キャスィ・ベイツ)演ずる倦怠期を迎えた、肥満気味の主婦Evelyn(エヴリン)は、夫とバーミングハム(アラバマ州)にあるナーシング・ホームの義母を訪れた際、Jessica Tandy(ジェシカ・タンディ)演ずるNinny(ニニィ)という82歳の老女と知り合う。

暇を持て余している老女Ninnyは、彼女の一族の話を始める。1900年代の初め、アラバマ州の片田舎。少女Idgie(イジィ)は兄と彼の女友達Ruth(ルース)と散歩に出る。風に飛んだRuthの帽子を拾いに行った兄は、線路に足が挟まって動けなくなり、二人の目の前で轢死してしまう。優しい兄を失ったIdgieは、深く傷つく。

Idgieは娘盛りになったが、まだ兄の死を引き摺っていて、姿も行動もまるで男の子のよう。心配した母親がRuthを呼んで滞在させる。余所余所しい二人だったが、冒険を共にしたりして、やっと打ち解ける。しかし、Ruthに縁談があり、間もなく彼女は隣りの州ジョージアに嫁いで行ってしまう。

Ruthの結婚は幸福なものではなかった。夫はRuthに痣を作るほど乱暴だった。Idgieは忠実な黒人と共にRuthを救い出し、Ruthと二人で駅前にWhistle Stop Cafe(ウィスル・ストップ・キャフェ)という食堂を開店する。Ruthが子供を生んだ時、別れた夫が銃を持って乗り込んで来て赤ん坊を攫おうとする。老婆Ninnyは、Idgieがその男を殺したと云うのだが…。

何度かに分けてNinnyを訪れ、上のような話を聞いていくEvelynに変化が現われる。冷え込んだ結婚生活を何とか元に戻したい、自我を出したい、体重も減らしたい…と、様々に積極的な行動を始める。

Ninnyの話は、いよいよ殺人事件の核心に入って行く…。

終始美しい画面、興味深い話が連続し、決して厭きさせません。Evelynの結婚生活にまつわる部分は結構コミカルに描かれていますが、倦怠期の男女双方にいい薬になる話です。ポスターやヴィデオの外箱では、この映画はお喋りな女四人によるホームドラマのように見えます。実は私もそう誤解したのです。しかし、かなりドラマチックな内容です。映画はEvelynの生活と数十年前の思い出話がない交ぜに提示されますが、スムーズで淀みなく展開しています。

タイトル・バックで川から引き上げられる車を見せ、何が起ったのか?という興味を掻き立てます。続いて、主婦Evelynが田舎道で列車の音を聞き、通過する列車が巻き上げる枯葉、古い駅舎の窓ガラスに微かな列車の影を見ます。素晴らしいイメージです。夫に「列車、見た?」と聞きますが、夫には列車は見えません。野球場に天使を見る人と見ない人の差でしょう。

「フライド・グリーン・トメイトゥ」は「フライド・オクラ」と並ぶ南部名物の料理です。青いトマトを横に薄切りにしたものに塩胡椒し、コーンミールを付けて揚げたもの(レシピ後述)。赤いのと違って青いトマトはいつでも手に入るわけではありませんが、南部の食料品店では四季を通じて売られています。ある仕事でニューヨークからやって来たお二人を、私の町で一番古い、由緒あるレストランにお連れしました。二人の目当てはフライド・グリーン・トメイトゥだったのですが、夕食のメニューには見当たりません。一旦諦めたのですが、店主が巡回して来た時に「遠来のお客さんが食べたいと云ってるんだが」と頼むと、"O.K. No problem."と云って、ちゃんと出してくれました。お二人は念願叶って大喜びでした。

【フライド・グリーン・トメイトゥズの作り方】

(これは原作の巻末に掲載されている、Whistle Stop Cafeで使われていたとされるレシピです)

・中サイズの青いトマト(一人に一個)
・塩
・胡椒
・白コーンミール(挽き割りトウモロコシの粉)
・ラード(原文ではベーコンを炒めた時に出る油となっていますが、日本のベーコンは脂身が少ないですからラードで代用すべきでしょう)

トマトを6mm位の厚さにスライス。塩胡椒した後、両面にコーンミールを付けます。大きいフライパンにラードを熱し、脂がフライパン全体を被うようにします。トマトの両面が茶色になるまで揚げます。

(March 6, 2001)


[Mix]

食料品店で見つけたミックスです。60年前にオープンした'The Irondale Cafe'という、映画の原作者がモデルにした食堂の“秘密の”味付けによる小麦粉ミックスです。グリーン・トメイトゥを購入し、水で溶いたミックスにつけて揚げ、仕上げに塩を振ればいいだけになっています。オニオン・リングやカボチャ、ナス、マッシュルームなどにも使えるそうです。箱には食堂の外観と蒸気機関車が描かれています。原作者のFannie Flaggの推薦の言葉とサインまで入っています。

この箱のレシピによればフライパン使用時は190℃、天麩羅鍋では150℃が適温だそうです。グリーン・トメイトゥは赤い(あるいはピンク)色になっていない、完全に青いものを選ぶことと書かれています。食べた時のサクサク感が大事だからだそうです。

(Aril 27, 2001)




Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。




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