[English] [Japanese Home] [Studio BE] [America Offline] [公民権運動] [英語の冒険] [英語の冒険2] [Golf] [Hummingbird]



[Banner]



Tom and Huck

トム・ソーヤーの大冒険


[Poster]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1995
監督:Peter Hewitt
地域:ミズーリ州
出演:Jonathan Taylor Thomas、Brad Renfro、Eric Schweig、Charles Rocket、Michael McShaneほか
範疇:原作もの/リメイク/少年もの/殺人事件/洞窟での遭難

私の評価 :☆

【Part 1】

1993年にElijah Wood(イライジャ・ウッド)主演の'The Adventures of Huck Finn'を脚本・監督したStephen Sommers(スティーヴン・ソマーズ)が、今度は共同製作者・共同脚本でTom Sawyer(トム・ソーヤー)に挑戦。過去の“Tom Sawyerもの”との違いを際立たせるためか、かなり自由な脚色をしています。

南北戦争前のミズーリ州の小さな町。ある医師がEric Schweig(エリック・シュヴェイグ)演ずるInjun Joe(インディアン・ジョウ)に、2ドルで墓の掘り起こしを依頼する。Joeは凄みを利かせて3ドルに上乗せさせる。

Jonathan Taylor Thomas(ジョナサン・テイラー・トーマス)演ずる孤児のTom Sawyerは、弟と共に叔母さんの家で育てられている。Tomは学校には遅刻し、夜中に家を抜け出して友達と筏(いかだ)下りをするようないたずら小僧。叔母さんがお仕置きで長い塀のペンキ塗りを命ずると、通りかかる子供たちに「ペンキ塗りは楽しい」と思い込ませ、彼らの宝物を巻き上げてペンキ塗りを代行させる。

Brad Renfro(ブラッド・レンフロー)演ずる孤児Huck Finn(ハック・フィン)はTomの友達である。Huck Finnは死んだ猫を袋に入れて歩いていた。イボの治療のために手に入れたと云う。「真夜中に墓場へ行くと悪魔が出て来る。悪魔は死者にくっついて行く。死んだ猫が悪魔にくっついて行き、イボは猫にくっついて行く」今夜決行するというHuck Finnに「おれも行く」とTom。

真夜中、TomとHuckが墓場へ行くと先客がいた。町の医師とインディアンのJoe、それにMichael McShane(マイケル・マクシェイン)演ずる呑んだくれのMuff Potter(マフ・ポッター)だった。医師がある墓を掘るように命じ、JoeとMuff Potterが古い棺を掘り出す。中から白骨と宝の小箱のようなものが転げ出る。医師が箱を大事そうに抱えると、Joeがそれを奪う。医師が墓石でインディアンJoeを殴ろうとして誤ってMuff Potterを殴って気絶させる。JoeはMuff Potterのナイフを使って医師を何度か刺して絶命させる。TomとHuckは逃げ出すが、Tomのポケットから緑のビー玉が転げ落ちる。目撃者の存在に気づいたJoeがそのビー玉を拾う。

TomとHuckはお互いの身の安全のために、その晩見たことを口外しないことを誓い、板切れにその旨を書いて血で署名する。

翌日、呑んだくれのMuff Potterは医師殺害の廉(かど)で逮捕される。インディアンのJoeは罪をMuff Potterになすりつけ、宝の地図の存在も否定する。Tomは仲良しのMuff Potterが縛り首になりそうなので心を痛め、Huckと「宝の地図を見せれば人々もMuff Potterの無実を信じるに違いない」と相談する。

TomはRachael Leigh Cook(レイチェル・リー・クック)演ずる判事の娘Becky(ベッキィ)に惚れていた。彼女に「キミ、婚約してる?」と聞き、「してない」との返事に「じゃ、ボクと婚約しよう」と持ちかける。二人は互いに"I love you."と云い、軽くキスする。Tomは婚約指輪の代わりに古いドア・ノブをプレゼントする。「綺麗ね」と喜ぶBeckyに、「Amy(エイミィ)と婚約した時は…」と云いかけ、「え?私が初めてじゃないの?あんたなんか死んじゃえ!」とBeckyを怒らせる。

TomとHuckはカヌーでミシシッピ川の中の島へ渡るインディアンのJoeを追う。彼のポケットから宝の地図を盗み出さなければならない。身体中に泥を塗りたくった二人は、眠っているJoeに近づくが、もう一歩のところでTomがくしゃみをして失敗する。

町へ戻る途中、二人が廃屋に入ると、なんとインディアンのJoeとその仲間がやって来た。宝物はその家の暖炉の中に隠されていたのだ。箱の中身は山ほどの金貨だった。

教会ではTomの葬儀が行なわれていた。彼の帽子が川で見つかり、人々はTomが溺死したと思ったのだ。二人は天井裏で判事の弔辞を聞いていたが、Huckが「姿を見せてやれ」とTomを押すと、Tomは天井板をぶち抜いて会衆の中へ落下する。人々は呆れ果て、BeckyはTomにビンタを食わす。

インディアンのJoeはビー玉の主はTomであることを突き止め。「喋ったら殺す」と脅す。いよいよ、明日は裁判である。絞首台の準備も整い、Muff Potterは恐怖に震えている。Tomは悩む。Muff Potterを見捨てることは出来ないが、証言すればHuckとの誓いを破ることになる。Tomは眠れない…。

"inspired by Mark Twaine's novel"とは書かれてないのですが、そうあってもいいほど細かい点は自由に脚色されています。最近の子供たちに受けようとしたのか、主人公二人の顔立ちや髪型、服装なども現代風です。Tomを演ずるJonathan Taylor Thomasはまあ悪戯っ子らしい風貌ですが、Huckを演ずるBrad Renfroはロック歌手と云ってもいいような細く色白のハンサム。彼は'The Client'『ザ・クアイアント/依頼人』(1994)で、たった1ドルでSusan Sarandon(スーザン・サランドン)に保護を依頼する少年を演じました。

この映画で最も感心したのは音楽です。バンジョー、ハーモニカ、ヴァイオリンなどのカントリー・ミュージックが明るく画面を引き立てます。映像も綺麗です。私が観たのはVHSですので、DVDだったらもっと美しいかも知れません。

この版はスリルとサスペンスを追求した“Tom Sawyerもの”と云え、その点ではよく出来ています。その代わり、ユーモラスな場面やのどかな田舎町の風情はあまりありません。どれも帯に短したすきに長しですなあ。

(February 20, 2007)



Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。




Copyright © 2001-2011    高野英二   (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.