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Palmetto

『パルメット』

[Video]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema ONLINE」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1998
監督:Volker Schlöndorff
地域:フロリダ州
出演:Woody Harrelson、Elisabeth Shue、Gina Gershon、Rolf Hoppe、Michael Rapaport、Chloe Sevignyほか
範疇:原作もの/ドラマ/スリラー/犯罪/偽装誘拐

私の評価 :☆

【Part 1】

フロリダ州。Woody Harrelson(ウディ・ハレルスン)は元新聞記者で、二年間フロリダ州刑務所に喰らい込んでいた。出所の日、遠隔地の判事がTV電話で釈放を宣言する。Woody Harrelsonは「あんたの正義なんかクソくらえだ。俺は無実だ。俺の二年間を返せ!」と怒鳴る。

[the South]

彼のガールフレンドGina Gershon(ジーナ・ガーション)が迎えに来る。元刑事でGina Gershonの妹の旦那(黒人)の前にもかかわらず、Woody Harrelsonの首や耳を舐め回す。彼女は金属オブジェの売れっ子創作家となっていて、彼を工房に連れて行く。

Woody Harrelsonがバーでコーヒーを喫んでいると、綺麗な脚の女が電話ボックスに向って行く。話している彼女のうなじも色っぽい。出て行く後ろ姿のお尻もキュートだ。Woody Harrelsonは電話ボックスに彼女のハンドバッグが忘れられているのに気づく。そのバッグには、結構な額のキャッシュが入っていて、彼は猫ババを決め込む。女Elisabeth Shue(エリザベス・シュー)が戻って来て、彼がバッグを守ってくれたことに感謝する。彼女は「リスクはあるが、いい仕事がある」と仄めかす。キャッシュが失くなっていることに気づいた彼女に、Woody Harrelsonは素直に返す。彼女の帰路をつけ、彼女が乗り込んだモーター・ボートから彼女の名前と住所を割り出す。

翌日、Woody Harrelsonは彼女の家に出向く。そこは豪邸だった。家の主人の老人、執事兼運転手がいる。園芸に精出しているElisabeth Shueと話し、会う場所と時間を決める。

彼女の云う“仕事”は予想外のものだった。彼女の「まま娘」を誘拐し、彼女の夫である老人に$500,000の身代金を要求する。Woody Harrelsonの取り分は10%の$50,000。これは「まま娘」も一枚噛んでいるので、本当の誘拐ではないし、夫は警察に助けを求めるようなタイプではない…と断言する。もう刑務所に戻りたくないWoody Harrelsonは、彼女が警察の手先となって録音機を仕込んでいるのではないかと、彼女の身体を探る。女は「もっと綿密にチェックしてくれ」とせがみ、二人はベッドに倒れ込む。彼は会話の一部始終を録音していた。

Woody Harrelsonは一役買う決意をする。“誘拐先”として海辺のバンガローを借りる。「まま娘」がやって来る。脅迫電話を入れ、もうのっぴきならない状態となった。そこへ、ガールフレンドGina Gershonの妹の旦那がやって来る。元刑事の彼は現在地方検事の下で働いていて、「手を貸せ」と云う。地方検事に会うと、「誘拐事件を調べろ」とのお達し。女が「夫は警察に助けを求めるようなタイプではない」と云ったのは出まかせで、官憲はもう捜査を開始していたのだった。

Woody HarrelsonはElisabeth Shueと会い、「あんたは信じられない。もう止めよう」と云い女と殴りあいになるが、彼女の誘惑に乗せられ、またベッドに倒れ込み、狂言を続行することになる…。

Palmetto(パルメット)とは、本来はシュロ状の葉を持つ「パルメット椰子」のことですが、ここではフロリダ州中西部の港町の名前です。

原作はJames Hadley Chase(ジェイムズ・ハドリー・チェイス)によるハードボイルド。監督はかつて西ドイツで名作の誉れ高い'Die Blechtrommel'『ブリキの太鼓』(1979)を作ったVolker Schlöndorff(フォルカー・シュレンドルフ)。何故、アメリカでこのような作品に手を染めたのか、定かでありません。

裸やベッドシーンは出て来ませんが、かなり色っぽい映画です。悪女を演じるElisabeth Shueは顔立ちも美しいし、ボインだし、スタイルも満点。「まま娘」を演じる女優も臍出しシャツに短いパンツで、Woody Harrelsonを悩ませます。

彼を愛しているガールフレンドがいながら、ふらふらと誘惑に乗り、どんどん犯罪の深みに填まっていくドジな男は、Woody Harrelsonにピッタリの役です。切れそうで切れない、出し抜いたつもりで出し抜かれる。当然、お話は彼が想像したようには運ばず、この後二転、三転します。

Woody HarrelsonがElisabeth Shueを見初めるバーにおける出会いは、彼女の顔を見せずに、身体の一部が際立つショットの連続で捉えられています。Woody Harrelsonは後に彼女の虜になるわけですから、この女性は最高にセクシーに見えなければなりませんが、ちゃんと狙い通りに撮られていて文句のつけようがありません。このバーには、回転するシーリング・ファンの代りに、大きな団扇(うちわ)のようなものが一列に並んでいて、ゆったり扇ぐようになっています。これはユニークです。

Woody Harrelsonの映画を沢山観たわけではありませんが、大体彼の役は粗暴だったり、得手勝手だったりして、ストーリーも不快なものが多く、後味も悪い。しかし、この映画の後味は悪くありません。撮影、演出も水準以上です。

(September 11, 2002)




Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema ONLINE」は株式会社スティングレイの登録商標です。




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