公開：1999
監督：Bruce Beresford
地域：ルイジアナ州ニューオーリンズほか
出演：Tommy Lee Jones、Ashley Judd、Bruce Greenwoodほか
範疇：ドラマ／スリラー／アクション／ミステリ

私の評価 ：☆1/2

【Part 1】

映画の発端はワシントン州（西北部のカナダに近い州）シアトル近郊ですが、結末はルイジアナ州ニューオーリンズなので取り上げました。

裕福な夫婦、Bruce Greenwood（ブルース・グリーンウッド）演ずるNick（ニック）と、Ashley Judd（アシュリィ・ジャッド）演ずるLibby（リビィ）は幼い男の子Matt（マット）と幸せに暮していた。夫のNickはカンディンスキーの絵を愛好するような、並み以上の美術愛好家。ある日、夫は素晴らしいヨットを妻にプレゼントする。二人は外洋に船出し、情熱的に愛を交わす。Libbyが目覚めた時、彼女の衣類、ベッド、床、甲板、至るところが血塗れで、夫が消えていた。Libbyがナイフを拾い上げた時、丁度沿岸警備隊が到着した。

Libbyは夫殺しの罪で有罪の判決を受ける。息子のMattは親しい女教師に預って貰うことにする。しかし、ある時その女教師と息子は予告も無くカリフォーニアに引っ越してしまう。Libbyが彼等の居場所を突き止めて電話した時、Mattは途中で「ダディ！」と呼びかけた。「夫が生きている！夫は女教師とグルで私を罠にはめたのだ！」

Libbyにやさしくする囚人の一人は元弁護士だった。彼女がLibbyに教える、「"Double jeopardy"という言葉を知ってる？同一犯罪で被告を二度裁判にかけることは出来ないというルール。あんたが、今度旦那に会った時、公衆の面前で彼を殺したとしても、もう罪には問われない。堂々と歩み去ることが出来る」息子Mattを取り戻すため、LibbyはNickと対決することを決意し、黙々と肉体トレーニングを開始する…。

6年後、彼女が知恵と鍛えた身体を使って自由の身となり、Nickの所在を突き止める一部始終が興味深い。

図書館のインターネット接続コンピュータで女教師の住所を調べようとした時、若い男が助けてくれ、ついでに彼女を軟派しようとします。「嬉しいわ。でも保護司に聞いてからでないと…」「保護司って、拘置所にいるの？」「刑務所よ。夫を切り刻んで殺した嫌疑で有罪になったのよ」男は尻に帆かけて逃げ出します。ユーモラスなシーンです。

ニューオーリンズ名物のお墓を非常にうまく、しかも恐く使ったアイデアにも脱帽。後半、'This Property Is Condemned'『雨のニューオリンズ』のように雨が降りしきります。確かにニューオーリンズは湿っぽい街（年平均湿度は76%で那覇市と同じ）で、豪雨になると町中洪水のようになります。

終始いい画調にまとめられていて、物語のテンポ、編集の切れ味もいいと思います。

2001年封切りの'Thirteen Days'『１３デイズ』では、夫役のBruce Greenwood（ブルース・グリーンウッド）が見事にJ.F.K.に化け、格調ある演技を披露しました。含み綿などで顔を広く、四角に見せたのでしょうが、この映画の顔とは大違いでびっくりです。

(April 05, 2001)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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