公開：1984
監督：Thomas Rickman
出演：Tommy Lee Jones、Martha Plimpton、Brian Dennehy、Nancy Lea Owenほか
範疇：ドラマ／アドヴェンチャー／犯罪

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

ケンタッキー州のミシシッピ川沿いのどこか。Martha Plimpton（マーサ・プリンプトン）は13歳の少女で祖母と二人暮し。祖母は釣り人用の餌や燃料を売る店で細々と生計を立て、孫娘は川に仕掛けた網で魚を穫る。彼女が生まれる前に父親は強盗殺人の罪で刑務所に入れられてしまい、お互いに顔も知らなかった。母親はMartha Plimptonを義理の母に預け、テネシー州メンフィスで別の男と結婚していて音信不通。

終身刑の筈だった父親が戻って来た。Tommy Lee Jones（トミィ・リー・ジョーンズ）演ずる父親は娘をどう扱っていいか分らず、娘も刑務所のことを根掘り葉掘り聞きたがって父親をうんざりさせた。娘は父が犯した罪についても聞きたがったが、彼は口を開こうとしない。

娘は古いボート'River Rat'の修復を父に頼む。ジャンク屋から中古エンジンを買い、二人で船体も張り替え、塗り替えて、'River Rat'は生まれ変わる。二人はメンフィスへの船旅を計画する。

Brian Dennehy（ブライアン・デネヒー）演ずる刑務所の医師'Doc'（ドク）が訪ねて来る。彼のお蔭で出所出来たらく、彼はTommy Lee Jonesを恫喝する。Tommy Lee Jonesは家族に話を聞かれたくないと、古いボートに'Doc'を誘い、人目につかない場所へ移動する。遠景で二人の口論が描かれ、そのうち'Doc'は川に転落する。'Doc'は溺れ死んだと判断したTommy Lee Jonesは、戻って来て'Doc'の車を川に沈める。

父娘は'River Rat'号でメンフィスに出発する。途中で気が付くと、近くに住む黒人少年がボートに“密航”していた。その頃、'Doc'はジャンク屋に助けられ、元気を回復した。ジャンク屋は彼が刑務所の医師であることとTommy Lee Jonesを追っていることから、'Doc'がTommy Lee Jonesが強盗で得て隠してある大金を狙っていると抜け目無く推理する。図星を指された'Doc'はジャンク屋を殺し、バスでメンフィスに先回りする…。

Tommy Lee Jonesは'Coal Miner's Daughter'『歌え！ロレッタ愛のために』(1980) の四年後ですが、まだまだTV映画に出る方が多かった頃です。彼のTV出演が大幅に減るのは'The Fugitive'『逃亡者』(1993) 以降です。

Brian Dennehyは'Rambo: First Blood'『ランボー』(1982) で憎たらしいシェリフを演じた二年後です。

この映画がフィルム・デビューのMartha Plimptonは、俳優・歌手Keith Carradine（キース・キャラダイン）とある女優の間に生まれ、小さい時からモデル、TV出演その他で芸能界で育ったような娘。それを知っていると、彼女の度胸の座った演技も納得出来ます。

…というわけで、結構役者が揃っている映画なのですが、何故かヒットせず日本には輸入もされなかったようです。上に書いたあらすじの後、Tommy Lee Jonesが犯した事件の意外な真相や、父娘がわだかまりを無くし親密になる過程が描かれます。

"River Rat"という言葉は辞書に出ていませんが、Internetで検索すると「船宿」、「釣具店」、「水上スポーツ同好会」といった、水遊び対象の会社、組織などの名前に多く使われています。"Rat"はネズミですが、「ドブネズミ」的汚さはなく、愛敬のある存在のようです。

(June 14, 2001)

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