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公開:2000
監督:Joel Schumacher
地域:ルイジアナ州
出演:Colin Farrell、Matthew Davis、Clifton Collins Jr.、Shea Whigham、Cole Hauserほか
範疇:ドラマ/ヴィエトナム戦争/陸軍訓練基地
私の評価 :☆
【Part 1】
ヴィエトナム戦争(1954〜1975)の真っ只中の1971年9月。ルイジアナ州の訓練基地で多数の初年兵が訓練されていた。八週間にわたる訓練の後、ヴィエトナムそっくりのスワンプ(湿地)のTigerland(タイガーランド)で一週間の野外演習を行い、その後彼らはヴィエトナムに送り込まれるという手順だった。
物語はニューヨーク出身で大学出のMatthew Davis(マシュー・デイヴィス)の視点で語られる。彼が属する小隊に、不敵な笑みを浮かべて“トラブルの因を作り出す名人”のColin Farrell(コリン・ファレル)が加わる。のっけから目立つような行動を取り、訓練係軍曹のいびりの対象となる。
Colin Farrellは只の問題児ではなかった。彼は親分肌で、戦争に向かないと思われる数名の同僚に助言を与え、無事除隊になるように仕向けてやる。行動力もあるので、いつしか彼のリーダーシップは司令官や訓練係軍曹も認めざるを得ない状況となる。しかし、Colin Farrellを快く思わない同僚もいて、いつしか対立の溝は深まる一方となって行く。
そして、ついに「世界で二番目に最悪の場所」Tigerlandに向かう日がやって来る…。
'Phone Booth' 『フォーン・ブース』(2003)の監督、主演者が初めて顔を合わせた一作。'Phone Booth'は12日間で撮り上げたそうですが、こちらも28日間で撮影を終了したそうです。つまり、早撮り映画のコンビというわけです。低予算も大事な要素のようで、こちらにはヘア・ドレッサーやメークの係もなく、俳優のためのトレイラーも、セットの中の椅子すらも無かったそうです。Colin Farrell以外はほぼ無名の新人ばかり。訓練基地の舞台は、フロリダにある軍の飛行場跡地を使い、最初の方で出て来る女優二名もその地元で雇った役者だとか。
説明されなければ、これが早撮りで作った映画とは思えない程まっとうな出来栄えです。手持ちカメラの多用も「観客に臨場感を与えて現場に引き込むための手段」(監督談)だそうですが、無意味にグラグラさせたりせず、パンも妥当なスピードで行われているので好感が持てます。夜間、ほぼ逆光だけで撮った極度にローキイの場面がありますが、これもまあリアルと云えばリアル(もう少し手前の照明を足してもよかったが)。
演技陣のうち若者たちはそれぞれ初々しいところが初年兵にふさわしく、訓練係軍曹や司令官など中年層もリアリティがあってまずまず。Colin Farrellの役はちと英雄化され過ぎているきらいはありますが、この翌年に公開された'American Outlaws'(2001)に見られる彼の明るい面がうまく引き出されています。後半に出て来るヴィエトナム帰りの教官役のCole Hauser(コール・ハウザー)は、得な役廻りでいつもながら場を引き締めていています。
(April 24, 2003)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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