公開：1993
監督：Victor Nunez
出演：Ashley Judd、Todd Field、Bentley Mitchum、Dorothy Lymanほか
範疇：ドラマ

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

『ディープ・ジョパディー』などという邦題を付けられると、同じAshley Judd（アシュリイ・ジャッド）主演の『ダブル・ジョパディー』のようなアクションものを思わせます。これにはそういう要素は全く無く、いわば“女性映画”とでもいうべきものです。原題はAshley Judd演ずるRuby（ルビィ）という女性が、夕陽がパラダイスのように美しいフロリダにいることを指しています。

テネシー州のナンバー・プレートを付けた車が、一路フロリダを目指している。運転しているのは暗い顔をしたAshley Judd。短い回想シーンによれば、テネシーの寒村の男と別れたばかりの傷心の旅のようである。彼女はパナマ・シティに着き、ここに腰を落ち着けることに決める。パナマ・シティというのは、フロリダの一部ですが、地図で御覧のように半島部ではなく、アラバマの南に位置するリゾートです。

いまはシーズン・オフで観光客も少なく、お店は店員を減らしている最中。しかし、Ashley Juddの必死の売り込みで、ある土産物屋の女主人に雇って貰う。女主人が云い渡したルールは、「私の息子を取るな」というもの。

息子のRicky（リッキィ）は軽薄で我が侭な男。自暴自棄に近いAshley Juddは求められるままに身体を任せてしまう。燃えないセックスの後、彼の部屋に自分が貰ったのと同じプレゼントが沢山あるのを見て、Ashley Juddの心は完全に冷める。

Ashley Juddは日記を付け始める。花と植木の店を営むMike（マイク）と知り合った。彼は読書や音楽、料理、バイクが好きで、信仰心も篤く、Ashley Juddをリラックスさせてくれる。

縒りを戻したいと迫って来たRickyを拒否すると、彼は「もうクビだ」と宣言して去る。彼女は必死で次の職を探すが、どこも雇ってくれない。Ashley Juddは絶望的になる…。

「日記」を書きながらのナレーションで綴られる物語なので、非常に淡々としており、ドラマティックな要素は全くありません。しかし、うちのカミさんはこの映画を高く評価しています。男性遍歴、職探し、スリルのための万引き、孤独と自足など、平凡な女性が辿る青春の一頁が過不足無く描かれているからでありましょう。“女性映画”と分類した理由です。

(February 24, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema ONLINE」は株式会社スティングレイの登録商標です。