公開：1991
監督：Oliver Stone
地域：ルイジアナ州ニューオーリンズ、テキサス州ダラス
出演：Kevin Costner、Tommy Lee Jones、Kevin Bacon、Sissy Spacekほか
範疇：原作もの／ドラマ／ミステリ／ケネディ暗殺事件

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

1963年にテキサス州ダラスで起きたJohn F. Kennedy（ケネディ）暗殺事件を、ルイジアナ州ニューオーリンズの地方検事Jim Garrison（ジム・ギャリスン）他が執筆した本に基づき、大胆な仮説によって事件の真相に挑む映画。三時間を越える超大作。

Kevin Costner（ケヴィン・コスナー）演ずる地方検事Jim Garrisonは、大統領暗殺事件の犯人とされたLee Harvey Oswald（リー・ハーヴェイ・オズワルド）がニューオーリンズで生活していたことを知り、その詳細を調べ始める。Lee Harvey Oswaldは海兵隊除隊後ロシアに行き、ロシア人女性と結婚し、子供ももうけていた。彼がニューオーリンズでしていたのは共産国キューバを支援する街頭活動だった。

Lee Harvey OswaldがJFKの柔軟外交に苛立つ右翼と接触した事実が浮かび上がる。両者の思想は正反対だが、打倒JFKでは共通していた。右翼急進派をたぐっていくと、Tommy Lee Jones（トミィ・リー・ジョーンズ）演ずる輸出入業者Clay Shaw（クレイ・ショー）にブチ当たった。

しかし、Lee Harvey OswaldはJack Ruby（ジャック・ルビィ）に殺され、暗殺事件を予告した娼婦も消され、重要な証人はどんどん消えて行った。態度を決めかねるJim GarrisonにDonald Sutherland（ドナルド・サザランド）演ずるMr.X（仮名）が接触して来る。ワシントンにMr.Xを訪ねると、彼はショッキングなことを話し出す。「軍需産業と軍上層部は戦争を欲していた。冷戦や外交で戦争を回避されたのでは一銭も儲からない。そこで軍、CIA、FBI、副大統領Lindon B.Johnson（リンドン・Ｂ・ジョンスン）などが結託して、右翼急進派を巻き込み大統領を暗殺した。L.B.J.はヴィエトナム戦争にゴー・サインを出し、軍需産業と軍上層部の期待に応えた」というのだ。Mr.Xは推論だけ提示し、法廷での証言は拒む。

Jim Garrisonは信頼する検事補数名に去られながらも、Clay Shaw逮捕を決意し、法廷で軍産一体の陰謀を告発する…。

豪華キャストです。Jim Garrisonの妻にSissy Spacek（シシィ・スペイセク）、ゲイの証人にKevin Bacon（ケヴィン・ベイコン）、その他Jack Lemmon（ジャック・レモン）、Walter Matthau（ウォルター・マソー）など。

大統領暗殺事件の解明が迷宮入りなのは周知の事実なので、この映画が何か新しい秘密を暴露することは期待出来ません。軍産複合体の陰謀というのも、日本でも昔からあったことで、とりわけショッキングというわけでもありません。しかし、現大統領を殺してしまうとなれば、これはショッキングです。

JFKが暗殺されたのは私が大学生の頃で、そのニュースを聞いた場所、人物、天候などを今でも覚えています。アメリカという国は恐い国です。この事件の関係者が続々抹殺されて行き、キング牧師の暗殺、JFKの弟ロバートの暗殺もありました。アメリカの暗黒時代でした。

前に映画館で観た時は「なあんだ！」とガッカリして出て来ました。口上に乗せられて見せ物小屋に入ったものの、見事に肩透かしで出て来た感じと同じでした。今回ヴィデオで再見したのですが、もう何も期待していないので語り口と俳優達の演技を楽しむことに専念しました。特にアカデミー編集賞を獲得した編集が見事です。

(December 08, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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