公開：1994
監督：Jon Avnet
出演：Elijah Wood、Kevin Costner、Mare Winningham、Lexi Randallほか
範疇：ドラマ／ヴィエトナム戦争後遺症／少年少女／アドヴェンチャー

私の評価 ：☆

【Part 1】

1970年の夏、ミシシッピ州の片田舎。Kevin Costner（ケヴィン・コスナー）はヴィエトナム戦争から帰還するが、家はシロアリがはびこって倒壊、戦場の悪夢にうなされるため職も転々とする有り様。さらに戦友を置き去りにして生還した自分を許せず、妻や子供達からも距離を置いて暮している。

彼の息子Elijah Wood（イライジャ・ウッド）は二人の親友と、800年にはなろうかという大きく立派な樫の木の上に砦を作ろうとしていた。彼の姉Lexi Randall（レクシー・ランドール）には黒人の仲良しの娘が二人いて、この三人も樫の木の砦建設に乗り気だった。男の子達は女の子の参加を嫌がるが、一発勝負の賭けに破れ、男女共同の建設となる。

Kevin Costnerはハウジング・オークションに出向き、気に入った空き家に入札する。幸運を祈ってElijah Woodに封筒にキスさせる。

Kevin Costnerが職にありつく。それは炭鉱の中の排水管の保守作業で極めて危険な仕事だった。落磐が起り、黒人の同僚が岩に挟まれてしまう。Kevin Costnerの必死の努力で救出に成功するものの、二回目の落磐が起りKevin Costnerを直撃する。

廃品回収業の男には五人の息子と一人娘がいた。親が乱暴にKevin Costnerに絡んだように、この六人の子供達もElijah Woodのグループを目の敵にしていた。Lexi Randallは廃品の山から様々なものをくすねては樫の木の砦の小屋を増強する。ある日、敵のグループが見覚えのある廃品に気が付き、「この小屋は俺たちに寄越せ」と主張し、ここに6対6の“戦争”が勃発する…。

これは戦争が生死にかかわらず人間の生活を破壊する暴力であることを伝えると同時に、友情の大切さ、自分に恥じない行動を取ることの重要さなどを訴える映画です。原題'The War'（戦争）は大人の戦争、子供の戦争に掛けた言葉で、どちらも「闘うことは無意味だ」ということを暗示しています。

学校の女性教師は黒人生徒ばかりを後方の席にまとめたり、黒人の女の子がお喋りをしたと決めつけるような差別主義者です。娘のLexi Randallは「彼女は嘘をついていません。彼女は私の親友です」と弁護し、教師を呆れさせます。邦題の『8月のメモワール』は、彼女が教室で読み上げる作文のタイトルです。

Elijah Woodは2001年から公開される'Lord of the Rings'『ロード・オブ・ザ・リング』の主役を演じます。ここでは、父親の教えを受け継ぎ、勇敢で友達思いになる少年を素直に演じています。

後に'Sling Blade'『スリング・ブレイド』、'Ghosts of Mississippi'『ゴースト・オブ・ミシシッピー』、『クレイジー・イン・アラバマ』、'All the Pretty Horses'『すべての美しい馬』などに登場するLucas Black（ルーカス・ブラック）が、“敵”の悪たれグループの一人で出ています。これが映画初登場だそうですが、不敵に笑ったりして既に度胸のいい演技を見せています。

(June 01, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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