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公開:1991
監督:Carl Franklin
地域:アーカンソー州
出演:Bill Paxton、Cynda Williams、Billy Bob Thornton、Michael Beach、Jim Metzlerほか
範疇:犯罪/ドラマ/スリラー
私の評価 :☆1/2
【Part 1】
ロサンジェルス。白人と黒人の混血美女Cynda Williams(シンダ・ウィリアムズ)がある一軒の家を訪れる。主婦が彼女を迎える。内輪のパーティをやっているらしく二人の男女が踊っていて、それを一人がヴィデオ・カメラで撮影している。Cynda Williamsが車に戻るフリをしてドアを開けると、Billy Bob Thornton(ビリー・ボブ・ソーントン)と黒人Michael Beach(マイケル・ビーチ)が乱入して全員を縛り上げる。Michael Beachは冷静で冷酷、Billy Bob Thorntonは短気で粗暴だった。彼等の目的はコカインの強奪だったが、ブツは隣の家だという。Billy Bob Thorntonは隣家に赴き、隠してあった大金とコカインを発見し、両家の目撃者を皆殺しにする。Cynda Williamsは浴室で一人の幼い男の子を見つけるが、Billy Bob Thorntonには告げずに子供を助ける。
翌日、Billy Bob Thorntonら三人が車で逃走中、ロサンジェルス市警ではパーティのヴィデオが分析されていた。主婦の声「Star City(スター・シティ)に行ったんじゃなかったの?」に続き、別の声が「それは明日なの」と応えていた。署長は二名の刑事をアーカンソー州Star Cityに急行させる。
Star Cityは小さな町で、西部劇のシェリフのオフィスみたいな警察に署長の Bill Paxton(ビル・パクストン)と助手が数名いるだけだった。Bill Paxtonは妻と八歳の息子がいて、六年間銃を抜いたことなどない平和な暮らしをしていた。ロスから到着した二人の刑事を案内しながら「俺もロスの刑事になりたい」などと云う。
Billy Bob ThorntonとMichael Beachはいがみ合っていた。新聞には早くも二人の顔写真が掲載されていた。誰かがドジったのだ。二人はテキサス州ヒューストンのMichael Beachの知り合いの売人にコカインを買って貰おうとする。Cynda WilliamsはBilly Bob Thorntonの情婦になる前、一人の男の子を生んで母親に預けていた。彼女は二人が売人を待つ間に、Star Cityの愛児の元に先行する…。
取るに足りないB級映画と高をくくっていましたが、なかなかどうして。犯罪者達の緊迫した逃避行と、彼等を待ち受ける刑事達の楽天的な描写が、巧妙に織られています。これは脚本の巧さでしょう。
脚本といえば、Billy Bob Thorntonがライターの一人です。彼はアーカンソー出身で、彼の携わった脚本のほとんど('Sling Blade'など)はアーカンソーを舞台にしています。彼は元々はミュージシャンを目指していて、アーカンソーでは歌手兼ドラマーでした。友人のTom Epperson(トム・エッパーソン)がハリウッドへ行って脚本家になるというのに随いて行き、自分も俳優とシナリオの修行をします。ずっと泣かず飛ばずでしたが、ついに二人の合作シナリオが映画になったのが本作で、しかも結構注目される結果となりました。Billy Bob Thorntonのその後の成功は云わずもがなですが、Tom Eppersonも'The Gift'『ギフト』などで健在です。
Billy Bob Thorntonは現在(2002年)までに五回結婚しています。現在は Angelina Jolie(アンジェリーナ・ジョリー)ですが、三番目はこの映画の Cynda Williamsでした。僅か二年の結婚生活でしたが、その間にこの映画が作られています。この頃、早くも彼の髪の毛は後退を始めていて、その代わりという感じで無精髭を生やし、ポニー・テイルにしています。危険な悪党の典型的スタイル。
Michael Beachは映画・TV両方で活躍するスター。ここでは眼鏡をかけ、クールな判断力を持ちナイフによる人殺しが得意という凶悪犯を巧みに演じています。
監督Carl Franklin(カール・フランクリン)にとって、この映画は第一作というわけではなかったようですが、この年のLA批評家協会の「ニュー・ジェネレーション賞」を受賞しました。彼の功績でしょうが、コンビニでハイウェイ・パトロールと出会い一触即発の危機を迎える場面と、その後パトロールに追尾されるスリリングなシーンは素晴らしい。紅葉の季節や外光を活かした撮影もなかなかよろしい。
(June 25, 2002)
Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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