公開：1949
監督：Michael Curtiz
地域：フロリダ州
出演：Joan Crawford、 Zachary Scott、Sydney Greenstreet、David Brian、Gladys Georgeほか
範疇：戯曲の映画化／ドラマ／ロマンス／踊り子と政治家たち

私の評価 ：☆

【Part 1】

フロリダ州の架空の町。ここはシェリフのSydney Greenstreet（シドニー・グリーンストリート）が町を牛耳っている。彼は保安官補 Zachary Scott（ザカリー・スコット）を州上院議員にし、次いで州知事にして自分の傀儡政権を確立しようとしている。

町にやって来た移動カーニヴァルの踊り子の一員Joan Crawford（ジョーン・クロフォード）と Zachary Scottが親しくなる。Sydney Greenstreetは、根無し草のようなJoan Crawfordは政治家の周辺にいてはならない存在とみなし、Joan Crawfordを逮捕、収監させ、Zachary Scottから遠ざける。Zachary Scottは家柄のいい娘と結婚する。

放免されたJoan Crawfordは町の政治を握る男たちが屯するサルーンの女給として雇われる。二日酔いの土建屋社長David Brian（デイヴィッド・ブライアン）を親身に世話したことがもとで、彼はJoan Crawfordに首ったけとなる。ついに二人は結婚する。

David Brianは町の高級住宅地Flamingo Road（フラミンゴ・ロード）に新居を構え、Joan Crawfordとの幸せな生活を始める。Joan Crawfordは執拗に彼女を苛め抜くシェリフSydney Greenstreetに反感を持つ。シェリフは、Joan Crawfordとの恋を諦めきれずアル中となった知事候補Zachary Scottを放棄し、自分が知事選に出馬することを決意する。断固反対するDavid Brian一派に対しては、シェリフは各個に逮捕状を請求出来る罪状を並べて脅迫する。David BrianはJoan CrawfordからZachary Scottとの過去を聞き、愕然として町を去る。Joan Crawfordの運命やいかに…。

Joan Crawfordがアカデミー主演女優賞を取った'Mildred Pierce'『ミルドレッド・ピアース』 (1945) の柳の下の二匹目のどぜうを狙って、同じ製作者、監督、音楽、助演男優（Zachary Scott）らと組んだ映画。

この映画で印象深いのは何といってもSydney Greenstreet。異様な風貌で、異常なまでに憎々しい役を演じています。他の役者を束にしても釣り合いが取れないほど、重たい。その重たさは、映画全体を暗くしています。Zachary Scottは「法学部を中退しなければよかったのに…」と、みんなから云われる落ちこぼれの役。亡き父（州上院議員）の七光りとシェリフの後ろ盾によって出世出来るのに、ぐじゅぐじゅとJoan Crawfordへの想いを断ち切れない優柔不断な男を過不足無く演じています。

土建屋の政治屋を演ずるDavid Brianは、この映画が実質上初出演。それにしては堂々としています。

ありそうな、ありそうもないような、そんなメロドラマですが、「どう展開するのだろう？」という興味で観客を引きずって行くことは間違いありません。

(August 22, 2003)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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