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公開:2003年
監督:Patty Jenkins
地域:フロリダ州
出演:Charlize Theron、Christina Ricci、Bruce Dernほか
範疇:実話にヒントを得た物語/売春婦/同性愛/女性殺人鬼
私の評価 : ☆☆
【Part 1】
製作(共同)兼主演のCharlize Theron(シャリーズ・セロン)が、美しさをかなぐり捨てて中年の売春婦から連続殺人犯に変貌する過程を描いた話題作。彼女はこれで2004年アカデミー賞の主演女優賞を獲得しました。
フロリダ州。Charlize Theronは高速道路でヒッチハイクし、乗せて貰うと「子供を引き取りにMiami(マイアミ)へ行く途中なんだけど、車が壊れたの。お金が要るんだけど助けてくれない?」と持ち掛け、売春を暗示する。その台詞は真っ赤な嘘で、彼女は高速道路専門の売春婦なのだ。
ある夜、Charlize Theronはバーで若い娘Christina Ricci(クリスティーナ・リッチ)と知り合う。Christina Ricciはオハイオ州の生まれ育ちだが、ゲイであるという噂を立てられ、一時フロリダの知人の家に滞在してほとぼりが冷めるのを待っているのだ。バーが閉店になるまで呑んだ二人は、Christina Ricciが滞在している家に忍び込んで一つベッドで寝る。
翌朝、家の主婦がCharlize Theronを見咎め、Christina Ricciに「娼婦と付き合うなんて飛んでもない」と諌める。
Charlize Theronは公衆トイレの水道で身体を洗い、洗髪し、温風器で髪を乾かす。
Charlize TheronはChristina Ricciに指定されたローラー・スケート場に行き、お喋りしたり、ローラー・スケートを教えたりする。Charlize TheronはChristina Ricciを愛しいと思うようになり、公衆の面前でねちっこくキスする。
Charlize TheronはChristina Ricciを連れ込むホテル代を稼ぐために高速道路で客を引く。この夜の客は本番の代金でフェラチオもさせようとし、ビジネスライクなCharlize Theronを殴って気絶させる。彼女が我に返ると、頭は血だらけで両手は縛られていた。男は彼女をレイプし、さらに彼女の傷口に薬品をぶっかけて悲鳴を挙げさせる。Charlize Theronは必死でもがいて両手の縄を緩め、バッグから取り出したピストルで男を撃つ。ありったけの弾丸を男の胸にぶち込む。Charlize Theronは殺した男の車で町へ戻り、寝ていたChristina Ricciを起してモテルに泊まる。
翌朝、Charlize Theronと行動を共にする決意をしたChristina Ricciが、衣類を取りに滞在先に戻ると、主婦がChristina Ricciの父親に電話し、父親は「すぐ長距離バスでオハイオに戻って来い」と命ずる。彼女は聞かずに家を飛び出す。
Charlize Theronは売春で逮捕されて殺人がバレるのが恐くて、必死になって職を探す。しかし、学歴も職歴もない彼女を雇うところはない。彼女はChristina Ricciに人を殺したことを告白する。「13の時から売春して、生んだ子を里子に出したこともある。 売春には慣れてる」と云い、売春に戻ること決意をする。
その夜の客も本番の代金でフェラチオを強要し、Charlize Theronは男を射ち殺す。彼女は男の有り金を全部奪って帰り、Christina Ricciを喜ばせる。二人は愛し合う。Charlize Theronは「もっと稼いでフロリダ・キイのビーチのある家に住もう」と云い、Christina Ricciは「わあ!そんな家に住むのが夢だった!」と感激する。Charlize Theronはホテルの浴室で、密かにピストルの弾倉を一杯にする…。
とにかく、見ものはCharlize Theronのメーキャップと演技です。この役のために体重を増やし贅肉をつけたそうで(特にお尻とかお腹)、それを御丁寧に公衆トイレで身体を洗うシーンでちゃんと披露します。彼女のジーンズのお尻もデカ過ぎて無様に見えるほど。体重を増やすのは簡単だけど、女優としては、また減らさなきゃならないわけで、大変だったでしょうねえ。
DVDの'Special feature'でメークを施すところが見られますが、鏡の横に主人公のモデルであるAileen Wuornos(アイリーン・ウォアノス)の写真が一杯貼ってあり、出来るだけ似るように努めたようです。ソバカスは手で付けています。毎朝、撮影開始前のメークにどれだけ時間がかかったのか心配になりました。最近の特殊メークものはどれも同じでしょうけど。
Christina Ricciは無邪気だったり、主人公に「金を稼げ」と命じたり、主人公の裁判では検事側の証人になる冷たさもあるという役を真剣に演じています。なお、彼女の役は事実に基づいた人物ではなく完全にフィクションだそうです。Aileen Wuornosにレスビアンの友達がいたのは事実のようですが、Christina Ricciよりはずっと年長で、体格も職業も違うようです。なぜ、Christina Ricciが腕にギプスをしているかですが、クランクイン前に実際に彼女が骨折してしまったのを、監督がそのまま取り入れただけとのこと。
Bruce Dern(ブルース・ダーン)は、若い頃にはエキセントリックな役が多かったと記憶していますが、ここでは老け役を渋く地味に演じていて好感が持てます。
外景の撮影は全てフロリダ州で撮影されていますが、あまりそういう感じはせず、アメリカのどこであってもいいような撮影・編集です。勿体ない。Charlize Theronが最後に逮捕される場面は、実際にAileen Wuornosが逮捕されたバーで撮影されたそうです。現在、このバーはそれを売り物にして商売しているようです。
【参考】ドキュメンタリー'Aileen Wuornos: The Selling of a Serial Killer'('Aileen Wuornos:連続殺人犯の売り込み)のリヴューを近日掲載します。
(December 29, 2010)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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