公開：1951
監督：William Cameron Menzies
地域：ジョージア州
出演：James Craig、Barbara Payton、Guy Madison、Craig Stevensほか
範疇：原作もの／ドラマ／南北戦争／敵味方の恋と友情

私の評価 ：☆

【Part 1】

原題は『深南部の太鼓』です。太鼓は轟くものと決まっているので『南部に轟く太鼓』としなくてもいいような気がしますが、やはり轟かないと戦争ものとして威勢が悪いと思ったのでしょう。しかし、実際に映画の中で轟くのは太鼓ではなく、大砲なんです。巨砲も出て来ます。

1861年、アトランタ近郊のプランテーション。荘園主Craig Stevens（クレイグ・スティーヴンス）はBarbara Payton（バーバラ・ペイトン）との結婚を控えていた。West Point（士官学校）で同期だったJames Craig（ジェイムズ・クレイグ）とGuy Madison（ガイ・マディスン）を招待する。Barbara PaytonとJames Craigの間には過去に何か因縁があったことが語られる。

その夜、二人きりになった時、James Craigは変わらぬ愛をBarbara Paytonに打ち明け、二人はキスする。そこへ南北戦争開戦のニュース。夫となるCraig Stevensは南軍少佐、James Craigは南軍大佐、Guy Madisonは北軍の大佐だった。結婚式どころではなく、各自、自分の軍司令部へと急行する。

三年後、南軍は苦戦していて北軍のシャーマン将軍がアトランタを焼き討ちに来るのは必至だった。南軍大佐James Craigに命令が下る。Devil's Mountain（デヴィルズ・マウンテン）という山の山頂に砲台陣地を設置し、北軍の武器弾薬や食料を満載した列車を攻撃するという作戦で、彼に20名の精鋭と四基の大砲が与えられる。

James Craigの決死隊はDevil's Mountainにひた走る。その一帯はすでに北軍が制圧していて、隠密行動を強いられた。実は山の麓にはBarbara Paytonの山荘があり、そこを訪れたことのあるJames Craigは地の利に詳しかった。山頂へは山腹にある洞窟をよじ登る。大砲は分解して上げなくてはならない。

夜陰に乗じてJames Craigが山荘を訪れると、Barbara Paytonは北軍の捕虜となっていた。彼女は北軍から列車情報を聞き出し、窓辺で蝋燭の光を鏡で反射させて合図を送ることを約束する。翌日、彼女の助けで列車と補給物資の破壊に成功する。北軍の大砲はDevil's Mountainの山頂には届かず、James Craigの一隊は安全だった。

急を聞き、北軍は大佐Guy Madisonが率いる一隊を派遣する。彼は山頂にいるのが旧友だとは知らない。かくして、南北両軍に分れた友人同士の攻防が始まる…。

監督William Cameron Menzies（ウィリアム・キャメロン・メンジース）は「プロダクション・デザイナー」として有名で、'Gone With the Wind'『風と共に去りぬ』(1939)ではアカデミー賞を受賞しています。ここでも洞窟のセットなどはよく出来ていると云えましょう。

この映画のDVDのカヴァーはGuy Madisonになっていますが、彼が活躍するのは後半だけです。その前に出ていたヴィデオの外箱では、夫を演ずるCraig StevensとBarbara Paytonが並んでいます。しかし、物語にはその夫は全く関係しません。本当の主演はJames Craigなのに、こうまで無視されるとは哀れなスターです。記録では85本もの映画に登場していますが、多分どれもB級なのでしょう。

Devil's Mountainは、'Close Encounters of the Third Kind'『未知との遭遇』(1977)に出て来るDevil's Tower（デヴィルズ・タワー）にそっくりです。しかし、Devil's Towerはワイオミング州にある山で、アトランタ近郊ではありません。

(April 26, 2003)

Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
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