公開：1998
監督：Mike Nichols
出演：John Travolta、Emma Thompson、Billy Bob Thornton、Adrian Lester、Kathy Batesほか
範疇：ドラマ／コメディ／政治もの

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

John Travolta（ジョン・トラヴォルタ）は南部のどこかの州の知事。クリントン前大統領に似せた声音、白髪まじり、女好き、名前もスタントンなので、多分アーカンソー州知事でしょう。彼の妻はEmma Thompson（エマ・トンプスン）。彼等は既にアメリカ大統領選に向けて始動しています。先ずは、党の中での指名を受ける必要があり、民主党の中の相手候補達と争わなくてはならないという段階。

Adrian Lester（エイドリアン・レスター）という黒人青年がJohn Travoltaに呼ばれ、選挙活動の一環である有権者との小さな集いに出る。John Travoltaの叔父の悲劇的な話を聞き、Adrian Lesterは感動して涙を流す。彼は「歴史の一部になりたい」と、そのままズルズルと選挙活動本部のマネージャーにさせられ、ほとんど何も知らないヴォランティアを統括することになる。

上昇の一途だった党内支持率に危機が訪れる。あるヘア・ドレッサーが「州知事が私を誘惑した。録音テープもある」と爆弾発言。知事選活動時に大きな役割を果たしたKathy Bates（キャスィ・ベイツ）が駆けつけ、Adrian Lesterと対策を講じる。John Travoltaがヘア・ドレッサーに掛けている電話というのは、実はAdrian Lesterへの電話を録音し、ヘア・ドレッサーの声を被せたものであることが判明する。CNNでLarry King（ラリィ・キング）が誰かを誘惑しているように編集したテープを放送し、John Travoltaの録音を偽造した人間の告白書を読み上げ、この件は一件落着。

次に、ラジオで議論した相手候補をやっつけたまでは良かったが、相手候補は心臓発作を起して死んでしまう。代りに立ったLarry Hagman（ラリィ・ハグマン）は高潔な人柄、ヒューマンな姿勢で人望があった。彼は一気に党内支持率のトップに立つ。

John Travolta陣営には更に悪い知らせがあった。彼のお気に入りのBBQ（バーベキュー）レストランの黒人オーナーの娘が妊娠し、その子の父はJohn Travoltaだと云うのだ…。

クリントンと並べて見ればさほどでも無いのでしょうが、映画を観ている間はJohn Travoltaはクリントンそっくりに見えます。浮ついた口調、ニヤついた笑い、軽薄な態度…その他。よほど研究したんでしょう。Emma Thompsonはごく自然な感じで知事の妻を演じています。いつもの過剰な演技を控え、リアルな人間像を創り上げています。

狂言廻しの黒人青年Adrian Lesterは、まるで少年と云ってもいいような世間知らずでストレートな人物を演じています。Billy Bob Thornton（ビリィ・ボブ・ソーントン）は経験豊富な選挙参謀で、うすら髭をたくわえた、露出狂のレッドネックです。Kathy Batesは押し出しの立派な、ヤクザの姉御のような役柄にぴったりはまっています。'Fried Green Tomatoes'『フライド・グリーン・トマト』の、おどおどした引っ込み思案の女性とは180゜違います。しかもレスビアンの女性という設定が可笑しい。

(May 14, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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