[English] [Japanese Home] [Studio BE] [America Offline] [公民権運動] [英語の冒険] [英語の冒険2] [Golf] [Hummingbird]



[Banner]



Honeydripper




[Poster]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:2007
監督:John Sayles
地域:アラバマ州
出演:Danny Glover、Charles S. Dutton、Vondie Curtis-Hall、Gary Clark Jr.、Lisa Gay Hamilton、Yaya DaCosta、Stacy Keachほか
範疇:田舎の安酒場/経営不振/音楽/ブルース/ロック/ギターを持った渡り鳥

私の評価 :☆

【Part 1】

アラバマ州、1950年。綿畑と軍の訓練基地しかない田舎の小さな町。ある酒場で年老いたブルース・シンガーMable John(メイベル・ジョン)が歌っている。店主のDanny Glover(ダニィ・グローヴァー)がピアノ伴奏を受け持っている。客はほんの数人しかいない。軍人や若者達はみなDanny Gloverのライヴァルの酒場に行っており、そこは満員である。

Danny Gloverは歌い終わったMable Johnに、「今夜が最後だ」と云い渡す。彼女の若いヒモでいい身なりをしたVondie Curtis-Hall(ボンディ・カーティス・ホール)がDanny Gloverに食ってかかろうとするが、Mable Johnは「店主の決定には従うしかない」と諌め、淡々と去って行く。

Danny GloverのパートナーCharles S. Dutton(チャールズ・S・ダットン)が景気づけにジュークボックスを点けるが、配電盤がショートして店全体が真っ暗になってしまう。妻の娘(連れ子)Yaya DaCosta(ヤーヤー・ダコスタ)は電力会社に電話しようと云うが、経費を心配したDanny Gloverが止め、アルコール・ランプで営業する。

そこへこのカウンティのシェリフStacy Keach(ステイシィ・キーチ)がやって来る。彼はDanny Gloverが過去に人を殺めたという噂を信じており、「ここはおれの縄張りだ。おれが気に入らぬことはするな」と云い渡す。

Danny GloverはパートナーCharles S. Duttonに秘密裏に進行させていた計画を打ち明ける。それは『ギター・サム』としてラジオで大評判の歌手を呼び寄せ、一気に儲けようという計画だった。Charles S. Duttonが「でも、そんな人気者がこんなとこへ来るかね?」と聞くと、Danny Gloverが「次の予定がキャンセルになったそうだ。そこへ割り込んだのさ」と云う。

町外れの小さな駅。ギター・ケースを提げた若い黒人Gary Clark Jr.(ゲアリ・クラーク二世)が降り立つ。

翌朝、Danny Gloverの店にギターを持った渡り鳥Gary Clark Jr.がやって来る。Danny Gloverは「ギター弾きを雇うつもりはない。しかし、飯ぐらいは食わせてやる」と云い、娘のYaya DaCostaに用意させる。借金取りがやって来て、「土曜までに借金を返済しないと店は人手に渡る」と宣告する。

Danny Glover、Charles S. Dutton、娘のYaya DaCostaの三人は町へ『ギター・サム来(きた)る!』というポスターを貼りに行く。Danny Gloverが老女性歌手Mable Johnから借金しようと訪ねると、彼女は今朝亡くなったと云う。家具も売り払っていて、葬式代もないとVondie Curtis-Hallが云う。

ギターの若者Gary Clark Jr.は、職探しに歩いているところをシェリフに捕まり、綿農園の持ち主である判事のもとで強制労働をさせられる。

老女性歌手の埋葬の後駅に向かったDanny Gloverは、列車から誰一人降り立たないので慌てる。車掌たちは「ギター・サムはアーカンソーで入院したそうだ」と云う。Danny Gloverは真っ青になる…。

これをお読みの皆さんは容易にこの後のストーリィを想像出来るでしょう。で、事実、そのように進んで行くのです。多少の紆余曲折をつけて観客を焦らしながら、しかし、観客の予想通りの展開。こんな脚本でいいなら、私にだって書けます(と豪語する)。観客を馬鹿にしています。

これは脚本・監督・編集を一人でやったJohn Sayles(ジョン・セイルズ)という男の汚点としか云いようがありません。Danny Gloverの妻は毎夜テントで開催されるリヴァイヴァル集会(聖霊の働きにより集団的に信仰心の覚醒・一新が起ることを目指す集会)に通い、牧師の説教に感銘を受けたりしますが、それは物語の大勢に影響しません。ただ単に、南部の宗教的雰囲気(ゴスペル音楽)を挿入したかっただけという感じ。

いくら1950年でも、余所者だからという理由だけで留置し、強制労働させるというのはあんまりです。その余所者が公民権運動のリーダー等であれば逮捕された例もありますが、只の無害な若者ですからね。

ギターを持った渡り鳥Gary Clark Jr.がギター・サムになりすましてDanny Gloverの窮状を救うことになるのは、彼が登場してすぐ見当がつくことです。しかし、Danny Gloverは一度も若者の歌声・演奏を聞きもせずにギター・サムの替え玉にする決意をします。当時はTVはまだ一般的ではなく、人々はラジオで聞いていただけだそうなので、容姿は誤魔化せるでしょう。しかし、歌声は誤魔化せないのでは?演奏も。

Danny Gloverはこの偽のギター・サムのライヴ・コンサートのために、ドラムス、テナー・サックス、ハーモニカなどの演奏者を雇うのですが、打ち合わせ・リハーサルなど皆無のくせに各演奏者がソロを取ったりするのです。これだって観客を馬鹿にしています。

で、お客はギター・サムが本物でも偽物でも、とにかく興奮して踊れるので満足し、Danny Gloverは借金を返済し、店を手放さずに済むことになります。このまま目出度し目出度しではなく、何か一波乱あるんじゃないの?と思っていると、しずしずとクレディット・タイトルがせり上がって来ます。呆れました。

こんな映画のPart 2なんかありませんってばっ!

(October 12, 2009)


Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。




Copyright © 2001-2011    高野英二   (Studio BE)
Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.