公開：2000
監督：Roland Emmerich
地域：サウス・キャロライナ州
出演：Mel Gibson、Heath Ledger、Joely Richardson、Jason Isaacs、Chris Cooperほか
範疇：原作もの／ドラマ／アメリカ独立戦争／民兵／家族愛

私の評価 ：☆☆1/2

【Part 1】

1776年、サウス・キャロライナ。プランテーションの主Mel Gibson（メル・ギブスン）は男やもめで四男三女の父だった。Heath Ledger（ヒース・レッジャー）演ずる長男は、血気に逸っていて近づく独立戦争の足音に落ち着かなかった。

チャールス・タウンで市民集会が開かれ、Mel Gibsonは長男、次男と共に参加する。侃侃諤諤の議論に、Mel Gibsonは「私は家族は守るが、英軍と闘う気は無い」と宣言する。彼が仏印戦争で猛者としてその名を轟かせたことを知っている周囲は驚く。昔の父を知らない息子達は、あたかも臆病者のような父の言動に肩身の狭い思いをする。長男Heath Ledgerは、その恥辱感の反動としてすぐさまアメリカ植民地軍に参加する。

ある日、密使の役を仰せつかった長男が傷ついて転げ込んで来る。彼が癒える間もなく、Mel Gibson邸には英軍と植民地軍の負傷兵が手当を求めて集まる。Mel Gibsonは中立的立場で双方を介抱する。

英軍将校Jason Isaacs（ジェイソン・アイザックス）率いる一隊がやって来る。彼は長男Heath Ledgerを「スパイ容疑で絞首刑にする」と宣言し、本隊への連行を命ずる。兄思いの次男が兄を助けるべく英軍兵士に突進して、無慈悲なJason Isaacsに射殺される。英軍は植民地軍の負傷兵を殺し、家に火を放って去る。Mel Gibsonは燃え盛る家屋に飛び込み、仏印戦争で用いた手斧と銃を手にし、三男と四男にも一挺ずつ銃を渡し、二人を従えて長男を連れ去った一行の道筋へ先回りする。Mel Gibsonと幼い息子達の攻撃により、長男奪還に成功する。しかし、次男を失った父は悲しみと怒りに狂い、既に息絶えた敵を滅多切りにし、血みどろとなって息子達を慄然とさせた。

再び戦列に戻るという長男を制止出来ず、止むなくMel Gibsonも戦線に赴く。彼は植民地軍の将校で旧知の間柄のChris Cooper（クリス・クーパー）に会い、自分が参加する代り、長男を自分の配下に置かせてくれと頼む。かくして、Mel Gibson父子を中心とした民兵による一隊の勇猛大胆な戦闘が開始される…。

森の中、草原、湿地、畑などの風景を捉える映像が終始美しい。オープン・セットの村などによって理想的な構図が得られるという利点もさりながら、逆光や自然な光の室内、疑似夜景などが巧みに処理されています。文句無しの映像美です。アカデミー撮影賞は逃しましたが（ノミネートのみ）、ASC（American Society of Cinematographers）というアメリカ撮影監督協会賞を受賞しています。

John Williams（ジョン・ウィリアムズ）による音楽も、控え目で素晴らしい。単純に愛国的でないのがいいと思います。

お話もよく出来ています。独立戦争時の民兵（正規兵でなく、非常時のみ徴用される在郷軍人）という存在はよく知らなかったのですが、戦闘の途中で休暇を取って家族再会が出来るという不思議な場面を別にすれば、正規兵に出来ない様々な活躍が描けるメリットがあります。

題名が「愛国者」であり、'Braveheart'『ブレイブハート』(1995)のMel Gibsonという組み合わせが、何やら二番煎じのような印象であるのと、殺された家族の復讐に燃える男という設定が'Gladiator'『グラディエーター』(2000)に似ていて、色んな意味で損をしています。『ブレイブハート』、『グラディエーター』、共に暗い要素があるのに比べ、『パトリオット』にも悲劇はあるものの全体に明るい調子なのが特徴です。舞台がアメリカであるためでしょうか？私はアメリカ的なるものが好きなので、この映画、結構好きです。

(August 27, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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