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公開:1993
監督:Jon Amiel
地域:テネシー州
出演:Richard Gere、Jodie Foster、Bill Pullman、James Earl Jonesほか
範疇:1982年製作の仏映画のリメイク/南北戦争直後/帰還した夫の真偽/裁判/ドラマ
私の評価 :☆
【Part 1】
南北戦争直後の南部。北軍捕虜収容所を放免された南軍兵士Richard Gere(リチャード・ギア)が男の死体に小石を積んで墓を作っている。彼は野を越え、町を過ぎ、歩きに歩く。ある村にやって来ると、彼は手に古く汚れたハンカチを巻く。畑で働く農民の名を呼びながら近寄って行く。農民は彼をこの辺の地主で六年前に従軍して死んだと思われていたJack Sommersby(ジャック・サマーズビィ)かどうか決めかねるが、短いやり取りの後、「Jack、よく戻った!」と抱擁し、「おーい!Jackだぞ、Jackが戻ったぞ!」と触れ回る。
大勢の村人に歓迎されながら、Richard GereはSommersby家の屋敷に近づく。妻のJodie Foster(ジョディ・フォスター)と息子が出迎える。二人はなかなか抱擁せず、ぎごちない間(ま)がある。やっと二人が抱擁すると村人たちが喝采する。犬がRichard Gereに向かって吠える。彼はハンカチを巻いた手を出して犬をなだめる。
ダンスパーティが開かれる。Richard Gereは、留守中Jodie Fosterを助けていたBill Pullman(ビル・プルマン)に「君も踊れ」と云うが、Bill Pullmanは義足を見せる。Jodie Fosterに惚れているBill Pullmanは「彼があんたに手を上げたりしたら俺が黙っていない」と云う(Jack Sommersbyは以前は粗暴だったらしい)。
Jodie Fosterが例の汚れたハンカチを燃してしまった翌日、何故か犬は殺されていた。靴を注文に行き、靴屋が保存していた足型を合わせると、Richard Gereの足は小さくなっていることが分る。
Richard Gereは村人を集め、「共同作業でタバコを栽培しよう」と呼びかける。欲しい人間は畑を自分のものに出来る」と云い、一生自分の土地が持てるなどと思っていなかったシェアクロッパーや黒人たちを感激させる。「しかし、種を買う資金はどうするのか?」という問いに、「それぞれ古道具や貴金属を持ち寄って、町で売るんだ」と答える。翌日、沢山の人々が骨董品などを持ってRichard Gereから預かり証を貰う。彼は馬車で都会へ出掛けて行く。
農民たちは苗床を作って待つ。Richard Gereは種を仕入れて戻って来た。Jodie Fosterは情熱的に彼を求め、二人は激しく抱き合う。畑に肥料を撒く。Jodie Fosterが倒れる。医師はRichard Gereに「心配ない。あんたが肥料をやったせいだ」と云う。妻は身籠ったのだ。
害虫が発生した。村人は害虫駆除に懸命になる。そこへ三人の流れ者がやって来て、Richard Gereに「ここがJack Sommersbyの土地か?」と聞く。Jodie Fosterが窓から見守っていると、夫は流れ者にナイフを突きつけて追いやる。Jodie Fosterが訳を聞いても、Richard Gereは興奮して答えない。町へ行った流れ者たちはBill Pullmanと出会う。
Bill PullmanはJodie Fosterに「あんたがJack Sommersbyだと思ってる男は偽物だ。流れ者たちから聞いた。あんたにそれが分らない筈はないのに、どうしてなんだ!」と詰め寄る。妻の疑念を察したRichard GereはJodie Fosterに「おれが誰であろうと、おれを愛しているか?」と聞き、Jodie Fosterはピストルを突きつけて「家を出て行って!」と叫ぶ。Richard Gereは「ここはおれの家だから、出て行かない」と答える。
突如、燃え上がる十字架が庭先に立てられる。馬に乗ったK.K.K.が数名やって来てRichard Gereを囲み、「黒人に土地をやったりするな!」と脅す。Richard Gereは彼らの銃を奪って追い返す。
Jodie Fosterは女の子を出産する。教会での洗礼を終え、最も幸福感に満たされているRichard Gereのところへ、馬に乗ったマーシャル(連邦執行官)二人が歩み寄り、Richard Gereに「ジャクスン(ミシシッピ州)で起った殺人の容疑で逮捕する。裁判はナッシュヴィル(テネシー州)で行なわれる」と告げる…。
これはRichard Gereが演じたいと自ら選んだ題材だそうです。もともとフランスの映画ですから、別にアメリカ南部でなくてもどこでもいいわけです。しかし、上の荒筋のようにこの物語の舞台はテネシー州かミシシッピ州と想定されます。撮影は全てヴァージニア州で行なわれています。
後半は法廷での裁判劇になります。裁判長はまだ62歳のJames Earl Jones(ジェイムズ・アール・ジョーンズ)で、黒人の裁判長の登場に法廷がどよめきます。彼は席に着くなりピストルを取り出して傍らに置きます。凄い裁判長です。
殺人は本物のJack Sommersbyが起した事件で、Richard Gereが「おれはJack Sommersbyだ」と云い張れば絞首刑になります。「おれはJack Sommersbyではない」と告白すれば殺人罪は免れますが、妻の愛と村人の尊敬を失います。
Richard GereとJodie Fosterというのは珍しい取り合わせですが、エグゼクティヴ・プロデューサーであるRichard Gereが望んだのでしょう。なかなか抱擁もキスもしない二人ですが、夫はかつて粗暴だったということと、二人の寝室も離れていることで、もともと夫婦が親密でなかったことが暗示されています。それが前段にあるだけに、Jodie Fosterの方からRichard Gereのベッドに攻め入り、積極的に男を求めるという変貌が効果的です。
(February 19, 2007)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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