公開：2002
監督：Adam Shankman
地域：ノース・キャロライナ州
出演：Shane West、Mandy Moore、Peter Coyote、Daryl Hannah、Lauren Germanほか
範疇：原作もの／高校生の恋／難病

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

'Notebook'『きみに読む物語』(2004)と同じ、Nicholas Sparks（ニコラス・スパークス）原作の小説の映画化。

1958年、ノース・キャロライナ州。夜、高校生男女が工場裏の池に集まり、新入りの男子に高い所から飛び込ませようとする。Shane West（シェイン・ウエスト）が一緒に飛び込む振りをして安心させ、「一、二、三！」とかけ声を掛けて新入りだけ飛び込ませて自分は残る。新入りが浮かんで来ない。水深不足で頭を打ったのだ。Shane Westが助けに行く。騒ぎを聞きつけた警備員の叫びに他の男女は逃げ去り、Shane Westだけ警察に逮捕される。

高校の校長はShane Westに三つの罰を与える。校内外の清掃、土曜に姉妹校の知的障害生徒への数学指導、そして演劇部の公演への参加である。彼は後者二つで女生徒Mandy Moore（マンディ・ムーア）と一緒になる。彼女は牧師Peter Coyote（ピーター・コヨーテ）の娘で聖歌隊でソロをつとめるほど歌が上手。ただし、いつも一張羅のセーターを着て聖書を持ち歩いているので、Shane Westの遊び友達グループからは“聖母マリア”と陰口されていた。

演劇部は生徒の一人が書いたミュージカルを公演することになっていた。主役はMandy MooreとShane West。Shane Westは真面目過ぎるMandy Mooreが嫌いだったが、台詞を覚えるには相手が要るのでMandy Mooreに「一緒に稽古してくれ」と頼む。彼女は「私に恋したりしなければ、いいわ」と答え、Shane Westは苦笑しながら「それは大丈夫だ」と約束する。Shane Westは熱心に稽古するが、遊び仲間の前ではMandy Mooreとの付き合いを恥じて彼女によそよそしくする。Mandy Mooreは怒って一緒に稽古するのを断る。

Shane Westが中学の卒業アルバムで、Mandy Mooreの項を探す。彼女の"ambition"（大望）の欄には「奇跡を目撃すること」とあった。Shane Westは病院に行き、自分が飛び込ませた男子生徒に詫びる。

ミュージカル公演の本番。Shane Westは時々台詞を忘れたが、何とかつとめ上げる。彼は舞台上でMandy Mooreの美しい歌声に聞き惚れる。以後、彼はMandy Mooreとの交際を深めようとし、彼女をからかう遊び仲間と絶交する。彼がデートを申し込むと彼女は「父が許さない」と云うので、彼女の父親に談判して許しを得る。二人は湖畔のレストランで食事し、ダンスし、キスする。Shane Westが"I love you."と云うと、Mandy Mooreは「私を愛してはいけないと云ったでしょう」と悲しい顔をする…。

Mandy Mooreはレコードも出している売れっ子の歌手だそうですが、私は知りませんでした。Phoebe Cates（フィービ・ケイツ）ほどユニークな顔ではありませんが、Phoebe Catesに似た可愛いタイプ。特に彼女の、いつも笑みをたたえているような表情はいいですね。浅丘ルリ子の若い頃も、同じように目とか口元などのどこかに笑みをたたえているので好きでした（古い話でスミマセン）。

二人の最初のキスの時のやりとり。
彼「キミにキスしちゃうかも」
彼女「私、ヘタクソかも」
彼「そんなこと、あるわけない」

Mandy Moore演じる女の子は、夜更けに墓地へ行って大きな天体望遠鏡を覗くのが趣味。珍しい娘さんです。仲良くなった後、二人は一緒に星を眺めに墓地へ行きます。彼女が「今日はどの星が見たい？」と聞くと、彼は「冥王星が見たい」と云います。2006年に太陽系惑星から除外された星です。彼女が「冥王星は夜明け前にしか見られないわ」と云うと、彼はナップザックからコーヒーを入れた魔法瓶や毛布などを取り出し、徹夜覚悟であることを示します。毛布が一枚なので、Mandy Mooreが「あなた、私を誘惑するつもり？」と聞くと、Shane Westが「キミ、誘惑可能なの？」と問い返し、彼女は大きく首を振ります。彼はナップザックから二枚目の毛布を取り出します。彼は紳士だったというオチで彼女を感心させます。「あなた、私を誘惑するつもり？」という台詞が素朴で可愛くて、気に入りました。

若い世代向けであることを剥き出しにした映画で、BGMがかなりうるさく、台詞が聞き取れないこともあるほど。DVDだけの問題かも知れませんが。

Shane Westの母親役は'Kill Bill'『キル・ビル』シリーズで眼帯をかけた殺し屋を演じたDaryl Hannah（ダリル・ハナ）ですが、『キル・ビル』より一年前なのに老けた感じです。

撮影、色彩設計、衣装などはB級映画並みで特筆すべきことは何もありません。ひたすら若い二人のロマンスを味わうのみ。私は映画の後半で滂沱の涙でしたが、歳と共に涙腺が緩んでいますので、脚本や演出が良かったせいとは云い切れません。

(January 10, 2007)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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