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公開:1998
監督:Steven Soderbergh
地域:フロリダ州、ミシガン州
出演:George Clooney、Jennifer Lopez、Ving Rhames、Don Cheadle、Steve Zahnほか
範疇:原作もの/銀行強盗/連邦保安官/ロマンス/悪党たちの抜け駆け合戦/コメディ
私の評価 :☆
【Part 1】
'Get Shorty'『ゲット・ショーティ』(1995)や'Jackie Brown'『ジャッキー・ブラウン』(1997)など多くの犯罪小説が映画化されているElmore Leonard(エルモア・レナード)原作の一編。
監督Steven Soderbergh(スティーヴン・ソダバーグ)としては'Erin Brockovich'『エリン・ブロコビッチ』(2000) 、'Traffic'『トラフィック』(2000)の二年前の作品。多分、この映画が「オーシャン・シリーズ」の結団式になったのでしょう。
フロリダ州マイアミ。George Clooney(ジョージ・クルーニィ)が怒り狂ってビルから出て来て、目の前の銀行に飛び込み徒手空拳で強盗に成功する。見事な腕前だったが、車のエンジンをかけておかなかったため、すぐ警備員に捕まりフロリダの刑務所に送られる。そこでは数人のキューバ人が脱獄を計画している。キューバ人たちはGeorge Clooneyも誘う。
連邦保安官(司法省に属する連邦法執行官職の一つで、州の各カウンティの保安官とは異なる)のJennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)は仕事で夜間にフロリダ刑務所に行き、たまたま脱獄の現行犯を見つけ銃を構える。キューバ人の後から脱走して来たGeorge Clooneyは、Jennifer Lopezに逮捕されそうになるが、迎えに来た黒人の相棒Ving Rhames(ヴィング・レイムズ)に助けられ、Jennifer Lopezを車のトランクに押し込みGeorge Clooneyも一緒に潜り込んで逃走する。
乗り継ぎの逃走車を用意してくれた若造Steve Zahn(スティーヴ・ザーン)は、Jennifer Lopezに脅され、George ClooneyとVing Rhamesを置き去りにして行ってしまう。しかし、途中で事故を起こしたため、Jennifer Lopezは怪我で入院する羽目になる。
【回想(二年前のカリフォーニア州連邦刑務所)】George ClooneyとVing Rhamesが収容されている。黒人ヤクザのDon Cheadle(ドン・チードル)とSteve Zahnは、証券詐欺で服役中の大金持ちAlbert Brooks(アルバート・ブルックス)がデトロイトの豪邸に隠してあるという500万ドル相当のアンカット・ダイヤモンドを狙っている。
Ving Rhamesは「早くデトロイトへ行ってダイヤをせしめよう!」と急かすが、Jennifer Lopezに惚れてしまったGeorge Clooneyは愚図愚図して動かない。Jennifer LopezもGeorge Clooneyとの情事を妄想したりしている。ついにFBIの一隊がGeorge ClooneyとVing Rhamesの宿泊しているホテルの部屋を襲撃した時、間一髪で出て来た二人をJennifer Lopezは呆然として逃がしてしまう。
ミシガン州デトロイト。黒人ヤクザDon Cheadleと若造Steve Zahnは既に到着していた。Steve Zahnが話を持ちかけたのだが、Don Cheadleは自分がリーダーのように振る舞い、彼の粗暴な義弟と白人の粗暴な薄ら馬鹿を仲間に引き込んでしまった。
【回想(二年前のカリフォーニア州連邦刑務所)】服役中の大金持ちAlbert Brooksは、George Clooneyに「刑期が満了になったら、おれのところに来い。おれにはあんたのような男が必要だ」と云う。
【回想(フロリダ州マイアミ。映画の最初の時点)】出所したGeorge Clooneyが大金持ちAlbert Brooksのオフィスを訪れ、職にありつこうとする。与えられたのは警備員の仕事だった。George Clooneyは侮辱に怒り狂って社長室で暴れ、警備員たちに摘み出される。むしゃくしゃした彼は目の前の銀行へ入って行く。
デトロイト。Steve Zahnを追ってJennifer Lopezもやって来る。彼女の宿泊先を突き止めたGeorge Clooneyがホテルのバーにやって来る。二人はお互いに“休戦”を宣言し合い、追う立場も追われる立場も忘れてベッドに飛び込む…。
George Clooneyはコメディということもあるでしょうが、アクションの格好良さは二の次にしています。どちらかというとフェミニストでロマンチックな男を水が滴る(どころか滝みたいに流れる)ように演じています。私にもセクシーに見えるんですから、女性にはたまらないでしょうね。格好良さはJennifer Lopezが独り占めしています。刑務所の前で銃を構える姿もキマってるし、粗暴な男を伸縮自在の金属製警棒でぶちのめすシーンも凄い(編集の良さもありますが)。他の演技陣も持ち味を活かして、いいアンサンブルを構成しています。クレディット・タイトルに出ない賛助出演が二人います。FBI役のMichael Keaton(マイケル・キートン)と護送される犯罪者役のSamuel L. Jackson(サミュエル・L・ジャクスン)で、どちらもチョイ役以上の印象を残します。
面白い映画ではあるのですが、“南部もの”らしさはあまりありません。物語の後半は北方のミシガン州に移っちゃいますし。で、Jennifer Lopezが噛んでいる「ニコチン・ガム」(商品名'Nicorette')について触れます。私がこれを用いて禁煙を試みたのは、1996年夏のことでした。この映画が封切られる二年前です。私はグロサリ・ストア(大規模食料品店)で買えるようになったので試す気になったのですが、その数年前は処方箋なしでは買えない医薬品扱いでした。原作者か脚本家が案を練っていた頃は話題の製品だったのでしょう。現在の日本のNicorette(ニコレット)のホームページを見ると一個につきニコチンが2mgの製品しか売られていないようですが、アメリカでは昔も今も4mgと2mgの二種類が出ています。煙草をやめて直ぐはニコチンを多く含有した4mgを服用し、次第に2mgに移行するというプログラムが推奨されています。Jennifer Lopezが噛んでいるのは4mgのものですから、彼女は禁煙初期ということになります。チェイン・スモーカーだった私の場合、普通のガムと併用しながら禁煙までに半年かかりました。実際には、最後の仕上げに「ニコチン・パッチ」を使いました。これは腕に貼って皮膚からニコチンを吸収するものです。当時ニコチン・パッチよりニコチン・ガムの方が高価だったので、「これなら最初からパッチにすりゃよかった」と思ったことを覚えています。Jennifer Lopez本人が本当に禁煙したがっていた時期なら面白いと思ったのですが、IMDbにもこのニコチン・ガムに関する逸話は出ていません。禁煙ガムを噛むデカ(刑事)というのは見たことがないので、このJennifer Lopezの役の設定は面白いと思いますが、禁煙ガムが物語の重要な要素になるわけではない(只の飾り)なのが残念です。
(August 05, 2007)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。
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