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The Lords of Discipline

『影の私刑(リンチ)』

[Poster]


・原題をクリックするとamazon.comのInternet Movie Databaseの詳細データが見られます。邦題をクリックすると「allcinema」のデータが見られます。

・Part 2は普段は隠れていて、クリックするとJavaScriptによるウィンドウにて表示されます。取り扱いには十分お気をつけ下さい。

公開:1983
監督:Franc Roddam
地域:サウス・キャロライナ州
出演:David Keith、Robert Prosky、G.D. Spradlin、Rick Rossovich、Mitchell Lichtensteinほか
範疇:原作もの/スリラー/陸軍士官学校/人種差別

私の評価 :☆

【Part 1】

この頃はこういう士官学校ものが流行っていたのでしょうか?'Taps'『タップス』(1981)に続く士官学校ものです。

[the South]

1950年代、サウス・キャロライナ州。David Keith(デヴィッド・キース)は父の遺言で陸軍士官学校に入り、もう卒業間近の時期だった。

初めて黒人の生徒が入って来る。David Keithを気に入っているRobert Prosky(ロバート・プロスキィ)演ずる大佐が黒人青年を心配して、David Keithに「面倒を見ろ」と命ずる。

デブで臆病なMalcolm Danare(マルコム・ダネール)が覆面の数人組にいびられ、屋上の縁に置き去りにされる。一旦はDavid Keithが助けるが、覆面集団はMalcolm Danareへのいじめを止めず、遂に彼を屋上から転落死させる。

士官学校を統率する将軍が生徒全員に訓話を与える。「ここでは嘘をつくなかれ。盗むなかれ。騙すなかれ」 そして、Malcolm Danareの死を訓練中の名誉ある事故死と報告する。

覆面集団の次の餌食は黒人生徒だった。昼間も先輩たちから公然といじめられ、夜な夜な覆面集団から傷つけられる。

将軍は臆病者いじめに加わらないDavid Keithに警告する、「いじめは強い兵士を作る効果的システムだ。お前もやれ」と。

David Keithは"The Ten"と呼ばれる選抜されたチームが覆面集団であり、彼等の狙いは士官候補にふさわしからぬ生徒を、自発的に退校させることと知る。David Keithは同室の友人たちの手を借り、"The Ten"の正体を暴くことを決意する…。

南部を舞台にしたのはK.K.K.もどきの、いわれ無き黒人差別を出したかったからでしょう。

卒業生全員が正装でロウソクを手に舎監夫婦の家の前で"Dixie"を歌う場面は情緒豊かで素晴らしい。"Dixie"は南軍の行進歌なので、これも南部特有のものです。

大佐のRobert ProskyはDavid Keithを"bubba"(ババ)と呼びますが、これも南部方言の“兄弟”転じて“あんちゃん”という感じの言葉です。'Forrest Gump'『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994) で、主人公にエビ事業のアイデアを植えつけた黒人が、やはり"Bubba"でした。それを頂いたのが"Bubba Gump Shrimp Co. Restaurant"という、アメリカの全国チェーンのレストランです。私がこちらで出会った男の一人も「おれを"Bubba"と呼んでくれ」と云っていましたし、自分を"Bubba"と呼んでタイトルにしているウェブサイトも数え切れません。

これだけ南部に特有なものを描いているのに、この映画はイギリスで撮影されたというのですから驚きです。サウス・キャロライナで撮影されたのは、冒頭のDavid Keithのドライヴのシーンだけのようです。背景にいかにも南部の黒人教会らしい建物と黒人男女が出て来ますが、これをイギリスで撮るとお金が大変だったからでしょう:-)。

(March 03, 2002)




Poster shown above is a courtesy of Nostalgia Factory.
なおIMDbはamazon.com、「allcinema」は株式会社スティングレイの登録商標です。




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